JR京都線

225系L9

L9

1.概要

会社名 西日本旅客鉄道
路線名 東海道本線
愛称名 JR京都線
区間 京都~大阪
営業キロ 42.8km
駅数 16駅
平均駅間距離 2.86km
所要時分 28分
表定速度 91.8km/h
軌間 1067mm
電気方式 1500V直流
線路 複々線
保安方式 ATS-P、ATS-SW
最高速度 130km/h(外側線)
120km/h(内側線)
最大編成両数 14両

 JR京都線はJR東海道本線の京都~大阪間42.8kmに付けられた名称で、現在では東海道線よりもJR京都線という呼び方の方が定着している。但し後発のため阪急、近鉄の京都線と区別するためにも必ずJR京都線という風にJRを付けて呼ばれている。京都~大阪間の全線が複々線となっている。高槻、新大阪のみに停まる新快速、高槻までの各駅と茨木、新大阪に停まる快速、普通の3本立てを中心に、北陸、山陰、紀勢、関西空港方面への優等列車や貨物列車が数多く運転されている近畿圏一の大動脈である。

新快速は終日外側線を走る。快速は平日朝ラッシュ時を除いて内側線を走る。普通は終日内側線走行、特急列車と貨物列車は外側線走行となっている。内側電車線は基本的に快速と普通しか走らないが、回送列車の一部が内側線を走ることもあり、夜行列車や貨物列車で線路保守と時間帯がぶつかる時には内側線を走ることもある。

停車駅 特 急 新快速 快 速 普 通
京都
西大路    
桂川    
向日町    
長岡京    
山崎    
島本    
高槻
摂津富田      
茨木    
千里丘      
岸辺      
吹田      
東淀川      
新大阪
大阪
※1 特急サンダーバード1~7号、42~50号は高槻に停車
※2 関空特急はるか1~7号、38~56号は高槻に停車
※3 平日朝ラッシュ時上下の快速と土休日早朝上下の快速は島本、山崎、向日町、桂川、西大路を通過

2.歴史

L2

L2

3.路線ガイド

京都

京都

京都駅では、JR嵯峨野山陰線、JR奈良線、JR湖西線、東海道新幹線、近鉄京都線、地下鉄烏丸線と連絡している。JR京都線の電車は通常2番線、4番線、5番線に発着しており、2番線、5番線はJR琵琶湖線へ直通する新快速、快速(普通)が発着し、4番線からは京都始発の普通電車が発着している。朝ラッシュ時の新快速や京都止まりの普通電車は6番線に発着することもある。また、夕方の草津線直通の京都始発の普通電車は0番線から発車している。北陸方面の特急列車は下り北陸方面が0番線、上り大阪方面が6、7番線から発着している。関空特急はるかは専用ホームの30番線、紀勢線特急、スーパーはくとやその他優等列車は0番線、6、7番線から発着している。京都で折り返す紀勢線特急やスーパーはくとは米原方にある折り返し線や中線で折り返し作業や折り返し待ちを行っている。

西大路

西大路

京都を出ると近鉄京都線が左に急カーブして離れて行くのを見て、右手にしばらくJR嵯峨野線が並行して、それが右にカーブして離れて行くと右手に梅小路のヤードが広がる。ヤードの向こうには京都鉄道博物館がある。東海道新幹線が京都からずっと左手に並行するが、それと再接近して、下り外側線の直上に新幹線の線路が来るあたりに西大路がある。同駅は2面4線で朝ラッシュ時を除いて快速も停車するが、京都市内にも関わらず接続している路線はない。同駅付近で梅小路のヤードが途切れて上り線の隣を貨物線が並行する。この貨物線は梅小路貨物線と呼ばれ、関空特急はるかは京都駅30番線に発着するため同貨物線を経由している。また、臨時のJR嵯峨野線への直通列車は同貨物線を経由して梅小路のヤードを抜けて短絡線を介してJR嵯峨野線に乗り入れていた。短絡線は廃止され、JR京都線から嵯峨野線への直通は京都駅経由でのみできる。

西大路を出ると桂川を渡って、京都総合運転所への線路がオーバークロスする。内側線はこのガードをくぐったらすぐに1面2線の桂川駅がある。2008年10月に開業した新しい駅で、久世の副名称も付けられている。阪急の桂や洛西口と競合している。朝ラッシュ時を除いて快速が停車するが、2010年3月の改正でデータイムの普通が減便されたため、15分電車が来ない時間帯ができている。駅西側は再開発され、イオンモールなどができて新しい街並みができている。

桂川を出て左手にヤードが広がると向日町に着く。ホーム2面4線に加えて、上り線側には外側線に待避線が設置されている。下り線側には京都総合車両所に繋がる側線がある。向日町は国鉄時代から有名な向日町運転所がある駅で、現在は京都総合運転所と名前が変わった。以前は北陸や九州へ向かう特急や寝台特急の拠点だったが、現在は北陸や南紀、山陰方面へ向かう特急列車以外は221系や223系など近郊型電車の方が多くみられる。駅から西へ約500mほどのところに阪急東向日駅があり競合している。

桂川

桂川

向日町を出ると左手に京都総合運転所が広がり、多種多様な車両が止まっていてファンの目を楽しませてくれる。とは言え昔は各地から来た見知らぬ車両が並ぶ光景が見られてそれこそ目を皿のようにして運転所内を見たものだが、今は定型の車両が置かれているだけで、昔ほどの華やかさはない。同運転所が途切れて、運転所からの線路を跨いでそれと合流して長岡京に着く。長岡京は終日快速停車駅で、阪急の長岡天神と競合している。長岡天神とは約1km離れており、どちらかといえば長岡天神の方が活気があった。もっとも近年は長岡京周辺も、駅周辺にマンションやショッピングセンターができて阪急長岡天神と遜色ない駅になってきている。ここから大阪へは特定運賃の適用がなされていないので阪急の方がかなり安くなっている。

長岡京を出ると京都縦貫道と交差する。阪急京都本線には西山天王山駅ができたが、JR京都線には駅はない。左手から名神高速が姿を現し、それがオーバークロスして、右手から阪急京都本線が近づいてきて少しの間並行して走る。このあたりはかつて新京阪P-6とつばめのマッチレースが展開された決戦の場で今も新快速と阪急特急が凌ぎを削っている。天王山をバックにした戦いは今も熱いが、実際には新快速の攻勢に勝負あったという感がある。もっとも山崎付近では新快速が大カーブの区間で減速しているので、115km/hでかっ飛ばす阪急特急も負けていない。阪急京都本線をアンダーパスして右にカーブして山崎に着く。ホーム2面4線に加えて下り外側線に待避線が設置されている。山崎は撮影のメッカで、駅から10分程度のところに有名な撮影地がある。ここも阪急大山崎に近く競合している。京都競馬開催時などにはここから京都競馬場までの臨時バスが発着している。

瑞風

瑞風

山崎を出ると有名な山崎の大カーブを通過する。休日やイベント列車が走る時には数多くのファンの姿が見られる。もっともサントリーカーブと称される好撮影地は近年防護柵が立ち並びかつてほどの賑わいはない。サントリーカーブ以外にも周辺各所に撮影できるポイントがあり、三脚が鈴なりに並ぶ光景もあり、まだまだ撮影のメッカのイメージは残っている。山側に名神高速、東側には阪急京都本線と東海道新幹線が並行し、国道171号線の向こうには淀川が流れ、その対岸には京阪本線と国道1号線が走っている。京阪間の主要交通機関が狭い所に集まるこの付近はまさに交通の要衝と言うのに相応しい場所と言える。山崎~高槻間は駅間距離が7.5kmもあり、この間に島本駅が2008年3月15日のダイヤ改正で新設された。甲南山手、さくら夙川などと同様に内側線にのみホームが設けられ、1面2線の橋上駅舎になっている。朝ラッシュ時を除いて高槻以東各駅に停まる快速も停車するため、ホーム有効長は12両編成に対応している。隣の山崎にサントリーウィスキーの工場があるので、着メロにはサントリーオールドのCMソングが流される。南東側500m程には阪急京都本線水瀬駅があり、南へ1kmほど離れた所には阪急京都本線上牧があり、この両駅と競合関係にあると言える。

EF66-36

EF66-36

島本を出ると上牧付近の大築堤を走る。ここも古くからの撮影のメッカになっているが、近年新名神高速道路建設や周辺の道路や宅地開発により状況は変わりつつある。このあたりで、東海道新幹線と淀川が離れていき、阪急京都本線との間に住宅が建てこみ、同線が見えなくなり、右手に高槻電車区の留置線(元吹田工場高槻派出所、国鉄時代の高槻電車区)が広がり、そこからの連絡線が上り本線をオーバークロスして中央に折り返し線が広がると高槻に着く。

高槻は4面6線の配線で、内側線の2面4線に加えて、外側線の通過線があったが、2016年3月26日ダイヤ改正から外側線にもホームが設けられた。各ホームにはホームドアが設置されている。同駅は1日の乗降客が10万人を越えるJR京都線の中心駅で、1997年から新快速が終日停車するようになった。また、2016年3月26日ダイヤ改正からは朝夜の時間帯に関空特急はるかが停車するようになった。さらに2017年3月4日ダイヤ改正からは朝夜の特急サンダーバードも停車するようになり、特急列車の停車が増えてきている。大阪方面からの普通電車はここで半数が折り返しており、データイムの快速はここから京都まで各駅に停まっている。阪急高槻市とは約500mの至近距離にあり、激しい競合を繰り広げているが、JRは運賃が大阪まで260円、所要時分は大阪まで新快速で15分、快速で17分となっており、阪急の同280円、同特急で21分を上回っており、ここでは阪急を大きくリードしている感がある。駅周辺もJR高槻周辺はデパートが建ち並び、北側では大規模な再開発でショッピングセンターや高層住宅ができて、阪急高槻市駅よりも活気がある。

高槻

高槻

摂津富田

摂津富田

高槻を出ると芥川を渡ったあたりで阪急京都本線が近づいてきて、明治製菓の工場の大きなチョコレートが見えて来ると摂津富田に着く。摂津富田はJR京都線の中では一番阪急京都本線と接近している駅で、阪急富田とは商店街を隔てておよそ200mほどの距離にある。ここもJR摂津富田の方が活気がある。駅の北側にはバスターミナルもあり、乗降客は阪急より多い。

摂津富田を出ると茨木市に入り、阪急京都本線とは少し離れて並行する。2018年3月17日ダイヤ改正にJR総持寺駅が開業した。安威川を渡る手前に駅が設置され、阪急京都線の総持寺駅と競合関係にある。島本や桂川と同様に内側線のみに1面2線のホームが設けられている。JR総持寺には普通のみが停車する。

JR総持寺を出ると安威川を渡って大きく左にカーブしていき茨木に着く。ホーム2面4線に加えて上下外側線に待避線がある。特急列車の回送や臨時列車の回送などが特急や新快速を待避する光景が見られる。茨木は快速停車駅で、駅西口のバスターミナルからは万博方面へのバスが発着している。阪急茨木市とはおよそ1km離れており、ここの場合はどちらもそこそこ活気があるといえる。それでも大阪まではJRが220円で快速で最速12分となっており、普通も全て大阪まで先着する。阪急は運賃が270円、特急で大阪梅田まで16分となっている。準急も大阪梅田まで先着するが、所要時間は20分ほどかかる。京都方面へは阪急が運賃も安く、特急が10分毎にあるので便利である。JRは高槻で新快速と乗り換えとなり、15分毎の運転で、運賃も高くなるため、京都方面へは不利な状況にある。

茨木を出ると巨大なイオンのショッピングセンターを右手に見て、左手には立命館大学の茨木キャンパスを見ながら走る。大阪モノレールと近畿自動車道、中央環状と交差し、その向こうで貨物線を分岐する。北方貨物線、梅田貨物ターミナルへ入る線路を分岐し、それと大阪貨物ターミナルからの線路が合流する貨物線の一大ジャンクションとなっている。下りのはるかやくろしおはここから貨物線に入る。貨物線は本線を乗り越えて、上り線側に出て、大阪貨物ターミナルからの線路と並行して走る。千里丘は2面4線の橋上駅舎で、普通しか停まらないが、利用者は多い。阪急との競合駅はなかったが、2010年3月14日に阪急京都本線摂津市駅が開業し、競合駅となった。

千里丘付近から旧吹田操車場の跡地を再開発した貨物ターミナルが右手に広がる。広大な貨物留置線を右手に見ながら走り、右にカーブして左手に阪急の正雀工場を見て岸辺に着く。阪急の正雀車庫や正雀工場は阪急に乗るよりもJRに乗った方がよく見える。岸辺は阪急正雀と競合しており、約800m離れている。岸辺は2面4線の橋上駅で、大阪方面行きホームの京都方は有名な撮影地になっており、関西のファンには有名なところである。また、近年貨物列車の撮影者も増えているが、上りホームから貨物線を走る列車も撮影することができる。駅東側が先に再開発されてロータリが設置されたが、駅西側も国立循環器病研究センターなどが誘致されて、再開発により一変している。以前は貨物ヤードしかない駅だったが、現在は健都と呼ばれている。

V58

V58

岸辺を出ると左手に吹田機関区と吹田工場、右手に吹田貨物ターミナルを見ながら走り、2面4線の吹田に着く。内側線は京都方に折り返し線があり、国鉄時代は緩行電車はここで折り返していた。JR発足後も午前中に特急タンゴエクスプローラが折り返しに使用していたが、同列車がなくなり、現在は早朝に吹田発着の普通が折り返すのみとなっている。阪急千里線にも吹田という駅はあるが、JR吹田とはかなり離れており、連絡駅とは言い難い。吹田市役所へは阪急吹田の方が近いが、利便性で勝るJRの方が利用者は多い。

吹田を出るその阪急千里線をアンダーパスして、城東貨物線を分岐し、上下線をオーバークロスしていく。この辺りから貨物線は複々線になり、はるかやくろしおが走る安治川口方面へ向かう通称梅田貨物線と宮原方面へ向かう北方貨物線に分かれる。左手からおおさか東線が合流し、それが梅田貨物線と合流して、神崎川を渡って大阪市に入り東淀川に着く。東淀川と新大阪の間はわずかで、これぞ目と鼻の先と言う表現が似合うところだ。東淀川駅はホーム2面4線で、以前は地上駅だったが、おおさか東線建設に伴い付近の踏切が廃止されたことに伴い、橋上駅舎化されて、自転車も通行できる自由通路が設置された。なお、ホームはJR京都線のみにあり、おおさか東線にはない。東淀川を出るとすぐに新大阪に着く。

EF65-2127

EF65-2127

新大阪は新幹線との連絡駅で、在来線コンコースはJR西日本の管轄、新幹線コンコースはJR東海の管轄となっている。その他梅田貨物線経由で関西空港や紀勢線方面への特急と連絡している。また、地下鉄御堂筋線とも連絡している。新大阪駅では改良工事前は11番線から18番線までのホーム4面8線だったが、改良工事後はホーム5面10線に拡張され、のりばも1~10番のりばになった。新快速、快速が通常5、8番のりばから発着し、ラッシュ時などには4番、9番のりばから発着している。普通は6、7番のりばから発着し、ラッシュ時には5、8番のりばにも発着する。1、3番のりばは関空特急はるかや紀勢線特急がが発着している。北陸方面の特急は4番、9番、10番のりばから発着している。9、10番のりばは下りの優等列車が主として発着している。3番のりばはおおさか東線電車が発着している。

サンライズ出雲91号

サンライズ出雲91号

新大阪を出ると大阪方面から宮原運転所への線路が本線を跨いでいるのが見える。それが右手に分かれて行き、北方貨物線はそれと合流する。新大阪からは複々線に加えて、複線の梅田貨物線が並走する形になる。阪急京都本線をアンダーパスして新淀川を渡る。右手に新御堂と地下鉄御堂筋線の新淀川大橋、左手に長柄橋とその向こうに阪急千里線を見ながら渡る。新淀川を渡り終えると梅田貨物線が右にカーブして離れて行く。国道423号線新御堂がオーバークロスして、ナビオ阪急の観覧車が見えてきたところで右にカーブする。右手に阪急梅田駅ビルを見て、左手から大阪環状線が近づいてきて、構内の線路が広がっていき大阪となる。

大阪は5、6、7、8番のりばがJR京都線電車の発着番線で、ラッシュ時時間帯の新快速や快速は3、4、9、10番のりばから発着する。3、4、9、10、11番のりばは、長距離列車やJR宝塚線の電車が発着している。2004年から1、2番線の改修作業が行われ、それが完成した2005年3月より発着番線の変更が行われ、大阪環状線の環状内回り、環状外回りホームがそれぞれ新1、2番線となった。旧1、2番線は3、4番線として生まれ変わっている。引き続き旧3、4番線の改修作業が行われ、新5、6番線として生まれ変わった。このように順次ホームの改造作業が行われ、2009年12月20日新11番線の使用が開始され、大規模なホーム改良工事はこれで完了した。その後、駅舎の工事が行われ、ホーム全体を大屋根で覆い、ホームの屋根の一部が撤去された。橋上駅舎も設けられ、2011年4月から供用を開始した。2011年5月4日には駅全体の工事が完了し、大阪ステーションシティがグランドオープンした。

  

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