近鉄奈良線

9724F

9724F

1.概要

近鉄奈良線は布施~奈良間26.7kmが正式な線路戸籍で、大阪難波~大阪上本町間は難波線、大阪上本町~布施間は大阪線に乗り入れていることになっている。しかし、運転上は大阪難波~奈良間が奈良線として運行されており、線路も大阪難波~奈良間が1本で繋がっている。大阪難波では阪神なんば線と線路が繋がっており、直通運転を行っている。近鉄奈良~三宮間の快速急行を中心に、近鉄奈良線の準急、区間準急、普通が尼崎まで乗り入れている。大阪難波ではその他、地下鉄御堂筋線、四つ橋線、千日前線、南海本線、南海高野線、JR大和路線とそれぞれ連絡している。南海難波、JR難波とは少し離れているが、地下鉄各線との乗り換えは大阪難波駅は便利な位置にある。近鉄奈良線は快速急行、急行、準急、区間準急、普通を中心に、朝夕を中心に有料の特急列車が大阪難波~近鉄奈良間に運転されている。また、大阪難波~鶴橋間では名阪特急や阪伊特急も乗り入れてきており、回送列車も多く、列車密度は非常に高い。

会社名 近畿日本鉄道
路線名 奈良線
区間 布施~近鉄奈良
営業キロ 26.7km
駅数 19駅
平均駅間距離 1.49km
所要時分 29分
表定速度 55.3km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 105km/h
最大編成両数 10両
※1上本町~布施間は近鉄大阪線の線増となる
会社名 近畿日本鉄道
路線名 難波線
区間 大阪難波~大阪上本町
営業キロ 2km
駅数 3駅
平均駅間距離 1km
所要時分 3分
表定速度 40km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 80km/h
最大編成両数 10両

2.路線データ

 

駅№ 駅名 よみがな 駅間距離 営業距離 所在地 開業年月日
A1 大阪難波 おおさかなんば 6.1km 大阪市中央区 1970年3月15日
A2 近鉄日本橋 きんてつにっぽんばし 0.8km 5.3km 大阪市中央区 1970年3月15日
A3 大阪上本町 おおさかうえほんまち 1.2km 4.1km 大阪市天王寺区 1914年4月30日
A4 鶴橋 つるはし 1.1km 3km 大阪市生野区 1914年4月30日
A5 今里 いまざと 1.7km 1.3km 大阪市城東区
A6 布施 ふせ 1.3km 0km 東大阪市 1914年4月30日
A7 河内永和 かわちえいわ 0.8km 0.8km 東大阪市 1938年2月1日
A8 河内小阪 かわちこさか 0.8km 1.6km 東大阪市 1914年4月30日
A9 八戸ノ里 やえのさと 0.8km 2.4km 東大阪市 1936年11月19日
A10 若江岩田 わかえいわた 1.7km 4.1km 東大阪市 1914年4月30日
A11 河内花園 かわちはなぞの 0.9km 5km 東大阪市 1915年6月15日
A12 東花園 ひがしはなぞの 0.8km 5.8km 東大阪市 1929年11月22日
A13 瓢箪山 ひょうたんやま 1.4km 7km 東大阪市 1914年4月30日
A14 枚岡 ひらおか 1.3km 8.3km 東大阪市 1914年4月30日
A15 額田 ぬかた 0.7km 9km 東大阪市 1920年7月13日
A16 石切 いしきり 1.1km 10.1km 東大阪市 1914年4月30日
A17 生駒 いこま 4.1km 14.2km 生駒市 1914年4月30日
A18 東生駒 ひがしいこま 1.2km 15.4km 生駒市 1968年3月20日
A19 富雄 とみお 2.3km 17.7km 生駒市 1914年4月30日
A20 学園前 がくえんまえ 1.4km 19.1km 生駒市 1942年3月6日
A21 菖蒲池 あやめいけ 1km 20.1km 奈良市 1923年9月9日
A26 大和西大寺 やまとさいだいじ 2.2km 22.3km 奈良市 1914年4月30日
A27 新大宮 しんおおみや 2.7km 25km 奈良市 1969年12月9日
A28 近鉄奈良 きんてつなら 1.7km 26.7km 奈良市 1914年4月30日
快速急行神戸三宮行きと区間準急奈良行き

快速急行神戸三宮行きと区間準急奈良行き

3.列車種別

 

駅名 特 急 快速急行 急 行 準 急 区間準急 普 通
大阪難波
日本橋  
大阪上本町
鶴橋
今里          
布施    
河内永和          
河内小阪      
八戸ノ里          
若江岩田          
河内花園          
東花園      
瓢箪山        
枚岡        
額田        
石切    
生駒
東生駒      
富雄      
学園前
菖蒲池      
大和西大寺
新大宮  
近鉄奈良
近鉄902F復刻色

近鉄902F復刻色

4.歴史

1914年(大正3年)4月30日に大阪電気軌道上本町~奈良(高天町の仮駅)間が開業。途中に鶴橋・片江・深江・小阪・若江・瓢簞山・枚岡・石切・生駒・富雄・西大寺が開業した。同年7月8日に終点を高天町から東向中町の奈良まで延伸された。奈良駅前駅が開業した。同年7月17日に日下駅が開業した。

1915年(大正4年)6月15日に花園駅が開業した。

1920年(大正9年)7月13日に額田駅が開業した。

1921年(大正10年)10月 – 1922年3月ごろ:日下駅を鷲尾駅に改称した。

1922年(大正11年)片江駅を今里片江駅に、奈良駅前駅を油阪駅に改称した。同年3月に深江駅を足代駅に改称した。

1923年(大正12年)9月9日に菖蒲池駅が開業した。

1925年(大正14年)に若江駅を若江岩田駅に改称した。同年9月に足代駅を布施駅に改称した。

1928年(昭和3年)8月に小阪駅を大軌小阪駅、生駒駅を大軌生駒駅、奈良駅を大軌奈良駅に改称した。

1929年(昭和4年)に今里片江駅を今里駅に改称した。同年11月22日に(臨)ラグビー運動場前駅が開業した。

1932年(昭和7年)12月に花園駅を大軌花園駅に、西大寺駅を大軌西大寺駅に改称した。

1936年(昭和11年)8月1日に(臨)人ノ道駅が開業した。同年11月19日に八戸ノ里駅が開業した。

1937年(昭和12年)4月22日に(臨)人ノ道駅が休止した。

1938年(昭和13年)2月1日に人ノ道駅を大軌永和駅として営業を再開した。通年営業化。

1940年(昭和15年)6月1日に鷲尾駅を孔舎衛坂駅に改称した。

1941年(昭和16年)3月15日に大軌永和駅を河内永和駅に、大軌小阪駅を河内小阪駅に、大軌花園駅を河内花園駅に、大軌生駒駅を関急生駒駅に、大軌西大寺駅を大和西大寺駅に、大軌奈良駅を関急奈良駅に改称した。同年9月に富雄駅を鵄邑駅に改称した。

1942年(昭和17年)3月6日に学園前駅が開業した。同年10月1日に全線を軌道法に基づく軌道から地方鉄道法に基づく鉄道に変更した。

1944年(昭和19年)に(臨)ラグビー運動場前駅が休止した。同年6月1日に関急生駒駅を近畿日本生駒駅に、関急奈良駅を近畿日本奈良駅に改称した。

1947年(昭和22年)3月27日に大和西大寺~油阪間に(臨)キャンプ・カー駅が開業した。

1948年(昭和23年)3月31日に生駒トンネル内下り坂でブレーキ故障のため列車が暴走。河内花園駅で先行列車に追突。死者49人の大惨事となった。

1950年(昭和25年)12月10日に(臨)ラグビー運動場前駅をラグビー場前駅として営業を再開した。

1951年(昭和26年)7月1日に(臨)キャンプ・カー駅を廃止した。

1953年(昭和28年)4月1日に鵄邑駅を富雄駅に改称した。

1956年(昭和31年)12月8日に上本町~布施間が複々線化され、大阪線と分離された。同年12月21日に特急(料金無料)運転開始、所要時間30分。停車駅:上本町・鶴橋・大和西大寺・近畿日本奈良。

1961年(昭和36年)9月21日に上本町~瓢箪山間で大型車両の運転を開始した。

1964年(昭和39年)7月23日に生駒トンネルが新トンネルに切り替えられ、上本町~近畿日本生駒間で大型車両の運転を開始した。石切~近畿日本生駒間の孔舎衛坂駅は廃止された。同年10月1日に新向谷トンネル完成により全線で大型車両運転開始。信貴生駒電鉄が近畿日本鉄道に合併され、近畿日本生駒を生駒に改称した。

1967年(昭和42年)7月10日にラグビー場前駅東方~瓢箪山西方間が高架化された。同年9月1日にラグビー場前駅を東花園駅に改称した。同年9月29日に八戸ノ里車庫が東花園車庫へ移転した。同年12月4日に自動列車停止装置ATSの使用を開始した。同年12月20日に東花園駅が常設駅となった。

1968年(昭和43年)3月20日に生駒~富雄間に東生駒駅が開業した。

1969年(昭和44年)9月21日に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧した。同年9月26日に八戸ノ里東方~若江岩田西方間の高架化完成。同年12月9日に併用軌道だった油阪~近畿日本奈良間が地下化され、新大宮駅が開業し、油阪駅は廃止された。

1970年(昭和45年)3月1日に近畿日本奈良駅を近鉄奈良駅に改称した。同年3月15日に難波線開通により近鉄難波乗り入れ開始。

1972年(昭和47年)8月2日に菖蒲池駅付近で難波行き普通電車の車内に置かれた時限式の爆破装置が爆発し、21人が重軽傷を負う事件が発生した。11月7日に料金無料の特急を廃止し快速急行が運転を開始した。

1973年(昭和48年)9月21日に近鉄難波~近鉄奈良間に有料特急を新設した。

1977年(昭和52年)6月26日に布施西方~八戸ノ里東方間の高架化完成。これにより、近鉄難波から八戸ノ里東方(大阪中央環状線)まで完全立体交差となった。

1980年(昭和55年)3月17日に大和西大寺~近鉄難波間で快速急行の一部と特急1本で関西私鉄初の10両編成運転を開始した。

1982年(昭和57年)3月18日に近鉄奈良駅発の快速急行で10両運転を開始。ただし同駅ではホーム延長未実施のため、2両分ドアカットしていた。

1986年(昭和61年)3月18日に急行の停車駅に石切駅を追加した。

1988年(昭和63年)3月18日に近鉄奈良駅のホーム延長工事完成により、10両編成運転を本格実施。

1992年(平成4年)12月20日に列車運行管理システム (KOSMOS) 稼動開始。

1997年(平成9年)3月18日ダイヤ変更で、平日深夜に近鉄難波発近鉄奈良行き特急2本(近鉄難波発22:20・23:20)を増発。その増発列車には阪奈特急としては初めて21000系(アーバンライナー)が充当された。阪奈特急に限りデラックスシートは特別料金不要となった。同年8月1日にL/Cカー5800系の営業運転を開始した。

1998年(平成10年)4月1日に乗降確認システムフェアシステムKの稼働を開始した。

1999年(平成11年)3月16日ダイヤ変更で、平日日中の阪奈特急(上下12本)を廃止した。

2000年(平成12年)3月15日にシリーズ21(3220系)営業運転を開始した。新大宮駅のホーム延伸工事(8両分→10両分)が完成し快速急行の停車駅になった。同時に準急の大半を大和西大寺発着に変更した。

2001年(平成13年)2月1日に各駅でスルッとKANSAI対応カードの取り扱いを開始した。これに伴い、上本町・布施・生駒・大和西大寺における途中下車指定駅の制度が廃止された。同年10月14日に各駅でJスルーカードの取り扱いを開始した。

2002年(平成14年)3月20日ダイヤ変更で、平日夕方に近鉄難波発近鉄奈良行き特急2本(近鉄難波発17:35・18:35)を増発。

2003年(平成15年)3月6日ダイヤ変更で、23000系(伊勢志摩ライナー)が阪奈特急での運用を開始した。同年3月19日に平日朝ラッシュ時の近鉄難波行き快速急行に女性専用車を設定した。

2004年(平成16年)3月18日に夕方以降の運行体系の見直しを行い、快速急行の一部を急行に格下げした。準急の削減を行い、東生駒行き普通の一部を大和西大寺、近鉄奈良行きに変更した。同年6月6日にあやめ池遊園地が同日限りで営業終了。これに伴って土曜・休日ダイヤ施行日の日中に行われていた快速急行・急行の菖蒲池駅臨時停車も同日限りで終了した。

2006年(平成18年)3月21日ダイヤ変更で、準急の停車駅に東花園駅を追加。データイムの準急を東花園以遠各駅に停車する区間準急に置き換えた。

2007年(平成19年)4月1日に各駅でPiTaPa・ICOCAの取り扱いを開始した。

2008年(平成20年)3月17日ダイヤ変更で、阪奈特急を夜間に増発(平日:下り1本・上り3本、土休日:上り2本)。同年5月20日に阪神なんば線開業を前に阪神1000系が東花園~大和西大寺間を試験走行した。同年6月14日に近鉄難波~布施間で車上速度パターン照査式ATS(ATS-SP)の運用を開始した。

2009年(平成21年)3月1日にJスルーカードの自動改札機・のりこし精算機での取り扱いを終了した。同年3月20日に阪神なんば線が開業し直通運転を開始した。近鉄難波駅を大阪難波駅、上本町駅を大阪上本町駅に改称した。ダイヤ変更を実施し、平日夜間に近鉄奈良発大阪難波行特急1本を増発。23000系(伊勢志摩ライナー)の阪奈特急運用を取りやめ一般特急車両に変更した。

2010年(平成22年)4月6日にあやめ池遊園地跡地に移設した近畿大学の付属幼稚園・小学校への通園・通学を目的として、平日朝時間帯の下り快速急行1本が菖蒲池駅への臨時停車を開始した。ただし休校日は通過となる処置が取られた。同年5月30日に八戸ノ里~瓢箪山間下り線の高架化が完成した。

2011年(平成23年)3月16日ダイヤ変更で、平日夜間に大阪難波発近鉄奈良行特急1本を増発。その増発列車には阪奈特急としては初めて21020系(アーバンライナーnext)を充当した。また、阪奈特急で料金未徴収だったデラックスシート料金の徴収が開始された。

2012年(平成24年)3月21日ダイヤ変更で、平日朝に大和西大寺発大阪難波行特急1本を増発した。

2013年(平成25年)3月17日ダイヤ変更で、23000系(伊勢志摩ライナー)の阪奈特急運用を再開した。

2014年(平成26年)4月30日に前身の大阪電気軌道の上本町~奈良間から開業100周年を迎えた。これを記念して前日4月29日から5800系によるデボ1型復刻電車の運行など各種記念行事を実施した。同年9月21日に八戸ノ里~瓢箪山間上り線の高架化が完成した。これに伴い東花園駅の営業キロが瓢箪山方に0.2km移動した。

2016年(平成28年)3月19日ダイヤ変更で、平日夜間帯に上り快速急行を1本増発。下り最終区間準急列車を大阪難波23:55発に繰り下げて行き先を近鉄奈良行きに変更し、大阪難波~鶴橋間から枚岡以東の終電を6分延長した。

2020年(令和2年)3月14日ダイヤ変更で、阪奈特急で80000系(ひのとり)が営業運転を開始した。

5.路線ガイド

近鉄奈良線ガイド【生駒山を越えて阪奈間を結ぶ近鉄の基幹路線】
3.近鉄奈良線路線ガイド 大阪難波は千日前通の下にあり、千日前線の難波と並行してある。御堂筋線なんばとも連絡は悪くないが、南海難波とはかなり離れている。大阪難波は道頓堀にも近く、大阪ミナミの拠点駅は南海難波よりも大阪難波や地下鉄御堂筋線、千...

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