阪急神戸本線

8000F

8000F

1.概要

阪急神戸本線は大阪梅田~神戸三宮間を結ぶ32.3kmの路線で、全線複線の軌間1435㎜、1500V直流の電化鉄道である。また、第2種鉄道事業として神戸三宮~西代間も神戸線の一部といえる。ただし、阪急が神戸高速に乗り入れるのは、1998年2月のダイヤ改正より神戸三宮~新開地間に限られている。同改正では山陽電車の乗り入れも朝夕のラッシュ時と夜間に限定されるようになった。しかし、2006年10月28日のダイヤ改正で山陽普通車のデータイムの阪急三宮乗り入れが復活している。

阪急神戸本線は、阪神間の輸送を担う特急と普通を中心とした運転で、ラッシュ時にはそれらを補完するために通勤特急、通勤急行が運転され、朝ラッシュ時には今津線からの直通準急も運転されている。特急はかつては山陽本線の須磨浦公園まで直通していたが、現在は神戸高速の新開地までの運転となっている。山陽乗り入れが中止となったことと今津線への乗り入れが朝ラッシュ時のみに限られたため、神戸線の全ての電車が8両以上で運転されるようになっている。この他、夜間には快速急行や急行も運転されており、列車種別は案外複雑になっている。

2.路線データ

会社名 阪急電鉄
路線名 神戸本線
区間 大阪梅田~神戸三宮
営業キロ 32.3km
駅数 16駅
平均駅間距離 2.16km
所要時分 27分
表定速度 71.8km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 115km/h

 

駅番号 駅名 駅間営業距離 累計営業距離 所在地
HK-01 大阪梅田 0km 大阪市北区
HK-02 中津 0.9km 0.9km 大阪市北区
HK-03 十三 1.5km 2.4km 大阪市淀川区
HK-04 神崎川 1.7km 4.1km 大阪市淀川区
HK-05 園田 3.1km 7.2km 尼崎市
HK-06 塚口 3km 10.2km 尼崎市
HK-07 武庫之荘 2.1km 12.3km 尼崎市
HK-08 西宮北口 3.3km 15.6km 西宮市
HK-09 夙川 2.7km 18.3km 西宮市
HK-10 芦屋川 2.7km 21km 芦屋市
HK-11 岡本 2.4km 23.4km 神戸市東灘区
HK-12 御影 2.2km 25.6km 神戸市東灘区
HK-13 六甲 1.8km 27.4km 神戸市灘区
HK-14 王子公園 1.8km 29.2km 神戸市灘区
HK-15 春日野道 1.5km 30.7km 神戸市中央区
HK-16 神戸三宮 1.6km 32.3km 神戸市中央区
HK-17 花隈 1.3km 33.6km 神戸市中央区
HS35 高速神戸 0.9km 34.5km 神戸市中央区
HS36 新開地 0.6km 35.1km 神戸市兵庫区

3.列車種別

阪急神戸線では特急、通勤特急、快速急行、急行、通勤急行、準急、普通の7種別が運転されている。特急と普通は終日運転され、通勤特急は平日朝ラッシュ時のみ運転。快速急行は早朝、深夜時間帯での運転。急行は早朝、深夜での運転。通勤急行は平日朝夕ラッシュ時に運転。準急は平日朝ラッシュ時のみ運転となっている。

5006F臨時急行梅田

5006F臨時急行梅田

4.歴史

1920年(大正9年)7月16日に阪神急行電鉄が十三~神戸(後の上筒井)間が開業した。

1926年(大正15年)7月5日に梅田~十三間が高架化された。複線の別線を新設し宝塚本線と分離した。

1930年(昭和5年)4月1日に特急運転開始(全線所要時間30分、西宮北口駅のみ停車)。

1934年(昭和9年)7月1日に特急の所要時間を25分に短縮した。以後、阪神間25分は快速阪急の象徴となった。

1936年(昭和11年)4月1日に西灘(現在の王子公園)~神戸(現在の神戸三宮)間が開業した。西灘駅が開業。これまでの神戸駅を上筒井駅に改称した。西灘~上筒井間は上筒井線となった。特急は距離延伸にもかかわらず25分運転を維持した。同年9月12日に園田駅が開業した。

1937年(昭和12年)10月20日に武庫之荘駅が開業した。

1938年(昭和13年)7月3日~7月5日に阪神大水害により被災した。7月16日に仮復旧。8月1日にこの日の豪雨で再び不通となった。8月6日に不通区間を徒歩連絡とし運転を再開した。10月1日に複線で開通。その後、1942年3月まで本復旧工事が行われた。

1940年(昭和15年)5月20日に上筒井線が廃止された。

1945年(昭和20年)6月7日に第3回大阪大空襲により新淀川橋梁から十三駅付近で被災。夕方から神戸線のみ復旧。

1947年(昭和22年)4月1日に戦時中に運転休止されていた急行が復活。

1949年(昭和24年)4月1日に戦時中に運転休止されていた特急が復活(所要時間30分、昼間12分間隔、十三と西宮北口に停車)。12月1日に最高速度110km/h認可。12月3日に神戸~京阪神京都(現在の大宮)間直通の特急を運転開始。

1950年(昭和25年)に特急の所要時間を28分に短縮。

1951年(昭和26年)10月8日に神戸~京阪神京都間直通特急を廃止。

1953年(昭和28年)4月1日に平日昼間の運転間隔を12分から10分に短縮。特急・普通が昼間10分間隔で運転されるダイヤになった。

1957年(昭和32年)10月1日に平日朝の今津線直通準急が運転を開始した。

1967年(昭和42年)10月8日に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧した。

1968年(昭和43年)3月20日ダイヤ改正により、神戸高速鉄道方面への直通運転(神戸以西は回送扱い)を開始。同年4月7日に神戸高速鉄道・山陽電気鉄道と相互直通運転を開始。神戸駅を三宮駅と改称した。

1970年(昭和45年)12月14日ダイヤ改正により、平日朝夕、三宮駅での須磨浦公園発着の特急の増結・解放運用を開始。

1978年(昭和53年)3月10日に全線を軌道法に基づく軌道から地方鉄道法に基づく鉄道に変更した。

1979年(昭和54年)7月1日に園田駅付近高架化が完成した。

1984年(昭和59年)3月25日に西宮北口駅での今津線との平面交差が解消された。休日の須磨浦公園直通列車は全て普通になった。同年5月5日に六甲駅構内で山陽電気鉄道回送列車との衝突事故発生した。同年6月1日に西灘駅を王子公園駅と改称した。

1985年(昭和60年)10月19日ダイヤ改正で、平日朝の特急10両運転を開始した。

1987年(昭和62年)12月13日ダイヤ改正で、十三・塚口・西宮北口・夙川・六甲に停車する快速急行の運行を開始した。特急は阪神間26分から27分にスピードアップした。休日昼間も10分間隔運転になった。平日朝夕を除き、須磨浦公園直通列車は普通になった。

1993年(平成5年)7月18日ダイヤ改正により、梅田~三宮間の特急25分運転が復活した。土曜ダイヤを導入した。

1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災で全線が不通になった。同年1月18日に梅田~西宮北口間での運転を再開した。同年2月13日に御影~王子公園間が復旧し運転を再開した。同区間で折り返し運転を開始。同年3月13日に王子公園~三宮間が復旧し運転を再開した。御影~三宮間で折り返し運転を開始した。同年4月7日に夙川~岡本間が復旧。同区間で折り返し運転を開始。同年6月1日に岡本~御影間が復旧。神戸高速鉄道の三宮~花隈間復旧に伴い、夙川~神戸高速鉄道新開地間で普通列車の折り返し運転を開始した。同年6月12日に西宮北口~夙川間が復旧し、神戸本線全線での運転を再開。これに合わせてダイヤ改正を実施し、特急の停車駅に塚口を加えた通勤特急、急行の停車駅に武庫之荘を加えた通勤急行の運転を開始。特急が岡本に停車するようになり、岡本には全列車が停車するようになった。今津(北)線を経由する夕方の準急を運転開始。座席収納車、8200系の運転が開始された。同年8月13日に神戸高速鉄道東西線の新開地~高速長田間の復旧に伴い、山陽電気鉄道須磨浦公園までの乗り入れを再開した。須磨浦公園直通は平日・休日とも終日、特急が主体となった。

1998年(平成10年)2月15日ダイヤ改正で、山陽電気鉄道との相互直通運転を中止し、神戸高速鉄道新開地までの乗り入れへと変更された。

2001年(平成13年)3月10日ダイヤ改正で、今津(北)線を経由する夕方の準急を廃止した。全列車が8両編成化された。

2006年(平成18年)10月28日ダイヤ改正で、データイムに神崎川~西宮北口間で最高速度が115km/hに引き上げられた。特急・通勤特急が新たに夙川に停車するようになった。パターン速照のATSが導入され、特急、普通ともに所要時間が短縮され、特急は梅田~三宮間最速27分での運転となった。

2010年(平成22年)3月14日にこれまでの路線図における神戸線という表記を、神戸本線に統一した。

2011年(平成23年)7月25日から9月25日の間、東日本大震災の影響による電力不足への懸念から、データイムの普通の約4割を6両に減車し運行した。

2013年(平成25年)12月21日に三宮駅を神戸三宮駅に改称した。同時に全駅に駅ナンバリング導入した。

2016年(平成28年)3月19日ダイヤ改正で、10両編成の通勤急行が消滅し、全て8両編成での運転となった。10両編成の通勤特急に女性専用車両を設定した。通勤急行の運転区間が神戸三宮以西に拡大した。

2019年(令和元年)10月1日に梅田駅を大阪梅田駅に改称した。

5.路線ガイド

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