JR琵琶湖線

新快速

【JR琵琶湖線ガイド】

会社名 JR西日本
路線名 東海道本線
愛称名 JR琵琶湖線
区間 米原~京都
営業キロ 67.7km
駅数 20駅
平均駅間距離 3.57km
所要時分 50分
表定速度 81.3km/h
軌間 1067mm
電気方式 1500V直流
線路 複々線(草津~京都間)
複線(米原~草津間)
保安方式 ATS-P,ATS-SW
最高速度 130km/h

JR琵琶湖線は東海道本線米原~京都間の線路愛称となっている。最近は駅案内などではほとんど愛称名で呼ばれており、一般の利用者には東海道線よりも琵琶湖線や京都線の方が通りが良くなっている。JR琵琶湖線の路線愛称は米原までだが、実際の運転系統は北陸線長浜までがほぼ一体となっているので、ここでは長浜~京都間を一体の路線として取り上げることにする。
琵琶湖線の運転は、ほとんどの電車がJR京都線と直通しており、新快速とJR京都線高槻から快速となる普通の2本立てが基本になっている。新快速はJR京都線神戸線に直通し、姫路や網干、播州赤穂から運転されている。琵琶湖線内は長浜、米原、野洲への運転の他、山科から湖西線に入る近江今津・敦賀方面行き、米原から北陸本線に入り近江塩津、敦賀方面へ運転される系統がある。米原経由近江塩津・敦賀行きは米原で分割併合を行い、米原以北は4両編成で運転されている。新快速は琵琶湖線内でも最高130km/h運転を行う。
普通もJR京都線JR神戸線に乗り入れ、網干、加古川まで運転されている。この普通はJR京都線高槻以西明石まで快速運転を行っている。琵琶湖線内は朝夕を除いて野洲、米原までの運転となっている。朝夕ラッシュ時には長浜直通や安土発着、草津線直通の運転もあり、早朝深夜には長浜~京都間という系統もある。
この他では朝夕にJR京都線の普通(緩行)の一部が草津・野洲まで乗り入れてくる。昼行特急はワイドビューひだが1往復乗り入れてくる。2016年3月26日ダイヤ改正までは、大阪から長野まで直通するワイドビューしなのも乗り入れていたが、大阪~名古屋間が廃止され、JR東海へ直通する特急はワイドビューひだのみとなった。また、2003年6月の改正からは、朝夕に特急びわこエクスプレスの運転、関空特急はるかの米原乗り入れなども実施されている。

駅名 駅間

距離

営業

キロ

特急ひだ 特急びわこエクスプレス 関空特急はるか 新快速 普 通
JR-A31 京都 5.5km 67.7km
JR-A30 山科 4.5km 62.2km  
JR-A29 大津 1.7km 57.7km  
JR-A28 膳所 2.8km 56km        
JR-A27 石山 2.5km 53.2km  
JR-A26 瀬田 2.7km 50.7km        
JR-A25 南草津 2.5km 48km      
JR-A24 草津 2.3km 45.5km
JR-A23 栗東 2.1km 43.2km        
JR-A22 守山 3.1km 41.1km  
JR-A21 野洲 5.6km 38km  
JR-A20 篠原 4km 32.4km        
JR-A19 近江八幡 3.5km 28.4km  
JR-A18 安土 5.1km 24.9km        
JR-A17 能登川 3.7km 19.8km      
JR-A16 稲枝 3.7km 16.1km        
JR-A15 河瀬 3.1km 12.4km        
JR-A14 南彦根 3.3km 9.3km        
JR-A13 彦根 4.9km 6km  
JR-A12 米原 2.4km 0km
JR-A11 坂田 2.3km 2.4km      
JR-A10 田村 3km 4.7km    
JR-A09 長浜 7.7km    

東海道本線は当然ながら東京が起点で、神戸が終点の路線のため、本来であれば米原から路線を紹介していかなければならないが、琵琶湖線としての利用者は京都から東の方へ流れる傾向が強いのでここでは京都駅から紹介していくことにする。京都駅は当然ながらJR京都線とスルー構造になっており、大半の電車が直通している。京都駅は0番線、6・7番線が特急列車の発着と湖西・草津線直通電車の発着に使用され、琵琶湖線電車は2・3・4・5番線を使用する。このうち3番線は湖西線普通の発着用、4番線はJR京都線普通の発着用に使用されているので、琵琶湖線電車は通常2・5番線を使用している。なお京都駅の大阪方には折り返し線がないので、京都止まりの電車は京都総合運転所に引き上げていく。

EF65-1135

EF65-1135

京都を出ると複々線のまま東山トンネルに入る。新快速は京都まで外側線を走るが、京都以東ではデータイムの時間帯を中心に内側線を走るようになる。京都以西の内側線は最高速度120km/hになっているが、京都以東は130km/h運転が可能になっている。トンネルを抜けて、かつて有名撮影地だった大築堤を走り、地下から京阪京津線が上がってくるのが見えると山科となる。山科は2面4線の外側に通過線がある構造で、特急や貨物列車は通過線を通過していく。米原方で湖西線を分岐する。同駅では京阪京津線、地下鉄東西線と連絡しているので乗降客はかなり多い。新快速が停車するほか、ラッシュ時運転される特急びわこエクスプレスや関空特急はるかも停車する。山科を出ると高架に上がる湖西線を左手に分けて、滋賀県に入ってから逢坂山トンネルに入る。トンネルを出ると頭上を国道161号線と京阪京津線が越えていき、すぐに大津となる。大津は2面4線の複々線としては単純な構造の駅で、県庁所在地の駅としては寂しい感じがするが、新快速をはじめ特急列車(ひだは除く)も停車し、その点では県庁所在地としての面目を保っている。もっとも乗降客は石山よりも少ない。駅構内には北緯35度線のモニュメントがある。

大津

大津

大津を出ると右手に国道1号線その向こうの山側に名神高速が並行し、左手には京阪石山坂本線が並行して、難読駅名の膳所(ぜぜ)となる。2面4線の他に上下線とも待避線があり、貨物列車が新快速などを待避できるようになっている。米原方面からは大津市の中心市街地浜大津方面へはここで京阪に乗り換えとなる。京阪との乗り換え駅ではあるが、ここは普通しか停まらない。膳所を出ると右カーブして、次に左カーブしながら京阪石山坂本線がオーバークロスすると石山となる。石山は新快速停車駅で乗降も多い。朝夜に運転される特急びわこEXP・はるかも停車する。膳所同様外側線の外側に待避線があり、貨物列車が待避を行う。京阪石山は以前はJR石山から少し離れたところにあったが、JRの駅前に移設されて橋上駅舎化されて人口地盤でJR石山と連絡している。

石山を出ると石山寺に向かう京阪と分かれて瀬田川を渡る。瀬田川橋梁は有名撮影地になっており、下り外側線の列車の撮影ができる。瀬田川を渡るときには左手に琵琶湖を望むことができる。瀬田は2面4線で普通しか停まらない駅となっている。膳所、石山と琵琶湖に最接近していたが、瀬田あたりからは琵琶湖と離れて進んでいく。次の南草津はJR発足後に新設された駅で駅前に高層マンションが立ち並んでいる。南草津も2面4線で、近隣に大学のキャンパスができたり、宅地開発が積極的に行われた結果、乗降客数がかなり増えている。2011年3月12日ダイヤ改正から新快速が停車するようになった。南草津を出て天井川の草津川をくぐるとすぐに草津となる。草津は3面6線の構造で、米原方には電留線が並ぶ琵琶湖線の拠点駅である。同駅は草津線が発着しており、朝夕には新快速や普通の発着もあり、朝夜に運転される特急も停車する他、特急ワイドビューひだも停車するようになった。近隣の駅に比べて乗降者数も多く、草津線からの乗り換えも多いので、ホームは終日賑わっている。

EF65-2086

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草津を出ると複々線のまま進むかたちになっているが、これは草津線を分けるところまでで、草津線の下り線(ほとんど使われていない)がオーバークロスして右手に分かれていくと複線となる。栗東は1991年に開業した新しい駅で、2面2線の橋上駅舎で普通しか停まらない駅となっている。栗東市は最近市制化されたが、駅は市内の中心から離れている。近年はマンションが立ち並び京都や大阪のベッドタウンとなっている。栗東を出て守山市に入ると2面2線の守山となる。新快速が停車するほか、朝夜の特急3往復が停車する。かつては京都方面が1面2線の構造になっており、次の野洲が米原方面が1面2線になっているので、上下で整合性をとっていたが、緩急接続が行われることはなかった。2003年まで貨物列車が発着しており、貨物列車の入れ替えや待避を行うための中線だった。守山を出てコンクリートで固められた橋梁で野洲川を渡ると野洲市に入り、2面3線で橋上駅舎の野洲となる。野洲は米原方に野洲電車区(留置のみ)があり、一部の新快速、普通は同駅で折り返す。ここもラッシュ時に特急が3往復停車する。ここまでは琵琶湖線もフリークェンシー運転を行っているといえるが、野洲以東はぐっと本数が減って、データイムは新快速、普通がそれぞれ30分毎の運転となる。

野洲

野洲

野洲を出ると駅間距離がかなり長くなり、特急(ひだは120km/h)や新快速は130km/hで突っ走る。右手には東海道新幹線が並行して走り、新幹線からも琵琶湖線や野洲の電留線が見える。野洲市から近江八幡市に入り、すぐに2面2線の篠原となる。篠原は野洲市と近江八幡市、竜王町の狭間にあり、利用者はあまり多くない。篠原を過ぎると市街地が見えてきて東海道新幹線が離れていき、近江八幡に着く。同駅は2面3線で橋上駅舎を持つ。京都方面行が1面2線となっている。南側からは近江鉄道八日市線も発着している。駅北側には滋賀県の各駅ではお馴染みのスーパー平和堂があり、南側にはそれに対峙するかのようにイオンがある。近江八幡もまたラッシュ時の特急3往復と新快速停車駅となっている。

近江八幡を出ると安土桃山時代で一時代を築いた安土となる。安土は2面3線で朝に当駅始発の普通電車の発着がある。安土駅の乗降者は少ないが、近江八幡で輸送量の格差が生じるため、国鉄時代から安土始発の電車が設定されている。安土を出ると右手に安土城の天守閣を模したドーム状の建屋が特徴的な滋賀県立安土城考古博物館を見ながら進み、短いトンネルを抜けて東近江市に入る。しばらく走って新快速停車駅の能登川となる。このあたりは駅間距離がかなり長い。能登川も2面3線の構造で、米原方面ホームが1面2線となっている。同駅には朝夜に運転される特急は停車しない。駅前には平和堂系スーパーフレンドマートがある。能登川を出ると愛知川を渡り彦根市に入り、2面2線の稲枝となる。聖泉大学や各種工場が駅の周りにあるが利用者は少ない。この辺りでは自動車交通が主体となっている。次の河瀬は2面3線の橋上駅舎で、比較的乗降が多いが、新快速は通過する。ここも駅周辺に工場が点在しているが、それにしては利用者は少ない。土地があるので、広大な駐車場を持つ工場が多く、通勤にも電車の利用は少ないものと思われる。次の南彦根は国鉄時代の1981年に開業した駅で2面2線の橋上駅舎となっている。2面4線化も考慮された構造になっているが、今のところ駅拡張の計画はない。利用者数は比較的多いが、新快速が停まらないので、近江八幡あるいは能登川まで普通に乗らなければならない。単線の近江鉄道本線が並行して、しばらく3線のまま走り彦根に着く。彦根は2面2線の単純な構造の駅だが、新快速停車駅で湖東の中心地でもある。上下線の間に中線があり、貨物列車の待避などに使用されることがある。駅の西側には市役所やひこにゃんで一躍全国区の人気となった彦根城があり、琵琶湖にも近い。東側には近江鉄道の隣接しており、同鉄道の車庫が広がっている。

彦根を出ると近江鉄道と分かれて進み、短いトンネルを抜けて米原市に入ると右手から新幹線が近づいてきて、貨物ターミナルを抜けると米原となる。米原は3面6線の構造で、これに加えて新幹線のホームがあり、さらに少し離れたところに近江鉄道の米原駅がある。2、8番線がJR東海電車の発着と名古屋方面へのスルー電車の通過発着に使用され、琵琶湖線電車、長浜・敦賀方面直通は3、7番線が使用されている。5、6番線は北陸線電車の発着に使用している。米原駅は2009年3月21日に橋上駅舎化された。これにより東西を結ぶ自由通路も設けられている。

米原

米原

米原はJR琵琶湖線、東海道本線名古屋方面と接続、東海道新幹線と連絡している。北陸線電車は3、5、6、7番線のいずれかから発着している。米原を出ると名古屋方面に向かう東海道本線が右手に分かれていき、JR琵琶湖線の電留線を見ながら北陸本線は左にカーブして東海道新幹線の下をくぐり、そのまま真っ直ぐ北上する。坂田は2面2線で、かつては米原方に交直のデッドセクションがあった。坂田を出ると田園風景が広がり、左手に琵琶湖が見えてくる。このあたりは線路が真っ直ぐ延びていて特急は120km/hで飛ばす。左手に長浜ドームが見えて長浜市に入ると2面2線の田村となる。同駅は国鉄時代客車列車が機関車の交換を行っていたので、構内は広い。現在は側線が撤去されて殺風景な構内になっている。バイオ大学を見ながら田村を出ると再び田園風景の中を行く。やや左にカーブして琵琶湖岸を走り、長浜の市街地が見えてきて、左手にD51の姿が見える旧長浜駅舎が見えると2面4線の長浜となる。長浜は駅本屋がある1番線には特急が停車し、2番線には北陸線敦賀方面行の下り列車、切り欠きホームの3番線からは長浜始終着の敦賀方面行きが発着している。4番線は京阪神方面への新快速と北陸本線下り列車が発着している。長浜駅前にはアルプラザなどがあり湖東地区で一番賑やかになっている。なお2003年7月に旧長浜駅舎内に北陸線電化記念館が開業している。北陸本線長浜~敦賀間の直流電化が完成した2006年10月21日ダイヤ改正より現在の新ホーム及び橋上駅舎が使用されている。それ以前は2面3線の地上駅だった。

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