JR奈良線

NC605みやこ路快速

NC605みやこ路快速

1.概要

JR奈良線は京都と木津を結ぶ路線で、奈良線とは名ばかりで路線としては京都府内のみを走る路線となっている。木津から大和路線に乗り入れ、実質的には京都~奈良間を結ぶ路線となっている。京都、奈良という一大観光地を結ぶため、行楽シーズンには利用が多いが、近年は京都都市圏輸送の一角を担い、城陽あたりまでは普段から利用が多い。宇治や城陽などの主要駅に停まり京奈間を結ぶみやこ路快速が30分毎に運転され、普通電車は城陽まで15分毎、奈良まで30分毎の運転となっている。みやこ路快速、快速、区間快速は221系が4両または6両編成が使用され、普通は103系4両編成が使用されている。一部間合いで221系が普通に運用されたり、土休日に103系区間快速が1本運転されている。

2.路線データ

会社名 西日本旅客鉄道
路線名 奈良線
区間 京都~木津
営業キロ 34.7km
駅数 19駅
平均駅間距離 1.93km
所要時分 37分
表定速度 56.3km/h
軌間 1067mm
電気方式 1500V直流電化
線路 複線(京都~JR藤森)
単線(JR藤森~宇治)
複線(宇治~新田)
単線(新田~木津)
保安方式 ATS-SW
最高速度 110km/h
最大編成両数 6両
【線路】

JR各線と同様1067㎜狭軌を採用。京都~JR藤森間、黄檗~六地蔵間、宇治~城陽間、山城多賀~玉水間は複線。JR藤森~黄檗間、六地蔵~宇治間、城陽~山城多賀間、玉水~木津間は単線。単線区間のうちJR藤森~黄檗間、六地蔵~宇治間については2023年春までに複線化完成予定。

【電気方式】

1500V直流電化。1984年(昭和59年)10月1日に京都~奈良間が電化された。

【最高速度】

JR奈良線の最高速度は110㎞/hで、単線区間は95㎞/hが最高速度となっている。

【使用車両】

221系4両編成、221系6両編成、205系0番台4両編成、205系1000番台4両編成が使用されている。

過去には103系、105系、117系、113系が使用され、非電化時代にはキハ35系などの気動車が使用されていた。

【編成両数】

最大編成両数は6両で、各駅とも最大6両編成まで停車可能となっている。

みやこ路快速、快速、区間快速は6両編成、普通は4両編成を中心に6両編成で運転される列車もある。

【保安方式】

全区間で拠点型のATS-PとATS-SWを併用。

【運転指令所】

大阪総合指令所が管轄している。

【ICカード】

京都~木津間全区間でICOCAなどICカード乗車券の利用が可能になっている。

【直通路線】

木津~奈良間はJR大和路線への乗り入れとなっている。朝ラッシュ時には大和路線JR難波から京都まで直通する電車も運転されている。

【競合路線】

京都~奈良間で近鉄京都線が競合している。宇治、黄檗、木幡では京阪宇治線も並行して走っており、東福寺~JR藤森間では京阪本線も並行して走っている。

3.列車種別

JR奈良線ではみやこ路快速、快速、区間快速、普通の4種別が運転されている。みやこ路快速がデータイムに運転され、快速と区間快速は朝夕ラッシュ時の運転となっている。

みやこ路快速

みやこ路快速は京都~奈良間の運転で、データイムに運転されている。2001年3月3日ダイヤ改正で221系が投入された時にみやこ路快速の愛称が付けられた。

停車駅は東福寺、六地蔵、宇治、城陽、玉水、木津。使用車両は221系6両編成が使用されている。

快速

快速は朝夕ラッシュ時に京都~奈良間に運転されている。停車駅は東福寺、六地蔵、宇治、JR小倉、新田、城陽、玉水、木津。みやこ路快速の停車駅に加えてJR小倉、新田に追加停車する。使用車両は221系6両編成。

区間快速

区間快速は朝ラッシュ時と夜間に京都~奈良間に運転されている。停車駅は東福寺、六地蔵、宇治以遠の各駅。使用車両は221系6両編成。

普通

普通は京都~奈良間と京都~城陽間に運転されている。朝夜には宇治発着の普通も設定されている。使用車両は205系4両編成を中心に、221系4両編成、221系6両編成が使用されている。

駅名 駅ナンバー 駅間距離 営業キロ みやこ路快速 快 速 区間快速 普 通
京都 JR-D01 0km
東福寺 JR-D02 1.1km 1.1km
稲荷 JR-D03 1.6km 2.7km      
JR藤森 JR-D04 2.3km 5km      
桃山 JR-D05 2.2km 7.2km      
六地蔵 JR-D06 2.4km 9.6km
木幡 JR-D07 1km 10.6km      
黄檗 JR-D08 1.4km 12km      
宇治 JR-D09 2.9km 14.9km
JR小倉 JR-D10 1.4km 16.3km  
新田 JR-D11 1.8km 18.1km  
城陽 JR-D12 2.1km 20.2km
長池 JR-D13 1.8km 22km    
山城青谷 JR-D14 2km 24km    
山城多賀 JR-D15 1.3km 25.3km    
玉水 JR-D16 2km 27.3km
棚倉 JR-D17 3km 30.3km    
上狛 JR-D18 2.8km 33.1km    
木津 JR-D19 1.6km 34.7km
平城山 JR-D20 3.2km 37.9km    
奈良 JR-D21 3.8km 41.7km

4.歴史

JR奈良線は1879年(明治12年)8月18日に官営鉄道(後の東海道本線)として京都~稲荷~大谷間が開業した。この時、稲荷駅が開業。1895年(明治28年)9月5日に奈良鉄道により京都~伏見間が開業した。京都駅は官設鉄道と共用。同年11月3日に伏見~桃山間が延伸開業した。桃山駅が開業。

1896年(明治29年)1月25日に桃山~玉水間が延伸開業した。木幡駅・宇治駅・新田駅・長池駅・玉水駅が開業。同年3月13日に玉水~木津間が延伸開業した。棚倉駅・木津駅が開業。4月18日に木津~奈良間が延伸開業し、京都~奈良間が全通した。4月21日に東寺仮停車場が開業した。1897年(明治30年)4月1日に奈良鉄道京都駅を七条駅に改称。

1902年(明治35年)5月3日に上狛駅が開業。1905年(明治38年)2月7日に奈良鉄道が路線を関西鉄道に譲渡された。1907年(明治40年)10月1日に関西鉄道が国有化された。1908年(明治41年)8月1日に七条駅を京都駅に統合した。

1909年(明治42年)10月12日に国有鉄道線路名称が制定された。木津~京都間を奈良線に、木津~奈良間は関西本線になった。1910年(明治43年)12月19日に宇治~木幡間に宇治川信号所が開設された。1913年(大正2年)6月20日に東寺仮停車場~京都間に八条信号所が開設された。11月5日に宇治川信号所が廃止された。

1914年(大正3年)3月20日に木津~奈良間が複線化された。7月23日に伏見~京都間の東寺仮停車場が廃止された。8月15日に八条信号所が廃止された。1915年(大正4年)2月13日に木津~奈良間に佐紀仮信号所が開設された。6月7日に佐紀仮信号所が廃止された。

1921年(大正10年)3月20日に宇治~木幡間に宇治川信号所が開設された。8月1日に奈良線の京都~伏見間が廃止された。伏見~桃山間の旅客営業を廃止。東海道本線の京都~稲荷間を奈良線に編入すると共に単線化。稲荷~桃山間の新線が開業した。

1922年(大正11年)4月1日に宇治川信号所を宇治川信号場に変更。1924年(大正13年)8月10日に木津~奈良間に都跡仮信号場(初代)が開設された。1926年(大正15年)1月10日に都跡仮信号場(2代目)が開設された。

1926年(大正15年)2月13日に青谷梅林仮停車場が開業した。4月1日に宇治川信号場が廃止された。1928年(昭和3年)9月3日に貨物支線桃山~伏見間が廃止され、伏見駅が廃止された。11月15日に伏見廻りの旧線の廃線跡を転用して奈良電気鉄道京都~桃山御陵前間が開業した。

1933年(昭和8年)12月1日に青谷梅林仮停車場を山城青谷駅に変更した。1947年(昭和22年)3月15日に木津~奈良間に佐保信号場(初代)が開設された。1955年(昭和30年)2月15日に全列車気動車に統一された。7月15日に山城多賀駅が開業した。1956年(昭和31年)11月20日に佐保信号場(初代)が廃止された。

1957年(昭和32年)12月27日に東福寺駅が開業した。1958年(昭和33年)7月11日に城陽駅が開業した。1961年(昭和36年)4月21日に黄檗駅が開業した。1971年(昭和46年)10月1日に定期列車無煙化された。1972年(昭和47年)7月1日に木津川橋梁が架け替えられた。

1975年(昭和50年)12月19日に自動信号化が完成。1982年(昭和57年)3月に列車集中制御装置 (CTC) が導入した。11月15日に奈良線の荷物列車が廃止された。1984年(昭和59年)9月1日に木津~奈良間に佐保信号場(2代目)が開設された。10月1日に京都~奈良間が電化された。105系・113系電車による運転開始。京都から桜井線の桜井まで直通列車を設定。急行「紀ノ川」(京都~和歌山、奈良線・桜井線・和歌山線経由)が廃止された。

1985年(昭和60年)12月1日に平城山駅が開業した。1987年(昭和62年)4月1日に国鉄分割民営化によりJR西日本に承継された。日本貨物鉄道が全線で第二種鉄道事業者になった。1991年(平成3年)3月14日から京都~奈良間で小規模自動進路制御装置 (SRC) が使用開始された。3月16日に黄檗駅・城陽駅に行き違い施設が新設された。117系電車による快速が運転開始。新設当初の途中停車駅は宇治駅のみで、これに加え正月には稲荷駅に臨時停車していた。

1992年(平成4年)10月22日に六地蔵駅が開業した。城陽駅が快速の停車駅になった。1994年(平成6年)3月で113系の運用が終了した。9月4日で105系の運用が終了。桜井線との直通列車が廃止された。1997年(平成9年)3月8日にJR藤森駅が開業した。

1998年(平成10年)1月22日に第1期複線化工事に着手した。1999年(平成11年)5月10日ダイヤ改正で、六地蔵駅が快速の停車駅になった。2001年(平成13年)3月3日ダイヤ改正で、京都~JR藤森間、宇治~新田間が複線化が完成。JR小倉駅が開業。221系によるみやこ路快速、区間快速の運転を開始。117系の運用が終了した。10月1日に東福寺が快速・区間快速の停車駅になった。

2003年(平成15年)3月15日ダイヤ改正で、東福寺と玉水がみやこ路快速の停車駅、玉水が快速の停車駅になった。4月1日に日本貨物鉄道の第二種鉄道事業が廃止された。2006年(平成18年)12月16日から木津~奈良間でATS-P使用開始。2008年(平成20年)4月23日から山城青谷~木津間でATS-P(拠点P方式)導入された。4月27日から黄檗~山城青谷間でATS-P(拠点P方式)導入された。4月30日から京都~黄檗間でATS-P(拠点P方式)導入された。6月29日に奈良駅関西本線ホームが高架化された。

2009年(平成21年)7月1日に全駅でホーム上の喫煙コーナーを廃止して全面禁煙化。2010年(平成22年)12月1日に組織改正により、大阪支社および京都支社の管轄から近畿統括本部の管轄に変更。2015年(平成27年)3月14日から路線記号が本格導入された。2018年(平成30年)3月17日から各駅に駅ナンバリングが導入された。205系が営業運転を開始した。

2020年(令和 2年)3月14日ダイヤ改正により、土休日のみやこ路快速全列車を6両編成に統一された。12月6日に山城多賀~玉水間が複線化された。

5.路線ガイド

JR奈良線ガイド【JR発足後に発展した歴史ある二大古都を結ぶ路線】
3.JR奈良線路線ガイド JR奈良線の電車は京都駅では8、9、10番線から発着している。これらのホームは新幹線のりばに一番近いところにあり、新幹線からの乗り換えは奈良線が一番便利になっている。9、10番線は行き止まり式になっており、8番線は...

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