JR西日本223系0番台吹田総合車両所日根野支所【2023年版】

223系HE407

1．概要

223系0番台は、1994年9月4日の関西国際空港開港にあわせて関空快速用車両として製造された。221系をベースにJR西日本の近郊型車両では初めてVVVFインバータ制御となった。
6両編成9本と2両編成7本の計68両が近畿車輛・川崎重工業で新造され、日根野電車区に配置された。1994年度のグッドデザイン賞を受賞した。

2．車体

車体は鋼板製だった221系に対してステンレス製を採用した。ビードと呼ばれる棒状の補強構造となっている。側窓はドア間6、車端2の221系と同配置となった。車体強度維持のため、側窓は221系よりも天地方向が縮小されている。関西空港連絡橋での横風対策として、車高は221系より6cm低くなった。

3．車両性能

直流モーターを採用し界磁添加励磁制御だった221系に対し、223系0番台は先に投入された通勤型の207系と同様に、かご形三相誘導電動機とVVVFインバータ制御を採用した。基本性能はJR西日本でVVVFインバータ制御を採用した207系、681系に準じている。

コンプレッサーを除いてVVVFインバータ・補助電源装置・集電装置など、運転に必要な機器をM車に集中した。これによって粘着性能の向上を図っている。

4．制御機器

VVVFインバータはGTO素子を用いた電圧形PWMインバータWPC4で、インバータ1基で1基の電動機を制御する1C1M制御となっている。保守点検の容易化および操作性向上の観点から1車分4群のインバータ装置を1箱に集約している。

5．主電動機

207系0番台と同様に定格出力180kWのかご形三相誘導電動機を採用している。

6．補助電源

補助電源装置はGTO二重チョッパ+IGBT3レベルインバータで構成された静止形インバータWSC30（定格容量130 kVA）を採用した。空気圧縮機は往復単動2段式が採用された。冷房装置は集約分散式のWAU702Bを各車2台搭載する。

7．台車

207系をベースにした円錐積層ゴム支持式ボルスタレス台車WDT55A（電動車）、WTR239A（付随車）を採用した。

8．ブレーキ装置

ブレーキ装置は電気指令式（直通・回生・抑速）を採用した。

9．編成

1994年の登場時は6両編成と2両編成で組成されていた。その後、1999年5月10日ダイヤ改正で紀州路快速を新設した際に5両編成と3両編成に組み替えられた。この時不足する車両を2500番台の増備で補完した。2008年3月15日ダイヤ改正では天王寺の阪和線連絡線の複線化完成により関空紀州路快速の増発が行われ、223系0番台、2500番台の編成は4両編成に統一された。以降全ての編成が4両編成で組成されている。

10 ．リニューアル改造

2018年度から行先・種別表示器のフルカラーLEDへの交換、前照灯にフォグランプの追加とLEDへの更新などのリニューアル改造が施工された。VVVF制御装置や電子機器類の更新、運転台計器類のアナログ式への変更。車内設備では車いす対応の洋式トイレへの変更などが行われた。