近鉄南大阪線

26000系さくらライナー重連

26000系さくらライナー重連

1.概要

近鉄南大阪線は大阪阿部野橋から橿原神宮前に至る全長39.8kmの路線で、軌間1067ミリ、1500V直流の電化鉄道である。ダイヤ上は橿原神宮前から先吉野線に直通しており、大阪阿部野橋~吉野間を一つの路線と捉えてもよいだろう。南大阪線のダイヤは特急、急行、区間急行、準急、普通の5種別を中心に組まれており、データイムは特急、区間急行、準急、普通の4種別で60分サイクルが組まれている。

特急は全車指定席の有料特急で南大阪線内は尺土と高田市のみに停車する。急行は南大阪線の主要駅に停車し、準急とともに南大阪線の核となっている。ほとんどの急行が吉野まで直通している。区間急行は以前は朝夜のみの運転だったが、2021年7月3日ダイヤ変更でデータイムにも運転されるようになった。準急は主に長野線への直通として運転されており、藤井寺以遠は各駅に停車する。ラッシュ時には本数は少ないが区間急行も運転されている。普通は大阪阿部野橋~藤井寺間の運転を基本に、一部電車が古市まで運転されており、早朝の一部を除いて大阪阿部野橋から古市以遠へ運転される普通はない。古市以東では橿原神宮前までの区間電車が設定されている。

2.路線データ

会社名 近畿日本鉄道
路線名 南大阪線
区間 大阪阿部野橋~橿原神宮前
営業キロ 39.8km
駅数 28駅
平均駅間距離 1.48km
所要時分 34分
表定速度 70.3km/h
軌間 1067mm
電気方式 1500V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 110km/h
最大編成両数 8両
【線路】

軌間1435㎜標準軌の近鉄奈良線や大阪線とは異なり1067㎜狭軌を採用している。大阪阿部野橋~橿原神宮前間の全線が複線となっている。

【電気方式】

1500V直流電化。1923年(大正12年)4月13日に大阪天王寺(現在の大阪阿部野橋)~道明寺間が電化された。同年10月16日に道明寺~古市間が電化された。1929年(昭和4年)3月29日に古市~久米寺(橿原神宮前)間が1500V電化路線として開業し、全線電化完成となった。

【最高速度】

最高速度は110km/hで、特急電車が110㎞/h運転を行い、急行以下の電車は100㎞/hが最高速度になっている。

【保安方式】

近鉄独自の保安システムであるATS-SPが採用されている。

【ICカード】

大阪阿部野橋~橿原神宮前間全区間でPITAPAやICOCAなどICカード乗車券の利用が可能になっている。

【2020年度混雑率】

近鉄南大阪線の最混雑区間はで、最混雑時間帯7:31~8:31で、この時間帯の輸送力は19,180人/Hで、輸送人員は18,910人/H、混雑率は99%となっている。

駅番号 駅名 よみがな 駅間キロ 営業キロ 所在地 開業年月日
F01 大阪阿部野橋 おおさかあべのばし 0km 大阪市阿倍野区 1923年4月13日
F02 河堀口 こぼれぐち 1km 1km 大阪市阿倍野区 1923年10月16日
F03 北田辺 きたたなべ 1.1km 2.1km 大阪市東住吉区 1928年12月28日
F04 今川 いまがわ 0.6km 2.7km 大阪市東住吉区 1931年6月1日
F05 針中野 はりなかの 1.1km 3.8km 大阪市東住吉区 1923年4月13日
F06 矢田 やた 1.3km 5.1km 大阪市東住吉区 1923年4月13日
F07 河内天美 かわちあまみ 2.2km 7.3km 松原市 1923年4月13日
F08 布忍 ぬのせ 1km 8.3km 松原市 1922年4月18日
F09 高見ノ里 たかみのさと 0.8km 9.1km 松原市 1932年9月1日
F10 河内松原 かわちまつばら 0.9km 10km 松原市 1922年4月18日
F11 恵我ノ荘 えがのしょう 1.6km 11.6km 羽曳野市 1924年6月1日
F12 高鷲 たかわし 1km 12.6km 羽曳野市 1922年4月18日
F13 藤井寺 ふじいでら 1.1km 13.7km 藤井寺市 1922年4月18日
F14 土師ノ里 はじのさと 1.9km 15.6km 藤井寺市 1924年6月1日
F15 道明寺 どうみょうじ 0.7km 16.3km 藤井寺市 1898年3月24日
F16 古市 ふるいち 2km 18.3km 羽曳野市 1898年3月24日
F17 駒ヶ谷 こまがたに 1.7km 20km 羽曳野市 1929年3月29日
F18 上ノ太子 かみのたいし 2km 22km 羽曳野市 1929年3月29日
F19 二上山 にじょうざん 5.3km 27.3km 香芝市 1929年3月29日
F20 二上神社口 にじょうじんじゃぐち 1.1km 28.4km 葛城市 1929年3月29日
F21 当麻寺 たいまでら 2km 30.4km 葛城市 1929年3月29日
F22 磐城 いわき 0.7km 31.1km 葛城市 1929年3月29日
F23 尺土 しゃくど 1.2km 32.3km 葛城市 1929年3月29日
F24 高田市 たかだし 1.9km 34.2km 大和高田市 1929年3月29日
F25 浮孔 うきあな 1.4km 35.6km 大和高田市 1929年3月29日
F26 坊城 ぼうじょう 1.2km 36.8km 橿原市 1929年3月29日
F27 橿原神宮西口 かしはらじんぐうにしぐち 1.7km 38.5km 橿原市 1929年3月29日
F42 橿原神宮前 かしはらじんぐうまえ 1.2km 39.7km 橿原市 1923年3月21日

3.列車種別

近鉄南大阪線の列車種別は、特急、急行、区間急行、準急、普通の5種別である。特急は有料列車で、急行以下が特別料金なしで乗車できる列車となっている。

駅名 特 急 急 行 区間急行 準 急 普 通
あべの橋
河堀口
北田辺
今川
針中野
矢田
河内天美
布忍
高見ノ里
河内松原
恵我ノ荘
高鷲
藤井寺
土師ノ里
道明寺
古市
駒ヶ谷
上ノ太子
二上山
二上神社口
当麻寺
磐城
尺土
高田市
浮孔
坊城
橿原神宮西口
橿原神宮前

4.歴史

近鉄南大阪線は1898年(明治31年)3月24日に河陽鉄道として道明寺~古市間が開業した。1899年(明治32年)5月11日に河南鉄道が河陽鉄道の路線を継承した。1911年(明治44年)8月15日に誉田駅(後の誉田八幡駅)が開業した。1919年(大正8年)3月8日に河南鉄道が大阪鉄道に社名変更した。1922年(大正11年)4月18日に布忍~道明寺間が開業した。

1923年(大正12年)4月13日に大阪天王寺(現在の大阪阿部野橋)~布忍間が開業した。大阪天王寺~道明寺間が1500V電化された。5月10日に大阪天王寺駅が大阪阿部野橋駅に改称された。10月16日に道明寺~古市間が電化。河堀口駅が開業した。12月28日に北田辺駅が開業した。

1924年(大正13年)6月1日に恵我ノ荘駅・御陵前駅・土師ノ里駅が開業した。1929年(昭和4年)3月29日に古市~久米寺(現在の橿原神宮前)間が開業し全通。吉野鉄道(現在の近鉄吉野線)と直通運転を開始した。

1931年(昭和6年)6月1日に駒川駅(現在の今川)が開業した。1932年(昭和7年)9月1日に高見ノ里駅が開業した。1933年(昭和8年)4月1日に駒川駅を今川駅に、天美車庫前駅を河内天美駅に、御陵前駅を応神御陵前駅に、誉田駅を誉田八幡駅に改称した。

1936年(昭和11年)8月に大阪阿部野橋駅が移転し、大阪阿部野橋~河堀口間の距離が0.1km延長された。1937年(昭和12年)頃に(臨)屯鶴峰駅が開業した。1939年(昭和14年)8月15日に大和池尻(現在の橿原神宮西口)~久米寺間の橿原神宮駅が廃止された。1940年(昭和15年)4月1日に久米寺駅を橿原神宮駅駅と改称し大軌の橿原神宮駅駅と統合した。大和池尻駅を橿原神宮西口駅に改称した。

1943年(昭和18年)2月1日に関西急行鉄道が大阪鉄道を合併された。同社の天王寺線となった。1944年(昭和19年)6月1日に関西急行鉄道が南海鉄道を合併し近畿日本鉄道に社名変更された。同時に南大阪線と改称された。

1945年(昭和20年)2月11日に尺土~橿原神宮駅間が単線化された。6月1日に河堀口駅・応神御陵前駅・誉田八幡駅・橿原神宮西口駅が休止された。1946年(昭和21年)2月8日に尺土~高田町(現在の高田市)間が再複線化された。6月1日に河堀口駅の営業を再開。12月25日に橿原神宮西口駅の営業を再開。

1948年(昭和23年)1月1日に高田町駅を高田市駅に改称した。1957年(昭和32年)10月18日にラビットカー(6800系)営業運転を開始した。1965年(昭和40年)3月18日に大阪阿部野橋〜吉野間に定期特急の運転を開始。

1967年(昭和42年)2月25日に高田市〜橿原神宮駅間が再複線化。1968年(昭和43年)9月26日にATSの使用を開始。1970年(昭和45年)3月1日に橿原神宮駅駅を橿原神宮前に改称した。同年3月21日に一部の特急の停車駅に高田市駅を追加した。1974年(昭和49年)7月20日に応神御陵前駅・誉田八幡駅・(臨)屯鶴峰駅が廃止された。

1975年(昭和50年)7月1日に針中野〜大和川橋梁間下り線立体交差化。1976年(昭和51年)2月21日に針中野〜大和川橋梁間上り線立体交差化。1980年(昭和55年)3月18日に全ての特急が高田市駅に停車となった。

1986年(昭和61年)6月1日から南大阪線初のVVVFインバータ制御車6400系営業運転開始。同年8月10日に大阪阿部野橋〜あびこ筋東側間の一部が立体交差化。1987年(昭和62年)12月6日にあびこ筋東側〜針中野間立体交差化。大阪市内全区間の連続立体交差が完成した。

1990年(平成2年)3月15日に26000系(さくらライナー)の営業運転開始。吉野特急の30分間隔運転開始。昼間の区間急行を急行に格上げして毎時2本とし、準急・普通を増発して毎時各6本となった。1993年(平成5年)に6400系の4両編成版である6620系が製造された。

1996年(平成8年)3月15日に尺土・高田市・橿原神宮前の各駅でホームの8両対応工事が完了、特急・急行が大阪阿部野橋〜橿原神宮前間で最大8両運転となり、平日朝の上りに26000系2本併結の特急も運転開始した。同年6月1日から特急車両16400系 (ACE) の営業運転開始。1997年(平成9年)3月18日ダイヤ変更で、大阪阿部野橋〜古市間で長野線方面行きと橿原神宮前行きの併結運転を開始した。同年10月1日に大阪阿部野橋〜古市間にフェアシステムKを導入した。

1999年(平成11年)3月16日ダイヤ変更で、特急の停車駅に尺土を追加。2000年(平成12年)3月21日から古市〜橿原神宮前間にフェアシステムKを導入。2001年(平成13年)2月1日から各駅でスルッとKANSAI対応カードの取り扱い開始。これに伴い、橿原神宮前駅における途中下車指定駅の制度が廃止された。同年10月14日から各駅でJスルーカードの取り扱い開始。

2002年(平成14年)3月20日ダイヤ変更で、古市〜橿原神宮前間一部普通列車をワンマン化した。同年9月8日に6000系6009Fのさよなら運転を実施。シリーズ21(6820系)の営業運転開始。12月1日から列車運行管理システムKOSMOS稼働開始。

2007年(平成19年)4月1日から各駅でICカードPiTaPa・ICOCAの取り扱い開始。2008年(平成20年)6月14日に大阪阿部野橋〜今川間で車上速度パターン照査式ATS (ATS-SP) 使用開始。2009年(平成21年)3月1日にJスルーカードの自動改札機・のりこし精算機での取り扱いを終了した。同年3月20日に大阪阿部野橋駅の西口改札移設により、大阪阿部野橋〜河堀口間が0.1km短縮された。

2010年(平成22年)6月19日から特急車両16600系 (Ace) が営業運転を開始。2011年(平成23年)4月2日から26000系(さくらライナー)のリニューアル車が営業運転開始。2012年(平成24年)3月20日ダイヤ変更で、一部の特急の停車駅に古市を追加。

2016年(平成28年)9月10日から吉野特急で16200系による観光特急「青の交響曲」が運転を開始。2017年(平成29年)10月22日に台風21号の影響により橿原神宮西口〜橿原神宮前間で土砂流入が発生した。

2018年(平成30年)4月25日に低気圧・前線による降雨により、矢田〜河内天美間の大和川橋梁の橋脚が傾いて線路が歪み、大阪阿部野橋〜河内天美間で運転見合わせ。翌26日15時50分に復旧し運転再開した。

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