関西各駅探訪第73回~近鉄南大阪線道明寺駅~

【道明寺線と南大阪線の分岐が路線の成り立ちの歴史を語ってくれる】

道明寺

道明寺

近鉄南大阪線道明寺駅は、藤井寺市にあり、道明寺線を分岐する駅である。準急停車駅で、特急と急行は通過するが、同駅手前に急カーブがあり、駅構内は直線だが、通過列車も速度を落として通過していく。

道明寺駅は1898年(明治31年)3月24日に河陽鉄道として柏原〜当駅〜古市間が開通した際に開業した。1899年(明治32年)5月11日に河陽鉄道の路線を河南鉄道が承継。同社の駅となった。1919年(大正8年)3月8日に社名変更により大阪鉄道の駅となった。1922年(大正11年)4月18日に当駅から布忍駅までが開通し、分岐駅となった。1943年(昭和18年)2月1日に関西急行鉄道が大阪鉄道を合併、関西急行鉄道の駅となった。1944年(昭和19年)6月1日に戦時統合により関西急行鉄道が南海鉄道と合併し、近畿日本鉄道の駅となった。1994年(平成6年)3月15日に南大阪線のホーム有効長が1両延伸されて8両となった。2007年(平成19年)4月1日からICカードPiTaPaの使用が開始された。

道明寺

道明寺

構内は2面3線で、行き止まり式の1番線に道明寺線が停車し、その隣の2番線に南大阪線下り線が停車する。道明寺線ホームは駅本屋とは、反対側にあるが、1番線となっている。これは、道明寺線の方が先に開業し、当初は柏原~道明寺~古市~富田林で本線を形成していた過程があるためである。前述した南大阪線の急カーブとも起因している歴史的経緯である。

道明寺

道明寺

道明寺駅1番線は行き止まり式となっている。隣には保線の線路が広がっている。早朝に古市から送り込まれる回送電車は、この隣の線路を走る。

道明寺

道明寺

1・2番線と駅舎がある3番線は、従来地下道のみで結ばれていたが、バリアフリー化のためエレベータが設置され、エレベータ利用の場合は、陸橋を利用することになった。

道明寺

道明寺

改札は1ヶ所のみで、3番線側に地上駅舎がある。駅舎は三角屋根が特徴的である。有人改札だが、特急は停車しないため、特急券は取り扱っていない。また、特急券券売機も設置されていない。

道明寺

道明寺

NHK大河ドラマ真田丸で注目を浴びる大坂夏の陣道明寺合戦の記念碑が建つ道明寺駅前。

道明寺駅の2014年度の1日あたりの乗車人員は、3,511人で、うち定期利用が2,145人となっている。定期比率は、60%強で、近年の定期利用減少の中では、標準的とも言える割合である。10年前の2004年度は、3,730人の利用に対して、定期利用は、2,313人であった。総数で、5%強の減少、定期利用は8%弱減少している。定期利用は、ICカードなどへの移行などもあるので、定期外利用が4%ほど減っていると見る方が妥当だろう。駅東側には大和川が流れ、北側は、土師ノ里駅と駅圏が重なるため、今後も利用者が増えていく可能性は低いだろう。

6303F

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道明寺駅のデータイムの南大阪線停車列車は、準急が毎時6本、普通が毎時2本で、準急は10分毎の運転となっている。準急のうち、4本は河内長野行き、2本は橿原神宮前行きである。普通は、2本とも古市行きとなっている。道明寺線は、データイム毎時2本、30分毎の運転である。平日朝ラッシュ時は、7時台、8時台がピーク時間帯で、7時台が8本、8時台が7本の運転となっている。7時台は、8本すべてが大阪阿部野橋行き準急で、8時台は、準急が6本と普通が1本運転されている。大阪阿部野橋までの所要時間は、準急で20分前後である。ラッシュ時もスピードアップが図られ、データイムと遜色ない所要時間で走るようになった。平日夕方ラッシュ時は、準急が10分毎に運転されている。データイムとほぼ同様のダイヤで、河内長野行きと橿原神宮前行きが運転されているが、河内長野行きの一部は富田林行きとなる。最終電車は、下りが、大阪阿部野橋発0時02分の普通古市行きで、道明寺着は0時30分となっている。準急の最終は大阪阿部野橋発23時49分の富田林行きとなる。上りは、道明寺発23時55分の普通大阪阿部野橋行きで、この電車は珍しい河内長野始発の普通である。道明寺線の最終は、道明寺発23時41分の柏原行きで、上りは、柏原発23時48分で、道明寺着は、23時52分となる。

  

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