寝台特急トワイライトエクスプレスの変遷【豪華寝台列車としてブルートレインの歴史を築いた名列車】

トワイライトエクスプレス

トワイライトエクスプレス

1.概要

寝台特急「トワイライトエクスプレス」は1989年7月に大阪~札幌間で運転を開始したJR西日本の豪華寝台特急である。

それまでのブルートレインとは一線を画し、A個室「スイート」や食堂車「ダイナープレヤデス」、サロンカーを備えた豪華な設備を特徴とし、「走るホテル」とも称された。

運転開始当初は団体専用列車としてデビューしたが、その人気の高さから同年12月には臨時列車となり一般発売が開始された。その後はJRを代表する豪華寝台特急として高い人気を誇り、四半世紀以上にわたり大阪と北海道を結んだ。

しかし、車両の老朽化や北海道新幹線開業に伴う並行在来線の経営分離などにより、2015年3月に定期運転を終了。その後は団体専用列車として運転されたが、2016年3月をもってその歴史に幕を閉じた。

2.誕生まで

1980年代後半、国鉄分割民営化後のJR各社では新たなサービス向上策が模索されていた。

JR西日本では大阪と北海道を結ぶ寝台特急「日本海」が運転されていたが、これとは別に観光需要を取り込む豪華寝台列車として「トワイライトエクスプレス」を企画した。

24系25形客車を大幅に改造し、A個室「スイート」「ロイヤル」、食堂車、サロンカーなどを備えた専用編成が製作され、1989年7月18日に第1編成が完成した。

同年7月21日から団体専用列車として運転を開始し、当初は週2往復の運転だった。寝台券は旅行会社のツアー参加者限定で販売され、一般発売は行われなかった。

その人気は予想を大きく上回り、同年12月には臨時列車へ格上げされ、一般向けの寝台券発売も開始された。

3.豪華寝台特急として発展

1990年にはB個室寝台車を増結して9両編成となり、以後2015年まで基本編成として使用された。

1991年には第3編成が完成し、繁忙期には毎日運転が行われるようになった。

運転開始以来、「トワイライトエクスプレス」は寝台列車という枠を超えた豪華列車として人気を集めた。食堂車では本格的なフランス料理が提供され、サロンカーでは北海道や日本海沿岸の景色を楽しめるなど、それまでのブルートレインにはないサービスが特徴だった。

2001年からは車両のリニューアル工事が始まり、2002年までに全3編成の更新が完了した。内装の改良や設備更新が行われ、サービス品質がさらに向上した。

4.運転経路の変更と災害への対応

EF81-44トワイライトエクスプレス

EF81-44トワイライトエクスプレス

長年運転される中で、自然災害や設備工事に伴い運転経路やダイヤが変更されることも多かった。

1994年には上り列車が森~大沼間で砂原線経由に変更された。

2000年には有珠山噴火により室蘭本線が不通となり、函館本線小樽経由で迂回運転が行われた。

2004年の新潟県中越地震、2005年の羽越本線脱線事故、2006年の土砂崩れ、2007年の新潟県中越沖地震、2011年の東日本大震災などでも長期間運休を余儀なくされた。

また、北海道新幹線建設工事に伴い、2008年以降は青函トンネル内で徐行運転が行われるようになり、所要時間が延長された。

2010年代に入ると運転停車駅の変更や禁煙車の拡大など細かな見直しも行われたが、列車としての基本的なサービス内容は維持された。

5.終焉

2010年代に入ると、「トワイライトエクスプレス」を取り巻く環境は大きく変化した。

北海道新幹線建設工事の影響で青函トンネル内では徐行運転が実施されるようになり、2008年ダイヤ改正では所要時間が延長された。その後も特急列車の待避増加などにより、ダイヤ改正のたびに所要時間が少しずつ伸びるようになった。

2014年には北海道新幹線開業に向けた各種試験が本格化し、一部の日で運休や時刻変更が実施された。また、2015年冬は日本海側の強風や豪雪の影響を受け、15~25時間を超える大幅な遅延が発生するなど、長距離寝台列車ならではの厳しい運行状況も見られた。

そして2015年3月12日、車両の老朽化に加え、北陸新幹線・北海道新幹線の開業による並行在来線の第三セクター化を理由として、大阪~札幌間の定期運転を終了した。

定期運転終了後も車両は廃車とならず、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が完成するまでの間は団体専用列車として活用された。北陸デスティネーションキャンペーンなどでも運転され、多くのファンに最後の雄姿を披露した。

2016年3月21日出発の下関発大阪行きを最後に団体列車としての運転も終了し、1989年7月のデビューから約27年間に及ぶ「トワイライトエクスプレス」の歴史に幕を下ろした。

6.車両・編成

EF81-43tトワイライトエクスプレス

「トワイライトエクスプレス」は24系25形客車をベースに専用改造した車両を使用していた。

最大の特徴は、従来のブルートレインにはなかった豪華設備である。最上級のA個室「スイート」、A個室「ロイヤル」、B個室「ツイン」、B寝台個室「シングルツイン」、開放式B寝台など、多彩な寝台設備を備えていた。

編成中には食堂車「ダイナープレヤデス」が連結され、本格的なフランス料理や朝食が提供された。また、展望スペースを備えたサロンカー「サロン・デュ・ノール」は乗客が自由に利用できる憩いの場として人気を集めた。

1990年にはB個室寝台車が増結され、9両編成となった。この編成は定期運転終了まで基本編成として使用された。

牽引機はJR西日本・JR北海道所属のEF81形電気機関車が使用され、青函トンネルを含め全区間をEF81形が牽引する数少ない寝台特急として知られていた。

2001年から2002年にかけて全3編成のリニューアル工事が実施され、内装の更新や設備の改良が行われた。長年第一線で活躍したものの、基本構造は1989年の登場時から大きく変わることなく運転を続けた。

7.まとめ

寝台特急「トワイライトエクスプレス」は、JR西日本が誇る豪華寝台特急として1989年に誕生し、約27年間にわたり大阪と北海道を結んだ。

国鉄時代のブルートレインが「移動手段」としての役割を担っていたのに対し、「トワイライトエクスプレス」は乗車そのものを目的とする列車という新たな価値を生み出した。豪華な個室や食堂車、サロンカーなどを備え、「走るホテル」と呼ばれるにふさわしいサービスを提供したことから、ブルートレインブームを代表する列車となった。

2015年に定期運転を終了し、翌2016年には団体列車としての運転も終了したが、その人気は衰えることなく、現在でもJR西日本を代表する名列車として語り継がれている。

また、「トワイライトエクスプレス」で培われた豪華寝台列車のノウハウは、2017年に運転を開始したクルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」に受け継がれた。ブルートレインの終焉を象徴する列車であると同時に、日本の豪華観光列車の礎を築いた存在として、日本の鉄道史に大きな足跡を残した列車であった。

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