【関西各駅探訪第500回】JR京都線・琵琶湖線・嵯峨野線・奈良線京都駅

京都

【京の都の一大ターミナルはまさに京の玄関口】

JR京都線、琵琶湖線、嵯峨野線、奈良線の京都駅は京都市下京区にある。東海道新幹線も乗り入れる京都の玄関口だが、開業当初は京都の市街地から離れた不便な場所にあった。現在は市街地が広がり、京都駅周辺も京都市の中心部の一つになっているが、歴史ある京都の街の中では、駅周辺は歴史が浅い市街地となっている。

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JR各線以外に近鉄京都線、地下鉄烏丸線が乗り入れており、巨大ターミナルとなっている。阪急京都線、京阪本線は元々の市街地である四条通りや三条通りにターミナルを構えており、京都駅には乗り入れていない。

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京都駅は1877年2月6日に官設鉄道の京都停車場として開業した。京都の鉄道としては、前年の1876年9月6日に大宮仮停車場から向日町の間で開業していた。1879年8月18日には京都停車場から大谷までの延伸が開業し、後に大津駅まで路線が延伸した。1895年9月5日にはJR奈良線の前身となる奈良鉄道が京都から伏見の間で開業した。1897年11月16日にはJR嵯峨野線・山陰本線の前身となる京都鉄道が乗り入れることになり、この時期に現在京都駅に乗り入れるJR路線が形成された。

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奈良鉄道京都駅は1897年4月1日に一旦七条駅となった。奈良鉄道は1905年2月7日に関西鉄道となった。1907年8月1日に京都鉄道が国有化され、同年10月1日には関西鉄道も国有化された。1908年6月1日には七条駅を京都駅に統合した。1909年10月12日には路線名が制定され、東京の新橋から神戸に至る路線は東海道本線、旧関西鉄道の路線は奈良線、旧京都鉄道の路線は京都線となった。1912年1月31日は京都線が山陰本線に編入された。1913年6月21日は貨物取扱を梅小路駅に分離した。1921年8月1日には新逢坂山トンネルが開通し、馬場(現在の膳所)〜京都間の東海道本線のルートが変更された。奈良線は京都から伏見間の旧ルートが廃止され、桃山〜稲荷間に新線を建設し、稲荷から京都までは東海道本線旧ルートを奈良線に編入した。これにより、京都駅周辺の路線網は現在とほぼ同じ形態となった。

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戦後1964年10月1日には東海道新幹線が開業し、京都駅にも乗り入れるようになった。1970年10月1日ダイヤ改正で、京阪神を高速で結ぶ新快速が新設された。当初は京都駅が東側の終着駅となっていた。JR発足後、1989年3月11日ダイヤ改正から山陰3・4番乗り場を増設した。1990年10月26日には奈良線用の8・9番乗り場を増設し、従来の8番線を10番線に変更した。1994年9月4日には関西空港開港により、関空特急はるかの乗り入れが開始された。山陰1番線をはるか専用ホームに改修し、30番線とし、ほかの山陰本線ホームも31・32・33番線に変更した。1997年7月12日には4代目駅舎となる新京都駅ビルが完成した。自動改札機の設置、エスカレーター、エレベーターの設置などが行われ、京都の玄関口に相応しい駅に生まれ変わった。同年9月11日にはジェイアール伊勢丹が開業し、新京都ビルがグランドオープンした。これに先立ち、9月1日からはJR京都線の普通を昼間時に増発した。2002年3月23日には1番線を0番線に変更した。

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京都駅在来線ホームは、JR京都線、琵琶湖線、湖西線がホーム4面7線、奈良線がホーム2面3線、嵯峨野線がホーム3面4線がある。

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JR京都線、琵琶湖線、湖西線ホームは0番線と2〜7番線を使用する。0番線は駅ビル側にあり、かつては1番線だった。国鉄時代には山陰本線ホームも合わせて京都駅1番線が日本一長いホームと言われていた。0番線は主に北陸方面へ向かう特急サンダーバードが使用し、当駅止まりのスーパーはくとやくろしお、琵琶湖線方面に直通する特急なども発着する。ラッシュ時には新快速や草津線直通の普通も0番線から発車する。

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2・3番線はJR京都線・琵琶湖線上り列車が使用する。2番線は琵琶湖線へ直通する新快速、快速が使用する。

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3番線は主に湖西線折り返し電車が使用する。

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4・5番線はJR京都線・琵琶湖線下り列車が発着する。4番線は主にJR京都線普通が折り返しに使う。5番線は新快速、快速が発着する。

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6・7番線はJR京都線の特急や貨物列車通過に使用されている。

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8・9・10番線はJR奈良線が使用する。奈良線ホームは一番南側にあり、10番線は東海道新幹線ホームの下にある。

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31・32・33・34番のりばはJR嵯峨野線、山陰線が使用する行き止まり式ホームで、関空特急はるか用の30番のりばの北側にある。

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31番線は主に山陰線特急が発着し、32・33番線は嵯峨野線、山陰線快速や普通が発着する。

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34番のりばは33番線到着列車の降車ホームとなっている。

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米原方には引上げ線が1線あり、京都発着の特急スーパーはくとやくろしお、湖西線電車、JR京都線普通電車などが折り返しに使用する。

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奈良線の大阪方にも留置線があり、昼間時などはここに車両が留置されている。

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改札は6ヶ所あり、新幹線連絡改札が2ヶ所ある。中央口は京都駅北側に建つ駅ビルの中にある。0番線と同じフロアレベルにある。

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地下中央改札口は、0番のりばの地下にあり、中央改札口の地下にある。

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西口は大阪方の橋上駅舎内にある。西口は1997年7月12日の京都駅ビル開業とともに供用を開始した。西側には南北自由通路を有しており、京都駅ビルとともに京都駅の発展に寄与している。

西口は有人改札で、ICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置され、みどりの窓口、みどりの券売機も設置されている。

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地下東口は米原方の地下にある。北側に改札があり、地下鉄烏丸線改札に近く、地下鉄乗り換えにはここを利用することになる。

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地下東口も有人改札で、ICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置されており、みどりの窓口はないが、みどりの券売機が設置されている。

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八条東口は奈良線10番線ホームの南側にあり、新幹線八条東口と並んで設置されている。

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西洞院口は嵯峨野線ホームの西側にあり、京都NKビル開業とともに設置された。ビッグカメラJR京都店に直結している。

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新幹線乗り換え口は2ヶ所あり、新幹線中央乗り換え口と新幹線東乗り換え口がある。どちらの改札も南側にあり、JR奈良線との乗り換えは便利である。中央乗り換え口は橋上駅舎にも繋がっており、奈良線のほか、JR京都線、琵琶湖線との乗り換えも便利だ。

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新幹線東乗り換え口は東側にあり、JR奈良線10番線の近くにあり、南北に走る地下連絡通路に繋がっている。

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京都駅は国鉄時代は東海道本線列車は、スルー運転が基本で、京都発着の東海道本線優等列車は少なかった。JR発足後は、主に西からの直通列車が増えて、関空特急はるかをはじめ、特急スーパーはくと、特急くろしおが京都発着で運転されるようになった。今はなき寝台特急あかつきも国鉄時代は新大阪発着だったが、JR発足後は京都まで延長運転されていた。

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京都駅の北口は京都観光の表玄関で、巨大なバスターミナルとタクシー専用の発着場を持つ大きなロータリーがある。駅の目の前には京都タワーがあり、観光シーズンには徒歩で市内を巡る観光客で一杯になる。

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巨大なターミナルとなっている京都駅は、バスとタクシーの発着が分けられている。

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駅前には京都のシンボルタワー京都タワーもそびえ立つが、高さ規制のためそれほど高くない。

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夜には京都や関西から東京方面を中心に各地へ運行される夜行バスも発着する。

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京都駅東側から見た京都駅ターミナル。バス路線の一部は駅前の塩小路通だけでなく、迂回する形で、西洞院通を走り京都駅周辺を抜けていく。

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京都駅を出発し西洞院通方面へ向かう京都市営バス。

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京都駅南口も八条口と言われ、こちらもバスやタクシーの発着が多い。南側には名神高速の京都南インターがあるため、観光バスや夜行バスの発着も多い。

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路線バスだけでなく、観光バスや高速バスの発着も多い京都駅。

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西改札からの延長でデッキが延びている八条口側。ベンチでは一休みする観光客の姿も多く見られる。

京都駅の2016年度1日あたりの乗車人員は199,877人で、うち定期利用者は105,634人となっている。定期比率は52.8%で、定期利用者が半数を占めているが、定期外利用者もかなり多い。観光都市京都らしい結果と言える。10年前の2006年度と比較すると全体で11.6%増、定期利用者は0.5%増、定期外利用者は27.3%増となっており、ここ数年の京都観光ブームとインバウンドの増加などにより定期外利用者がかなり増加している。

  

鉄道コム

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