1.概要
京阪10000系は、老朽化した1900系や2600系0番台の置き換えおよび将来の支線(宇治線・交野線)でのワンマン運転の実施を目的として、2002年3月から4月にかけて4両編成3本が製造された。その後、2006年4月16日のダイヤ改定に合わせて3編成が追加で投入された。
後継車種は当系列をベースに3000系の意匠も取り込んだ13000系に移行しており、6000系から続いた大型非常扉を採用した車両は当系列が最後となっている。
会社名 | 京阪電気鉄道 |
---|---|
形式 | 10000系 |
使用線区 | 京阪交野線・宇治線 |
制御方式 | IGBT素子VVVFインバータ1C2M |
主電動機 | かご形三相誘導電動機定格200kW |
ブレーキ | 全電気指令式回生ブレーキ優先電磁直通ブレーキ |
台車 | KW-77D・FS517 |
最高速度 | 110km/h |
加速度 | 2.8km/h/s |
減速度(通常) | 4km/h/s |
減速度(非常) | 4.3km/h/s |
製造初年 | 2002年 |
電気方式 | 直流1500V |
軌間 | 1435mm |
保安装置 | ATS |
座席定員 | 44(130) 先頭車 |
50(140) 中間車 | |
車体 | アルミ製 |
扉枚数・座席形状 | 18m級3扉セミクロスシート |
所属 | 寝屋川車庫 |
編成 | 4両編成・7両編成 |
既存両数 | 30両 |
製造メーカー | 川崎重工 |
2.車体
18m級3扉アルミ製の車体となっており、7200系をベースにしている。バリアフリー化を進めるため床面を7200系に対して20mm下げている。また屋根の高さも10㎜低くなった。先頭車の前面形状は7200系や9000系と同様になっている。
車体塗装は従来の緑の濃淡のツートンカラーから45年振りに変更され、ターコイズグリーン一色となった。2009年7月27日に出場した10004Fを皮切りに他車と同様の新塗装化が進められ、2010年の10006Fの新塗装化によりターコイズグリーン塗装は消滅した。なお2次車の10004F以降は、側面窓枠が黒色になっている。
3.車内
基本的に7200系に準じたロングシートとなっている。座席モケットにはポリエステル製が採用され、紺色を採用した。扉上部には3色LEDの車内情報装置が千鳥配置されている。扉部分のつり革ははね上げ機構を省略した短いタイプとなっている。7200系、9000系で装備していた側窓のパワーウインドウ機能は装備していない。2次車の10004F以降は、難燃性基準の改正により蛍光灯カバーが省略された。ドアエンジンは京阪線用として初めてベルト駆動式を採用した。
4.走行装置
制御装置は京阪線では初めてIGBT素子を用いたVVVFインバータを採用。1C2M×2群で構成している。制動装置は回生ブレーキ併用全電気指令式空気ブレーキを採用。主電動機は200kWの誘導電動機を採用している。
1次車では、1900系や2600系のPT-4805A-Mパンタグラフを使用し、2次車からは新造の下枠交差型パンタグラフを使用している。1次車ではCPも2600系の廃車発生品を再利用している。
ダイレクトマウント式空気ばね台車でM車が軸梁式のKW77D、T車がSUミンデン式のFS517Dを使用している。
5.編成・運用
2023年10月現在、7両編成が2本、4両編成が4本存在している。7両編成は京阪本線で運用され、快速急行以下の種別で活躍しており、2023年8月26日ダイヤ変更後は特急運用も見られるようになった。4両編成は交野線、宇治線で13000系とともにワンマン運転を行っている。
10000系編成表 | 4両編成 | 24両 | ||
---|---|---|---|---|
←交野・宇治 |
枚方市・中書島→ | |||
10000Mc’ | 10500T | 10600T | 10000Mc’ | 製造年月 |
10001 | 10501 | 10651 | 10051 | 2002年3月 |
10002 | 10502 | 10652 | 10052 | 2002年4月 |
10003 | 10503 | 10653 | 10053 | 2002年4月 |
10004 | 10504 | 10654 | 10054 | 2006年3月 |
10005 | 10505 | 10655 | 10055 | 2006年4月 |
10006 | 10506 | 10656 | 10056 | 2006年5月 |
6.車両沿革
2002年に4両編成3本(10001F・10002F・10003F)が製造された。2006年に2次車として4両編成3本が製造された。2007年9月から交野線でワンマン運転を行うため、ホーム検知装置やワンマン表示の追加が行われた。
- 10001F旧塗装
- 10002F旧塗装
- 10003F旧塗装
- 10004F旧塗装
- 10005F旧塗装
- 10006F旧塗装
宇治線では13000系増備が完了した2013年6月からワンマン運転を開始した。2014年現在、京阪本線での運用はないが、過去には快速急行ひこぼし、その送り込みの区間急行などにも運用されていた。
- 10001F
- 10002F
- 10003F
- 10004F
- 10005F
- 10006F
10000系編成表 | 7両編成 | 14両 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
←出町柳 | 淀屋橋→ | |||||
10000Mc’ | 10500T | 10700T | 10100T | 10750T | 10550T | 10000Mc’ |
10001 | 10501 | 10701 | 10101 | 10751 | 10551 | 10051 |
旧番号 | 9601 | 7301 | 9602 | 10651 | ||
10002 | 10502 | 10702 | 10102 | 10752 | 10552 | 10052 |
旧番号 | 9603 | 7302 | 9604 | 10652 |
2016年には10001Fが7200系の7301、9000系の9601・9602を編入して7両編成化された。これにより交野線、宇治線での運用から本線での運用に変更された。2017年には10002Fも7200系の7302、9000系の9603・9604を編入して7両編成化された。
- 10001F
- 10002F