JR和歌山線ガイド

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【JR和歌山線ガイド】

JR和歌山線は、JR大和路線の王寺とJR阪和線の和歌山を結ぶ87.9kmの路線。単線で1500V直流電化されている。王寺~高田間は、桜井線と同時に1980年(昭和55年)3月に電化開業した。高田~和歌山間は1984年(昭和59年)10月に奈良線、紀勢線和歌山~和歌山市間と同時に開業した。

会社名 西日本旅客鉄道
路線名 和歌山線
区間 王寺~和歌山
営業キロ 87.5km
駅数 36駅
平均駅間距離 2.5km
所要時分 147分
表定速度 35.8km/h
軌間 1067mm
電気方式 1500V直流電化
線路 単線
保安方式 ATS-SW
最高速度 85km/h
最大編成両数 6両
駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 所在地
王寺 0km 奈良県北葛城郡王寺町
畠田 2.6km 2.6km 奈良県北葛城郡王寺町
志都美 1.9km 4.5km 奈良県香芝市
香芝 2.1km 6.6km 奈良県香芝市
JR五位堂 2.1km 8.7km 奈良県香芝市
高田 2.8km 11.5km 奈良県大和高田市
大和新庄 3.4km 14.9km 奈良県葛城市
御所 2.7km 17.6km 奈良県御所市
玉手 1.8km 19.4km 奈良県御所市
掖上 1.5km 20.9km 奈良県御所市
吉野口 4km 24.9km 奈良県御所市
北宇智 6.6km 31.5km 奈良県五條市
五条 3.9km 35.4km 奈良県五條市
大和二見 1.7km 37.1km 奈良県五條市
隅田 4km 41.1km 和歌山県橋本市
下兵庫 2.1km 43.2km 和歌山県橋本市
橋本 1.9km 45.1km 和歌山県橋本市
紀伊山田 2.9km 48km 和歌山県橋本市
高野口 2.6km 50.6km 和歌山県橋本市
中飯降 2.4km 53km 和歌山県伊都郡かつらぎ町
妙寺 1.6km 54.6km 和歌山県伊都郡かつらぎ町
大谷 2.1km 56.7km 和歌山県伊都郡かつらぎ町
笠田 1.5km 58.2km 和歌山県伊都郡かつらぎ町
西笠田 3.1km 61.3km 和歌山県伊都郡かつらぎ町
名手 1.9km 63.2km 和歌山県紀の川市
粉河 2.8km 66km 和歌山県紀の川市
紀伊長田 1.2km 67.2km 和歌山県紀の川市
打田 2.6km 69.8km 和歌山県紀の川市
下井阪 2.2km 72km 和歌山県紀の川市
岩出 2.2km 74.2km 和歌山県岩出市
船戸 1.1km 75.3km 和歌山県岩出市
紀伊小倉 2.3km 77.6km 和歌山県和歌山市
布施屋 2.3km 79.9km 和歌山県和歌山市
千旦 1.5km 81.4km 和歌山県和歌山市
田井ノ瀬 1.5km 82.9km 和歌山県和歌山市
和歌山 4.6km 87.5km 和歌山県和歌山市

王寺ではJR大和路線、近鉄生駒線と連絡しており、近鉄田原本線の新王寺駅も近くにあり、乗り換えできる。高田ではJR桜井線と接続、吉野口では近鉄吉野線と連絡、橋本では南海高野線と連絡している。和歌山ではJR阪和線、紀勢線、紀勢支線と接続し、和歌山電鉄貴志川線と連絡している。途中の高田まではJR難波からの大和路線快速が20分毎に直通している。朝夕ラッシュ時には五条までの乗り入れもある。和歌山方でも阪和線への直通や和歌山市方面への直通運転が行われていたが、今はなくなっている。朝夕ラッシュ時には和歌山方で快速が運転されているが、その他は全て普通列車となっている。

王寺駅は3面5線の橋上駅舎で、北側には近鉄生駒線の王寺駅があり、東側の少し離れたところに近鉄田原本線の新王寺がある。和歌山線電車は4、5番線から発着しており、大和路線直通の快速は1番線、3番線から発着する。王寺を出ると右手に電留線を見ながら右にカーブして左にカーブする大和路線と分かれる。大和路線をオーバークロスした近鉄田原本線が一旦寄り添うが左にカーブして分かれて行く。王寺町内を南下していき1面1線の畠田となる。駅付近に自動車教習所があり、住宅も建て込んでおりこのあたりは大阪への通勤圏となっている。香芝市に入り、西名阪自動車道と交差して2面2線の志都美となる。駅周辺は住宅地が広がり、利用者も多い。ただ、駅の西側には西名阪自動車道の香芝ICがあり、大阪方面へはクルマの利用が便利だ。

そのまま真っ直ぐ南下して少し左にカーブして同じく2面2線の香芝となる。2面2線だが、構造的には2面3線の構造で中線が撤去された格好になっている。2004年3月改正までは下田という駅名だったが、改称されて香芝となった。南側には近鉄大阪線の近鉄下田がある。香芝市役所は近鉄下田の南側にあり、街の中心もそちらの方にあるので、どちらかというと近鉄下田の方が香芝市の中心駅といった感じだ。近鉄大阪線がオーバークロスして左手に近鉄の五位堂車庫を見ながら走り、かつての五位堂信号所付近にJR五位堂が2004年3月改正時に開業した。ホーム2面2線で、近鉄五位堂とは少し離れているが、新たな競合を生み出している。

JR五位堂を出ると緩やかに左にカーブしていき東向きにしばらく走る。左手に近鉄大阪線が再度近づいて大和高田駅を見て、右にカーブして大和高田市内を走って高田となる。高田は2面3線の橋上駅舎で、JR桜井線の分岐駅となっている。北側には近鉄大阪線大和高田、少し離れた南側には近鉄南大阪線の高田市があり、少ないパイを奪い合っている。ここからJR難波直通の快速が30分毎に運転されており、近鉄に対抗している。

高田を出ると左に桜井線が分かれていき、和歌山線は右にカーブして南下して行く。近鉄南大阪線と同線高田市付近で交差して、続いて国道165号線と交差して新庄町に入って1面1線の大和新庄となる。西に約1キロほど離れたところに近鉄御所線の近鉄新庄があり、新庄町の中心もそちらの方にある。右手に国道24号線、その向こうに近鉄御所線が並行して走り御所市に入って2面2線の御所となる。駅の西側に国道24号線を挟んで近鉄御所駅があり、競合している。ただ、このあたりまで来ると電車同士の競合よりもクルマ利用を意識した戦略が必要になってくる。そういった面ではフリークェント運転を行っている近鉄御所線はそれに対応しており、南大阪線への乗り入れもラッシュ時に行っているので、JR和歌山線もそれを見習ってもう少し増発が必要だろう。

御所を出ると御所の市街地を左手に見ながら左にカーブする。しばらく東を向いて真っ直ぐ走りJR発足後1989年(平成元年)に開業した1面1線の玉手となる。田畑が多い長閑な風景の中を走り右にカーブして御所市の東端部に2面2線の掖上がある。ここからしばらく南下して行く。左手に曽我川が流れ、その向こうに近鉄吉野線が並行して走るようになる。近鉄葛駅を見ながらさらに進み、吉野線が曽我川を渡り完全に並行して走って吉野口となる。同駅は2面3線で、近鉄吉野線は2面2線となっている。和歌山線下り3番線は近鉄吉野線上り2番線と同一ホームから発着している。近鉄と改札を共有しており、JRが管理している。

吉野口を出ると吉野線はしばらく並行して走り、薬水付近で左にカーブして吉野山を目指して登っていく。和歌山線はしばらく西向きに山間を走って、左手にテクノパークならを見ながら五条市に入り、それを回り込むように左カーブして1面1線の北宇智となる。同駅は近畿圏唯一のスイッチバック駅だったが、2007年3月18日をもってスイッチバックを解消して、通常の駅となっている。国道24号線に沿ってしばらく五条市内を南下して行き、左にカーブして市街地に入って行き2面3線の五条となる。五条市の中心駅で、吉野川を挟んで駅から南へ約1キロほど離れたところには甲子園の常連校である智弁学園がある。かつてはここから紀伊山地を縦断して新宮とを結ぶ五新線が計画されていたが、国鉄再建などで計画は頓挫し、一部できていた路盤に国鉄バスが走っていた。

五条を出てすぐに市街地が途切れたところに2面2線の大和二見がある。駅の南には二見城址や二見温泉があるが少し離れている。ここを出ると県境を越えて和歌山県に入る。県境を越えて左手に吉野川から紀ノ川に名前を変えた川を見ながら走り、2面2線の隅田となる。このあたりは県境のため和歌山線でも列車の本数が少ない区間になっているが、行き違い設備は生きている。県境を越えてからは和歌山県橋本市内を走るが、このあたりは山間の長閑な景色が展開している。そのまま左手に紀ノ川、右手に国道24号線を見ながら橋本市内を走り、1面1線の下兵庫となる。このあたりから徐々に住宅地が多くなっていき、国道24号線と交差して、さらに紀ノ川を渡ってきた南海高野線を跨いで、それと並行して走り橋本
となる。同駅は2面3線で南海高野線との間には連絡改札がある。同駅を出ると橋本川を渡って南海高野線が右にカーブして分かれて行く。

橋本の市街地を左手に見ながら走り、市街地を抜けて住宅がまばらになって橋本市と高野口町の境に1面1線の紀伊山田がある。紀ノ川と少し離れて走り、高野口町に入って2面2線の高野口となる。高野口という名前が付いているが、高野山に近いわけではなく、高野山に行くには橋本で南海に乗り換えなければならない。高野口町を抜けてかつらぎ町に入り1面1線の中飯降となる。次の妙寺は2面2線で、かつらぎ町の中心にあたる駅で町役場は少し遠いが、駅周辺に町の施設がたくさんある。さらにかつらぎ町内を西へ向けて走り、1面1線の大谷、2面2線の笠田と過ぎて、左手から紀ノ川が近づいてきて、それに寄り添ったところに1面1線の西笠田がある。同駅を出ると那賀町に入り2面2線の名手となる。旧名手宿本陣址が残る歴史のある町で、駅近くに那賀町役場もある。

粉河町に入り、左手に粉河の町が見えてくると2面3線の粉河となる。同駅は粉河町の中心駅で、同駅始発の和歌山行電車も数多く設定されており、和歌山市のベッドタウンとなっている。1面1線の紀伊長田を過ぎると打田町に入る。工場や住宅地が点在する中を走り2面2線の打田となる。1面1線の下井阪を出ると国道24号線と交差して岩出町に入る。徐々に左にカーブして行きながら南西方向に進んで行き2面2線の岩出となる。このあたりまで来ると和歌山市の郊外といった感じがしてくるが、町が開けているのは国道24号線沿いで、和歌山線沿いはそれほど開けていない。

紀ノ川を渡り、すぐに2面2線の船戸となる。船戸を出るとすぐに和歌山市に入る。右手に紀ノ川の堤防を見ながら走り1面1線の紀伊小倉となる。このあたりは線路がほぼ真っ直ぐ西へ向いて延びている。2面3線の構造で線路が1線撤去されてしまった布施屋を出て、さらに真っ直ぐ西へ向いて進み1面1線の千旦となる。次の田井ノ瀬は2面2線で、同駅を出ると国道24号線と阪和自動車道の和歌山ICの下をくぐってそのまま真っ直ぐ西へ向いて進み、右手に105系の配置があり、117系や阪和線の103系の姿も見られる新和歌山車両センターを見ながら走る。右手から阪和線が近づいてきて、かつての紀勢支線和歌山市方面への連絡線跡を見ながら左にカーブして、紀勢支線と合流して高架から阪和線が下りてきて、それと少し並行して走って和歌山駅構内に入る。和歌山線は和歌山駅では1番東側にあたる7、8番ホームから発着しており、7番線から和歌山線電車が、8番線から紀勢支線和歌山市方面への電車が発着している。和歌山では阪和線と紀勢線白浜、新宮方面、和歌山市方面、和歌山電鉄貴志川線へ乗り換えとなっている。

  

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