JR阪和線データイムダイヤ【2023年3月18日改正】

281系HA605

1．概要

JR阪和線データイムダイヤは60分サイクルで運転されている。60分サイクルに特急くろしお1本、関空紀州路快速4本、区間快速4本、普通4本が運転されている。運転パターンがパターン化されていないため60分サイクルとなっているが、関空紀州路快速以下の一般列車は15分サイクルで運転されている。関空特急はるかが30分毎に運転されていたが、コロナ禍による利用者減少により、2021年3月13日ダイヤ改正で、データイムの列車は当分の間運休となった。2022年3月12日ダイヤ改正では大きな動きはなかったが、区間快速の運転区間が天王寺～日根野間から天王寺～熊取間に変更され、1駅短縮されてその分運用が減少している。また、天王寺発下り8時台後半から9時台、10時台、日根野発8時台後半から10時台に区間快速が増発されて、

2．2023年3月18日ダイヤ改正

287系HC603

2023年3月18日ダイヤ改正では阪和線データイムダイヤのダイヤパターンなどに大きな変更はなかった。コロナ禍の制限が緩和され、2022年11月から関空特急はるかが通常運転に戻り、全列車が正規のダイヤで運転されている。2023年3月18日ダイヤ改正では、大阪駅地下ホーム完成により、関空特急はるか、特急くろしおの全列車が大阪駅停車となった。これまで阪和線から大阪駅に直通する列車は関空紀州路快速など大阪環状線から直通する快速に限られていたが、大阪駅地下ホーム開業により特急列車も全て大阪駅に乗り入れることになった。

3．特急

287系HC601パンダくろしお

特急くろしおは京都・新大阪～白浜・新宮間の運転で、毎時1本に運転されている。阪和線内は天王寺から和歌山間のノンストップ運転で、一部列車が日根野に停車する。283系、287系、289系が使用されている。

関空特急はるかは京都～関西空港間に毎時2本が運転されていたが、コロナ禍により昼間の運転は全てなくなり、当分の間運休となっている。以前のはるかは阪和線内ノンストップで、天王寺～関西空港間の所要時間は32分(上り)、33分(下り)で、新大阪～関西空港間は51分(上り)、50分(下り)となっていた。

281系HA602関空特急はるか

2023年3月18日ダイヤ改正で、梅田貨物線の地下化が完成し大阪駅地下ホームが開業した。関空特急はるか、特急くろしおの全ての列車が大阪駅地下ホームに停車となった。大阪～関西空港間の所要時間は51分で、関空快速よりも10分前後速くなった。くろしおの大阪～和歌山間の所要時間は57分で、紀州路快速よりもも30分前後速くなっている。阪和間の所要時間は飛躍的に速くなったが、特急くろしおは毎時1本の運転のため、利便性はあまり高くない。

4．関空紀州路快速

223系HE403関空紀州路快速

関空紀州路快速は天王寺～大阪～関西空港・和歌山間に毎時4本に運転されている。大阪環状線内天王寺から大阪までは各駅に停車する。大阪からの停車駅は福島、西九条、弁天町、大正、新今宮、天王寺、堺市、三国ヶ丘、鳳、和泉府中、東岸和田、熊取、日根野、りんくうタウン。紀州路快速は日根野以南各駅に停車する。

関空快速と紀州路快速は日根野まで併結運転を行っている。日根野では下り関空快速が先に出発し、上りは後から到着するよう関西空港方に関空快速が連結されている。紀州路快速は天王寺方に連結され、下りは後から出発し、上りは先に到着して関空快速を連結する。

下り関空紀州路快速のうち、天王寺発毎時25分の列車は和泉府中でくろしおの待避を行う。毎時10分、40分の列車は和泉府中で関空特急はるかの待避を行う。
関空紀州路快速は223系0番台、2500番台、225系5000番台、5100番台を使用し、4両編成2本を繋いだ8両編成で運転されている。日根野から先はそれぞれ4両編成で運転される。

5．区間快速

225系HF417区間快速熊取

区間快速は天王寺〜熊取間に毎時4本運転されている。先述したように2022年3月12日改正で、運転区間が天王寺～日根野間から天王寺～熊取間に短縮された。停車駅は天王寺から堺市、三国ヶ丘、鳳以遠の各駅。225系5100番台、223系4両編成を使用している。2022年3月12日改正で区間快速の運転時間帯が延長されて、天王寺発9時台や16時台にも運転されるようになった。端境期には225系5100番台6両編成の区間快速も見られるようになった。

区間快速は東岸和田で関空紀州路快速と緩急接続を行う。同時に和泉府中で関空紀州路快速を追い抜いた特急の待避も行うため停車時間は長い。

6．普通

225系HF610普通鳳

普通は天王寺～鳳間の運転で、鳳から先は熊取まで区間快速が各駅停車の役割を果たしており、熊取以南は紀州路快速が各駅停車の役割を果たしている。鶴ケ丘で関空紀州路快速、杉本町で特急と区間快速、上野芝で関空紀州路快速を待避する。阪和線は鳳以南では緩急接続ダイヤになっているが、鳳以北は緩急接続駅がないため、美章園～浅香間の普通しか停まらない駅は普通しか利用できない。以前は10分毎に運転されていたが、2011年3月12日ダイヤ改正以降は15分毎の運転となり、並行して走る御堂筋線に対してかなり分が悪くなっている。

待避も多いので、普通しか利用できない杉本町や浅香から天王寺へ行くには所要時間も長くなる。103系と比べて加速が良くなった223系や225系を使用しているが、優等列車運転の比率が高いこともあり、待避を減らすこともできない。本来であれば323系ぐらいの加速度がある車両を投入した方がよかったかもしれないが、もはや後の祭りだ。普通に関しては今後も現行と同様に推移していくとみられる。

普通は主に223系、225系4両編成を使用し、225系5100番台6両編成を使用する列車もある。車内は1-2配列の転換クロスシート車になっており、4両編成については関空紀州路快速からきのくに線普通まで同仕様で運用されている。6両編成も関空紀州路快速の運用はないが、車内は1-2配列の転換クロスシートになっている。普通を中心に快速や区間快速にも運用されている。閑散時間帯は転換クロスシート車で十分なほど空いているが、下校時間帯や朝夕ラッシュ時には転換クロスシート車のため乗降に時間がかかっている。JR西日本ではなんでもかんでも転換クロスシート車を投入している感があるが、乗車距離が短い普通にはロングシート車の方が利用者にとってはありがたいところがある。混雑する天王寺方の先頭車やその他の車両でも車端部などはロングシート化してもよいのではないかと思われる。阪和線に限らず、混雑する路線や普通電車での運用を考慮してセミクロスシート車の登場や改造を期待したい。

7．各駅別

225系HF432関空紀州路快速

【美章園～浅香間の各駅】

普通が毎時4本に運転されている。快速は堺市まで停車しないため、天王寺まで普通に乗るしかない。

【堺市・三国ヶ丘・鳳】

関空紀州路快速、区間快速がそれぞれ毎時4本の運転、普通が毎時4本に運転されている。普通は途中関空紀州路快速に追い抜かれるため、天王寺まで先着する列車は毎時8本となる。

【百舌鳥～津久野各駅】

普通が毎時4本運転されている。天王寺へは三国ヶ丘で関空紀州路快速に乗り換えとなる。

【富木～信太山・久米田・下松】

区間快速が毎時4本運転されている。区間快速は天王寺まで先着する。

【和泉府中・東岸和田】

関空紀州路快速、区間快速がそれぞれ毎時4本に運転されている。区間快速は天王寺まで先着するので毎時8本の利用ができる。

【東貝塚～東佐野間各駅】

区間快速が毎時4本運転されている。区間快速は東岸和田で関空紀州路快速に追い抜かれるので、天王寺方面へは関空紀州路快速に乗り換えとなる。

【熊取・日根野】

関空紀州路快速、区間快速がそれぞれ毎時4本に運転されている。区間快速は東岸和田で関空紀州路快速に追い抜かれるので、天王寺方面への先着列車は毎時4本のみとなる。日根野には毎時1本特急くろしおが停車するので、天王寺、新大阪方面へは特急の利用も可能である。

【日根野～和歌山間各駅・りんくうタウン～関西空港】

日根野～和歌山間の各駅には紀州路快速が毎時4本運転されている。各駅に停車するため所要時間がかかるが、天王寺まで先着する。和歌山は毎時1本特急くろしおが停車するため天王寺、新大阪方面へは特急も利用できる。りんくうタウン、関西空港からは関空快速が毎時4本運転されている。関西空港からは関空特急はるかが毎時2本運転されている。