JR大阪環状線データイムダイヤ【2024年3月16日ダイヤ改正】

223系HE429

1．概要

JR大阪環状線のデータイムダイヤは15分サイクルに関空・紀州路快速、大和路快速、環状普通が各1本運転されている。土休日の午前中を中心にこれに加えて天王寺・京橋〜桜島間の桜島線直通が運転されていたが、コロナ禍の影響もあり、2021年3月13日改正で減便され、2022年3月12日改正ではさらに減便された。

この他、西九条〜天王寺間では関空特急はるか、紀勢線特急くろしおが乗り入れてくる。関空特急はるかは毎時2本が運転されていたが、コロナ禍の影響により昼間の列車はほとんどが当分の間運休となった。2022年7月1日に訪日外国人受け入れ再開に伴いデータイムは毎時1本の割合で運転され、1日19往復が運転となった。2022年11月1日からは水際対策緩和により、運休していた列車全てが運転再開され、1日30往復の運転となった。特急くろしおは毎時1本が運転されているが、こちらもコロナ禍の影響により、一部列車は週末を中心に運転される季節列車となった。

2．2024年3月16日ダイヤ改正

2024年3月16日ダイヤ改正ではJR大阪環状線データイムダイヤに大きな変化はなかった。

3．特急

HC634

関空特急はるかは京都〜関西空港間に運転されている。コロナ禍の影響により朝夜の列車以外は運休していたが、2022年7月以降毎時1本の運転となり、2022年11月以降は通常通りの運転に戻っている。データイムの関空特急はるかは毎時2本の運転となっている。

関空特急はるかの下り列車は、途中茨木付近から貨物線に入り、新大阪からは通称梅田貨物線を通って西九条から大阪環状線に入る。特急くろしおも同じルートで運転され、毎時3本の特急が単線の貨物線を経由して大阪環状線に乗り入れてくる。下り特急は西九条手前で外回線を横断して西九条駅中線の2・3番のりばを通過していく。上り特急は外回り1番のりばを通過して梅田貨物線に入る。ゆめ咲線電車との交差支障が生じており、特急の遅れがゆめ咲線電車、環状線電車に波及しやすい構造になっている。平面交差は避けられないが、ゆめ咲線電車との交差支障をなくすため、JR西日本では西九条駅構内配線変更により下り特急は内回り4番のりばを通過できるようにした。

特急はかつては一部の関空特急はるかが西九条に停車していたが、現在は通過となっている。2023年3月18日ダイヤ改正までは特急くろしおの一部が停車していたが、同改正で特急くろしおも全て通過となった。2023年3月18日改正で大阪駅地下ホームが開業し、関空特急はるかと特急くろしおの全ての列車が大阪駅停車になった。大阪駅地下ホームへはこの他におおさか東線電車が乗り入れているが、大阪駅地下ホームから西九条の間は特急のみが運転されており、快速や普通の運転はない。

3．関空紀州路快速

HF438

関空・紀州路快速は天王寺〜京橋〜関西空港、和歌山間の運転で、毎時4本15分毎に運転されている。環状線内の停車駅は天王寺から大阪までの各駅、福島、西九条、弁天町、大正、新今宮、天王寺。快速運転が行われる大阪～天王寺間の所要時間は最速16分で、表定速度は41.2㎞/hとなっている。

関空紀州路快速は全て8両編成で運転されており、223系0番台、223系2500番台、225系5000番台、225系5100番台が運用されている。日根野で分割併合を行い、関空快速と紀州路快速に分かれる。日根野以遠は双方とも各駅に停車する。4両編成を2本繋いだ8両編成で運転されるため、4・5号車の間は通り抜けができないので注意が必要だ。関空快速は2023年3月18日改正まで大阪駅から関西空港に直通する唯一の列車だったが、同改正で大阪駅地下ホームが開業し、関空特急はるかが大阪駅にも停車するようになった。関空紀州路快速は天王寺で大和路線普通と連絡を取っている。これにより大和路線沿線から大阪環状線沿線への利便性を高めている。

関空快速は1994年9月6日の関西空港開港とともに運転を開始した。運転開始当初は6両または8両での運転で、京橋〜関西空港間に毎時2本の運転だった。環状線内の停車駅は大阪、西九条、弁天町、新今宮、天王寺だった。翌1995年4月20日ダイヤ改正で新設された関空特快ウイングは大阪〜天王寺間ノンストップ運転となり、阪和線内でも停車駅を減らして関西空港までの所要時間を短縮した。1999年5月10日ダイヤ改正から紀州路快速の運転を開始した。京橋〜日根野間で関空快速と併結運転を行い、223系の編成組み替えが行われ、関空快速が5両、紀州路快速が3両で運転された。このダイヤ改正で、関空特快ウイングは関空快速に統合されて消滅した。2008年3月15日ダイヤ改正で、天王寺駅大和路線から阪和線への短絡線が複線化され、毎時2本の運転だった関空紀州路快速が毎時3本に増発された。223系2500番台が増備されて、全ての編成が4両編成に組み替えられて関空快速も紀州路快速も4両編成で運転されるようになった。2008年3月15日ダイヤ改正で20分毎の運転となり、京橋〜大阪間も各駅に停車するようになり、朝夕には京橋から天王寺まで延長運転される電車も増えた。2011年3月12日ダイヤ改正で大正に停車となり、毎時4本15分毎の運転となった。またデータイムもほとんどの電車が天王寺始発となった。2012年3月17日ダイヤ改正で福島に停車となり現在の停車駅となった。

4．大和路快速

NB801

大和路快速は天王寺〜大阪〜奈良・加茂間の運転で、奈良まで毎時3本、加茂まで毎時1本の運転となっている。2021年10月2日ダイヤ見直し前は、加茂まで毎時2本の運転だったが、同見直しにより毎時1本の運転となった。環状線内の停車駅は天王寺から大阪までの各駅、福島、西九条、弁天町、大正、新今宮、天王寺。関空・紀州路快速と同じで、2011年3月12日ダイヤ改正で大正が追加になり、2012年3月17日ダイヤ改正で福島が追加になった。快速運転が行われる大阪～天王寺間の所要時間は最速15分で、表定速度は44㎞/hとなっている。

大和路快速は全ての電車が221系8両編成で運転されている。221系8両編成には8両固定編成と4両を2本繋いだ編成があり、4両編成2本を繋いだ列車は4・5号車の通り抜けはできない。データイムの大和路快速は途中駅での分割併合はないので関空紀州路快速のような誤乗の心配はない。

大和路快速の歴史は関空・紀州路快速よりもはるかに古く、国鉄時代から大阪環状線に直通運転を行っていた。113系6両編成が使用され、春日塗りと呼ばれる専用塗装が施されていた。毎時3本20分毎の運転で、停車駅は天王寺から大阪までの各駅と西九条、弁天町、新今宮、天王寺だった。JR発足後の1989年3月11日ダイヤ改正で221系が投入されて、大和路快速の愛称が付けられた。大和路快速となってからも20分毎の運転は維持され、15分毎に増発されたのは関空・紀州路快速と同様に2011年3月12日ダイヤ改正だった。この改正で大正停車となり、翌2012年3月17日ダイヤ改正で福島停車となって現在に至っている。221系は登場から30年経ち、車内設備を中心にリニューアル改造されて大和路快速で活躍を続けている。当初は6両編成で運転されていたが、網干からの転属が増えて8両編成が増えて、2020年3月14日ダイヤ改正で、全列車が8両編成化された。

5．普通

LS05

普通は環状運転が15分毎に運転されている。環状運転は長らく10分毎の運転で、快速もそれに合わせて20分毎に運転されていたが、2011年3月12日ダイヤ改正で、関空・紀州路快速、大和路快速の増発で、環状運転は15分毎の運転に減便された。天王寺〜京橋〜大阪の東半分は快速が各駅に停まるため、減便となる駅はなく、西半分でも快速停車駅増加により、15分毎にしか電車が来ない駅は野田、芦原橋、今宮の3駅のみとなっている。このうち野田は桜島線直通が走っている時間帯は毎時8本利用できるので、本数が過疎化したのは実質2駅と言える。323系投入前に環状運転を減らして、快速を増発することにより、103系、201系の運用が減少した。これに合わせて323系は投入されたので、製造本数は22本とかつての通勤型の運用本数と比べると少ない。その分快速とりわけ阪和線快速に新車を大量に投入しているが、阪和線でも本数を減便してから車両投入しているので、それ相応にはうまくコストダウンできていると思われる。大阪環状線では、323系投入により、まず2017年10月3日に103系の運用が終了し、2019年6月7日に201系の運用が終了し、環状運転及び桜島線直通は323系で統一された。