昨今首都圏を中心に有料列車が増加している。関西でも京阪が特急にプレミアムシートを導入する計画で、今後他社にも広がっていくか注目されるところだ。JR西日本の新快速も以前より、グリーン車の連結などの噂があったが、色々問題があり実現には至っていない。ここでは、京阪神間で、新快速とは別立ての有料列車の運転の可能性を考えてみたい。
現在の新快速は、15分毎の運転で、東は敦賀、西は播州赤穂、上郡まで足を延ばす。この列車に有料車両を導入するには、かなりのシステム改善が必要になり、相当な設備投資を要する。これでは費用対効果の面で、有料車両導入が頓挫するのもやむを得ないところである。敦賀や播州赤穂まで乗り通す人には、必ず座席が保障される指定席などが欲しいところだろうが、実際15分毎に走り、意外に小まめに停車していく新快速に指定席車を導入するのは無理があるだろう。やるなら利用区間を絞って指定席車を導入するかだが、混乱のもとであり、現状の運行体系では、新快速に特別車両を連結するのは不可能とみる方が妥当なのではなかろうか。
やるなら新快速とは別立てで、有料列車を走らせてはどうだろうか。それなら現在でも、特急サンダーバードやスーパーはくとなどが走っているということも言えるが、それらはあくまでも長距離列車で、近距離利用に適した料金体系ではない。特急よりも格下だが、座りたい人のために設定する新快速という位置づけで、試用的に京都~神戸間に走らせてみては如何だろうか。使用車両は、将来的に置き換えが必要になる281系を使用すればいい。同車は、関空特急はるかとして20年以上稼働しているが、そろそろ特急車としてはリニューアルする時期に来ている。これに新車を入れて、281系を京阪神間の有料新快速に投入する。当然、運用前にはリニューアル改造も必要であり、車内設備には、ICカード利用チェックなどのシステムなども導入すればよい。
停車駅は、京都、大阪、三ノ宮と厳選し、当初は毎時1本の運転で、京都~大阪間は26分、大阪~三ノ宮間は17分で結ぶ。三ノ宮~神戸間は3分ほどなので、大阪での停車時間を2分として、京都~神戸間の所要時間は48分。京都、神戸での折り返し時間は12分確保できるので、うまくいけば、運用本数2本で、毎時1本の運転が実現する。全車指定とするため、立席乗車は基本拒否。乗車した場合は、近鉄特急のように料金徴収という形にすればいい。編成は、281系基本の6両編成で十分だろう。料金は、新快速という設定とすれば、指定席料金520円とするのが妥当だが、先に書いたようにICカード利用を可能にして、カード利用の場合は割引くシステムにすればよい。京阪のプレミアムシートでも検討されているインターネット割引も導入すべきだろう。また、JR東日本のグリーン車と同じように車内での精算に関しては割増にすればよい。要するに飛び乗りで、さらに座席がない場合はかなり損になる。ケチな人が多い関西では、トラブルも発生する可能性もあるが、基本15分毎に新快速を走らせた上での列車のため、飛び乗りがそれほど多いとも思えない。外側線のスジは一杯なので、60分毎以上の増発は厳しいが、好評であれば30分毎の運転も検討すべきだろう。また、好評であれば、京阪神から先への延長も検討すべきだ。また、ラッシュ時間帯には、当初から京阪神の枠を越えて、東は米原(長浜)、西は姫路(上郡、播州赤穂)あたりまでの運転を行い、ホームライナーの役割も果たせばよい。
京阪神から先へ延長するなら、東は、草津、野洲、近江八幡、彦根、米原、長浜で、長浜まで運転して観光客の取り込みを図ればよい。敦賀までも1日何本か運転すればよい。
西へは、神戸から明石、西明石、加古川、姫路、網干、相生、播州赤穂まで運転すればよい。こちらも観光客の取り込みを考えて播州赤穂まで何本か運転し、通常は姫路止まりとすればよい。但し、運転本数、運転区間を拡大すると281系だけでは運用本数が足りなくなる。その際にはオリジナルの新車も必要になるだろう。281系は好評を得るかどうかの試用期間での運転とし、好評を得れば、新車を投入して運転を拡大すればよいだろう。281系のその後の転用先も検討しておくべきで、京都~奈良~天王寺~大阪間に特急を新設して、それに充当すればよいのではなかろうか。
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