【関西各駅探訪第600回】南海本線難波駅

難波

【大阪ミナミの大ターミナルは関西の玄関口でもある】

南海本線難波駅は大阪市中央区にある。難波は言わずと知れた大阪ミナミの中心で、南海難波駅は、キタの阪急梅田駅と並ぶ大ターミナルである。線路戸籍上は南海本線の駅だが、岸里玉出からは南海高野線が線路別複々線で乗り入れており、南海の二大路線が乗り入れるターミナルを形成している。難波は南海の他、大阪メトロ御堂筋線、四つ橋線、千日前線が乗り入れており、北側には近鉄と阪神の大阪難波駅があり、西側にはJR大和路線のJR難波駅もあり、キタの梅田と並ぶ巨大ターミナルになっている。南海難波は中心部からはややミナミに外れているものの、その規模や佇まいから難波の中心駅と言えるだろう。

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難波駅は、南海本線、南海高野線の起点としての機能の他、関西空港に直結するミナミの玄関口としても機能している。近年のインバウンドの増加で、大阪ミナミを訪れる人が増えており、大阪ミナミの顔だけでなく、海外からの関西の玄関口としても価値が高まってきている。なお、難波駅は正式には漢字表記だが、南海の行き先表示や駅名板などは平仮名表記になっている。大阪メトロの駅も同様で、馴染みのない人には読みにくい難読駅名のため、平仮名で表記してわかりやすくしている。なお、大阪難波駅とJR難波駅は漢字表記になっている。

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難波駅は1885年12月29日に阪堺鉄道の駅として開業した。阪堺鉄道は日本初の私鉄で、難波駅は日本初の私鉄駅舎となった。1898年10月1日には阪堺鉄道が南海鉄道に合併され、同社の駅となった。1925年3月15日には岸ノ里駅の高野線連絡線が完成し、高野線電車の難波乗り入れが始まった。1932年7月9日には四代目駅舎となる南海ビルディングが完成。同月15日からは高島屋大阪店が開店した。この四代目駅は現在も現役で登録有形文化財になっている。1937年11月1日に天下茶屋までの高架化が完成した。1938年9月10日には天下茶屋までの高架複々線が完成。これにより難波駅は9面8線の現在の形になった。戦時中に近畿日本鉄道への合併などを経て、戦後南海電気鉄道の駅に戻り、1974年から1980年にかけて改良工事が行われ、現在の駅の形になった。この改良工事により、起点は0.2km和歌山市寄りに変更された。1994年9月4日の関西空港開港に合わせて、8番線降車ホームを空港特急ラピート専用の9番線とした。中央コンコースには航空機搭乗のチェックインカウンターなんばCATが開設された。なんばCATは関西空港の不振などにより2001年に閉鎖された。2003年10月7日には大阪球場跡地になんばパークス(第1期)が開業した。2007年4月19日にはなんばパークス第2期分が完成し、難波駅周辺の再開発はひとまず完了した。

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駅構内はホーム9面8線で、1〜4のりばは高野線、5〜8のりばは南海本線が使用する。南海本線の8のりばは、ラピート専用の9番のりばと共用となっている。各ホームともホーム有効長は21m級車両10両分あるが、高野線での10両運転がなくなり、一部は柵が設けられて、ホーム端には立ち入り禁止としている。

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高野線ホームの1番のりばはホーム有効長が短く、21m級車両6両分となっている。ホーム頭端部は南側にずれている。1番のりばからは高野線各停が発着する。

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2番のりばから4番のりばは、ホーム有効長は21m級車両10両分あるが、泉北区急や泉北準急の10両運転はなくなったので、現在は8両分までしか使われていない。

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2番のりばからは泉北準急を中心に、泉北区急が発着し、一部時間帯は快速急行、急行、区間急行各停なども発着する。

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3番のりばは、特急、快速急行、急行、区間急行が中心で、一部時間帯には泉北準急や泉北区急、各停も発着する。

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4番のりばも特急、快速急行、急行、区間急行が中心で、一部時間帯に泉北準急、泉北区急、各停が発着する。

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5番のりばから9番のりばまでは南海本線が使用する。8番のりばと9番のりばは、ホームを共用する。

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5番のりばは特急サザン、急行、空港急行、区間急行が発着する。5番のりばは、和歌山方に高野線との間に渡り線があり、両線間で車両の行き来がある場合はここで折り返す。

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6番のりばも同じく特急サザン、急行、空港急行、区間急行が発着する。

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7番のりばは普通が発着する。

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8番のりばも普通が発着するが、ラピート専用の9番のりばがあるため、降車ホームはない。

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9番のりばはラピート専用ホームで、線路自体は8番のりばの普通車用ホームと共用となる。ラピート到着時は8番のりば側のドアは開かない。

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9番のりばにはラピート用の広い待合室が用意されており、時間に余裕を持つことが多い空港利用者に配慮している。

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9番のりばには専用の改札があったが、今は係員がいるだけで、切符のチェックはしていない。

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改札は3ヶ所あり、ホームがある3階に北改札、2階に中央改札と南改札がある。

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北改札は頭端式ホームの難波駅北側にあり、各線への連絡はここが便利である。

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有人改札で、ICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置されており、改札内に特急券自動券機があり、改札外には特急券販売窓口がある。

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3階にある北改札口のきっぷ売り場。

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ホーム上に設置されている特急券自動券売機。

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北改札内には南海そばや551蓬莱の店舗がある。改札外にもユニクロなどの店舗がある。高野線ホーム側と南海本線ホーム側に1ヶ所トイレが設置されている。

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改札を出ると地上1階に下りる直通のエスカレーターと2階に下りるエスカレーターがある。1階に下りるエスカレーターは非常に長く、阪急梅田駅のエスカレーターと似たような造りだ。

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地上1階に下りるとビル内には高島屋となんばCITYの店舗がある。

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外に出るとロータリーがあり、大阪シティバスの路線バスやタクシーが発着している。

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南海難波駅手前で御堂筋は終わり、道路は西に向かい大阪府立体育館付近で四つ橋筋と合流する。

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西側には阪神高速環状線が走っており、その高架下に大阪シティバスのなんばバスターミナルがある。その向かいには大阪空港へ向かうリムジンバスの乗り場がある。

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地下に下りると御堂筋線なんば駅の南改札がある。御堂筋線とはまだ乗り換えは容易にできるが、千日前線や大阪難波駅とはかなり離れており、地下道を北へ歩かなければならない。四つ橋線へは地下道を通るより、地上で31号出口へ向かう方が近い。

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2階中央改札はなんばCITYの2階部にある。有人改札で、ICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置されている。特急券販売窓口もあり、北改札に次いで利用が多い。中央改札内にも南海そばがあり、駅構内で飲食できる。

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高島屋となんばCITYに直結しており、買い物客の利用が多い。なんばパークスやなんばスカイオなどにも中央改札が近い。北側で北改札から下りてくるエスカレーターと繋がっている。

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難波駅中央改札の東側出口は高島屋への出入口と共用されている。

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南改札も2階にあり、中央改札と連絡通路で繋がっている。有人改札でICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置されている。

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南改札はなんばパークスやなんばCITY南館に近く、日本橋やでんでんタウン方面へもここから降りて歩いていける範囲にある。

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難波パークスにはウインズ難波も併設されており、週末など競馬開催時には馬券を購入する人で混雑する。

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難波パークスは、かつての南海ホークスの本拠地大阪球場跡に造られたこともあり、大阪球場のホームベース付近にモニュメントが残されている。

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難波パークス側の出口には南海空港特急ラピートを模した自動販売機コーナーが設置されている。

難波駅の2016年度1日あたりの乗車人員は117,254人で、うち定期利用者は56,972人となっている。定期比率は48.6%で、定期利用者は50%を割っている。10年前の2006年度と比較すると全体で4.0%増、定期利用者は4.4%減、定期外利用者は13.4%増となっており、近年インバウンドの増加などにより定期外利用者が増加してきている。

  

鉄道コム

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