大阪メトロ御堂筋線ガイド【まさに大阪のメインストリートを行く路線】

31602F

1.路線概要

会社名 大阪市交通局
路線名 御堂筋線
区間 江坂~中百舌鳥
営業キロ 24.5km
駅数 20駅
平均駅間距離 1.29km
所要時分 42分
表定速度 35km/h
軌間 1435mm
電気方式 750V直流電化
集電方式 第3軌条
線路 複線
保安方式 WS-ATC
最高速度 70km/h
最大編成両数 10両

大阪メトロ御堂筋線は江坂と中百舌鳥を結ぶ24.5kmの地下鉄路線で大阪メトロでは一番古い路線である。同線は集電方式が大阪メトロの標準と言える750V第三軌条方式となっており、軌間は1435mmの標準軌を採用している。大阪の中心部梅田、淀屋橋、難波を通るため利用者は非常に多く、輸送人員は大阪では一番多く全国的に見てもトップクラスを誇っている。車両は短い18m級4扉車だが、全て10両編成で運転されており、大阪メトロでは最大の輸送力を有している。北側では江坂から先北大阪急行に乗り入れ千里ニュータウンの足となっており、南側では中百舌鳥で泉北高速鉄道と南海高野線と連絡しており、泉北ニュータウンの足にもなっている。

駅番号 駅名 副駅名 駅間キロ 営業キロ 駅形式 所在地
M11 江坂 0km 地上 吹田市
M12 東三国 2km 2km 大阪市淀川区
M13 新大阪 0.9km 2.9km 大阪市淀川区
M14 西中島南方 0.7km 3.6km 大阪市淀川区
M15 中津 1.8km 5.4km 地下区間 大阪市北区
M16 梅田 1km 6.4km 大阪市北区
M17 淀屋橋 (市役所前) 1.3km 7.7km 大阪市中央区
M18 本町 (船場西) 0.9km 8.6km 大阪市中央区
M19 心斎橋 1km 9.6km 大阪市中央区
M20 難波   0.9km 10.5km 大阪市中央区
M21 大国町 1.2km 11.7km 大阪市浪速区
M22 動物園前 (新世界) 1.2km 12.9km 大阪市西成区
M23 天王寺 1km 13.9km 大阪市阿倍野区
M24 昭和町 1.8km 15.7km 大阪市阿倍野区
M25 西田辺 1.3km 17km 大阪市阿倍野区
M26 長居 1.3km 18.3km 大阪市住吉区
M27 我孫子   1.2km 19.5km 大阪市住吉区
M28 北花田 1.9km 21.4km 堺市北区
M29 新金岡 1.6km 23km 堺市北区
M30 中百舌鳥   1.5km 24.5km 堺市北区

2.歴史

御堂筋線は1933年(昭和8年)5月20日に大阪市営地下鉄1号線として梅田(仮駅)~心斎橋間3.1kmが開業した。当初は1両での単行運転だった。1935年(昭和10年)10月6日に梅田駅本駅が開業し、営業キロが+0.1km増加した。同年10月30日に心斎橋~難波間0.9kmが延伸開業した。2両編成での運転を開始した。1938年(昭和13年)4月21日に難波~天王寺間3.4kmが延伸開業した。3両編成での運転を開始した。

1951年(昭和26年)12月20日に天王寺~昭和町間1.8kmが延伸開業した。梅田~昭和町、梅田~天王寺の2系統運転となった。1952年(昭和27年)10月5日に昭和町~西田辺間1.3kmが延伸開業した。1953年(昭和28年)8月1日に4両編成での運転を開始した。1957年(昭和32年)4月1日に5両編成での運転を開始した。

1958年(昭和33年)5月1日に6両編成での運転を開始した。1960年(昭和35年)7月1日に西田辺~我孫子間2.5kmが延伸開業した。7両編成での運転を開始した。1963年(昭和38年)6月1日に8両編成での運転を開始した。

1964年(昭和39年)9月24日に新大阪~梅田間3.5kmが延伸開業した。梅田~天王寺間の系統が中津~天王寺間での運転となった。1968年(昭和43年)8月29日に30系電車の運転を開始した。1969年(昭和44年)2月1日に全列車30系電車に統一された。同年12月6日に御堂筋線の愛称が付けられた。

1970年(昭和45年)2月24日に江坂~新大阪間2.9kmが開業した。全線ATC化され、北大阪急行電鉄と相互直通運転を開始した。1971年(昭和46年)4月1日に列車集中制御装置CTCを導入した。1975年(昭和50年)5月8日にラインカラーが導入され、御堂筋線のラインカラーは赤色になった。

1976年(昭和51年)2月16日に10系試作車が谷町線から転入した。1979年(昭和54年)4月に10系量産車が運転を開始した。1980年(昭和55年)2月25日ダイヤ改正により、朝ラッシュ時の最短運転間隔を2分15秒から2分に変更された。

1987年(昭和62年)4月18日に我孫子~中百舌鳥間5.0kmが延伸開業し、江坂~中百舌鳥間が全通した。この時9両編成運転を開始した。同年8月24日に全列車9両編成化が完了した。

1991年(平成3年)5月14日から21系電車が運転を開始した。1993年(平成5年)冷房化率100%達成。1995年(平成7年)12月9日に10両編成化開始。1996年(平成8年)9月1日に10両編成化が完了した。

2002年(平成14年)11月11日に平日朝ラッシュ時に女性専用車両を導入した。2004年(平成16年)9月6日に女性専用車両の時間帯を平日終日に拡大した。2011年(平成23年)12月10日に30000系電車が運転を開始した。

2015年(平成27年)2月14日から天王寺駅にホームドアを設置した。同年3月1日に心斎橋駅にホームドアを設置。ダイヤ改正により、平日朝ラッシュ時の最短運転間隔を2分から2分15秒に変更した。

2018年(平成30年)3月24日ダイヤ改正により、平日朝ラッシュ時の運転間隔を2分15秒~30秒から2分15秒に変更した。同年4月1日に大阪市営地下鉄の民営化により、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の路線となった。

2020年(令和2年)1月24日に終電を通常より2時間遅くする社会実験を実施した。2021年(令和3年)1月9日に全駅でTASC(定位置停止装置)を導入した。

3.路線ガイド

御堂筋線の起点江坂は大阪市内ではなく吹田市内にある。江坂は吹田市、大阪市、豊中市の3市の市境にあるが、駅周辺はビルが建て込んでおり、新大阪に近いこともあり副都心的な雰囲気がするところである。駅自体は1面2線の単純な配線で、ここから先北大阪急行に直通するため早朝深夜を除いて同駅で折り返す電車はない。江坂を出ると国道423号線通称新御堂に沿って高架を走る。神崎川を渡って大阪市内に入り東三国となる。同駅も1面2線で御堂筋線の大半の駅が1面2線となっている。東に500mほどのところにJR京都線の東淀川駅がある。

東三国を出て暫く走り、新幹線の新大阪駅が見えてくると新大阪となる。駅の江坂方には引き上げ線があり、データイムにも同駅折り返しの電車が設定されている。新幹線への乗換えは比較的便利だが、JR在来線との乗換えはかなり歩かなければならない。なお、南口は新幹線、JR線との連絡はできないので注意が必要だ。新幹線への乗り換えは江坂寄りの車両に乗った方がよい。

新大阪から先も新御堂に沿って高架を走り、次の西中島南方までは高架駅となっている。同駅は2面2線の構造で阪急京都線南方と連絡している。阪急南方へは北口からの乗り継ぎが便利である。阪急京都線と交差して新淀川を渡り、新御堂と離れて地下に潜る。地下に入ってすぐに1面2線の中津となる。江坂方に引き上げ線があり、同駅折り返しの電車はここで折り返している。阪急の中津とは少し離れているが、御堂筋線の中津の方が駅前は賑やかである。

中津を出ると地上で阪急が交差して国道176号線の下に入り、JR大阪駅との交点付近に梅田がある。梅田は1面2線ながらホームが大幅に拡張されており、上下線の間に仕切りの壁があるほど広いホームになっている。これは梅田駅の混雑が激しいため、開業時に準備されていた複々線用の用地を活用してホームを拡張した結果である。御堂筋線梅田駅は単独駅の乗降者数としては地下鉄では日本一を誇っている。なんばや天王寺なども上位にランクされており、大阪の中心部を貫く路線に相応しいデータが弾き出されている。梅田では谷町線の東梅田、四つ橋線の西梅田と連絡しており、連絡切符も発売されている。また、JR大阪駅、阪神梅田駅、阪急梅田駅とも連絡しており、大阪キタの巨大ターミナルの中心にあるといっても過言ではない。阪急との乗り換えは、江坂寄りの車両、谷町線、四つ橋線、阪神との乗り換えは中百舌鳥寄りの車両に乗った方がよい。JRとの乗り換えはどちら側でもできるが、中改札からの乗り換えが一番近い。中改札付近にあるエスカレータは大阪駅への隘路となっており、ラッシュ時にはボトルネックとなり大変混み合う。このあたりは改良が必要である。


梅田を出ると谷町線が並行して走り、壁があって見えないが、東梅田駅の脇を走る。国道1号線との交点で谷町線が左にカーブして分かれていき、地下3階ではJR東西線が交差している。国道176号線と国道423号線の合流地点梅新から御堂筋(国道25号線)の下に入る。堂島川をくぐり中ノ島を通って土佐堀川をくぐって淀屋橋となる。同駅も1面2線で京阪本線と連絡しており、大阪市役所への最寄駅にもなっているため乗降が多い。京阪との乗り換えは江坂寄りの車両が便利である。

淀屋橋を出ると大阪屈指のビジネス街の下を走り、中央大通りとの交点に本町がある。本町も1面2線で中央線、四つ橋線と連絡している。とはいえ、御堂筋線の本町駅は、中央大通りよりも北側にあり、本町通付近が中心となっているため、中央線との乗り換えには少し歩かなければならない。中央線へ乗り換えるには中百舌鳥方の車両に乗った方がよい。

さらに御堂筋を南下してビジネス街からショッピング街に入り心斎橋となる。長堀鶴見緑地線の心斎橋と連絡しており、乗り換えるには江坂寄りの車両に乗った方がよい。同駅近辺には老舗の大丸などのデパートがあり、その他様々な店が建ち並ぶ街になっている。このあたりから大阪のミナミと呼ばれる街が広がっている。阪神タイガースが優勝すると熱狂したファンが飛び込むことで全国的に有名な道頓堀川の下をくぐって、御堂筋の下を南下してなんばとなる。ホーム2面2線だが、南行きのホームは上下線間にあり、北行き側は柵で仕切られている。北行き側は対向式ホームとなっている。なんばでは千日前線、四つ橋線、近鉄難波線、と連絡しており、少し離れているが、南海難波、JR難波とも連絡している。南海との乗り換えは中百舌鳥方の車両が便利で、千日前線、近鉄との乗り換えは江坂寄りの車両が便利である。なお、JR難波はかなり離れており、四つ橋線なんば駅のさらに西側にあるため、かなり歩かなければならない。

なんばを出ると右にカーブして四つ橋線と並行する形で国道25号線の下を走る。大国町手前で四つ橋線と立体交差して方向別複々線となって大国町駅に進入する。同駅周辺は大阪市内でもそれほど賑やかなところではなく、乗降者よりも四つ橋線からの乗換え客の方が多い。

大国町を出ると四つ橋線西梅田方面上り線と御堂筋線梅田方面上り線が立体交差して御堂筋線が左にカーブして分かれる。国道43号線の下に入り、新今宮の駅前を経て堺筋線との交点に動物園前がある。対向式ホーム2面2線で、JRの新今宮、阪堺電車の新今宮駅前とは目と鼻の先の場所にある。南海新今宮も遠くはないが、大国町寄りにあるため乗り換えるにはかなり歩かなければならない。駅北側にはスパワールドがあり、阪神高速を挟んでその向こうには駅名になっている天王寺動物園が広がっている。もっとも天王寺動物園へは天王寺駅からの方がアクセスが良い。JR大阪環状線の南側を走り、谷町線と交差して天王寺となる。御堂筋線天王寺駅はJR天王寺駅と近鉄阿部野橋駅の中間にあり、北側にある谷町線天王寺駅とは少し離れているが、各線との乗換えは便利な位置にある。谷町線と阪堺上町線との乗り換えは江坂寄りの車両が便利で、JR、近鉄への乗り換えはどちらからでもできる。

天王寺を出ると右にカーブして再び南下する。天王寺バイパスの下に入り、近鉄南大阪線と交差してあびこ筋を真っ直ぐ南下して行く。谷町線と交差する地点から少し南に行ったところに2面2線の昭和町がある。谷町線には御堂筋線との交点付近に文の里があるが、昭和町とは少し離れている。天王寺での乗換えが不便なだけにこの交点に駅があれば便利だ。あびこ筋をそのまま南下して南港通との交点に2面2線の西田辺がある。かつては駅周辺にシャープ本社があったが、本社が堺へ移転してしまったため、駅周辺の空洞化が懸念されるところだ。同駅の東側にはJR阪和線も走っている。その阪和線と交差した後すぐに2面2線の長居となる。長居公園への最寄駅で、ヤンマースタジアム長居でサッカーの試合などがある時は観客輸送で賑わう。駅ホームなどはヤンマースタジアム長居を本拠地とするセレッソ大阪のフラッグやエンブレムなどが華やかに飾られている。西側にはJR阪和線長居駅があり、乗り換えできる距離にある。

次のあびこはかつての終点で車庫も併設されていたが、今は保線基地があるだけとなっている。ホーム2面2線で、中百舌鳥方には引き上げ線がある。当駅折り返しの電車も一部残存している。少し離れているが、東側にJR我孫子町がある。あびこを出ると地上では阪和貨物線跡が交差して、大和川の下をくぐり堺市に入る。堺市に入ってもそのまま真っ直ぐ南下を続け北花田となる。北花田は1面2線で、駅近くにはイオンモールなどがあり、飲食店なども多い。北花田を過ぎると、大規模な団地がある新金岡となる。ホーム1面2線で、中百舌鳥方に中百舌鳥検車場へ分岐する線路がある。入庫の都合などから中百舌鳥まで行かず新金岡で折り返したり、新金岡始発で運転される電車も多い。検車場への線路を右手に分けて、南海高野線中百舌鳥の北側に終点のなかもずがある。駅名は中百舌鳥だが、行き先表記などは平仮名でなかもずとなっている。これはなんばやあびこなども同様である。ホーム1面2線で、南海高野線、泉北高速線の中百舌鳥駅と連絡している。

にほんブログ村 鉄道ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログ 関西の鉄道へ にほんブログ村 鉄道ブログ JRへ にほんブログ村 鉄道ブログ 私鉄・公営へ
ブログランキング・にほんブログ村へ
鉄道コム

タイトルとURLをコピーしました