【阪急電車のメンテナンスを一手に引き受ける正雀工場】
阪急京都本線正雀駅は大阪府摂津市にある。京都本線の車両基地である正雀車庫を併設しており、京都本線だけでなく阪急の車両全てのメンテナンスを行う正雀工場も隣接している。このため、阪急京都本線の車両はもちろん、神宝線の車両も見ることができる。駅の北側にはJR京都線が走っており、岸辺駅が徒歩10分圏内にある。
電車は普通のみが停車し、データイムは梅田〜高槻市間の電車と天下茶屋〜高槻市間の電車が毎時3本20分毎に運転されている。淡路で梅田行きと天下茶屋行きが相互に連絡するので、両方面とも毎時6本10分毎の運転が確保されている。平日朝ラッシュ時下り梅田方面行き7時台に梅田行きが8本、天下茶屋行きが2本運転されている。車庫を併設しているが、配線の都合で梅田方面行きの当駅始発電車は少ない。平日夕方ラッシュ時上り18時台は河原町行き普通が3本、高槻市行き普通が3本、茨木市行き普通が3本運転されている。茨木市行きのみ天下茶屋始発となっている。
正雀駅は1928年1月16日新京阪鉄道淡路〜高槻町間開通とともに開業した。1930年9月15日に会社合併により京阪電気鉄道新京阪線の駅となった。1943年10月1日に会社合併により京阪神急行電鉄新京阪線の駅となった。1949年12月1日に路線名が新京阪線から京都本線に変更された。1980年に橋上駅舎が完成した。
駅構内はホーム2面4線で、ホーム有効長は18m級車両8両分ある。
北側に車庫に繋がる線路や入れ替え用の側線がある。車庫へ繋がる線路が1号線となっており、上り待避線は2号線となっている。このため、2面4線ながら5号線まである。
駅北側の河原町方に正雀車庫があり、上りホームから車庫構内を見ることができる。
正雀工場は車庫の北側にあるため駅からは見えにくいが、JR京都線車内からはよく見える。
改札は1ヶ所で河原町方に橋上駅舎がある。ホームから改札階へはエレベーターと上りエスカレーターが設置されている。
エスカレータはスペースの都合上トリッキーな配置になっている。
改札階コンコースにはトイレがあり、ATMも設置されている。売店もあったが、閉店してしまった。
有人改札で、ICカード対応の自動改札機、自動精算機、自動券売機が設置されている。
改札外にはコインロッカーや証明写真機がある。
出口は2ヶ所で改札階から地上へはエレベーター、上りエスカレーターが設置されている。
西出口はJR岸辺方面への出口で、駐輪場などがある。駅周辺の道路は狭くバス路線の乗り入れはない。
南出口は駅周辺には商店街がある。こちらも駅周辺の道路は狭く、駅前にバス路線の乗り入れはない。
北側には阪急タクシーの乗り場がある。
南口にもエレベータ、エスカレータが設置されている。
正雀 | 乗車 | |||
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年度 | 総 数 | 定 期 | 定期外 | 定期比率 |
2017年度 | 8,686 | 5,283 | 3,403 | 60.8% |
2007年度 | 10,425 | 5,883 | 4,542 | 56.4% |
対07年度比 | 83.3% | 89.8% | 74.9% |
正雀駅の2017年度1日あたりの乗車人員は8,686人で、うち定期利用者は5,283人となっている。定期比率は60.8%で、定期利用者が6割以上を占めている。近年定期比率は各駅とも下がり気味だが、正雀駅では定期比率が上がっている。10年前の2007年度と比較すると全体で16.7%減、定期利用者は10.2%減、定期外利用者は25.1%減となっており、定期外利用者を中心に減少している。2010年に摂津市駅が開業し、そちらへの転移もあって利用者が5桁から4桁に減少したが、2016年以降でさらに減少している。JR岸辺駅の改良などでJRに利用者が流れていることも考えられる。JR岸辺駅の周辺は南側の開発は終わり、北側の開発が完成し、一昔前とは一変しており、利用者の増加が期待されている。その反面正雀駅側はこれといった変化もないため、利用者が増加する要素は少なく、これからも厳しい状況が続いていくと推測される。