JR津山線ガイド【岡山県北の主要都市津山を結ぶ都市間路線】

キハ40-2082

キハ40-2082

1.概要

JR津山線は岡山と津山を結ぶ58.7kmの路線である。全線単線非電化で、全ての列車が気動車で運転されている。1996年に1線スルー化など高速化改造が行われ、JR発足後急行砂丘が陰陽連絡列車として活躍していた。智頭急行開業後は、陰陽連絡の使命はそちらにシフトした。岡山から津山までの輸送を担うため急行つやまと快速ことぶきが運転されてたが、急行つやまは2009年3月13日ダイヤ改正で廃止され、現在は快速ことぶきが運転されるのみとなっている。津山までの都市間輸送と岡山市周辺の近郊輸送が現在の津山線の役割となっている。

会社名 西日本旅客鉄道
路線名 津山線
区間 津山~岡山
営業キロ 58.7km
駅数 17駅
平均駅間距離 3.67km
所要時分 63分
表定速度 56km/h
軌間 1067mm
電気方式 非電化
線路 単線
保安方式 ATS-SW
最高速度 95km/h
最大編成両数 4両

2.路線ガイド

津山線列車は岡山駅では9番のりばから発着している。10番のりばの吉備線(桃太郎線)列車とホームを共用している。津山線も吉備線も朱色のキハ47気動車が使用されるので乗り間違いには注意が必要だ。岡山では山陽本線、瀬戸大橋線、吉備線、山陽新幹線と連絡している。9番のりばは一番西側に位置しており、東側にある山陽新幹線ホームとは少し離れているため、乗り換えには時間がかかる。

岡山を出ると右手に山陽本線と山陽新幹線を見ながら北東方向に進む。左手に津山線の気動車のネグラとなっている岡山気動車区を見ながら走り、山陽新幹線、山陽本線が右にカーブして分かれていく。津山線はそのまま北東方向に進みホーム1面2線の法界院となる。当駅折り返しのシャトル列車も設定されていたこともあったが、現在は当駅発着の列車の設定はない。快速も停車する主要駅で、駅西側には岡山大学があり、学生の利用も多い。法界院からは東側に流れる旭川に沿うように走る。金剛山法界院があるあたりには岡山理科大などもあり利用者が見込めそうだが、付近に駅はない。次の備前原はホーム1面1線で、駅北側にはアニモミュージアム有森裕子資料館や法万寺、道通宮天満宮などがある。岡山市内北部を旭川に沿って走り、ホーム2面2線の玉柏となる。国鉄末期に棒線化されていたが、津山線高速化の際に2面2線に戻され、1線スルー化されている。快速ことぶきは上下とも下り2番線を通過する。玉柏を出ると旭川に沿って北上していく。山陽自動車道の下をくぐり蛇行する川に沿ってカーブを描きながら北上する。次の牧山もホーム2面2線で、1線スルー化されている。岡山市北区になるが、市街地からは遠く離れており、旭川と山に挟まれた狭隘な土地に集落がある形になっている。

牧山を出ると暫く旭川に沿って北上して、一旦旭川と分かれて、左にカーブして北西方向に進む。山間部を抜けて再び北側に旭川が流れるようになり、カバヤ食品岡山本社を右手に見て、ホーム2面2線の野々口となる。野々口には快速ことぶきが1往復のみ停車する。当駅も1線スルー化されている。旭川に沿って山間部を北上していき、ホーム2面2線の金川となる。旧御津郡御津町の中心駅で、現在は岡山市北区御津地区の中心駅となっている。快速ことぶきも全列車が停車する。金川を出ると旭川と分かれて、山間部に入り、トンネルを抜けて再び旭川沿いに走り、ホーム2面2線の建部となる。国鉄末期に棒線化されていたが、津山線高速化事業で行き違い設備が復活して1線スルー化されている。快速ことぶきは1往復のみ停車する。建部を出るとまっすぐ北上して旭川を渡り、ホーム2面3線の福渡となる。快速ことぶき停車駅で、当駅折り返しの列車も設定されている。

福渡を出ると旭川と国道484号線と分かれて、国道53号線とともに北東方向に進んでいく。山間部を廻り込むように走り、岡山市北区から岡山県久米郡久米南町に入り、小さな集落の中にホーム1面1線の神目がある。こうめと読む難読駅名になっている。国道53号線とともに北東方向を向いては走り、久米南町の町中に入り、ホーム2面2線の弓削となる。ゆげと読む難読駅名の駅で、久米南町役場も近くにあり、同町の中心駅となっている。快速ことぶき停車駅で、簡易委託駅になっており、駅舎内には岡山県立誕生寺支援学校のアンテナショップがあり、毎週火曜と木曜の昼間に営業している。

弓削を出ると山と山の間の平地を真っすぐ北上していき、ホーム1面1線の誕生寺となる。さらに北上して久米郡美咲町に入り、ホーム1面1線の小原となる。次の亀甲はホーム2面2線で、快速ことぶき停車駅となっている。美咲町の中心駅で、駅周辺には役場など公共施設がある。亀甲を出ると山間部に入っていき、国道53号線とともに北上していく。津山市に入り、国道53号線と429号線の合流点を左手に見て、ホーム1面1線の佐良山となる。ここから国道53号線と皿川に沿って北上していく。国道53号線と皿川と離れて右にカーブして津山市内の市街地の南端部にホーム1面1線の津山口がある。付近は住宅地になっているが、快速も通過する小さな駅で駅周辺は閑散としている。北側には姫新線が走っており、それと並走して東向きに走り、津山市街地に入り右手に津山まなびの鉄道館の扇形の機関車庫と転車台が見えると津山に着く。津山はホーム2面4線で、津山線は4番のりばから発着する。1番のりばは因美線、2・3番のりばは姫新線が使用する。姫新線、因美線と連絡する交通の要衝で、みどりの窓口も設置されている。みどりの窓口が設置されているが、当駅に乗り入れる3線はいずれも優等列車の運転はない。津山駅周辺にはビジネスホテルなどがあるものの、市の中心部からは離れている。市の中心部は吉井川を渡った北側にあり、駅からは少し離れている。

駅名 駅間距離 営業距離 所在地
岡山 0km 岡山市北区
法界院 2.3km 2.3km 岡山市北区
備前原 2.8km 5.1km 岡山市北区
玉柏 2.4km 7.5km 岡山市北区
牧山 3.9km 11.4km 岡山市北区
野々口 5.3km 16.7km 岡山市北区
金川 3km 19.7km 岡山市北区
建部 7.3km 27km 岡山市北区
福渡 3.3km 30.3km 岡山市北区
神目 6.2km 36.5km 久米郡久米南町
弓削 4km 40.5km 久米郡久米南町
誕生寺 3km 43.5km 久米郡久米南町
小原 2km 45.5km 久米郡美咲町
亀甲 3.6km 49.1km 久米郡美咲町
佐良山 4.3km 53.4km 津山市
津山口 3.4km 56.8km 津山市
津山 1.9km 58.7km 津山市

3.歴史

津山線は1898年(明治31年)12月21日に中国鉄道本線として岡山市~津山間が開業した。岡山市駅・玉柏駅・野々口駅・金川駅・福渡駅・弓削駅・誕生寺駅・亀甲駅・津山駅(現在の津山口駅)が開業した。

1900年(明治33年)4月14日に建部駅が開業。

1903年(明治36年)4月18日に法界院仮停車場が開業。

1904年(明治37年)11月15日に岡山~岡山市間が延伸開業し、国鉄岡山駅に乗り入れた。岡山市駅が岡山荷扱所に改称された。

1908年(明治41年)6月20日に法界院仮停車場が廃止。別の場所に法界院簡易停車場が開業した。
同年9月2日に法界院簡易停車場が駅に変更され法界院駅が開業した。

1912年(大正元年)10月10日に牧山停留場が開業。

1923年(大正12年)8月1日に津山駅が津山口駅に改称された。
同年8月21日に国鉄作備線の支線として津山~津山口間が開業した。

1924年(大正13年)5月1日に津山口~津山間が作備線の本線に編入された。

1927年(昭和2年)4月1日に原仮停留場が開業。
同年10月1日に原仮停留場が廃止。

1928年(昭和3年)2月20日に原仮停留場が再開業。
同年3月20日に岡山~法界院間に博覧会場前仮停留場が開業。
同年5月19日に博覧会前仮停留場が廃止された。
12月16日に神目仮停留場が開業。

1929年(昭和4年)6月20日に原仮停留場を正式な停留場に変更し、原停留場が開業。
同年12月25日に神目仮停留場を正式な停留場に変更し、神目停留場が開業。

1933年(昭和8年)12月20日に亀甲~津山口間に高尾仮停留場が開業。

1934年(昭和9年)9月29日に旭川橋梁流失のため、建部~福渡間に南仮乗降場・北仮乗降場が開業。
11月27日に旭川橋梁復旧に伴い南仮乗降場・北仮乗降場が廃止された。

1936年(昭和11年)10月10日に作備線が姫新線に編入、津山~津山口間は同線の支線になった。

1937年(昭和12年)6月15日に佐良山停留場が開業し、高尾仮停留場が廃止された。

1944年(昭和19年)6月1日に中国鉄道の鉄道部門が国有化され、岡山~津山口~津山間が津山線になった。停留場が駅に変更。原停留場が備前原駅に改称。岡山荷扱所は廃止された。中国鉄道はバス事業者の中鉄バスとして存続した。

1956年(昭和31年)10月1日に小原駅が開業。

1960年(昭和35年)12月20日に津山線初の優等列車として岡山~中国勝山・上井(現在の倉吉)間に準急ひるぜんが運転開始。

1962年(昭和37年)9月1日に宇野~鳥取間で準急砂丘が運転開始(1966年に急行化)。

1982年(昭和57年)8月31日に全線に列車集中制御装置 (CTC) が導入。

1987年(昭和62年)4月1日に国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道が承継。全線の貨物営業が廃止された。

1990年(平成2年)6月1日に岡山支社から津山鉄道部管轄に変更。ワンマン運転開始。

1996年(平成8年)12月1日に全線高速化改良が行われた。

1997年(平成9年)11月29日に急行砂丘の廃止により、急行つやま及び快速ことぶきが運転開始。

2001年(平成13年)3月7日に快速ことぶきの座席指定席が廃止。

2005年(平成17年)2月26日に玉柏〜牧山間で、落石に回送列車が衝突して脱線する列車脱線事故が発生した。これにより玉柏〜金川間が不通になった。同年3月14日に全線で運転再開。

2006年(平成18年)11月19日に玉柏〜牧山間で落石が発生して脱線する列車脱線事故が発生した。同区間が不通になった。

2007年(平成19年)3月18日に全線で運転再開。同年9月1日から岡山〜法界院間がICカードICOCAの利用エリアになった。

2008年(平成20年)6月1日に津山鉄道部が廃止され、岡山支社の管轄になった。

2009年(平成21年)3月13日ダイヤ改正で、急行つやまが廃止された。

2010年(平成22年)3月20日・21日におかやまB級グルメフェスタin津山にあわせて岡山〜津山間でキハ58系の臨時快速おかやまB級グルメフェスタ号が運行された。

2018年(平成30年)7月6日に平成30年7月豪雨のため、全線不通となった。同年7月17日に岡山〜玉柏間、野々口〜津山間で運転再開。快速ことぶきは運休。岡山〜金川間で直行バスによる代行輸送開始。8月5日に全線で運転再開。

2020年(令和2年)12月14-16日に亀甲〜津山間で、昼時間帯に列車を運休して集中工事を実施。

2021年(令和3年)11月10-12日,12月13-17日,翌2022年1月12-14日に金川〜津山間で、昼時間帯に列車を運休して集中工事を実施。

2022年(令和4年)7月1日に観光列車として快速SAKU美SAKU楽が運転開始。

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