阪急京都本線(大阪梅田~高槻市間)ガイド【大阪梅田・十三・淡路の分散ターミナルでJRに対向】

9307F特急大阪梅田

9307F特急大阪梅田

3.阪急京都線(大阪梅田~高槻市間)路線ガイド

阪急京都線の起点は京都河原町だが、ここでは大阪梅田から紹介していくことにする。阪急宝塚線、阪急神戸線が大阪梅田を起点にしているのに対し、阪急京都線が京都河原町起点となっているのは先述した元々は京阪の路線だったという生い立ちにも関連していると思われる。

大阪梅田は2019年10月1日に梅田から改称された。大阪梅田では阪急各線(宝塚線、神戸線)、JR大阪駅でJR環状線、JR京都線、JR神戸線、JR宝塚線と連絡し、地下鉄各線の梅田駅(御堂筋線、谷町線、四つ橋線)とも連絡している。大阪梅田駅は1号線から3号線までの3面3線を使用している。2010年3月14日ダイヤ改正からホームの使用が大幅に変わっている。1号線からは特急とラッシュ時には普通が発着している。2号線からはデータイムは普通、ラッシュ時には通勤特急と快速急行が発着する。3号線からデータイムは準急、ラッシュ時には快速、準急、普通が発着している。昼間は各ホームから10分毎に電車が発車していく。

大阪梅田では宝塚線、神戸線と改札内でつながっているので乗り換えが可能だが、各線相互の乗り換えは原則十三で行わなければならない。このため、十三~大阪梅田間の重複乗車は認められていない。京都線のホームは一番東に位置しており、近年開発されている茶屋町方面へは京都線が一番近いが、JR大阪駅へは一番遠い位置にある。大阪環状線への乗り換えなどはかなりの距離を歩かなければならない。

大阪梅田を出ると右手に茶屋町のビル群を見ながら左カーブして、JR梅田貨物線をアンダーパスして左手に宝塚線、神戸線の中津駅の細いホームを見ながら進む。京都線には中津駅はないので、京都線沿線から中津へは十三で宝塚線か、神戸線に乗り換えることになる。左手に梅田スカイビルを見ながら新淀川を渡る。新淀川橋梁は、宝塚線、神戸線の橋梁よりも一段高くなっている。中津駅がないことや新淀川橋梁の違いなどは京都線が神宝線より後発であることがわかる。付け加えて言うなら今でも大阪梅田~十三間は線路戸籍上は宝塚本線が複々線となっており、そのうちの2線を京都線が使用する形になっている。現実には京都線が専用線として使用しているので、利用者には全く関係のないことだ。新淀川を渡り切ると築堤を下りてすぐに十三で、京都線の十三構内は右カーブしている。

十三は5、6号線を使用しており、5号線は宝塚線の大阪梅田行4号線とホームを共有している。大阪梅田~十三間の重複乗車は認められていないので、宝塚線、神戸線への乗り換えは十三で行わなければならない。そのため十三は乗り換え客で終日混雑している。

十三を出てさらに右カーブして進み、新御堂(国道423号線)と地下鉄御堂筋線の高架が見えて、その下をくぐってすぐに南方となる。同駅は2面2線の配線で、地下鉄御堂筋線西中島南方と連絡している。新大阪へは同駅で御堂筋線に乗り換える。もっとも新大阪まで1駅なので、同駅から歩いていけなくもない。南方を出るとJR京都線のガードをくぐり、急カーブを曲がって、右手に桜で有名な柴島浄水場を右手に見ながら2面2線の崇禅寺となる。

崇禅寺は柴島高校の最寄り駅だが、乗降は少ない。崇禅寺を出ると柴島浄水場の向こうから千里線が近づいてくるのが見えてきて淡路となる。淡路までは新京阪の路線ではなかったので線形はあまり良くない。多少手を入れれば改良できそうな程度なので、淡路駅の高架化とセットで線形改良も行えばいい。

淡路は2面4線で、千里線天六方面、北千里方面への乗り換え駅となっている。淡路には1号線はなく(かつてはあった)、2号線が上り京都線河原町、北千里方面、3号線が上り京都線、千里線河原町、北千里方面、4号線が下り京都線、千里線梅田、天六方面、5号線が下り京都線梅田、天六方面へのホームとなっている。基本的には京都線が2・5号線、千里線が3・4号線を使用するが、両線直通や特急待避などの関係から、京都線電車は3・4号線も使用している。同駅には乗務員の詰所もあり、京都線の梅田方の運転上の拠点となっている。千里線との相互乗り換えはかなり多く、終日ホームは混み合っている。千里線とは梅田方、河原町方とも平面交差しており、ダイヤ上のネックになっている。このため高架化が計画されており、漸く工事が進んできているが、京都線、千里線の上下線の2段高架になるなど複雑な構造となるため、完成までまだまだ時間がかかりそうだ。

 

淡路を出るとJRおおさか東線がオーバークロスする。2019年3月16日に城東貨物線を旅客化して開業した路線で、JR淡路駅が設置されて阪急と連絡している。阪急が高架になった後は低い高架のJRおおさか東線を跨ぐことになる。しばらく真直ぐ走り、左手に関西大学北陽高校が見えてきて、その向こうに東海道新幹線が見えると左にカーブして、東海道新幹線の下をくぐってすぐに高架線を駆け上がる。高架に上がり終えてすぐに上新庄となる。上新庄は2面2線の高架駅だが、乗降は非常に多く、ラッシュ時には通勤客や学生でホームは混み合っている。同駅は大阪経済大学や先述した関西大学北陽高校の最寄り駅となっている。

上新庄を出ると高架線を進み、神崎川を渡ってすぐに相川となる。上新庄-相川間は京都線で一番駅間距離が短い。相川は2面4線の待避駅で、近くに大阪市交の東吹田検車場があるので、朝夕には同駅始発の普通電車も運転されている。同駅は神崎川と安威川に挟まれた狭い空間にあるため、乗降はあまり多くないが、大阪高校、大阪成蹊女子高校、同短大などの最寄り駅になっており、学生の利用が多い。

相川を出て安威川を渡り、吹田市に入る。このあたりまではあまり線形がよくないが、ここから桂までほぼ一直線で進む。相川から東向日までの間は特急、通勤特急は最高速度115㎞/hで走る。左手に先述した大阪市交の東吹田検車場を見ながら真直ぐ進み、右手に大阪学院高校、左手に同大学が見えてくると正雀となる。正雀は2面4線の待避駅で、河原町方には正雀車庫、正雀工場が広がっている。JR岸辺とは至近距離にあり、競合駅となっている。正雀車庫や正雀工場の構内は阪急に乗るよりもJRに乗った方がよく見える。

正雀を出ると摂津市内を真直ぐ進む。次の摂津市は2010年3月14日に開業した新しい駅である。ホーム2面2線で、太陽光発電やLED照明などを採用したCO2排出ゼロの環境に優しい駅として開業している。日本初のカーボンニュートラルステーションというのが同駅の売りの一つとなっている。駅東側には駅と同じく環境に配慮した街づくりが行われたパークシティ南千里丘の街が広がっている。西側にはJR千里丘駅があり、JRと新たな競合が生まれている。

次の南茨木は中央環状線、近畿自動車道、大阪モノレールの高架下にある2面2線の駅である。大阪モノレールとの乗換駅で乗降客も多く、2001年3月のダイヤ改正から急行が停車するようになった。現在は急行が停車駅が増えた準急となっており、梅田方面へは所要時分が大幅に延びている。付近はかつて田んぼが広がるのどかな風景で好撮影地だったが、近年は住宅やマンションが立ち並んでいる。

 

南茨木を出て、大阪貨物ターミナルに向かう貨物線の高架をくぐり、高架線を駆け上がると2面4線の茨木市となる。茨木市は立派な高架駅で2001年3月のダイヤ改正から特急停車駅となった。JR茨木とは約1キロ離れており、JRの影響が少ないためか、高槻市ほどJRの攻勢を受けていない。そのため、乗降客も多く、高槻市とほぼ同じ乗降数を誇っている。河原町方には折り返し線があり、朝ラッシュ時には2007年3月改正で復活した始発の準急が運転されている。この折り返し線は曰く付きの折り返し線で、かつてあった淡路-茨木市間複々線化計画の遺構と言われている。

茨木市を出るとその曰く付きの折り返し線を中央に挟んで進み、それが途切れたところで安威川を渡り、2面2線の総持寺となる。安威川橋梁ではJR京都線の姿を一瞬見ることができる。2018年3月17日にJR総持寺駅が開業して、ここでも新たな競合が生まれている。このあたりも真っすぐ進んでおり、次の富田の構内のカーブから上牧手前までは阪急京都線最長の直線区間にもなっている。その富田は高槻市内の駅で、2面3線の構造で、上り河原町方面は待避が可能となっている。JR摂津富田とは至近距離にあり、商店街を介して両駅が対峙している。JR摂津富田はバスターミナルの整備が進んでおり、JR利用者はかなり多い。ここではJRにかなり水を開けられている。

富田を出ると住宅に合間にJRが並行して走るのが見える。芥川を渡って、高架線を進んで高槻市となる。同駅は以前から通勤特急の停車駅であったが、1997年3月のダイヤ改正から特急が終日停車するようになった。現在でも通勤特急、特急全てが停まる中間駅では最上位の駅となっている。ホーム2面4線で、河原町方には折り返し線があり、堺筋線直通の普通は同駅で全て折り返している。JR高槻とは500mほど離れているが、その影響はかなり大きい。JRは看板列車である新快速を阪急に先立って高槻停車を行い、阪急の度重なる運賃の値上げなどもあり、現在は安くて速いJRのイメージを利用者に植え付けている。駅周辺の整備もJR側の方が進んでおり、阪急がJRより優っているのは駅構内の綺麗さだけといっても過言ではない。このような状況のため、JR高槻の乗降が10万人を越えるのに対し、阪急高槻市は7万人前後と、茨木市と肩を並べる程度でしかない。

 

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