近鉄奈良線ガイド【生駒山を越えて阪奈間を結ぶ近鉄の基幹路線】

5721F快速急行大阪難波

5721F快速急行大阪難波

3.近鉄奈良線路線ガイド

大阪難波は千日前通の下にあり、千日前線の難波と並行してある。御堂筋線なんばとも連絡は悪くないが、南海難波とはかなり離れている。大阪難波は道頓堀にも近く、大阪ミナミの拠点駅は南海難波よりも大阪難波や地下鉄御堂筋線、千日前線なんばの方が相応しい。2009年3月20日の阪神なんば線開業までは近鉄難波だったが、同線の開業に伴い駅名を大阪難波に改称した。駅構造は2面3線の地下駅で、上り電車が1面1線を使用し、大阪難波から先に延びる折り返し線で折り返しを行い、1面2線の下り線から発車していく。阪神なんば線開業により折り返し線が減少したが、その代替として同線の桜川に折り返し線が設けられ、大阪難波折り返しの近鉄電車も同駅まで回送され折り返しすることが多い。

大阪難波を出るとすぐに2面2線の近鉄日本橋となる。近鉄日本橋では地下鉄堺筋線と連絡している。次の大阪上本町も地下駅で、地上の大阪線は高架のため階段を2回上らなければならない。大阪上本町は上町筋に面しているが、一区画離れた谷町筋沿いに地下鉄谷町九丁目があり、少し離れているが谷町線と連絡している。大阪上本町も阪神なんば線開業とともに“大阪”を冠するようになった。

大阪上本町を出ると地上に出て、高架の大阪線が下りてきて、方向別複々線になると鶴橋である。鶴橋は直上が大阪環状線の鶴橋駅となっており、中間改札を介して乗換えができる。鶴橋周辺はホームにいても焼肉の匂いが漂ってくるほど焼肉店が犇いている。2面4線で、鶴橋の奈良方には大阪線との渡り線があり、大阪難波に発着する名阪特急などはここで転線を行う。次の今里は3面4線の構造で大阪線と下りと奈良線上りはホームを共有している。今里は地下鉄千日前線・今里筋線の今里とはかなり離れており、千日前線今里の方が街として開けている。布施からは東大阪市に入る。布施は2階にコンコースがあり、その上の3階に大阪線ホームが1面4線、さらにその上の4階に奈良線ホームが1面4線の構造となっている。大阪線、奈良線ともに外側に通過線を構造になっている。この構造が仇になり、布施に停まる急行、準急は普通の追い抜きをできない。

布施を出ると大阪線が右手に分かれて行き、奈良線は遠く生駒山を望みながら真直ぐ東へと高架で進む。河内永和は2面2線で普通しか停まらない。2008年3月にJRおおさか東線が開業して連絡駅になった。近鉄奈良線は布施の2段高架から少し下がるがまだまだ高い位置を走っており、JRおおさか東線も低い高架を走っている。連絡通路があれば、乗換えが便利だが、両線を結ぶ連絡通路はなく、一旦地上に下りて、少し歩いての乗換えとなるため、乗換えは必ずしも便利とは言えない。河内小阪は準急停車駅だが、2面2線の平凡な構造となっている。左手に大阪商大の大学、高校を見ながら進み八戸ノ里となる。八戸ノ里は2面4線の構造で普通の追い抜きが行われている。

八戸ノ里を出ると近畿道がオーバークロス、中央環状をアンダーパスする。将来大阪モノレールがこの交点付近の瓜生田まで延伸される予定だ。その際には近鉄奈良線にも新駅が設けられ、連絡する予定である。2014年9月21日に上り線高架化が完成し、上下線とも高架になった区間に入る。暫く走り2面2線の若江岩田となる。駅周辺は岩田地区で、若江地区は少し南側にあるが、駅名は昔から若江岩田となっている。次の河内花園も2面2線で、駅前にロータリーがあり近鉄バスが発着している。花園と言えばラグビーのメッカ花園ラグビー場があるが、最寄駅は隣の東花園となる。東花園は2面4線で、準急と区間準急が停車する。奈良方に東花園検車場があり、当駅折り返しの普通電車も多数設定されている。先述した通り花園ラグビー場への最寄駅で、花園ラグビー場前の副駅名も付けられている。準急停車のため、ホームは8両編成が停車できるようになっており、臨時で10両編成の快速急行が停まれるぐらいホーム有効長は長く取られている。区間準急は当駅から先各駅に停まる。

東花園を出て左手に東花園検車場が線路に対して直角にあるのを見て恩智川を渡る。国道170号線(外環状線)をアンダーパスすると瓢箪山となる。瓢箪山は2面4線の構造ながら中央に通過線を持つ新幹線型の追い越し駅で、緩急接続はできない。上り線難波方の外側に折り返し線があるが、最近はここで折り返す普通は少なくなった。

瓢箪山を出ると左カーブして生駒山の裾野を上がっていく。枚岡、額田は生駒越えの途上にあり、両駅とも2面2線の平凡な駅となっている。枚岡駅の東側には河内一の宮である枚岡神社がある。額田あたりから見る下界の景色は素晴らしい。また、額田を出ると下に近鉄東大阪線が走っているのが見える。石切は生駒トンネルの入り口にあり、石切神社への最寄り駅になっている。もっとも近鉄けいはんな線の新石切ができてからは石切神社へはそちらの方が近くなった。石切を出るとすぐに生駒トンネルに入る。長大な生駒トンネルを抜けると左手にけいはんな線を見て並行して生駒に進入する。

生駒は3面6線の構造で、左から東大阪線、奈良線、生駒線のホームがそれぞれある。奈良線単独で見れば1面2線の構造である。生駒は特急も停車する中心駅で駅前には近鉄百貨店も店を構える生駒市の拠点駅である。もっとも生駒で緩急接続が行えないため、東生駒や富雄の利用者は不便な面もある。駅南側からは生駒ケーブルも発着している。

生駒を出ると生駒線が右カーブして分かれる。奈良線はけいはんな線と東生駒まで並行する。けいはんな線は左にカーブして分かれていくが、けいはんな線の車庫が東生駒付近まで並行する。東生駒は1面4線の構造で外側に通過線がある。また、奈良方には引き上げ線があり、朝夕にはここで折り返す普通も多い。東生駒を出ると大谷トンネルを抜けて阪奈道路の下をくぐってしばらく進むと1面2線で高架駅の富雄となる。次の学園前までにかけては奈良では有数の高級住宅街となっている。学園前は2面2線で、特急も停まり、各方面へのバス路線も発着しているので乗降客も多い。駅周辺には帝塚山中学、高校、大学があり、学生の利用も多い。

次の菖蒲池も2面2線で、かつてはあやめ池遊園地の最寄駅となっていて、行楽シーズンには快速急行も臨時停車していた。しかし、あやめ池遊園も全国各地の遊園地と同様に閉園となり、現在では近隣の近大付属の小学校、幼稚園の通学、通園のために一部快速急行が停車する以外は快速急行の臨停はなくなった。菖蒲池を出ると電車はゆっくり走り、京都線との合流地点より前でたいてい信号待ちを行う。大和西大寺は奈良線、京都線、橿原線の電車が交錯する要衝で、橿原線沿いに西大寺車庫もある。大和西大寺の駅構内は3面5線の構造で、4番線5番線はホームに挟まれており、橿原線から大阪難波方面への連絡がホーム上でできるようになっている。奈良線奈良方には引き上げ線があり、西大寺止めの電車がここで折り返すか車庫に入る。大和西大寺駅は橋上駅舎で、駅ナカのTime’sPlaceSaidaijiがあり、駅に出入りする電車を見渡せる展望スペースなどもある。

大和西大寺を出ると橿原線と西大寺車庫が右手に分かれていき、奈良線は平城京跡を突っ切るように走る。2010年には平城京跡に再現された大極殿を中心に平城遷都1300年祭が催され、大和西大寺駅は大変賑わった。左にカーブして国道24号線の下をくぐると2面2線の新大宮となる。2000年3月改正から快速急行停車駅となり、特急以外の全種別が停車するようになった。新大宮を出ると地下に潜り、国道369号線の下を走る。地上ではJR大和路線が交差するが両線に駅はなく、連絡はしていない。地下か前には油坂駅があったが、地下時に廃止された。暫く地下線を走り、奈良公園の手前に終点の近鉄奈良がある。近鉄奈良は4面4線のターミナル構造の駅で、地下駅としては結構規模が大きいと言える。列車の発着は固定されていないが、1・2番線はホーム有効長が10連対応となっているため奈良線電車の発着が多い。4番線は6連対応のため、京都線電車や特急などの発着が多い。近鉄奈良から奈良公園までは十分歩いて行ける範囲にある。JR奈良駅とは1km弱離れており、乗り換えるにはかなり歩かなければならないので注意が必要である。

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