【急カーブのため快速急行は停まらない日本バレンタイン発祥の地】
1.御影駅概要
阪神本線御影駅は1905年4月12日に阪神本線開業と同時に開業した。1929年7月には早々と高架化され、現在もその当時の高架線を使用している。御影駅は特急停車駅で、直通特急、特急が停車するが、快速急行は同駅を通過する。快速急行は2009年3月20日の阪神なんば線開業で停車駅が大幅に変わったが、御影に関しては以前と同様通過のままとなった。車両が大きい近鉄車も使用するようになり、御影駅への停車が厳しいという理由から現在の快速急行の停車駅から外れている。
2.御影駅周辺
阪神御影駅は神戸市東灘区御影本町に駅があり、JR神戸線住吉駅が北東方向に約1kmの距離に、阪急神戸本線御影駅は北へ約1.3km程の距離にあり、それぞれ競合している。阪急御影駅は今は同グループとなっているので競合関係とは言えないが、グループになる以前から阪急御影駅には優等列車も停まらず、阪神本線の方が利便性が高かった。JR住吉に関しては直接的な競合ではないものの、周辺の阪神住吉、魚崎などを含めて競合関係にあり、阪神本線にとっては脅威となっている。駅周辺は再開発が行われ、御影工業高校跡地に商業施設御影クラッセや高層マンションが開業して下町風情が濃い姿から変貌しつつある。しかし、高架下などに市場が残るなど、下町風情もまだまだ残っている。
御影駅からはバス路線も充実しているが、阪神タクシーには専用ののりばがあり、タクシーの利便性も高い。待合室完備のタクシー乗り場はなかなか珍しい。
3.駅構内
駅構内は2面4線の高架駅で元町方には引き上げ線が2本あり、朝夕ラッシュ時にはここで待機する電車がある。構内は非常に狭く、急カーブしており、先述したように大型の近鉄車も使用する快速急行は通過する。上り梅田方面行きの副本線側には貨物ホーム跡が残っている。
改札は一ヶ所のみで、高架下も構内同様に狭く、階段の配置などは独特である。狭いながらも改札階からホームへはエレベータも設置されており、地上から改札階まではエレベータ、エスカレータが整備されている。ちなみに引き上げ線はかつての複々線化や高速化の遺構とされており、壮大な計画を思い描くことができる。
狭苦しい駅が多い阪神本線の中でもトップ3に入ると言っても過言ではない御影駅の構内。中央部はそれほどホーム幅も狭くないが、カーブしている両端はかなり狭い。
駅構内はリニューアル改造によりかなり綺麗になっている。ホームは昔のままだが、改札階に関しては明るく綺麗になった。
国内バレンタインデー発祥の地神戸市はイタリア中部のテルニ市と友好関係にあり、御影駅南口にはバレンタインの名を冠した駅前広場がある。
御影クラッセとはデッキで結ばれており、改札階とは直結している。御影クラッセは阪神百貨店、阪急オアシスなどが入るショッピングビル。
御影駅高架下には御影市場旨水館がある。狭い高架下などが有効利用されており、新しいショッピングセンターと古い市場が混在している。
4.バス路線
駅北側にはバスターミナルがあり、神戸市バスが発着している。六甲山下方面への路線は六甲ケーブルに連絡しており、電車内でも乗り換え案内が行われる。阪急御影、JR六甲道、JR住吉、鶴甲団地、神戸大学などへ路線が運行されている。駅南側からもバスの発着があり、神戸市バスの他に、神戸フェリーバスが六甲アイランドフェリーターミナル方面への路線を運行している。また、みなと観光バスも発着している。
5.乗降者数
2015年度神戸市統計データでは、乗車人員が12,712人/日、うち定期利用は6,118人/日となっている。10年前の2005年度よりも総数で18.8%程増えており、定期利用、定期外利用ともに伸びてきている。鉄道利用全般が減少傾向の中、健闘している。駅周辺は震災後再開発が行われ、高層マンションなども多く建ち並んでおり、利用者増につながっているものと思われる。
6.ダイヤ
データイムは直通特急、特急、普通が運転され、直通特急は毎時4本、特急は毎時2本の運転で10分毎の運転を形成している。普通は高速神戸まで10分毎に運転されている。御影では直通特急、特急と普通が緩急接続を行う。また、快速急行も同駅で普通を追い抜く。朝ラッシュ時も直通特急と普通の2本立てが中心で、直通特急、普通ともに12分毎に運転されている。2009年3月20日ダイヤ改正以前は当駅始発の急行の運転もあったが、同改正で定期急行の西宮以西運転がなくなり、梅田方面への当駅始発の電車もなくなった。当駅始発では早朝に姫路行きの直通特急が2本運転されている。夕方ラッシュ時も直通特急、特急、普通が運転されており、直通特急は毎時5本、特急は毎時1本の運転で、山陽線内で12分毎とするため、神戸三宮などで時間調整をする。普通は毎時6本、10分毎の運転となる。最終電車は下りが御影発23時57分の普通石屋川行きで、これは石屋川車庫に入庫するため、1駅隣の石屋川までの運転となっている。優等列車の最終は梅田発0時20分の特急御影行きで、梅田発0時台には御影行き特急が2本運転されている。御影以西への優等列車最終は御影発0時05分の特急神戸三宮行き、普通が御影発0時25分の普通元町行きとなっている。上り梅田方面へは御影発0時09分の普通尼崎行きが最終電車。梅田へは御影発23時41分の普通梅田行きが最終で、優等列車のその前を走る御影発23時39分の直通特急梅田行きが最終となる。