京都丹後鉄道宮福線ガイド【福知山と丹後を短絡する架け橋になる路線】

KTR102形

KTR102形

1.概要

会社名 京都丹後鉄道
路線名 宮福線
区間 福知山~宮津
営業キロ 30.4km
駅数 14駅
平均駅間距離 2.34km
所要時分 26分
表定速度 70.2km/h
軌間 1067mm
電気方式 1500V直流電化
線路 単線
保安方式 ATS-P
最高速度 120km/h
最大編成両数 6両

京都丹後鉄道宮福線は京都府福知山市の福知山と宮津市の宮津を結ぶ30.4kmの第3セクター路線である。1988年7月16日に宮福鉄道の路線として、福知山〜宮津間が開通した。国鉄時代から福知山から宮津に抜ける短絡ルートとして計画されていたが、国鉄の財政難などもあり、建設がストップし、JR発足後の1988年に漸く第三セクター鉄道として開業した。1989年4月1日には宮津線の第三セクター転換により、北近畿タンゴ鉄道が発足し、宮福線も同社の路線となった。1996年3月15日に宮福線全線と宮津線の宮津〜天橋立間が電化され、京都や大阪から直通列車が電車化され、一部の普通列車も電車になった。2015年4月1日に鉄道事業がWILLER TRAINSに譲渡され、京都丹後鉄道宮福線となった。

駅番号 駅名 愛称 駅間キロ 営業キロ 所在地
14 宮津 0km 宮津市
F13 宮村 1.5km 1.5km 宮津市
F12 喜多 1.6km 3.1km 宮津市
F11 辛皮 6km 9.1km 宮津市
F10 大江山口内宮 元伊勢内宮駅 3.7km 12.8km 福知山市
F9 二俣 和紙の里 猿田彦神社前駅 2.2km 15km 福知山市
F8 大江高校前 元伊勢外宮駅 2km 17km 福知山市
F7 大江 酒呑童子駅 0.9km 17.9km 福知山市
F6 公庄 渡船場の里駅 2.5km 20.4km 福知山市
F5 下天津 はななみ峠駅 2.4km 22.8km 福知山市
F4 サケの遡上駅 2.5km 25.3km 福知山市
F3 荒河かしの木台 かしの木駅 2.2km 27.5km 福知山市
F2 福知山市民病院口 厚中問屋駅 1.4km 28.9km 福知山市
F1 福知山 1.5km 30.4km 福知山市

2.歴史

京都丹後鉄道宮福線は1988年(昭和63年)7月16日に宮福鉄道宮福線として福知山~宮津間が開業した。1989年(平成元年)8月1日に宮福鉄道が北近畿タンゴ鉄道株式会社になった。1996年(平成8年)3月16日ダイヤ改正で、福知山~宮津間が電化(直流1,500V)・高速化が開業した。急行みやづが廃止され新大阪発着の特急文殊、タンゴディスカバリー、京都発着の特急はしだてが運転を開始した。

1999年(平成11年)10月2日ダイヤ改正で特急タンゴディスカバリーをタンゴエクスプローラーに改称・車種変更。2006年(平成18年)9月13日に福知山駅付近連続立体交差事業(KTR分)が着工した。2008年(平成20年)3月15日ダイヤ改正で自社車両による快速に大江山号の愛称を制定した。2009年(平成21年)2月28日に福知山駅付近連続立体交差事業(KTR分)が完成した。同年3月14日に観光型快速列車大江山タンゴ悠遊号が運転を開始した。

2010年(平成22年)3月13日ダイヤ改正で、大江山タンゴ悠遊号に代わり、各駅停車の大江山悠遊号が運転開始。2011年(平成22年)3月12日ダイヤ改正に伴い、JRとの直通運転が縮小。特急文殊、タンゴディスカバリーが廃止された。快速を大江山号と、新設の観光型快速列車大江山浪漫号とした。特急たんごリレーが運転を開始。2013年(平成25年)4月14日に丹後あかまつ、丹後あおまつの運行を開始。同年10月31日から北近畿タンゴ鉄道宮津線・宮福線の新たな運行会社募集開始。

2014年(平成26年)5月9日に北近畿タンゴ鉄道宮津線・宮福線の新たな運行会社について、最適提案事業者を発表。2015年(平成27年)3月11日に鉄道事業再構築実施計画の国土交通大臣認定。同年3月27日に福知山市鉄道利用増進協議会の公募により、同市内の9駅に愛称を設定。厚中問屋駅(福知山市民病院口駅に改称)が厚中問屋駅、荒河かしの木台駅がかしの木駅、牧駅がサケの遡上駅、下天津駅がはななみ峠駅、公庄駅が渡船場の里駅、大江駅が酒呑童子駅、大江高校前駅が元伊勢外宮駅、二俣駅が和紙の里 猿田彦神社前駅、大江山口内宮駅が元伊勢内宮駅となった。4月1日に鉄道事業再構築実施計画に基づき、鉄道運行事業をWILLER TRAINS(京都丹後鉄道)に移譲。京都丹後鉄道が第二種鉄道事業者、北近畿タンゴ鉄道が第三種鉄道事業者となり、上下分離方式による運行を開始。同時に路線記号・駅番号を設定。厚中問屋駅を福知山市民病院口駅に改称した。

3.ガイド

福知山は高架駅で、2009年3月に高架化された。1面2線の行き止まり式ホームとなっている。JR山陰本線福知山駅に隣接しており、JR直通の特急列車は駅手前にある渡り線を通り、JRのホームから発着する。福知山は有人駅で、JRとの連絡改札と出口用の改札が共用になっている。福知山を出ると山陰本線と単線並列の形で暫く走る。福知山電車区への線路を分けて、進路を北に向けて走り、ホーム1面1線の福知山市民病院口となる。JR山陰本線にはホームはなく、宮福線のみの駅となっている。かつては厚中問屋駅だったが、2015年4月1日に現駅名に改称されて、厚中問屋は愛称名となった。和久川を渡って暫く北向きにJR山陰本線と単線並列で走り、右手に宮福線車庫の福知山運転所が見えると2面2線の荒河かしの木台となる。駅手前では福知山運転所への回送線と複線の状態になっており、駅構内は上下列車の進入が可能になっており、車庫からの入出庫の列車や入替にも使用されている。

荒河かしの木台を出るとJR山陰本線が左にカーブして分かれて、丘陵地を狭間トンネルで抜けて、牧川を渡ると2面2線の牧となる。牧駅にはサケの遡上駅の愛称が付けられている。駅の西側には念法眞教福知山念法寺があり、巨大な建屋が駅から見える。西側には国道176号線が走っており、交通量が多いが、宮福線の利用はかなり少なく列車本数も1時間に1本あるかないかの過疎ダイヤとなっている。牧を出ると国道176号線と交差し、下天津トンネルに入る。宮福線は日本鉄道建設公団が建設していたこともあり、全線立体化されており、踏切は宮津駅付近にあるのみとなっている。トンネルを抜けると1面1線の下天津となる。はななみ峠の愛称名が付けられている。

下天津を出るとまたトンネルに入る。トンネルを抜けて国道176号線と交差して、またトンネルに入る。何本かトンネルを抜けて、進路を北東方向に取りながら走り、国道175号線と交差して、南に由良川が並行するようになり、1面1線の公庄となる。築堤にある駅で、駅前には立派なロータリーがある。南側に由良川が流れており、渡船場の里の愛称名が付けられている。公庄を出ると右手に由良川、左手に国道175号線を見ながら走り、暫く平地を走る。小さな町が広がると1面2線の大江となる。大江町の中心駅で特急も停車する主要駅となっており、委託駅で改札業務はもちろん特急券や乗車券の販売も行われている。駅には大江町の観光案内所が併設されており、駅前には大江の鬼に因んだ鬼瓦公園がある。

大江を出ると高架線を走り、1面1線の高架駅の大江高校前となる。大江高校前は大江高校への最寄駅で、大江町の中心駅の大江よりも乗降者数が多い。大江高校前を出ると再びトンネルに入り山間へと入っていく。進路を北に取り、山間を走り、トンネルを何本か抜けて1面1線の二俣となる。山と山の間の狭隘な地に田畑とわずかな集落があり、ここから先はさらに山間部に入っていくため、まだ景色は開けた方である。山裾を走り、トンネルを抜けると1面2線の大江山口内宮となる。特急は停車しないが、快速は停車する。元伊勢内宮と呼ばれる皇大神社への最寄駅で、駅から徒歩15分ほどの距離にある。駅近くには道の駅があり、観光案内所も併設されている。

大江山口内宮を出るとさらに山間部を北上していく。長大な栃葉トンネルに入り、同トンネルを抜けると舞鶴市に一旦入り、再びトンネルに入って宮津市に入る。トンネルを抜けると1面1線の辛皮となる。周辺は山深いところで、北側に小さな集落があるだけである。同駅も二俣、大江山口内宮同様一日あたりの乗車人員が二桁を切っている。

辛皮を出ると苔甲トンネルに入る大江山を越える。このあたりでは綾部宮津道路が並行して走っている。同道路は無料化の対象にはなっておらず、途中の舞鶴若狭道までが無料化実験の対象となっている。それでも無料化と高速道路1000円上限の半額処置は宮福線にとっても無視できない事象となっている。トンネルを抜けてしばらく走り1面1線の喜多となる。集落は駅から少し離れており、ここも辛うじて1日の乗車人員が二桁を超える程度となっている。次の宮村は2面2線の交換駅で1線スルー化されている。乗車人員は喜多と似たようなレベルとなっている。

宮村を出ると宮津市に市街地に入って行き、左手から天橋立からの宮津線の線路が近付いてきて、それと少し並行して走り、終点の宮津に着く。宮津は3面4線の構内を持つ大きな駅で、宮津線と連絡している。宮福線ローカル列車は行き止まり式の4番線から発着している。宮津線への直通列車は3番線から発着しており、天橋立方面へはここでスイッチバックする形になる。

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