京福電気鉄道嵐山本線ガイド【京都市内から嵐山まで観光地を一巡りできる】

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1.概要

京福電気鉄道嵐山本線は四条大宮と嵐山を結ぶ7.2kmの軌道線である。嵐電の愛称で親しまれている。全線複線で、併用軌道区間は西大路三条から蚕ノ社までの間で、その他の区間は専用軌道を走る。四条大宮と西院で阪急京都線に連絡し、帷子ノ辻で京福北野線を分岐している。嵐電嵯峨はJR嵯峨野線嵯峨嵐山駅に近く乗り換えが可能である。

会社名 京福電気鉄道
路線名 嵐山本線
区間 四条大宮~嵐山
営業キロ 7.2km
駅数 12駅
平均駅間距離 0.66km
所要時分 12分
表定速度 36km/h
軌間 1435mm
電気方式 600V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 40km/h
最大編成両数 2両
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 所在地
A1 四条大宮 0km 京都市下京区
A2 西院 1.4km 1.4km 京都市中京区
A3 西大路三条 0.6km 2km 京都市右京区
A4 山ノ内 0.8km 2.8km 京都市右京区
A5 嵐電天神川 0.9km 3.7km 京都市右京区
A6 蚕ノ社 0.2km 3.9km 京都市右京区
A7 太秦広隆寺 0.5km 4.4km 京都市右京区
A8 帷子ノ辻 0.8km 5.2km 京都市右京区
A9 有栖川 0.5km 5.7km 京都市右京区
A10 車折神社 0.5km 6.2km 京都市右京区
A11 鹿王院 0.3km 6.5km 京都市右京区
A12 嵐電嵯峨 0.4km 6.9km 京都市右京区
A13 嵐山 0.3km 7.2km 京都市右京区

2.歴史

京福電気鉄道嵐山本線は1910年(明治43年)3月25日に嵐山電車軌道として京都(現在の四条大宮)~嵐山間が全線開業した。1914年(大正3年)度に壬生駅開業(1918年以降に廃止)。太秦駅を太子前駅に改称した。1918年(大正7年)4月2日に京都電燈が嵐山電車軌道を合併し、嵐山電鉄部の下に置かれた。1922年(大正11年)6月30日に車折神社裏駅を車折駅に改称した。1925年(大正14年)壬生駅が再開業した(1929年までに休止)。同年2月に太子前~嵐山間が複線化された。同年11月16日に京都を四条大宮に、嵯峨停車場前を嵯峨駅前に改称した。1928年(昭和3年)12月に全線複線化が完成した。1929年(昭和4年)6月26日に壬生駅が営業を再開した。

1942年(昭和17年)3月2日に京都電燈から京福電気鉄道に譲渡された。1944年(昭和19年)4月16日に太子前駅を太秦駅に改称した。1956年(昭和31年)11月27日に鹿王院駅が開業した。1971年(昭和46年)7月11日に四条大宮~西院間の壬生駅を廃止した。1975年(昭和50年)8月9日に嵯峨野駅を有栖川駅に改称した。

1982年(昭和57年)12月20日から早朝・深夜時間帯でワンマン運転を開始した。1985年(昭和60年)3月16日から朝ラッシュ時除きワンマン運転化された。1986年(昭和61年)7月に四条大宮駅現駅舎が完成した。1987年(昭和62年)8月17日から終日ワンマン運転化された。2002年(平成14年)7月1日から均一運賃化(大人200円・小児100円)され、同時にスルッとKANSAIを導入した。2007年(平成19年)3月19日に三条口駅を西大路三条駅、太秦駅を太秦広隆寺駅、車折駅を車折神社駅、嵯峨駅前駅を嵐電嵯峨駅に改称した。また、駅番号とラインカラーが全線で正式導入された。

2008年(平成20年)3月28日に嵐電天神川駅が開業した。同年4月1日から四条大宮駅・帷子ノ辻駅・嵐山駅で発車メロディが導入された。2011年(平成23年)4月1日からICカードPiTaPaと自社専用の「らんでんカード」の利用が可能になった。2013年(平成25年)3月23日から北野線と同時に交通系ICカードの全国相互利用を開始した。2016年(平成28年)4月1日に北野線の撮影所前駅開業に合わせて、西院~嵐山間の駅番号を改定した。

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3.路線ガイド

四条大宮は京都の中心四条通りにあり、四条通りを貫く阪急京都線と連絡している。阪急大宮とは道路を隔てて対峙する形になっている。嵐山方面へは阪急も嵐山線があるので、ある意味においてはライバル関係にある。駅構造は3面2線のターミナル構造で、駅全体が屋根で覆われている。京福のターミナルである嵐山、北野白梅町も同じような構造であるし、かつて同じ会社であった叡山電鉄の出町柳や八瀬遊園も似たような構造である。京都の市街地の中をしばらく専用軌道で走り、JR嵯峨野線の下をくぐり、右にカーブして四条通と交差する手前に西院がある 。西院には車庫があり、運転上の拠点になっている。車庫は四条通を渡った北側にあり、駅は四条通の南側にある。西院は“さい”と読み、阪急の西院“さんいん”とは読み方が違う。読み方は違うが阪急の西院と連絡している。

西院を出るとしばらく専用軌道を北向きに走り、西大路通りとの交点の手前に下りホームがある西大路三条となる。上りは併用軌道の中にあり、西大路通りとの交点の西側に停留所がある。かつては三条口という駅名だったが、2007年3月19日に西大路三条に改称されている。ここからしばらく三条通りを併用軌道で行く。途中上下とも道路上に停留所がある山ノ内がある。この先で2008年1月に開業した地下鉄東西線の天神川太秦と連絡している嵐電天神川となる。同駅は2面2線で、道路上に停留所があるが、専用のホームとなっており、地下鉄との乗り換えも比較的容易になっている。三条通りから外れて専用軌道に移る地点に2面2線の蚕ノ社がある。ここから少し専用軌道を走り、再び三条通りと重なる手前に太秦広隆寺がある。同駅は太秦と名乗っていたが、2007年3月19日に現駅名に改称されている。太秦は東映太秦映画村への最寄駅で、駅の北側にある。また、駅の直近には広隆寺があり、駅名にも同寺の名前が入るようになった。なお、JR嵯峨野線にも太秦駅があるが、同駅とは少し離れており、2007年3月以前は違う場所に同じ駅名の駅があったので、ややこしかったが、京福の太秦が改称されて、ややわかりやすくなった。太秦広隆寺を出ると少しだけ併用軌道を走り、再び専用軌道に戻り、三条通りと交差して帷子ノ辻となる。帷子ノ辻では京福北野線と接続している。ここも駅ビルがホームを覆っ ており、ターミナルの雰囲気が漂っている。同駅は2面3線に北野線電車の切り欠きホームがある変形2面4線の配線で、行楽シーズンには北野線から嵐山方面への電車が運転できるような線路配置にもなっている。駅北側にはJR太秦駅があり、比較的近い位置に駅があるが、競合関係にあるだけで連絡運輸などは行っていない。

帷子ノ辻を出ると終点の嵐山まで専用軌道を走る。有栖川は2面2線で上下ホームが段違いに配置されている。次の車折神社はかつては車折だったが、2007年3月に改称されている。同駅も2面2線となっている。次の鹿王院も2面2線で、文字通り鹿王院への最寄駅となっている。嵐電嵯峨はかつては嵯峨駅前と名乗っており、国鉄嵯峨駅の駅前という意味合いで名づけられていたが、嵯峨駅がJRに なって嵯峨嵐山に改称されてから実態と合わない駅名となっていた。しばらく放置されたままで、国鉄時代の駅名を偲ぶことができたが、2007年3月の各駅の駅名改称時についに嵯峨駅前も嵐電嵯峨に改められた。駅名は改称されたが、JR嵯峨野線の嵯峨嵐山、嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨と連絡している。もっともかつて駅前と称していた割には少し歩かなければならない。終点嵐山は、四条大宮と同様ターミナルの駅構造で、3面3線の配線になっている。駅の中に足湯が置かれ、利用者なら誰でも利用できるようになっている。駅舎にはかつて女性専用の嵐山レディースホテルが入っていたが、今は嵐山駅はんなり・ほっこりスクエアに改装されて、商業施設に生まれ変わっている。同じ嵐山でも阪急嵐山とはか なり離れており、渡月橋を渡ってさらに歩かなければならない。

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