1.概要
会社名 | 近畿日本鉄道 |
---|---|
路線名 | 湯の山線 |
区間 | 近鉄四日市~湯の山温泉 |
営業キロ | 15.4km |
駅数 | 10駅 |
平均駅間距離 | 1.72km |
所要時分 | 25分 |
表定速度 | 37km/h |
軌間 | 1435mm |
電気方式 | 1500V直流電化 |
線路 | 単線 |
保安方式 | ATS |
最高速度 | 80km/h |
最大編成両数 | 3両 |
近鉄湯の山線は三重県四日市市の近鉄四日市と同県菰野町の湯の山温泉を結ぶ15.4kmの路線である。全線単線で、1500V直流電化、1435mmの標準軌となっている。3両編成がワンマン運転を行っており、現在は線内折り返し運転のみとなっている。かつては湯の山特急と呼ばれる有料特急が名古屋や大阪から運転されていたが、今は運転されていない。湯の山線電車には恋結びの街湯の山という看板が取り付けられており、観光の街をPRしている。実際には湯の山温泉観光などでの利用者はごくわずかで、大半は四日市近郊の日常的な利用者が占めている。
駅番号 | 駅名 | よみがな | 駅間キロ | 営業キロ | 所在地 | 開業年月日 |
---|---|---|---|---|---|---|
K21 | 近鉄四日市 | きんてつよっかいち | – | 0km | 四日市市 | 1913年5月16日 |
K22 | 中川原 | なかがわら | 1.7km | 1.7km | 四日市市 | 1913年9月24日 |
K23 | 伊勢松本 | いせまつもと | 1.1km | 2.8km | 四日市市 | 1913年9月24日 |
K24 | 伊勢川島 | いせかわしま | 2.5km | 5.3km | 四日市市 | 1913年6月1日 |
K25 | 高角 | たかつの | 1.4km | 6.7km | 四日市市 | 1913年6月1日 |
K26 | 桜 | さくら | 2km | 8.7km | 四日市市 | 1913年6月1日 |
K27 | 菰野 | こもの | 2.6km | 11.3km | 三重県菰野郡菰野町 | 1913年6月1日 |
K28 | 中菰野 | なかこもの | 1.3km | 12.6km | 三重県菰野郡菰野町 | 1913年6月1日 |
K29 | 大羽根園 | おおはねえん | 0.9km | 13.5km | 三重県菰野郡菰野町 | 1964年3月23日 |
K30 | 湯の山温泉 | ゆのやまおんせん | 1.9km | 15.4km | 三重県菰野郡菰野町 | 1913年6月1日 |
2.歴史
近鉄湯の山線は1913年(大正2年)6月1日に四日市鉄道として川島村駅(現在の伊勢川島駅)~湯ノ山駅(現在の湯の山温泉駅)間が開業した。同年9月24日に諏訪~川島村間が開業した。1916年(大正5年)3月5日に四日市~諏訪間が開業した。1918年(大正7年)2月20日に芝田村及び中菰野廃止された。
1919年(大正8年)に四日市駅を四日市市駅に改称された。1921年(大正10年)11月1日に四日市市~湯ノ山間が電化された。1926年(大正15年)1月1日に松本村駅を伊勢松本駅に改称した。
1927年(昭和2年)4月1日に中菰野駅が再開業した。同年11月29日に四日市市~諏訪間が廃止された。1928年(昭和3年)にガソリン動車のジ41形の使用を開始した。
1931年(昭和6年)3月18日に四日市鉄道が三重鉄道に吸収合併され、三重鉄道となった。1936年(昭和11年)12月26日に中川原~伊勢松本間に製絨所前駅が開業した。1943年(昭和18年)に諏訪駅が移転し、営業距離が0.1km短縮された。
1944年(昭和19年)2月11日に三重鉄道ほか6社が合併し、三重交通が発足し、内部・八王子線と合わせて三重線となった。1952年(昭和27年)この年までに諏訪~中川原間の堀木駅、中川原~伊勢松本間の製絨所前駅、松本村~川島村間の小生駅、桜村~菰野間の神森駅・宿野駅が休止した。1954年(昭和29年)7月に川島村駅を伊勢川島駅、桜村駅を桜駅に改称した。
1956年(昭和31年)9月23日に名古屋線四日市付近経路変更に伴い、諏訪~中川原間が廃止、近畿日本四日市駅(現在の近鉄四日市駅)~中川原間の新線が開業した。1959年(昭和34年)に架線電圧を直流600Vから直流750Vに昇圧した。
1964年(昭和39年)2月1日に三重交通が鉄道事業を三重電気鉄道に分離譲渡した。同年3月1日に軌間を762mmから1,435mmに改軌し、架線電圧を直流1,500Vに昇圧した。内部・八王子線との直通運転を廃止。桜駅を移転するとともにその近辺の大幅な経路が変更が行われた。同年3月23日に近鉄名古屋線と準急列車の直通運転を開始した。中菰野~湯の山温泉間に大羽根園駅が開業した。
1965年(昭和40年)4月1日に近畿日本鉄道が三重電気鉄道を合併し、同社の湯の山線となった。同年7月15日に近畿日本名古屋駅(現在の近鉄名古屋駅)発着、上本町駅(現在の大阪上本町駅)発着の特急が運転を開始した。1968年(昭和43年)10月17日からATSの使用を開始した。1969年(昭和44年)5月15に休止中の堀木駅・製絨所前駅・小生駅・神森駅・宿野駅が廃止された。
1970年(昭和45年)8月1日に湯の山駅を湯の山温泉駅に改称した。1983年(昭和58年)3月に大阪線直通特急を難波駅(現在の大阪難波駅)発着として、名阪乙特急との併結運転(白子駅で増解結)を開始した。1997年(平成9年)3月18日ダイヤ変更で、名古屋線直通の特急列車を廃止した。1998年(平成10年)3月17日ダイヤ変更で、大阪線直通の特急列車を廃止した。これにより特急の運転区間は線内のみとなった。
1999年(平成11年)3月16日ダイヤ変更から普通列車のワンマン運転を開始した。2002年(平成14年)3月20日ダイヤ変更で、線内で運転されている特急を土曜・休日のみの運行に変更された。2004年(平成16年)3月18日ダイヤ変更で、線内で運転されていた特急を廃止した。
2007年(平成19年)4月1日から各駅でICカードPiTaPa・ICOCAの取り扱いを開始した。2008年(平成20年)7月19日 – 8月10日に御在所ロープウェイ開通50年および鈴鹿国定公園指定40周年を記念して、期間中の土曜・休日に特急の復活運転を実施した。
2009年(平成21年)7月18日~8月10日間の土・休日限定で、臨時納涼特急「湯の山温泉サマーライナー」を運転した。以後2017年まで毎年夏に運転された。2010年(平成22年)4月1日から近鉄四日市~湯の山温泉間の全線で名古屋列車運行管理システム「KRONOS」(クロノス)の運用を開始した。2012年(平成24年)3月20日ダイヤ変更で、昼間時毎時3本から2本に減便された。
3.ガイド
- 近鉄四日市
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- 近鉄四日市
- 中川原
- 中川原
- 中川原
- 中川原
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- 伊勢松本
- 伊勢松本
- 伊勢松本
- 伊勢松本
- 伊勢松本
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- 伊勢川島
- 伊勢川島
- 伊勢川島
- 伊勢川島
- 伊勢川島
- 伊勢川島
- 伊勢川島
- 伊勢川島
- 高角
- 高角
- 高角
- 高角
- 高角
- 高角
- 高角
- 高角
- 桜
- 桜
- 桜
- 桜
- 桜
- 桜
- 桜
近鉄四日市は高架駅で、名古屋線の2面4線の隣に1面2線の湯の山線ホームがある。5番線は名古屋線も使用しており、四日市発着の急行などが使用している。また、臨時で運転される湯の山サマーライナーなども5番線から発着する。四日市では名古屋線のほか、内部線、八王子線と連絡している。
四日市を出ると左に急カーブして、単線となり、しばらく高架線を走る。四日市の市街地を西へ向けて走り、高架線から下りて2面2線で対向ホームの中川原となる。1969年までは四日市と中川原の間に堀木と言う駅があった。中川原駅の近くには市立四日市病院や工場などもあるが、利用者はそれほど多くない。中川原を出ると右にカーブして、北北西を向いて走る。中川原と伊勢松本の間には1969年まで製絨所前と言う駅があった。伊勢松本も1面2線の交換駅で、駅舎とホームの間に構内踏切があり、行き違いがないときは上下列車とも構内踏切がない方の線路に停まる。かつて特急が運転されていたこともあり、1線スルーの形になっている。伊勢松本を出ると右に左にカーブしながら走り、市街地から抜けて田畑が広がる景色を見ながら走る。伊勢松本と伊勢川島の間には1969年まで小生と言う駅があった。伊勢川島は2面2線の対向ホームに橋上駅舎を持つ駅で、周辺には住宅地があり、乗降も多い。伊勢川島から右にカーブして北西方向を向いて走る。次の高角も2面2線の対向ホームだが、駅舎は地上にあり、構内踏切がある。駅から少し離れているが、サッカーで有名な四日市中央工業高校の最寄駅となっている。さらに真っ直ぐ北西方向を向いて走り、東名阪道の下をくぐり、2面2線で対向ホームの桜となる。1線スルー式の構造になっており、優等列車運転にも対応した構内となっている。四日市西高校の最寄駅で、南側には桜台の住宅地が広がっており、乗降者数は多く、湯の山線の中間駅ではナンバー1となっている。
- 菰野
- 菰野
- 菰野
- 菰野
- 菰野
- 菰野
- 中菰野
- 中菰野
- 大羽根園
- 大羽根園
- 大羽根園
- 大羽根園
- 湯の山温泉
- 湯の山温泉
- 湯の山温泉
- 湯の山温泉
- 湯の山温泉
- 湯の山温泉
- 湯の山温泉
- 湯の山温泉
桜と次の菰野の間には神森、宿野の2駅があったが、いずれも1969年に廃止となった。桜と菰野の間は2.6km開いている。金渓川を渡って四日市市から菰野町に入る。右手にイオンタウン菰野を見て、菰野町の街中に入る。菰野は2面3線で行き違い式の2面2線に加えて、行き止まり式の線路がある。駅舎側が対向ホーム、行き止まり式の線路がある方が島式ホームとなっている。かつては菰野折り返しの列車があったが、現在は全て湯の山温泉行きのため、行き止まり式ホームは使用されていない。駅近くにはプロ野球選手も輩出しており、甲子園出場経験もある菰野高校がある。
菰野を出ると緩いカーブを曲がりながら、菰野の街中を走る。住宅地は広がるが、四日市周辺と違い、伸びやかな景色が展開される。次の中菰野は1面2線で、1線スルーに対応している。数は少なくても、特急運転に対応して1線スルー化された駅が多いのは驚かされる。中菰野を出るとやや勾配を上がっていく。大羽根園は湯の山線では珍しい行き違いできない1面1線の構造となっている。
大羽根園周辺はまだ平地で、住宅と田畑が広がっているが、同駅を出ると勾配を上がり山の中に入っていく。とは言え御在所岳の裾野を行くだけで、そんなに険しい山上りはしない。山の裾野へ向けて高度を上げながら走り、終点の湯の山温泉に着く。湯の山温泉は2面2線で、四日市方に引き上げ線があり、夜間の滞泊に使用されている。1番線は駅舎側にあり、電車は早朝の数本を除いて1番線に発着する。湯の山温泉、御在所岳のロープウェイへは三重交通のバスに乗り換えとなる。