1.概要
会社名 | 近畿日本鉄道 |
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形式 | 12410系 |
使用線区 | 難波線・大阪線・名古屋線・奈良線・京都線・山田線・鳥羽線・志摩線 |
製造メーカー | 近畿車輌 |
制御方式 | 抵抗制御 |
主電動機 | 定格180kW |
ブレーキ | 電磁直通ブレーキ |
台車 | KD-83 |
最高速度 | 120km/h |
加速度 | 2.5km/h/s |
減速度(通常) | 4km/h/s |
製造初年 | 1980年 |
電気方式 | 直流1500V |
軌間 | 1435mm |
保安装置 | ATS |
車体 | 鋼板製 |
座席 | 回転式リクライニングシート |
座席定員 | 68人 |
所属 | 富吉検車区・東花園検車区 |
編成 | 4両 |
既存両数 | 20両(2019年6月現在) |
近鉄12410系は1980年に登場した汎用特急車両で、12400系の増備車である。4両編成で製造された12400系に対して、12410系は3両編成で製造され、名阪ノンストップ特急に運用された。この当時、名阪甲特急は新幹線との競合のため、12200系2両編成で運転されていたが、国鉄の度重なる運賃値上げなどにより、利用者が増えてきたこともあり、12410系は3両編成で製造された。
2.車両性能
主電動機は12400系と同一の三菱電機製の出力180kWを採用した。台車は30000系に準じて新設計の近畿車輛製KD-83系を採用し、電動車はKD-83を、制御車はKD-83Bを装着した。電動発電機と空気圧縮機は12400系の仕様を踏襲せず、30000系と同一品を採用した。12400系は12200系のシステムを踏襲したため、1基につき2両分を賄うが、当該系列は 30000系と同じく1基で4両分を賄う。両機ともク12510形に一括搭載した。
なお、1981年に増備された第5編成 (12415F) は4両編成で落成し、Mc、M車にはパンタグラフがそれぞれ2基搭載された。補機類の搭載がないサ12560形は重心の上昇が懸念されたため、本来、屋根上に6台のユニットクーラーを取り付けるところを、当該車両は2台のみとし、他は30000系中間車と同一品のユニットクーラーを床下に取り付けた。同編成の台車はKD-83Bに変更された。
集電装置はPT-4811-A-M下枠交差型パンタグラフに変更された。パンタグラフは電動車同士で隣り合うため、Mc、M車の伊勢寄り(大阪発着基準)に各1基搭載とした。なお、将来T車を加えた4両編成にする計画があったため、それぞれもう1基増設できるようにしていた。
サ12560形はユニットクーラーを床下に搭載した関係上、冷風をダクトを介して天井に送る必要から、窓柱に風道を通した。このため全ての窓柱が他車と比べて厚くなっている。また、この付近の側壁にリターン風道整風板が設けられた。
3.車内設備
トイレ・洗面室はMc、M車に、車販基地はM車に設置された。トイレは和式のみとして男子小用は省略された。洗面台はトイレの向かいに設けられ、この点、12400系と異なり独立性の強い空間となった。
12410系編成表 | 4両編成 | 20両 | 製造年 | ||
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電算記号 | ←大阪上本町 | 伊勢中川→ | |||
モ12410Mcp | サ12560T | モ12460M | ク12510Tc | ||
NN11 | 12411 | 12561 | 12461 | 12511 | 1980年 |
NN12 | 12412 | 12562 | 12462 | 12512 | 1980年 |
NN13 | 12413 | 12563 | 12463 | 12513 | 1980年 |
NN14 | 12414 | 12564 | 12464 | 12514 | 1980年 |
NN15 | 12415 | 12565 | 12465 | 12515 | 1980年 |
- 12411F
- 12412F
- 12413F
- 12414F
- 12415F
4.車両改造
【中間車の増備】
第5編成にあわせて、1983年7月にサ12560形が4両製造され、12411F~12414Fに組み込まれ、全編成が4両化された。4両化の際、12411F – 12414Fはパンタグラフを増設する予定でだったが、M – T – M間に母線を引き通した。そのため、パンタグラフ増設は行わず、1編成2基のままとなった。12415Fも12411F -~12414Fの4両化と同時に母線を有効とし、Mc、M車のパンタグラフを1基ずつ取り外した。
【120㎞/h運転対応工事】
12400系と同様に1988年から120km/h運転対応工事が施工された。
【車体更新】
2000年から2002年にかけて12400系と同内容の車体更新工事が行われ、2002年に更新された12415Fの前面行先表示器は白地幕から22000系と同一の赤地幕に変更された。
【B更新工事】
2015年10月から2017年6月にかけて全車両が高安検修センターにて本形式の2回目の車体更新工事 (B更新) が行われた。更新内容は以下となる。
・内外装材の張り替え
・ク12510形への喫煙室設置
・全台車のボルスタアンカー部分へのヨーダンパ取付
・乗務員室扉は21000系以降の特急車と同じタイプに交換された
2008年以降、12415F以外の4編成は行き先表示器を白地幕からLED式に交換され、全編成に転落防止幌の設置とATS-SP設置・デッドマン装置更新工事が行われた。
2016年以降汎用特急車の新塗装化が実施されており、当形式においても塗装変更が行われている。