1.路線概要
会社名 | 京阪電気鉄道 |
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路線名 | 石山坂本線 |
区間 | 石山寺~坂本 |
営業キロ | 14.1km |
駅数 | 21駅 |
平均駅間距離 | 0.71km |
所要時分 | 32分 |
表定速度 | 26.5km/h |
軌間 | 1435mm |
電気方式 | 1500V直流電化 |
線路 | 複線 |
保安方式 | ATS |
最高速度 | 70km/h |
最大編成両数 | 2両 |
京阪石山坂本線は石山寺~坂本間14.1kmを結ぶ路線で、大津市内を南北に縦断している。京阪石山と京阪膳所でJR琵琶湖線に連絡、浜大津で京津線と接続、京阪大津京でJR湖西線と連絡している。電車は全線通しを中心に運転されており、昼間時は10分毎の運転となっている。2003年9月のダイヤ改正時には15分サイクルに2本が運転され、近江神宮前〜石山寺間の区間運転も行われていた。1997年10月に直流600Vから直流1500Vへ昇圧され、その際に旧型車両が淘汰され、600形と700形に統一されている。かつては京津線の車両も共通に使用されていたが、京津線が京都市交東西線、京都高速鉄道と直通運転を行うため、新型の800系を投入してからは完全に分離されている。なお、800系は錦織車庫への回送などで石山坂本線に入線してくる。
駅番号 | 駅名 | よみがな | 駅間 | 営業 | 所在地 | 開業年月日 |
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OT01 | 石山寺 | いしやまでら | – | 0km | 大津市 | 1914年6月4日 |
OT02 | 唐橋前 | からはしまえ | 0.7km | 0.7km | 大津市 | 1914年1月17日 |
OT03 | 京阪石山 | けいはんいしやま | 0.9km | 1.6km | 大津市 | 1914年1月12日 |
OT04 | 粟津 | あわづ | 0.8km | 2.4km | 大津市 | 1913年5月1日 |
OT05 | 瓦ヶ浜 | かわらがはま | 0.4km | 2.8km | 大津市 | 1914年1月17日 |
OT06 | 中ノ庄 | なかのしょう | 0.5km | 3.3km | 大津市 | 1913年5月1日 |
OT07 | 膳所本町 | ぜぜほんまち | 0.5km | 3.8km | 大津市 | 1913年3月1日 |
OT08 | 錦 | にしき | 0.4km | 4.2km | 大津市 | 1913年3月1日 |
OT09 | 京阪膳所 | けいはんぜぜ | 0.5km | 4.7km | 大津市 | 1913年3月1日 |
OT10 | 石場 | いしば | 0.8km | 5.5km | 大津市 | 1913年3月1日 |
OT11 | 島ノ関 | しまのせき | 0.5km | 6km | 大津市 | 1913年3月1日 |
OT12 | びわ湖浜大津 | びわこはまおおつ | 0.7km | 6.7km | 大津市 | 1913年3月1日 |
OT13 | 三井寺 | みいでら | 0.5km | 7.2km | 大津市 | 1922年5月7日 |
OT14 | 別所 | おおつしやくしょまえ | 0.8km | 8km | 大津市 | 1927年5月15日 |
OT15 | 皇子山 | けいはんおおつきょう | 0.5km | 8.5km | 大津市 | 1946年3月1日 |
OT16 | 近江神宮前 | おうみじんぐうまえ | 0.6km | 9.1km | 大津市 | 1927年5月15日 |
OT17 | 南滋賀 | みなみしが | 0.9km | 10km | 大津市 | 1927年5月15日 |
OT18 | 滋賀里 | しがさと | 0.8km | 10.8km | 大津市 | 1927年5月15日 |
OT19 | 穴太 | あのお | 1.5km | 12.3km | 大津市 | 1927年5月15日 |
OT20 | 松ノ馬場 | まつのばんば | 1.2km | 13.5km | 大津市 | 1927年5月15日 |
OT21 | 坂本 | さかもとひえいざんぐち | 0.6km | 14.1km | 大津市 | 1927年8月13日 |
2.歴史
京阪石山坂本線は1913年(大正2年)3月1日に大津電車軌道として大津(現在のびわ湖浜大津)~膳所(現在の膳所本町)間が開業した。国鉄貨物線と線路を共用した。同年5月1日に膳所~別保(現在の粟津)間が開業した。同年6月1日に大津駅を浜大津駅に改称した。
1914年(大正3年)1月12日に別保~石山駅前(現在の京阪石山)間が開業した。同年1月17日に石山駅前~唐橋前間が開業。別保駅を移転し、粟津駅に改称し、旧・別保駅付近に瓦ヶ浜駅が開業した。同年2月15日に唐橋前~螢谷(後に廃止)間が開業した。同年6月4日に螢谷~石山(現在の石山寺)間が開業した。
1922年(大正11年)5月7日に浜大津(現在のびわ湖浜大津)~三井寺間が開業した。同時に浜大津駅が江若鉄道新浜大津駅前の道路上に移転した。1927年(昭和2年)1月21日に大津電車軌道が太湖汽船と合併し、琵琶湖鉄道汽船の路線となった。5月15日に三井寺~兵営前(現在の大津市役所前)間、山上(後に休止)~松ノ馬場間が開業した。同年8月13日:松ノ馬場~坂本(現在の坂本比叡山口)間が開業した。同年9月10日に兵営前~ 山上間が開業し全線開通した。
1929年(昭和4年)4月11日に京阪電気鉄道が琵琶湖鉄道汽船を合併し、同社の路線となった。汽船部は太湖汽船に譲渡された。同年10月10日に山上~近江神宮前間に漣駅が開業した。1930年(昭和5年)6月25日に坂本からの堅田方向へ未成線0.4km事業を廃止した。1931年(昭和6年)10月5日に石山線石山~坂本線坂本間直通運転を開始した。1937年(昭和12年)8月20日に馬場駅を膳所駅前駅に、膳所駅を膳所本町駅に、螢谷駅を石山駅に統合し石山寺駅にそれぞれ改称した。
1939年(昭和14年)6月20日に浜大津駅の京津線との連絡線が完成した。同時に石山坂本線の浜大津駅はやや東に移動された。1940年(昭和15年)11月10日に兵営前駅を別所駅に改称した。1941年(昭和16年)2月1日に錦織駅を近江神宮前駅に改称した。1943年(昭和18年)8月20日に石山駅前~粟津間を複線化した。同年10月1日に会社合併により京阪神急行電鉄の路線となった。同年11月10日に島ノ関~浜大津間の大橋堀、紺屋関を廃止した。
1944年(昭和19年)8月15日に瓦ヶ浜駅、錦駅、漣駅を廃止した。1945年(昭和20年)1月10日に滋賀里駅を坂本方へ400m移設した。同年3月30日に滋賀里~坂本間が金属供出のため単線化された。5月15日に唐橋前駅、中ノ庄駅、三井寺駅、山上駅、穴太駅、松ノ馬場駅を休止した。8月6日に唐橋前駅の営業を再開した。12月1日も中ノ庄駅の営業を再開、瓦ヶ浜駅が再開業した。12月2日に三井寺駅の営業が再開した。
1946年(昭和21年)3月1日に皇子山駅(現在の京阪大津京駅)が開業した。休止中の山上駅が廃止された。同年9月10日に穴太駅、松ノ馬場駅の営業が再開された。1947年(昭和22年)
1月25日に浜大津~膳所間に江若鉄道車両が乗り入れを開始した。同年3月に滋賀里~穴太間が再複線化された。
1948年(昭和23年)1月1日に近江神宮前駅を錦織駅に改称した。7月10日に錦織駅を近江神宮前駅に再改称した。1949年(昭和24年)12月1日に会社分離により、京阪電気鉄道の路線となった。1950年(昭和25年)10月1日に石山寺駅を石山螢谷駅に改称した。
1951年(昭和26年)12月25日から三条~石山螢谷間の直通列車の運転を再開した。1953年(昭和28年)4月1日に石山螢谷駅を石山寺駅に、膳所駅前駅を京阪膳所駅に、石山駅前駅を京阪石山駅にそれぞれ改称した。1954年(昭和29年)1月25日に浜大津経由の三条~石山寺間の急行を運転開始した。
1955年(昭和30年)5月1日に滋賀里駅を水耕農場前駅に改称した。400m浜大津方の旧駅を滋賀里駅として営業再開した。1956年(昭和31年)1月10日に石山線と坂本線を統合・改称し石山坂本線とした。同年2月15日に滋賀里~穴太間の水耕農場前駅を休止した(1974年に廃止された)。
1957年(昭和32年)3月20日に石山坂本線の浜大津駅を浜大津東口駅に改称した。三条~石山寺間で急行(石山坂本線内は各駅停車)が終日運転開始した。1959年(昭和34年)1月20日から電車の集電装置をホイール式からスライダー式に変更した。同年9月1日に錦駅が再開業した。
1965年(昭和40年)7月10日に江若鉄道車両の浜大津~膳所間乗り入れを廃止した。1966年(昭和41年)10月15日に大津線電車線のカテナリー化工事が竣工した。1967年(昭和42年)9月24日に別所駅(現在の大津市役所前駅)を0.3km坂本方へ移設した。1968年(昭和43年)3月25日ダイヤ改正により、15分ヘッドから20分ヘッドに変更した。1969年(昭和44年)11月1日に浜大津~膳所間を共用していた江若鉄道および国鉄が営業を廃止した。
1970年(昭和45年)8月23日から電車の集電装置をスライダー式ポールからパンタグラフに変更した。1971年(昭和46年)8月15日に全列車が2両編成で運行するようになった。1976年(昭和51年)10月に国鉄・江若鉄道と共用していた浜大津~膳所間の三線軌条のうち1本を撤去した。
1981年(昭和56年)1月7日に 京津線と石山坂本線の直通運転を廃止。翌日から京津線と石山坂本線を結ぶ線路の撤去が開始された。同年4月12日に京津線の浜大津駅が石山坂本線の浜大津(東口)駅と統合され、浜大津(東口)駅の北隣に建設された新駅に移転された。1985年(昭和60年)4月15日から坂本~浜大津間でATSを使用開始した。同年10月1日から浜大津~石山寺間でATSを使用開始した。
1986年(昭和61年)3月17日から大津線列車無線電話使用開始。同年5月16日に浜大津駅の石山寺側に回生電流吸収装置を設置、使用開始(回生電流はインバーターで交流化して変圧後浜大津の駅の照明などに利用)。1991年(平成3年)2月13日に浜大津~膳所間の用地11500m2を国鉄清算事業団より購入。
1997年(平成9年)9月30日に穴太~坂本間が52年ぶりに再複線化され京阪電気鉄道全線の複線化が完成した。同年10月12日に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧した。1999年(平成11年)6月1日から大津線列車運行管理システムの使用を開始した。2003年(平成15年)10月4日からワンマン運転を開始した。この時点で朝ラッシュ時は5分間隔、昼間時間帯は7分30秒間隔での運転が実施されていた。
2005年(平成17年)4月1日に京阪石山駅が西へ移設され、JR石山駅に隣接して設置された。相対式ホームから島式ホームとなった。2006年(平成18年)3月18日に皇子山駅を北側に移設し、湖西線高架下に移設した。2007年(平成19年)4月1日からICカードPiTaPaが導入された。2017年(平成29年)4月1日から京津線を含む大津線系統全線で、ICカードICOCA定期券を発売した。同年5月1日から朝のラッシュ時を除いてステーションスタッフによる添乗が廃止され完全ワンマン運転になった。
2018年(平成30年)3月17日から浜大津駅をびわ湖浜大津駅に、別所駅を大津市役所前駅に、皇子山駅を京阪大津京駅に、坂本駅を坂本比叡山口駅にそれぞれ改称した。2019年(平成31年)2月に大津線すべての先頭車にドライブレコーダーの取り付けを完了した。
3.路線ガイド
- 石山寺
- 石山寺
- 石山寺
- 石山寺
- 石山寺
- 石山寺
- 唐橋前
- 唐橋前
- 京阪石山
- 京阪石山
- 京阪石山
- 京阪石山
- 京阪石山
- 京阪石山
- 京阪石山
- 京阪石山
- 粟津
- 粟津
- 粟津
- 粟津
- 粟津
- 粟津
- 粟津
- 粟津
- 瓦ヶ浜
- 瓦ヶ浜
- 中ノ庄
- 中ノ庄
- 膳所本町
- 膳所本町
- 膳所本町
- 膳所本町
- 膳所本町
- 膳所本町
- 膳所本町
- 錦
- 錦
- 錦
- 錦
- 錦
- 錦
- 錦
石山寺は瀬田川の近くにホーム1面2線の駅を構えるこじんまりとした駅である。石山寺へは駅から南へ歩いて10分ほどかかる。石山寺を出ると瀬田川に沿って北上して、名神高速と東海道新幹線の下をくぐり唐橋前となる。東側に瀬田唐橋がある。唐橋前を出て国道1号線と交差して左にカーブしてJR石山駅前の踏切を越えてホーム1面2線の京阪石山となる。以前は踏切を越える手前に駅があったが、JR石山駅と総合駅化するため、JR石山駅前なら移設されて、JR駅舎に繋がる橋上駅舎となった。京阪石山を出るとJR琵琶湖線と並行しながら築堤を上がり、右にカーブして同線をアンダークロスして同線の北側に出て築堤から下りると粟津である。右手にびわ湖を望んで瓦ヶ浜となる。この辺りは線路が右に左にカーブしており、こまめに停車することもあってかなり遅い。次の中ノ庄を出ると左にカーブして膳所本町となる。びわ湖からは少し離れているが、びわ湖の辺には膳所城跡がある。錦を過ぎると京阪膳所である。同駅ではJRとの乗り換えが容易なため、石山よりもJRに乗り換える人は多い。JRに乗り換える人の大半は京都や大阪方面に向かうのだから石山坂本線ももっと便利なJRの恩恵に授かってもよいのではないだろうか。JRへのフィーダー輸送も考えて接続の改善や駅での乗り換え改善も進めて欲しいものだ。
- 京阪膳所
- 京阪膳所
- 京阪膳所
- 京阪膳所
- 京阪膳所
- 石場
- 石場
- 島ノ関
- 島ノ関
- 島ノ関~びわこ浜大津
- 島ノ関~びわこ浜大津
- びわこ浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
- びわこ浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
- びわ湖浜大津
京阪膳所を出るとJR琵琶湖線とは離れて、びわ湖の湖岸の近くを国道18号線沿いに走る。石場はびわ湖ホールの最寄駅で、次の島ノ関は南側へ少し歩いたところに県庁や県警本部がある。その向うにはJR大津駅があるので、県庁や県警へはJR大津駅が近い。真っ直ぐ国道18号線沿いに大津の市街地の中を進み上下線の間に引き上げ線が見えてくるとびわこ浜大津である。2018年3月17日に浜大津からびわこ浜大津に駅名が改称された。同駅は京津線との接続駅で、橋上駅舎の立派な駅である。駅周辺にはミシガンが発着している大津港や浜大津アーカスなどのショッピングセンターもあり、大津市の中心地になっている。
- びわこ浜大津~三井寺
- びわこ浜大津~三井寺
- びわこ浜大津~三井寺
- びわこ浜大津~三井寺
- 三井寺
- 三井寺
- 三井寺
- 三井寺
- 三井寺
- 三井寺
- 三井寺
- 三井寺
- 大津市役所前
- 大津市役所前
- 大津市役所前
- 大津市役所前
- 大津市役所前
- 大津市役所前
- 京阪大津京
- 京阪大津京
- 京阪大津京
- 京阪大津京
- 京阪大津京
- 京阪大津京
- 京阪大津京
- 京阪大津京
びわこ浜大津を出ると京津線が左に急カーブして分かれていく。京津線はそのまま併用軌道で進むが、石山坂本線は交差部を除いて専用軌道のまま進んでいく。専用軌道を真っ直ぐ進んで三井寺となる。三井寺を出ると右にカーブして進路を北に向けて進む。大津市役所や皇子山運動公園への最寄駅の大津市役所前も2018年3月17日に別所から駅名が変わった。大津市役所前を過ぎると左手からJR湖西線の高架が近づいてきて京阪大津京となる。当駅も2018年3月17日に皇子山から改称された。JR湖西線大津京との乗換駅となっているが、乗り換えには少し歩かなければならない。湖西線開業時にもう少し駅の構造を考えて利用者が便利なように考慮すべきだったのではなかろうか。京阪大津京を出ると湖西線の下をくぐってさらに北上して近江神宮前となる。同駅には錦織車庫が併設されており、同駅折り返しの電車も設定されている。近江神宮は駅から歩いて15~20分のところにある。
- 近江神宮前
- 近江神宮前
- 近江神宮前
- 近江神宮前
- 近江神宮前
- 近江神宮前
- 近江神宮前
- 近江神宮前
- 近江神宮前
- 南滋賀
- 南滋賀
- 南滋賀
- 南滋賀
- 南滋賀
- 南滋賀
- 南滋賀
- 南滋賀
- 南滋賀
- 滋賀里
- 穴太
- 穴太
- 穴太
- 穴太
- 穴太
- 穴太
- 穴太
- 松ノ馬場
- 坂本比叡山口
- 坂本比叡山口
- 坂本比叡山口
- 坂本比叡山口
- 坂本比叡山口
- 坂本比叡山口
- ケーブル坂本
近江神宮前を出てしばらく真っ直ぐ北上して右手にJR湖西線、左手に国道161号線が見えてきて南滋賀となる。ここから先もひたすら真っ直ぐ北上して、湖西線が接近してくると滋賀里である。この辺りはまだ大津市内だが、のどかな雰囲気が漂うところである。湖西線とは少し離れて国道161号線をアンダークロスして北側を走り穴太となる。右手に国道161号線とJR湖西線の高架を見ながら進み松ノ馬場を過ぎると終点の坂本比叡山口となる。当駅も2018年3月17日に坂本から改称された。坂本比叡山口駅は複線化と同時に駅舎が改修されて小綺麗な駅舎となった。湖西線比叡山坂本へは東へ歩いて15分ほどかかる。また、比叡山麓の比叡山鉄道(ケーブル)の坂本駅は西へ歩いて15分ほどのところにある。