阪急嵐山線ガイド【京阪間を闊歩した6300系が余生を過ごす観光路線】

6353F

6353F

1.概要

会社名 阪急電鉄
路線名 嵐山線
区間 桂~嵐山
営業キロ 4.1km
駅数 4駅
平均駅間距離 1.37km
所要時分 7分
表定速度 35.2km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流電化
線路 単線
保安方式 ATS
最高速度 70km/h
最大編成両数 6両

阪急嵐山線は京都の一大観光地である嵐山と阪急京都本線の桂を結ぶ4.1kmの路線で1928年に開業した。開業当初は複線で、嵐山駅は6面5線を有する大ターミナルだった。しかし、戦時体制により不要不急路線となり、単線化されて現在に至っている。京都の中でも有数の観光地である嵐山を終点に持つだけあって、春や秋の行楽シーズンには行楽客の輸送で賑わっている。かつては行楽シーズンになると梅田からの直通急行(嵐山急行、嵯峨野エクスプレスなど)が運転されていたが、2001年3月24日のダイヤ改正により桂が特急停車駅となり、嵐山方面へのアクセスがよくなり、ダイヤ上でも臨時急行を運転する余裕がなくなったので直通電車はなくなった。しばらくの間は行楽シーズンに6両編成の普通が増発されるのみに なっていた。

2008年秋から阪急が嵐山への観光誘致に力を入れ出した。当初は試行的に神戸線、宝塚線からの直通臨時列車を嵐山まで運転した。その後も継続的に臨時列車は運転され、2010年春シーズンからは神戸線からの直通列車が直通特急、梅田、河原町発の嵐山行き臨時列車が快速特急として運転されるようになり、2011年5月14日の京都線土休日ダイヤ改正で、これらの臨時列車が行楽シーズンを中心に運転されることになった。高速神戸、宝塚からの直通特急に加え、大阪市交堺筋線の天下茶屋からの直通特急の運転も行われることになり、臨時ダイヤでは最大3本の直通特急が運転された。これに加えて梅田発の快速特急、河原町発の快速特急も運転されていた。2019年1月19日ダイヤ改正以降は嵐山直通の臨時列車の設定は一部を除いてなくなった。

駅名 駅ナンバー 営業キロ 所在地 普 通
HK-81 0km 京都市西京区
上桂 HK-96 1.4km 京都市西京区
松尾大社 HK-97 2.8km 京都市西京区
嵐山 HK-98 4.1km 京都市西京区

2.歴史

阪急嵐山線は1928年(昭和3年)11月9日に新京阪鉄道として桂~嵐山間が開業した。1930年(昭和5年)9月15日に新京阪鉄道の京阪電気鉄道への合併により、同社の路線となった。1943年(昭和18年)10月1日に京阪電気鉄道の阪神急行電鉄への合併により、京阪神急行電鉄の路線となった。1944年(昭和19年)1月9日に太平洋戦争の戦局悪化に伴う物資の欠乏による金属供出の対象となり単線となった。途中列車交換設備もなくなった。

1948年(昭和23年)1月1日に松尾神社前駅を松尾駅に改称した。1950年(昭和25年)3月13日に上桂と松尾に列車交換設備を設置した。1965年(昭和40年)に京都本線から直通する河原町~嵐山間の普通列車がこのころを最後に運行されなくなった。

1982年(昭和57年)秋に桂駅の改造工事の影響で京都本線との直通運転ができないため、梅田~嵐山間の臨時急行の運行を休止し、梅田~桂間の臨時急行を設定した。1984年(昭和59年)6月に桂駅の配線改造で、嵐山線の発着ホームを京都本線の上下線に挟まれた4・5号線からC・1号線に変更した。1992年(平成4年)秋に梅田~嵐山間の臨時急行に「さがのエクスプレス」の愛称が付けられた。翌年春から「嵯峨野エクスプレス」となった。

2000年(平成12年)11月26日に梅田~嵐山間の臨時急行「嵯峨野エクスプレス」の運転が終了した。2009年(平成21年)4月2日から京都線特急用だった6300系電車をリニューアルした4両編成の運行を開始した。2013年(平成25年)12月21日に松尾駅を松尾大社駅に改称した。同時に全駅に駅ナンバリング導入された。

3.ガイド

嵐山線電車は桂では1号線から発着する。京都線は2号線から5号線までを使用しており、京都線との乗換えには連絡橋もしくは地下の連絡道を使うことになる。1号線の対面にはC号線と呼ばれる入庫線がある。桂を出ると単線となって高架線を駆け上がる。高架線は複線分あるが、これは戦前嵐山線が複線だった名残である。戦時中に資材供給ということで線路が没収されてしまったのである。高架線を左にカーブしながら走り、左手下に桂車庫を見て、京都線と離れていく。国道9号線と交差して、地平に下りて2面2線の上桂に着く。上桂周辺は住宅地になっており乗降客は普段から多い。

上桂を出て、複線敷の中を単線で進み、緩く右にカーブして2面2線の松尾大社に着く。西側に松尾大社があり、東側には桂川の 河川敷が広がっている。2013年12月21日ダイヤ改正までは松尾だったが、同改正で松尾大社に駅名変更された。嵐山ほどの行楽地ではないが、同駅付近も行楽シーズンには様々な行楽客で賑わっている。

松尾大社を出るとしばらく真っ直ぐ走る。緩く左にカーブして広い空き地の中に3面2線のホームが現われ、終点の嵐山に着く。嵐山はかつては6面5線の大ターミナルだったので、今でも構内は広く、かつての威光を感じることができる。駅前広場はかなり広く、行楽客が集中する時期でもある程度余裕を持って捌けるようになっている。駅の北側を桂川が流れており、有名な渡月橋を渡って対岸に京福嵐山がある。JR嵯峨嵐山はさらに離れている。付近は一大観光地になっており、シーズン中以外でも観光客は多い。

にほんブログ村 鉄道ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログ 関西の鉄道へ にほんブログ村 鉄道ブログ JRへ にほんブログ村 鉄道ブログ 私鉄・公営へ

鉄道コム

タイトルとURLをコピーしました