1.概要
JR山陽本線の姫路~岡山間は、京阪神のアーバンネットワークエリアの西の端と岡山都市圏の東地区を担う路線である。兵庫県と岡山県の県境を挟む区間があるので本数はあまり多くない。姫路~上郡間には、智頭急行へ直通する特急スーパーはくとが7往復運転され、上郡~岡山間には、同じく智頭急行に直通する特急スーパーいなばが5往復運転されている。その他、夜には夜行列車が運転されているが、今はサンライズ瀬戸・出雲1往復が運転されているだけだ。昼間には、上記の列車以外は、もっぱら普通電車か貨物列車しか走らない路線である。普通電車は赤穂線普通電車の一部が姫路まで直通しており、岡山方でも東岡山から岡山まで乗り入れている。また、JR神戸線からの直通は網干、上郡、播州赤穂までとなり、上郡以西への乗り入れは臨時を除いてない。
会社名 | 西日本旅客鉄道 |
路線名 | 山陽本線 |
区間 | 姫路~岡山 |
営業キロ | 88.6km |
駅数 | 19駅 |
平均駅間距離 | 4.93km |
所要時分 | 61分 |
表定速度 | 87.2km/h |
軌間 | 1067mm |
電気方式 | 1500V直流電化 |
線路 | 複線 |
保安方式 | ATS-SW |
最高速度 | 120km/h |
最大編成両数 | 14両 |
2.路線ガイド
駅№ | 駅名 | 副駅名 | 駅間距離 | 姫路からの営業距離 | 神戸からの営業距離 | 所在地 |
姫路 | – | 0km | 54.8km | 兵庫県姫路市 | ||
英賀保 | 4.6km | 4.6km | 59.4km | 兵庫県姫路市 | ||
はりま勝原 | 2.8km | 7.4km | 62.2km | 兵庫県姫路市 | ||
網干 | 2.9km | 10.3km | 65.1km | 兵庫県姫路市 | ||
竜野 | 5.9km | 16.2km | 71km | 兵庫県たつの市 | ||
相生 | 4.5km | 20.7km | 75.5km | 兵庫県相生市 | ||
有年 | 7.6km | 28.3km | 83.1km | 兵庫県赤穂市 | ||
上郡 | 6.5km | 34.8km | 89.6km | 兵庫県赤穂郡上郡町 | ||
JR-S11 | 三石 | 12.8km | 47.6km | 102.4km | 岡山県備前市 | |
JR-S10 | 吉永 | 7.1km | 54.7km | 109.5km | 岡山県備前市 | |
JR-S09 | 和気 | 5.3km | 60km | 114.8km | 岡山県和気郡和気町 | |
JR-S08 | 熊山 | 4.6km | 64.6km | 119.4km | 岡山県赤磐市 | |
JR-S07 | 万富 | 4.1km | 68.7km | 123.5km | 岡山県岡山市東区 | |
JR-S06 | 瀬戸 | 4.5km | 73.2km | 128km | 岡山県岡山市東区 | |
JR-S05 | 上道 | 4.7km | 77.9km | 132.7km | 岡山県岡山市東区 | |
JR-S04 | 東岡山 | 3.4km | 81.3km | 136.1km | 岡山県岡山市中区 | |
JR-S03 | 高島 | 2.8km | 84.1km | 138.9km | 岡山県岡山市中区 | |
JR-S02 | 西川原 | 西川原・就実 | 1.9km | 86km | 140.8km | 岡山県岡山市中区 |
JR-S01 | 岡山 | 2.6km | 88.6km | 143.4km | 岡山県岡山市北区 |
姫路駅では、JR神戸線と直通し、山陽新幹線、播但線、姫新線と連絡している。また、近くには山陽姫路駅もあり、兵庫県西部の巨大ターミナル駅となっている。山陽本線姫路発岡山方面行きの普通電車は姫路駅では新幹線寄りの7、8番線から発着している。JR神戸線直通で網干や上郡、播州赤穂に向かう新快速、普通(明石から快速)は5、6番線からも発着する。大阪方には山陽本線用の引上げ線がある。岡山方には引上げ線がないため、当駅折り返しの新快速は隣の英賀保で折り返す車両もある。
姫路を出ると山陽電鉄本線をアンダーパスする。姫路駅高架化前には山陽電車が高架で、山陽本線が地上を走っていたので、上下逆になっていた。左にカーブしながら山陽新幹線の高架の下をくぐる。右手に単線非電化の姫新線が分かれていき、山陽本線は左手に手柄山中央公園を見ながら西に向けて進む。真っ直ぐに南西方向に進んで、2号姫路バイパスがオーバークロスすると英賀保となる。英賀保は2面3線の構造になっている。姫路止まりの電車が当駅まで回送されてくる。英賀保を出ると少し右にカーブして進路を真西に向ける。夢前川を渡って姫路の市街地の西の端を真っ直ぐに進む。網干はホーム2面3線で、岡山方には網干総合車両所があるため、構内配線は複雑になっている。大阪方にも折り返しできる
設備がある。網干は姫路市の西の端にあり、西側岡山方には網干総合車両所が広がっている。もっとも駅から網干電車区はかなり離れているので、車両所が一般公開される時などには車庫までのシャトル電車が運転される。山陽電鉄網干線の山陽網干はJR網干から5キロ弱南の方にある。山陽網干の方が周辺は開けているが、最近ではJR網干周辺も開けてきている。
網干を出るとしばらく真っ直ぐ走り、左手に広大な車両所が広がるのを見て進む。網干総合車両所の所在地は姫路市ではなく兵庫県太子町となっている。車両所が途切れると林田川を渡り、山陽新幹線の高架が見えてそれの下をくぐって揖保川を渡る。揖保川を渡って龍野市に入りホーム2面2線の竜野となる。竜野は龍野市にはあるが、龍野市の中心駅は姫新線の本竜野となっている。竜野から右手に国道2号線、その向うに山陽自動車道が並行し、左手には山陽新幹線が並行して走る。相生市に入って、山陽新幹線がオーバークロスすると相生となる。相生には2003年10月改正からひかりが停車するようになったが、新大阪以西各駅に停まるひだまで、在来線では特急スーパーはくとは通過する。新幹線連絡駅にしては寂しい駅である。相生はホーム2面3線で、山陽本線電車と赤穂線電車が連絡する。姫路直通の電車が赤穂線主体となったため、18きっぷのシーズンなどには当駅始発の山陽本線電車に乗り換え、席を争奪する光景が見られる。
相生を出ると左手に赤穂線の単線が分かれていき、山陽線は右にカーブして再び山陽新幹線の高架をくぐり、続いて山陽自動車道の下をくぐって狭い山間を行く。国道2号線と並行して進み、相生市から赤穂市に入って有年となる。有年は構内が整理されてホーム2面2線になった。有年を出ると右にカーブして進路を北にとる。国道2号線とは離れて、国道373号線と千種川に沿って進む。この辺りは臨時列車運転などでは多くの撮影者が訪れるポイントである。左カーブして千種川を渡り上郡町に入り、右にカーブして上郡となる。上郡は2面3線に加えて岡山方に智頭急行の行き止り式ホームがある。スーパーはくとやスーパーいなばはJRのホームから発着している。
上郡を出ると上下線が智頭急行の単線の線路を挟んで進み、左にカーブして智頭急行の線路が高架になり、それが山陽線上り線をオーバークロスして右手に分かれて行く。安室川を渡ってしばらく同川に沿って進み、左にカーブして安室川の支流のここから先は軽い峠越えといったところで山を周り込むように走り、トンネルを抜けて岡山県に入る。国道2号線と並行して走り三石となる。岡山方面からの普通電車は同駅で折り返す電車があり、18きっぷで姫路方面へ向かう人は時刻表を見て悔しい思いをしなければならない。
三石を出ると国道2号線とは別れて、国道96号線沿いに進み、岡山県吉永町に入る。次の吉永は吉永町の中心駅だが、備前市にある閑谷学校に近い。吉永を出て和気町に入り、日笠川を渡って金剛川を渡り和気となる。和気は和気町の中心にあるが、山陽自動車道和気ICができてクルマの利用が便利になってきている。和気を出ると左手に山陽自動車道、右手に吉井川を見ながら進む。しばらく川沿いに走って熊山町に入り熊山となる。町の中心は吉井川の対岸にあり、駅は山と川に挟まれた狭いところにある。山陽自動車道の下をくぐって、右にカーブして吉井川を渡り、瀬戸町に入ってすぐに万富となる。万富駅周辺にはキリンビールや三菱マテリアルの工場がある。
万富からしばらく西南方向に走ると瀬戸となる。駅近辺には瀬戸町役場や瀬戸高校などもあるが、この辺りは瀬戸町の西の端となっている。瀬戸を出ると南下して岡山市に入る。しばらく南に向かって進み、山陽新幹線の高架をくぐって右にカーブして山陽新幹線に沿って西へ進んで上道となる。この辺りは東岡山レークタウンや城東台などの住宅地があり、岡山都市圏の一端を担っている。岡山市の郊外を山陽新幹線に沿いながら進み、左手から赤穂線が近づいてくると東岡山となる。同駅は2面4線で赤穂線とは線路別にホームが分かれている。駅周辺には東岡山工業高校や岡山城東高校があり、学生の利用も多い。東岡山の先で赤穂線を合流して真っ直ぐ山陽新幹線と並行しながら西進して2面2線の高島となる。高島は1985年に設置された比較的新しい駅である。百間川を渡り、旭川を渡る手前に西川原がある。2008年に設置された新しい駅で、就実大学、高校への最寄駅になっており、西川原・就実の副駅名が付いている。旭川を渡り右手からJR津山線が近づいてきて、左にカーブする。山陽新幹線の高架の下をくぐって、右手に津山線や吉備線の気動車が並ぶ運転所を見ながら岡山駅へ進入する。