JR大和路線(久宝寺~加茂間)ガイド【風光明媚な大和川沿いを抜けると斑鳩の里】

221系NA410大和路快速

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4.JR大和路線(久宝寺~加茂間)路線ガイド

久宝寺を出ると右にカーブする。この辺りでかつて上り線が合流していた地点を確認できる。旧大阪中央環状線がオーバークロスすると八尾となる。八尾は2面2線の単純な構造だが、2013年7月に橋上駅舎になった。以前は上下線の間に竜華操への引き上げ線があった。八尾は乗降客が多いが、普通しか停まらない。その点で高架駅で準急が停まる近鉄八尾に比べて見劣る。もっとも近鉄八尾とはかなり離れており、競合関係としてはそれほど意識されていないようだ。八尾を出ると線路はほぼ真っ直ぐ進み、右手には八尾空港が広がっているが、住宅地の中を地上線で進むためよく見えない。次の志紀は対向ホーム2面2線の単純な配線で、同駅も普通しか停まらない駅にしては乗降が多い。志紀を出るとすぐに国道170号線(大阪外環状線)がオーバークロスする。柏原市に入り、左カーブしてホーム2面4線の柏原となる。柏原は待避可能駅だが、平野同様上りJR難波方面の通過線にホームはない。上りホームの奈良寄りからは近鉄道明寺線が発着しており、中間改札なしで乗り換えられる。駅舎は橋上型になっており、JR西日本が管理している。柏原から近鉄道明寺線にICカードで乗車するには、改札で係員にその旨を告げて、ホーム上のカード読み取り機にかざして乗車することになる。

NA418

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柏原を出ると左手には山が迫り、近鉄大阪線が並行し、右手には国道25号線と大和川が並行する。しばらくこの隘路を進み、近鉄大阪線がオーバークロスして左に分かれていき、しばらく走って橋上駅舎で2面2線の高井田となる。同駅は1985年に開業した比較的新しい駅だ。おおさか東線に高井田中央駅があるが、付近にある地下鉄中央線の駅は高井田となっており、本来であれば、JRもそれに合わせて高井田とすべきところだったが、大和路線の高井田と全く同一名称となってしまうため、後ろに中央が付けられた。ちなみにおおさか東線ではJR河内永和もあり、JR東海エリアだが、関西線の永和とバッティングしている。こちらは近鉄に合わせて河内を冠している。

特急まほろば

高井田を出て左に右にカーブして大和川を渡り、トンネルを抜けてまた大和川を渡る。この辺りは大阪府内とは思えないような渓谷が車窓に展開される。右手に大和川、その対岸に国道25号線が並行して走り2面2線の河内堅上となる。同駅は大阪府内最後の駅だが、周りの風景は既に大阪府とは思えない自然が多いところで、駅構内は桜の木がたくさんあり、春には満開の桜の中を電車が走って行く。河内堅上を出ると大阪と奈良の府県境を行く。大和川を渡り、トンネルを抜けて奈良県に入り、明神山をトンネルで抜けて、国道25号線をアンダーパスして大和川を渡り、奈良県内最初の駅三郷となる。同駅は2面2線の単純な配線だが、よく見ると上り奈良方面のホームは待避線が設けられるような構造になっている。三郷を出てしばらく大和川を並行して真っ直ぐ進み、再度大和川を渡って、左手から近鉄生駒線が近づいてきて、右手に旧王寺電車区の留置線群が見えて左にカーブしながら王寺駅構内に進入する。

王寺はJR大和路線、JR和歌山線、近鉄生駒線、近鉄田原本線が集結する奈良県西部の交通の要衝で、JRはホーム3面5線を使用し、広い構内を持っている。大和路線上り電車は1番線、下り電車は2、3番線を使用し、下りは快速と普通が緩急接続を行う。4、5番線は和歌山線ホームだが、大和路線から高田方面へ直通する区間快速は大和路線ホームから発着している。改札は橋上駅舎と地上駅舎の2箇所にある。近鉄生駒線との連絡は地上駅舎の方で乗り換えが可能で、1番線ホームのJR難波方の奥のほうに生駒線ホームがある。近鉄田原本線新王寺とは一旦改札を出てからの乗り換えとなり、あまり便利な乗換えとは言えない。

 

王寺を出ると国道25号線がオーバークロスして、和歌山線が右カーブして分かれて行き、近鉄田原本線がオーバークロスする。大和路線は大和川と並行して真っ直ぐ走り、大和川を渡ってさらに奈良盆地南部の田畑の中を真っ直ぐに走る。次の法隆寺は斑鳩町の中心駅で、対向ホーム2面2線の橋上駅舎となっている。以前は2面3線だったが、橋上駅舎化された時に2面3線になった。駅名となっている法隆寺は同駅からはかなり離れたところにある。

法隆寺を出てさらに真っ直ぐ進む。この辺りは天気がよければ左手に遠く法隆寺の五重塔を望むことができる。次の大和小泉から大和郡山市に入り、住宅地と田畑と金魚の飼育のための池を見ながら進む。大和小泉と郡山の間で近鉄橿原線がオーバークロスする。近鉄郡山とJR郡山はそれほど離れていないが、橿原線との交点に連絡駅ができれば乗換えが便利になる。郡山は2面2線の単純な配線の橋上駅舎で、大和郡山市役所や郡山城跡は近鉄郡山側にあり、近鉄の方が大和郡山市の中心駅になっている。

郡山を出て、しばらく奈良盆地の広大な景色の中を進む。王寺~奈良間は全体的に変化のない車窓風景だが、かつて都が置かれていた奈良盆地の広さを実感できるところでもある。奈良市に入り、国道24号線がオーバークロスして、右手に若草山が見えてくると奈良は近い。高架に上がり、左にカーブして中央に引き上げ線を挟み、右手からJR桜井線が近づいてきて、それと合流して奈良となる。

 

奈良はホーム3面5線の高架駅で、2010年3月に桜井線の高架化完了により全線が高架化されている。1番線から桜井線が発着し、2番線は両側をホームで挟まれており、桜井線ともドア・ツー・ドアで乗換えができるようになっている。2番線は大和路線下り電車が発着している。3番線はJR奈良線電車や大和路線下り電車が発着し、早朝には学研都市線電車も発着している。4番線は大和路線上り加茂方面電車とJR奈良線電車が発着、5番線は大和路線上り加茂方面電車の発着と当駅止まり電車の到着となっている。駅前にはかつての古寺を模した地上駅舎が移設されて保存されている。

F1

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奈良を出ると、引き上げ線と並行して走り、高架を下りて、奈良の市街地から離れていく。この付近の地下には近鉄奈良線が走っており、交差点から東方にしばらく行ったところに近鉄奈良駅がある。奈良観光に関しては近鉄奈良駅の方が便利である。大和路線は左にカーブして進み、国道24号線が近づいてきて並行して奈良市北部の新興地域を行く。この辺りは新しい住宅地と古墳群が同居しており、現代と古代が交わっている印象を受ける。このような景色の中を進み、小高い丘に入り、奈良電車区への線路を分岐してしばらく3~4線状態で進んで、丘の上にある奈良電車区へ線路が分かれて行くと平城山となる。平城山は2面2線の橋上駅舎で、下りJR難波方面の線路は上り線よりも一段高い位置にある。さらにその上の丘陵地には奈良電車区が広がっているが、平城山のホームから奈良電車区は見えない。この辺りは左手に住宅地や研究施設などが広がり、京阪奈学研都市の東端になっている。平城山を出ると京奈和自動車道の木津ICなどを左に見ながら進み、奈良市から京都府木津町に入る。国道24号線と並行して進んで木津となる。木津はホーム2面4線の橋上駅舎で、1番線からは学研都市線が発着し、大和路線と奈良線電車は2、3番線を使用し、下り4番線は通常使用していない。

木津を出ると学研都市線が左に急カーブして離れていき、次いで奈良線が真っ直ぐ京都へ向かうため分かれて、大和路線は右にカーブして行く。木津を出ると単線になり、右に左にカーブが多くなる。鹿背山トンネルを抜けて木津町から加茂町に入る。加茂町に入ってからもしばらく山の中を進み、町が開けてくるとホーム2面3線の加茂となる。電化後しばらく経ってから加茂は2面3線の橋上駅舎に改造されて、中線の両側をホームが挟む構造になり、亀山方面への気動車との乗換えが便利になった。大和路線の愛称はここまででこれより先は非電化単線の関西線となる。

キハ120-13

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