阪急5300系【阪急では初めて全電気指令式電磁直通ブレーキを採用】

5300系いい古都エクスプレス

阪急5300系は1972年に登場した京都本線用の通勤型車両。3300系に冷房を搭載した形で設計され、主電動機は140KWに増強され、パンタグラフは下枠交差型となった。阪急では初の全電気指令式電磁直通ブレーキを採用した。制御方式は発電ブレーキ付1C8Mの抵抗制御となっている。

京都線の車両はこの車両まで下一桁は1から始まっていたが、本形式より神宝線と同様に0から始まるようになり、これ以後の車両は全て同様となった。8両編成は当初4M4Tで編成されていたが、1979年から堺筋急行への運用が始まり、堺筋線内では6M2Tでの運用が必要となり、8両編成は全て6M2Tに置き換えられた。7両編成は4M3Tで組成されている。

登場当初は手動の幕があり、堺筋急行のみで使用されており、その他の種別では種別行き先看板が取り付けられていた。1989年から種別方向幕の設置などの更新工事が行われ、2001年に全車に種別方向幕の設置が完了した。1995年からは前面の方向幕が大型化された車両も登場し、8両編成には堺筋線内での自動放送装置が取り付けられている。なお、5304F、5301Fは車内情報装置の設置が行われている。また、5300F、5302Fはリニューアル改造が行われ、側面扉の窓の拡大、化粧板の張り替えなどが行われている。

【リニューアル】

2002年から2003年にかけて7両編成2本(5300F・5302F)がリニューアル工事を施工された。乗降用扉のガラスが複層ガラスとなり、下方向に拡大された。扉部、妻部の化粧板がこげ茶色のものに交換された。冷房装置が更新され、キセもステンレス製とFRP製になった。

【廃車】

2018年に1307F導入により、5315Fが7両編成化された。5415・5313が抜かれ、5306Fから5865を編入した。2019年に5306・5406・5307・5407・5415・5316が3300系の3317・3417と共に廃車になり、5300系で初めての廃車となった。

2019年には1308F、1309F導入により5321Fから5803、5903が抜かれ、旧5306Fの5866を編入した。また、5319Fから5802と5902が抜かれて、旧5306Fの5856を編入し7両編成化された。5902、5903は廃車になった。

2020年6月現在、8両編成4本、7両編成9本、休車2両の97両が存在している。京都本線、千里線、地下鉄堺筋線で運用され、8両編成は快速急行、快速、準急、普通に運用され、7両編成は準急、普通に運用されている。