叡山電鉄鞍馬線ガイド【紅葉の時期には洛北観光の輸送を担う】

901F

1.概要

会社名 叡山電鉄
路線名 鞍馬線
区間 宝ヶ池~鞍馬
営業キロ 8.8km
駅数 10駅
平均駅間距離 0.98km
所要時分 20分
表定速度 26.4km/h
軌間 1435mm
電気方式 600V直流
線路 複線(宝ヶ池~二軒茶屋)
単線(二軒茶屋~鞍馬)
保安方式 ATS
最高速度 60km/h
最大編成両数 2両

叡山電鉄鞍馬線は宝ヶ池を起点に鞍馬まで至る路線で、途中二軒茶屋までが複線化されているが、二軒茶屋~鞍馬間は単線となっている。軌間は1435㎜で本線と同じく直流600Vの電化鉄道となっている。宝ヶ池で本線と接続している以外は他の鉄道との接続や連絡はない。ただ近年宝ヶ池近辺まで京都市営地下鉄烏丸線が延伸してきており、その影響は大きい。

駅番号 駅名 読み方 副駅名 駅間キロ 営業キロ 所在地 開業年月日
E06 宝ケ池 たからがいけ 3.8km 京都市左京区 1925/9/27
E09 八幡前 はちまんまえ 0.9km 4.7km 京都市左京区 1928/12/1
E10 岩倉 いわくら 0.8km 5.5km 京都市左京区 1928/12/1
E11 木野 きの 1km 6.5km 京都市左京区 1928/12/1
E12 京都精華大前 きょうとせいかだいまえ 0.8km 7.3km 京都市左京区 1989/9/21
E13 二軒茶屋 にけんじゃや (京都産業大学前) 0.6km 7.9km 京都市左京区 1928/12/1
E14 市原 いちはら 1.2km 9.1km 京都市左京区 1928/12/1
E15 二ノ瀬 にのせ 1.3km 10.4km 京都市左京区 1929/10/20
E16 貴船口 きぶねぐち 1km 11.4km 京都市左京区 1929/12/20
E17 鞍馬 くらま 1.2km 12.6km 京都市左京区 1929/12/20

2.歴史

叡山電鉄鞍馬線は1928年(昭和3年)12月1日に鞍馬電気鉄道として山端(現在の宝ケ池)~市原間が開業した。1929年(昭和4年)10月20日に市原~鞍馬仮駅間が開業した。同年12月20日に鞍馬仮駅~鞍馬間が開業して全通した。これにより鞍馬仮駅が廃止された。京都電燈叡山電鉄線(現・叡山電鉄叡山本線)に山端から乗り入れ、同線の出町柳まで直通運転を開始した。

1930年(昭和5年)2月に集電方式を架空単線式に変更した。1939年(昭和14年)9月に二軒茶屋~市原間が単線化された。1942年(昭和17年)8月1日に京福電気鉄道に合併され、同社の鞍馬線となった。1944年(昭和19年)11月10日に山端~二軒茶屋間が単線化され、戦時資材供出した。1954年(昭和29年)6月10日に山端駅を宝ケ池駅に改称した。

1958年(昭和33年)4月9日に宝ケ池~岩倉間が再複線化された。1964年(昭和39年)1月5日に二ノ瀬~貴船口間で列車衝突事故が発生。69人負傷。これに伴い、デナ121号車と123号車が全焼して廃車。デナ21 – 24号のブレーキ装置を改良して鞍馬駅までの車両を補い、不燃化対策でデナ1形をデナ500形で置き換えた。1973年(昭和48年) 集電装置をトロリーホイールからスライダーシューに変更した。

1978年(昭和53年)10月19日に日本国内最後のトロリーポール集電方式が廃止されパンタグラフ集電方式に変更した。1983年(昭和58年)12月1日に列車運行管理システム (PTC) を導入した。列車無線装置を使用開始した。1986年(昭和61年)4月1日に叡山電鉄に分離譲渡した。1988年(昭和63年)11月28日に自動列車制御装置 (ATS) を路線に設置した。同年12月25日にワンマン運転を開始した。当初は岩倉および二軒茶屋折り返し運行に、後に鞍馬まで早朝・夜間を中心に運行され、単行の700系を使用した。

1989年(平成元年)9月21日に京都精華大前駅が開業した。同時に10月5日の京阪電気鉄道鴨東線開業を見越したダイヤ改正を実施。平日日中の岩倉折り返しを二軒茶屋まで延長し、休日多客時の鞍馬延長運転を休日オンシーズンダイヤとして定期設定した。1990年(平成2年)9月28日に岩倉~二軒茶屋間が再複線化され、岩倉折り返し運行を全面的に二軒茶屋折り返し運行とした。

1994年(平成6年)3月23日 ダイヤ改正により大増発された。1960年代から続いていた通常時鞍馬発着・(岩倉)二軒茶屋発着各々30分毎、多客時(オンシーズン)鞍馬発着15分毎から、平日各々20分毎、休日は全て鞍馬発着で15分毎を基本としたダイヤに変更した。2004年(平成16年)1月13日に原則として全列車ワンマン運転になった。

2018年(平成30年)9月4日に台風21号により全線が運休した。翌9月5日に宝ケ池~二軒茶屋間が運転再開した。9月7日に二軒茶屋~市原間が運転再開した。9月27日に市原~貴船口間が運転再開した。10月27日には貴船口~鞍馬間が運転再開し、全線復旧した。2020年(令和2年)7月8日 令和2年7月に豪雨の影響で市原~鞍馬間が不通となった。2021年(令和3年)9月18日に市原~鞍馬間が運転再開し、全線復旧した。

3.路線ガイド

宝ヶ池は本線のところで書いたように3面4線の構造で、そのうち2面2線を鞍馬線は使用している。八幡前は2面2線で三宅八幡への最寄り駅となっている。約1kmほど南西方向に京都市交烏丸線の終点国際会館駅がある。八幡前を出ると左にカーブして2面2線の岩倉となる。ここも南へ約1kmほど下ると京都市交烏丸線国際会館駅がある。八幡前、岩倉の2駅は京都市交国際会館駅の影響を受けている。駅周辺には住宅地が広がっている。2面2線の木屋を過ぎると右にカーブして進路を北に取る。京都精華大前は1989年に開業した叡山電鉄で一番新しい駅で、2面2線で、同駅開業後、岩倉~二軒茶屋間が複線に戻されている。京都精華大学への最寄り駅で、駅付近には同大学が建設したパラディオ橋が架けられている。次の二軒茶屋までが複線で、二軒茶屋以遠では二ノ瀬のみが行き違いができる構造となっている。二軒茶屋は京都産業大学への最寄り駅で、駅から徒歩20分程の距離にある。鞍馬方には引き上げ線があり、ここから単線となる。

次の市原は1面1線で、この辺りまで来るとここが京都市内であることが信じられないようなところとなってくる。鞍馬川を渡り、山間部に入っていく。市原~二ノ瀬間にはもみじのトンネルがあり、紅葉のシーズンになると夜間にはライトアップされ、車窓にもみじが浮かび上がるようにしている。二ノ瀬は2面2線の行き違い駅で、紅葉のシーズンには同駅構内でももみじのライトアップが見られる。山間部を分け入るように走り、右に左にカーブしながら鞍馬川に沿って山裾を走る。貴船口は1面1線で、貴船神社への最寄り駅となる。紅葉のシーズンには多くの観光客が訪れ、狭いホームが人で溢れ返る。同駅も紅葉のシーズンには駅構内のもみじがライトアップされる。貴船口を出ると鞍馬川を2回渡り、山裾を走り、終点の鞍馬に着く。鞍馬は2面2線の構造だが、通常は1線のみしか使用していない。鞍馬寺への最寄り駅で、駅前には天狗のオブジェがある。鞍馬寺へはケーブルが通じており、鞍馬駅近くに山門駅があり、乗り換えとなる。

  

鉄道コム

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