叡山電鉄本線ガイド【京都側から比叡山へのアクセスを担う】

叡電

1.概要

会社名 叡山電鉄
路線名 叡山本線
区間 出町柳~八瀬比叡山口
営業キロ 5.6km
駅数 7駅
平均駅間距離 0.94km
所要時分 13分
表定速度 25.9km/h
軌間 1435mm
電気方式 600V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 60km/h
最大編成両数 2両
 叡山電鉄本線は出町柳~八瀬比叡山口間を結ぶ路線で、全線複線で軌間1435㎜の600V直流の電化鉄道である。ダイヤ上鞍馬線へ直通する電車が多く、宝ヶ池~八瀬比叡山口間は支線的存在になっているが、線路戸籍上ではこちらが本線となっている。出町柳で京阪本線(正式には鴨東線)と連絡しており、一部区間では連絡割引も行われている。宝ヶ池で鞍馬線と接続し、八瀬比叡山口では比叡山へのケーブルと接続している。また大原へ行くバスも八瀬比叡山口から出ており、大原観光への入り口にもなっている。
駅番号 駅名 読み方 副駅名 駅間キロ 営業キロ 所在地 開業年月日
E01 出町柳 でまちやなぎ 0km 京都市左京区 1925/9/27
E02 元田中 もとたなか 0.9km 0.9km 京都市左京区 1925/9/27
E03 茶山 ちゃやま (京都造形芸術大学前) 0.5km 1.4km 京都市左京区 1925/9/27
E04 一乗寺 いちじょうじ 0.7km 2.1km 京都市左京区 1925/9/27
E05 修学院 しゅうがくいん 0.8km 2.9km 京都市左京区 1925/9/27
E06 宝ケ池 たからがいけ 0.9km 3.8km 京都市左京区 1925/9/27
E07 三宅八幡 みやけはちまん 0.6km 4.4km 京都市左京区 1925/9/27
E08 八瀬比叡山口 やせひえいざんぐち 1.2km 5.6km 京都市左京区 1925/9/27

2.歴史

叡山電鉄叡山本線は1925年(大正14年)9月27日に京都電燈として出町柳~八瀬(現在の八瀬比叡山口)間が開業した。1928年(昭和3年)12月1日に子会社の鞍馬電気鉄道(現在の鞍馬線)の山端(現在の宝ケ池)~市原間が開業し、山端で連絡した。1929年(昭和4年)12月20日に鞍馬電気鉄道が全通。出町柳~山端~鞍馬間で直通運転を開始した。1930年(昭和5年)2月に集電方式を架空単線式に変更した。

1942年(昭和17年)3月2日に京福電気鉄道に譲渡した。1943年(昭和18年)7月10日に京都市電の東山線が延伸開業し、同線と平面交差になった。1944年(昭和19年)5月1日に山端~八瀬間が不要不急線として単線化され資材供出された。1949年(昭和24年)12月に元田中~山端間で、京都市電からの乗り入れ運転を開始した。宝ヶ池にあった市営競輪場の観客輸送運行で、競輪開催日のみ実施した。

1951年(昭和26年)7月1日に山端~八瀬間が再複線化された。1954年(昭和29年)6月10日に山端駅が宝ケ池駅に改称された。1955年(昭和30年)9月1日に京都市電からの乗り入れ運転を終了した。1965年(昭和40年)8月1日に八瀬駅を八瀬遊園駅に改称した。1970年(昭和45年)に北山通の修学院付近、白川通の修学院~宝ケ池付近が開通した。修学院駅が移転された。

1973年(昭和48年) 集電装置をトロリーホイールからスライダーシューに変更した。1978年(昭和53年)10月1日に京都市電が廃止され、東大路通交差点を踏切に変更。鉄軌道による他線との連絡がなくなった。同年10月19日に日本国内最後のトロリーポール集電が廃止され、全車パンタグラフ化された。1983年(昭和58年)12月1日に列車運行管理システム (PTC)を 導入した。列車無線装置使用開始。

1986年(昭和61年)4月1日 叡山電鉄に分離譲渡された。1987年(昭和62年)12月10日に自動列車制御装置 (ATS) 装置を路線に設置(車上装置は翌年にかけて順次取付)。ワンマン運転を開始した。1989年(平成元年)10月5日に京阪電気鉄道の鴨東線開通。同社出町柳駅が開業し連絡駅になった。これに先立ち9月21日に鞍馬線の京都精華大前駅開業と同時にダイヤ改正を実施。鞍馬線の区間運転延長が主体で叡山本線では出町柳~宝ケ池間で数本の増発が行われた。

1994年(平成6年)3月23日 ダイヤ改正による大増発実施。平日64本、休日9 – 46本増発。1960年代から続いていた八瀬遊園発着・鞍馬線直通各々15分毎から、平日は八瀬遊園発着12分毎、鞍馬線直通10分毎に、休日は八瀬遊園発着・鞍馬線直通各々15分毎(オンシーズンは八瀬遊園発着7.5分毎)を基本としたものに変更。

2002年(平成14年)3月10日 八瀬遊園駅を八瀬比叡山口駅に改称。2001年の森のゆうえんち(旧・スポーツバレー京都)閉園による。2004年(平成16年)1月13日 原則として全列車ワンマン運転となる。

2018年(平成30年)3月21日 観光用車両「ひえい」運転開始。同年9月4日に台風21号により全線が運休。翌9月5日に出町柳〜八瀬比叡山口間全線で運転再開した。

3.路線ガイド

出町柳は4面3線のターミナル構造の駅で、本線電車は1番線から発着している。行楽シーズンには狭いホームに行楽客が入り切らないため、改札制限も行われる。出町柳を出ると街中をしばらく走り、右にカーブして北東方向に進路を取る。元田中は2面2線で、上下ホームは向かい合わせにはなっておらず、上りホームは下りホームより八瀬比叡山口寄りにある。左にカーブして進路を北北東に向け走り、2面2線の茶山となる。同駅は京都造形大学への最寄り駅となる。そのまま真っすぐ進んで2面2線の一乗寺となる。さらに真っすぐ進んで右手に車庫が見えると2面2線の修学院となる。修学院は車庫が併設され、運転上でも重要な駅となっている。また、住宅地が広がり、修学院離宮などの観光地も多く点在しており、乗降客も多い。西に1.5kmほど離れた所に京都市交烏丸線の松ヶ崎駅がある。修学院離宮付近には900系きららの愛称の起源とも言える雲母坂がある。修学院を出ると景色が若干伸びやかになる。宝ヶ池は鞍馬線を 分岐する駅で、線路別で3面4線の線路配置となっており、鞍馬線上りと本線下りは同一ホームでの乗り換えが可能となっている。宝ヶ池を出ると本線が右にカーブして鞍馬線と分かれる。2面2線の三宅八幡は三宅八幡への最寄り駅のように思えるが、実際には鞍馬線の八幡前の方が近い。終点八瀬比叡山口はドームで覆われた格好になっているが、中身は平凡な3面2線のごく普通の終端駅となっている。ここから先、ケーブルとロープウェイを乗り継いで比叡山山頂へ行ける。

  

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