【関西各駅探訪第620回】阪神本線甲子園駅

甲子園

【虎の聖地、高校球児の憧れ、ここがあの甲子園だ!】

阪神本線甲子園駅は兵庫県西宮市にある。プロ野球阪神タイガースのホームグラウンドで、高校野球の聖地甲子園球場への最寄駅として有名だ。平日朝ラッシュ時上り直通特急を除く全列車が停車する。甲子園球場で野球開催時やイベント開催時には、当駅発着の臨時列車も運転される。特に阪神タイガース主催ゲーム開催時に、試合終了後4万人以上の旅客を一気にさばききるのは名人芸の域に達している。臨時列車は試合の進行に沿って、甲子園周辺の各駅などで待機しており、試合終了前と同時に、臨時列車のスジが立てられ、一気に押し寄せる帰宅客をさばいている。

甲子園

甲子園駅は1924年8月1日に臨時駅として開業した。同日に竣工した甲子園球場の前身甲子園大運動場への最寄駅として設置された。甲子園とは、十干十二支で、1924(大正13)年がそれぞれの始まりに当たる甲子年(きのえねとし)として、縁起がいいという事から甲子園と名付けられた。1926年7月1日には甲子園線か当駅から浜甲子園までの間で開業した。同年7月16日には本線の駅が臨時駅から常設駅になった。1928年6月25日には甲子園線が上甲子園まで延伸された。1929年7月6日に、甲子園娯楽場を浜甲子園に開設した。後に甲子園球場隣に移転され甲子園阪神パークとなった。1935年には現在の阪神タイガースの前身となる大阪タイガースが誕生した。1948年には甲子園球場が大阪タイガースの本拠地となった。1965年には西改札が設置された。1975年5月6日には甲子園線が廃止された。甲子園駅は現在でこそ、直通特急の一部を除き全列車が停車するが、長らく特急は臨時停車のみだった。甲子園には急行のみが停車していたが、1983年12月のダイヤ改正で、土休日運転の快速急行が新設され、急行以上の速達列車が停車するようになった。1987年12月13日ダイヤ改正では、快速急行が増発され、平日ダイヤでも運転されるようになった。1998年2月15日ダイヤ改正では、山陽直通特急が新設され、この直通特急と特急が土休日に限り甲子園に終日停車となった。2009年3月20日ダイヤ改正では、平日朝ラッシュ時上り直通特急を除く、直通特急、特急が当駅に停車となった。2011年からは駅改良工事に着手し、2017年夏に駅改良工事が完了した。

甲子園

駅構内は高架ホーム3面4線で、神戸方に引上げ線が1本ある。ホーム有効長は21m級車両6両分ある。

甲子園

下りホーム待避線の4番線に降車ホーム5番線が設置されている。優等列車は通常本線側の3番線に停車するが、野球開催時などには4番線に停車して乗降分離する。

甲子園

1・2番線は上りホームで、かつては1番線も降車ホームがあったが、降車ホームをなくしてホームを拡幅した。

甲子園

上り側は1番線が本線で、2番線が待避線となっており、当駅始発の電車は2番線発車が基本となる。

甲子園

ホームは甲子園球場の銀傘を模したような大屋根で覆われている。

甲子園

改札は地上にあり、東改札、西改札と臨時改札がある。ホームから改札へは駅改良によりエレベーターが設置され、エスカレーターも設置されている。

甲子園

東改札は阪神バスとの連絡に便利で、かつては阪神甲子園線がこちら側から発着していた。有人改札で、ICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置されている。かつては北側にも改札があったが、改良工事により閉鎖された。

甲子園

東口には阪神タクシーや阪神バスののりばがあり、空港へ向かうリムジンバスも発着している。

甲子園

西改札は阪神甲子園球場に近く、西改札きら真っ直ぐ進むと球場正面へ出られる。西改札も有人改札で、ICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置されている。

甲子園

西口は甲子園球場までの間は広場になっており、野球終了後の多客に備えた造りになっている。

甲子園

西口にも阪神バスののりばがある。

甲子園

西側には西改札に加えて臨時改札がある。臨時改札は降車専用で、5番線ホームに隣接して設置されている。

甲子園

甲子園球場での野球開催時などに使用されるため、シーズンオフなどには使用されない。

甲子園

臨時改札の自動改札機は阪神タイガースのタテジマのユニフォームを模したデザインになっている。

甲子園駅の2016年度1日あたりの乗車人員は28,036人で、うち定期利用者は14,287人となっている。定期比率は51.0%で、定期利用者は少なくない。野球シーズンには相当数の定期外利用者が出てくるので、それ以外では定期利用者が多いイメージだ。10年前の2006年度と比較すると全体で15.0%増、定期利用者は8.0%増、定期外利用者は23.3%増となっており、定期外利用者の増加が目立つ。

  

鉄道コム

タイトルとURLをコピーしました