関西各駅探訪第100回~阪急神戸本線・宝塚本線・京都本線梅田駅~

【阪急の顔は関西いや日本有数の巨大私鉄ターミナル】

梅田

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阪急梅田駅は大阪市北区にある神戸本線、宝塚本線、京都本線が集まる阪急最大のターミナル駅である。阪急の枠を越えて私鉄最大級のターミナルとも言われる。ホーム10面9線を有し、京都本線が1号線から3号線、宝塚本線が4号線から6号線、神戸本線が7号線から9号線を使用する。京都本線は後発で、十三〜梅田間は線路戸籍上では宝塚本線の線増となっている。また、神戸本線、宝塚本線が梅田を起点としているのに対し、京都本線は河原町が起点となるなど、色々違いがある。梅田駅においても神戸本線、宝塚本線の電車は、到着後しばらく降車側扉を開けたままにしているが、京都本線では降車完了とともに扉が閉められるなど運転上の扱いが異なる。これらは神戸本線、宝塚本線が阪神急行からなる生粋の阪急の路線であるのに対し、京阪の新京阪線として開業した京都本線で、歴史的経緯が違うからである。

大阪梅田駅は1910年(明治43年)3月10日に箕面有馬電気軌道が梅田〜宝塚間で営業開始した際に梅田駅として開業した。1918年(大正7年)2月4日に社名変更により阪神急行電鉄の駅となった。1920年(大正9年)7月16日に神戸本線が開通し当駅に乗り入れるようになった。1926年(大正15年)7月5日に梅田〜十三間複々線高架完成により、高架駅に移転した。この時、梅田〜北野間の地上線は北野線として残存した。1934年(昭和9年)6月1日に国鉄大阪駅高架化により、地上駅に移転した。1943年(昭和18年)10月1日に阪神急行電鉄と京阪電気鉄道の合併により京阪神急行電鉄の駅となった。1949年(昭和24年)1月1日に北野線の営業を休止した。1959年(昭和34年)にホーム北側に地下通路および改札口を設置した。同年2月18日に梅田〜十三間に京都本線用の線路が増設された。1-2号線を京都本線ホーム、3-5号線を宝塚本線ホーム、6-8号線を神戸本線ホームとした。1966年(昭和41年)2月1日から現在地への移転高架化拡張工事が始まった。1967年(昭和42年)8月27日に神戸本線ホーム7-9号線ホームを高架に移転した。この時使用開始した神戸線ホームは、現在の宝塚本線ホームだった。1969年(昭和44年)現在の位置に神戸本線ホームが完成し、発着ホームを変更。それまで仮に使用していたホームは、宝塚本線用に改装工事を開始した。同年11月30日に改装工事が終了し、宝塚本線ホーム4-6号線ホームを高架に移転した。1971年(昭和46年)11月28日に京都本線ホーム2-3号線を高架に移転し、地上ホームは全て閉鎖された。1973年(昭和48年)4月1日に社名変更により阪急電鉄の駅となった。同年11月23日に京都本線ホーム1号線が増設され、1-9号線の現在の形態となった。1993年(平成5年)2月1日に駅構内終日禁煙となった。1996年(平成8年)2月27日に発車メロディが導入された。2013年(平成25年)12月21日に駅ナンバリングが導入され、HK-01となった。2019年(令和元年)10月1日に駅名を大阪梅田に改称した。

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改札は大きく分けると3ヶ所あり、3階改札口、2階中央改札口、茶屋町口改札がある。茶屋町口改札は北側に位置しており、各線との連絡は不便である。かっぱ横丁や茶屋町方面へは当改札が便利である。

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2階中央改札口は、南側に位置しており、JR大阪駅への連絡橋にもつながっており、地下鉄御堂筋線への乗り換えも当改札が便利である。

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2階中央改札の階段を下りると地上階となり、紀伊国屋書店や阪急梅田駅の待ち合わせ場所として有名なビッグマンがある。ここは朝夕ラッシュ時のみならず、休日も含めて終日に渡り人が多い。

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3階改札口は、頭端式ホームの終端部に位置しており、長いエスカレータで一気に1階まで下りることができる。エスカレータを下りるとムービングウォークがあり、阪急百貨店やその先の阪神梅田駅、地下鉄東梅田駅へ行くことができる。JR大阪駅、御堂筋線への乗り換えも3階改札口からも可能である。

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梅田駅茶屋町口へのエスカレータと階段。茶屋町口は2階に改札がある。1階は阪急かっぱ横丁や阪急三番街とつながっている。

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茶屋町口から北を望むとホテル阪急インターナショナルなどが入る茶屋町アプローズタワーなどが見える。アプローズタワーの向かって左隣に見えるビルは阪急電鉄本社。

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こちらは茶屋町口の西側。かつては下町然としており、場外馬券場などもあったため、殺伐とした雰囲気もあったが、梅田貨物駅再開発によりヨドバシカメラやグランフロントができ、WINS梅田もきれいに改装され、雰囲気は一変している。それでも写真に見られるように、大都会梅田に、自転車が縦横無尽に走るところは、大阪クォリティとして変わらないところ。

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こちらは茶屋町口から2階中央改札付近へと抜ける地蔵横丁。狭い横丁には飲食店が軒を並べる。

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大都会のビルの中にお地蔵さんがある珍しい光景。

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茶屋町口東側から南側を見るとナビオ阪急やHEPナビオの観覧車が見える。

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阪急三番街北館にあるかわいい水族館。通路の片側が水槽になっており、ちょっとした水族館になっている。残念ながら2016年8月31日をもって閉鎖された。

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阪急そばは梅田駅では2店舗あり、茶屋町口前の神戸線側に1店舗ある。

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梅田駅2階中央改札口下のビッグマン前付近。紀伊国屋書店があり、休日などには待ち合わせ場所として大変混雑する。

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2階中央改札付近も混雑に備えてコンコースが広く取られている。阪急梅田と言えば3階中央改札のインパクトが強いが、各線への乗り換えや待ち合わせ場所であるビッグマン前へはここを通るのが一番便利である。

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こちらは1階から3階中央改札へと一気に上がるエスカレータ。阪急梅田の象徴的なシーンの一つ。

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3階中央改札下から阪急百貨店へと抜ける通りに設置されたムービングウォーク。阪急梅田名物の一つ。上にはJR京都線、JR大阪環状線が通っている。阪急梅田駅移転の際に阪急百貨店へのアクセス改善のために1967年に設置された。日本で最初に設置されたムービングウォークである。その規模は、日本最大級となっている。

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梅田駅中央口東側は、向かい側に阪急イングスなどのビルが並んでいる。南側にはJRの高架があり、その向こうにHEPナビオなどがある。

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こちらはHEPナビオとTOHOシネマズ梅田、阪急メンズ館などのビル。梅田駅東側の茶屋町地区から南側のHEPナビオ付近にかけては所謂阪急村と呼ばれる阪急系のビルが建ち並んでいる。

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先のムービングウォークの上を走るJRの高架線。阪急梅田駅とJRの線路は近接しているが、大阪駅はもう少し西側にあるため、現在は少し歩かなければならない。かつて阪急百貨店付近に乗り場があった時代は、大阪駅や阪神梅田駅などにも近かった。

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大阪駅側から見た阪急梅田駅。中央改札の西側には新阪急ホテルが建っている。このビルの南側にJR大阪駅への連絡通路がある。ちなみに連絡通路の他に地下道でもJR大阪駅につながっており、雨の日などには地下道を使用するなどの使い分けができる。このためか連絡通路には、屋根が設けられていない。

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中央改札の北側には高速バスのターミナルがある。各地への高速バスが発着しており、阪急系の高速バスを中心に、昼夜を問わず発着している。

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こちらはムービングウォーク南側の風景。阪急百貨店が南側にあり、西側へはJR大阪駅や地下鉄梅田駅などがある。東側へはHEPナビオなどに出ることができるため、ここも終日人通りが多い。ムービングウォークの終端部には、休憩できるベンチが置かれ、都会のオアシスを演出されている。

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向かって左が阪急32番街、右側が阪急百貨店となる。人通りを避けて休日の早朝に撮影しているが、ここも昼夜を問わず人通りが絶えないところである。

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阪急百貨店2階部からJR大阪駅への連絡歩道。ここは意外と閑散としており、路上ライブなどをここでやる若者も多いが、ここの下の信号の人通りは最強に多い。

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阪急百貨店前の通りを俯瞰で見た光景。こちらはクリスマスシーズンのイルミネーションが施された時期の写真である。阪急梅田駅から阪神梅田や東梅田駅へ行くには、ここを通る。

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神戸本線ホームは7~9号線を使用しており、9号線は梅田駅の西端にある。神戸本線9号線の壁面には、JRAの名馬のポスターが貼られており、競馬ファンにはたまらないスポットになっている。阪急神戸本線が阪神競馬場への輸送を担っていることも関連しているだろうが、梅田駅もJRAの場外馬券売り場WINSの最寄駅となっていることもあるだろう。

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神戸本線は、データイムは8号線、9号線から特急が発着し、7号線から普通が発着する。夕方ラッシュ時には8号線から通勤急行が発着するため、特急は9号線のみの使用となる。頭端部には、通常は花壇が設けられているが、正月の装飾なども行われる。

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平日夕方ラッシュ時に見られる8号線の通勤急行と9号線の特急が並ぶ光景。

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宝塚線ホームは4号線から6号線を使用する。6号線は昼間と夜間の使用はなく、4号線と5号線が終日使用されている。

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5号線からは急行が発着する。急行はほぼ終日5号線を使用する。

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4号線からは普通が発着し、夕方ラッシュ時には特急日生エクスプレスや普通箕面行きが発着する。

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6号線は朝ラッシュ時には各種列車の発着に使用され、夕方ラッシュ時には普通雲雀丘花屋敷行きが発着している。

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宝塚歌劇100周年の装飾が行われた梅田駅5号線。正月の装飾の他に、このようなイベントの装飾を行うことも多い。

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京都線ホームは1号線から3号線までで、データイムは1号線から特急、2号線から普通、3号線から準急が発着する。

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土休日に運転される快速特急京とれいんは3号線から発車する。

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朝夕ラッシュ時には発着号線が変更され、特急と快速急行は2号線から発着する。1号線には普通が発着し、3号線からは準急と普通が発着する。

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1号線ホーム脇にある阪急そば。阪急梅田駅で、ホーム上にある阪急そばはここだけ。

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梅田駅1号線側と9号線側には、駅構内を見下ろせる喫茶店が2軒ある。同店舗から撮られた梅田駅の全景の写真は、雑誌などにも載せられている。

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阪急梅田駅中央3階改札は、自動改札が並び、京都、宝塚、神戸の3線の膨大な旅客を捌いている。

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梅田駅の醍醐味の一つである。京都、宝塚、神戸の3線の同時発車。毎時00分、10分、20分、30分、40分、50分には、京都線特急、宝塚線急行、神戸線特急が同時発車する。

阪急神戸本線梅田駅の2014年度の1日あたりの乗車人員は、95,195人で、うち定期利用は、46,107人となっている。定期比率は、48.4%でICカードの普及などにより定期利用者は減少している。10年前の2004年度の乗車人員は、99,593人だったので、5%弱ほど減少している。

阪急宝塚本線梅田駅の2014年度の乗車人員は、100,552人で、3線で唯一10万人を超えている。定期利用者は、48,367人で定期比率は48.1%となっている。神戸本線同様定期比率は50%を割っており、定期客の減少が目立つ。10年前の2004年度には、105,401人の乗車人員があり、こちらも5%弱減少している。

阪急京都本線梅田駅の2014年度の乗車人員は、72,905人で、うち定期利用者は28,825人である。定期比率は39.5%で定期比率がかなり低い。梅田駅の乗車人員も3線の中で少ない。これは、神戸本線、宝塚本線の電車が全て梅田行きなのに対し、京都本線の電車は、淡路から千里線に入り、堺筋線に直通する電車があるため、そちらにシフトするためである。大阪の中心部へのアクセスは、堺筋線経由の方が所要時間が短いため、通勤利用などはそちらの方が多いようだ。2004年度の乗車人員は、79,390人で、10%弱ほど減少している。梅田駅の利用者の減少も神宝線よりも大きい。堺筋線へのシフトの他、JRとの競合がほかの2線よりも厳しいという事情も減少が大きい要因と思われる。

  

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