大阪メトロ400系【大阪関西万博開催のため宇宙船のような未来志向のデザインで登場】

406-05F

406-05F

1.概要

大阪メトロ400系は2023年から中央線用に投入された車両である。2025年開催の大阪関西万博の輸送を控えて新製された車両で、2023年から2025年にかけて短期間に23編成が製造された。24系の置換えを行い、万博輸送のための増発に充てるため先に新製された30000A系とともに中央線で活躍している。2024年(令和6年)には鉄道友の会よりローレル賞を受賞した。

宇宙船のような奇抜なフロントマスクを持ち、車内設備もロングシートに加えて一部車両はセミクロスシートを採用しており、従来の大阪メトロの車両のイメージをいい意味で覆すような車両となっている。

会社名 大阪メトロ
形式 400系
使用線区 中央線
製造メーカー 日立製作所
制御方式 ハイブリッドSiCモジュール適用IGBT素子VVVFインバータ制御(PGセンサレスベクトル制御・1C2M×2群制御)
主電動機 かご形三相誘導電動機140kW
ブレーキ 回生ブレーキ併用電気指令式電磁直通ブレーキ
台車 ボルスタレス・モノリンク軸箱支持
電動台車: SS-191M
付随台車: SS-191T
最高速度 95km/h
加速度 3km/h/s
減速度(通常) 3.5km/h/s
減速度(非常) 4.5km/h/s
製造初年 2022年
電気方式 直流750V 第三軌条方式
軌間 1435mm
保安装置 ATC
定員 125人 先頭車
139人 中間車
扉枚数・座席形状 4扉ロングシート・セミクロスシート
車体 18m級アルミニウム合金・アルミダブルスキン構造
所属 森ノ宮
編成 6両
既存両数 138両(2025年7月現在)

2.車体

車体は前頭部を含めアルミニウム合金製で、アルミダブルスキン構造の採用により車体の強度向上を図っている。前述したように宇宙船を模したデザインとなっている。2025年の大阪・関西万博に向けて近未来のデザインとして採用された。前照灯は4灯が4隅に配置されており、これまでに類を見ない配置となっている。従来の車両は各線のラインカラーが入るデザインだったが、近年はホームドアが設置される駅が増加しており、扉部を色づけるようになっている。車いす・ベビーカースペースや優先席付近の扉は青色になっており、クロスシート車両の扉は灰色になっている。

3.車内

基本はロングシートとなっているが、4号車は固定式クロスシートが設置されている。座席幅は1人当たり470mmを確保している。ロングシートは扉間が5人掛け、車端部が3人掛けとなっている。モケットは一般席が緑色系、優先座席が青色系を採用している。扉間の座席数は従来車は6人だったが、1人減らして立席スペースや荷物が置けるスペースを確保している。4号車のクロスシートは1人掛けを2列に配置している。クロスシートのモケットはグレー系の色になっている。
先頭車の連結面側車端部にはUSB Type-Aポート付きのカウンターが設置されている。400系では全車両にWi-Fiを設置している。

車内案内表示装置は、従来、千鳥配置になっていたが、400系では全ドア上配置に変更された。大型ディスプレイ(21.5インチ)が採用され、路線や駅、乗り換え等の案内や広告などが表示される。案内は日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語に対応している。

車いす・ベビーカースペースは従来車と同様に各車両に1ヶ所配置されているが、先頭車は車端部にカウンターと機器室を配置しているため、扉間に設置されている。

乗降口部の床は識別が容易になるよう黄色に着色し、扉下のレールを一部切り欠き、車いすやベビーカーの通行に配慮したものとしている。また、優先座席付近のつり革はオレンジ色としているほか、荷物棚の高さを従来車より100 mm引き下げている。照明は間接式LEDを採用している。防犯カメラは1両に4台、空気清浄機は1両に8台設置している。

4.運転台

運転台はワンハンドルマスコンとグラスコックピットを採用。マスコンはデッドマン装置を装備し、ATO運転やワンマン運転への対応設備として、ATO出発スイッチや扉開閉スイッチなどを配置している。車両側方監視用のモニタが設置され、合わせて日除けをカーテン式に変更、下部を覆う日除けも新設されている。

5.主要機器

制御装置は日立製作所製で、Osaka Metroでは初のハイブリッドSiCモジュール使用のIGBT素子VVVFインバータ制御(1C2M2群構成)が各電動車に搭載されている。補助電源装置も静止形インバータ(容量180 kVA)で、制御装置とは異なり、フルSiC適用MOSFET素子のものを両先頭車に搭載している。冗長性確保などのため並列同期運転方式とした。

6.主電動機

主電動機は、日立製作所製 EFO-K60で、各電動車に4基搭載されている。駆動方式は従来車と同様の歯車可撓継手(WN継手)使用の中実軸平行カルダン駆動方式、歯車比は99/16(6.19)としている。

7.集電靴

集電靴は、東芝製 TC-27で、401・403・406・409形の両側に搭載している。

8.空気圧縮機

電動空気圧縮機は、三菱電機製 URC1200SD-Iを両先頭車に搭載する。潤滑油が不要なオイルフリー形で、Osaka Metroでは初めてスクロール式が採用された。

9.制動装置

制動装置は、電気指令式のFBC作用装置と受信装置を各車両に搭載している。

10.連結器

連結器は先頭車運転台側が密着式、それ以外が半永久式としている。

11.冷房装置

冷房装置は、セミ集中式のRPU-6042(容量25.6 kW)を各車2基搭載している。車内温度・車内湿度・車外温度・乗車率・カレンダー機能の情報を基にした自動制御機能とAI(人工知能)を用いた学習・予測制御機能を有する。暖房装置は座席下の吊り下げ式としている。

12.台車

台車は30000A系に続き日本製鉄製ボルスタレス・モノリンク軸箱支持で、電動台車が SS-191M 、付随台車が SS-191T(メトロ形式WS-400)となっている。

大阪メトロ400系 6両編成 138両    
←夢洲 長田→    
406 401 408 403 402 409    
Tc M T M M Tc 製造年月 メーカ
406-01 401-01 408-01 403-01 402-01 409-01 2022年11月 日立
406-02 401-02 408-02 403-02 402-02 409-02 2023年3月 日立
406-03 401-03 408-03 403-03 402-03 409-03 2023年4月 日立
406-04 401-04 408-04 403-04 402-04 409-04 2023年5月 日立
406-05 401-05 408-05 403-05 402-05 409-05 2023年6月 日立
406-06 401-06 408-06 403-06 402-06 409-06 2023年7月 日立
406-07 401-07 408-07 403-07 402-07 409-07 2023年8月 日立
406-08 401-08 408-08 403-08 402-08 409-08 2023年9月 日立
406-09 401-09 408-09 403-09 402-09 409-09 2023年11月 日立
406-10 401-10 408-10 403-10 402-10 409-10 2023年12月 日立
406-11 401-11 408-11 403-11 402-11 409-11 2024年1月 日立
406-12 401-12 408-12 403-12 402-12 409-12 2024年2月 日立
406-13 401-13 408-13 403-13 402-13 409-13 2024年4月 日立
406-14 401-14 408-14 403-14 402-14 409-14 2024年5月 日立
406-15 401-15 408-15 403-15 402-15 409-15 2024年6月 日立
406-16 401-16 408-16 403-16 402-16 409-16 2024年7月 日立
406-17 401-17 408-17 403-17 402-17 409-17 2024年8月 日立
406-18 401-18 408-18 403-18 402-18 409-18 2024年9月 日立
406-19 401-19 408-19 403-19 402-19 409-19 2024年10月 日立
406-20 401-20 408-20 403-20 402-20 409-20 2024年12月 日立
406-21 401-21 408-21 403-21 402-21 409-21 2025年1月 日立
406-22 401-22 408-22 403-22 402-22 409-22 2025年2月 日立
406-23 401-23 408-23 403-23 402-23 409-23 2025年3月 日立

にほんブログ村 鉄道ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログ 関西の鉄道へ にほんブログ村 鉄道ブログ JRへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 私鉄・公営へ ブログランキング・にほんブログ村へ

鉄道コム

タイトルとURLをコピーしました