近鉄生駒線ガイド【生駒の麓を南北に走る】

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1.概要

会社名 近畿日本鉄道
路線名 生駒線
区間 王寺~生駒
営業キロ 12.4km
駅数 12駅
平均駅間距離 1.13km
所要時分 25分
表定速度 29.8km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流
線路 複線(東山~萩の台)
複線(南生駒~生駒)
単線(王寺~東山)
単線(萩の台~南生駒)
保安方式 ATS
最高速度 65km/h
最大編成両数 4両

近鉄生駒線はJR大和路線の王寺と近鉄奈良線の生駒を結ぶ12.4kmの路線で、生駒市内の宅地開発により近鉄の通勤路線の一角を担っている。優等列車の運転はなく、全て普通電車が運転されている。王寺〜東山間は単線で、東山〜萩の台、南生駒〜生駒間は複線になっている。1500V直流電化で奈良線と同じ1435mm標準軌を採用しており、車両は奈良線の西大寺車庫へ入出庫する。

駅番号 駅名 営業キロ 駅間キロ 所在地 開業年月日
G28 王寺 12.4km 0.9km 奈良県北葛城郡王寺町 1922年5月16日
G27 信貴山下 11.5km 0.8km 奈良県生駒郡三郷町 1922年5月16日
G26 勢野北口 10.7km 1.4km 奈良県生駒郡三郷町 1951年11月20日
G25 竜田川 9.3km 1.4km 奈良県生駒郡平群町 1926年11月1日
G24 平群 7.9km 1.2km 奈良県生駒郡平群町 1926年10月21日
G23 元山上口 6.7km 1.3km 奈良県生駒郡平群町 1926年10月21日
G22 東山 5.4km 0.9km 奈良県生駒市 1951年9月10日
G21 萩の台 4.5km 1km 奈良県生駒市 1980年4月21日
G20 南生駒 3.5km 1.2km 奈良県生駒市 1926年12月28日
G19 一分 2.3km 1.1km 奈良県生駒市 1926年12月28日
G18 菜畑 1.2km 1.2km 奈良県生駒市 1927年4月1日
G17 生駒 0km 奈良県生駒市 1914年4月30日

2.歴史

近鉄生駒線は1922年(大正11年)5月16日に信貴生駒電気鉄道として王寺~山下(現在の信貴山下)間、鋼索線山下~信貴山間が開業した。1925年(大正14年)11月6日に信貴生駒電気鉄道の路線全線が信貴生駒電鉄に譲渡された。1926年(大正15年)10月21日に信貴生駒電鉄山下~元山上口間が開業した。同年11月1日に竜田川駅が臨時駅として開業した。

1926年(昭和元年)12月28日に信貴生駒電鉄元山上口~仮新生駒間が開業した。1927年(昭和2年)4月1日に信貴生駒電鉄仮新生駒~生駒間が開業した。仮新生駒駅が廃止され、菜畑駅が開業した。同年9月21日に茸山駅が臨時駅として開業した。1930年(昭和5年)12月19日に竜田川駅が常設駅となった。

1951年(昭和26年)9月10日に山下駅が信貴山口駅に、茸山駅が常設駅となり東山駅に改称された。同年11月20日に勢野北口駅が開業した。1956年(昭和31年)9月10日に信貴山口駅が信貴山下駅に改称された。同年12月13日に生駒線の生駒駅が奈良線の駅に統合された。

1964年(昭和39年)10月1日に信貴生駒電鉄が近畿日本鉄道に合併され、近鉄生駒線・東信貴鋼索線となった。1969年(昭和44年)9月21日に架線電圧が600Vから1500Vに昇圧された。同年11月7日に自動列車停止装置 (ATS)使用を開始した。1977年(昭和52年)7月31日に菜畑~南生駒間が複線化された。

1980年(昭和55年)4月23日に萩の台駅が開業した。1983年(昭和58年)9月1日に東信貴鋼索線信貴山下~信貴山間が廃止された。1992年(平成4年)12月13日に菜畑駅付近の高架化が完成した。1993年(平成5年)1月29日に元山上口~萩の台間が線路移設され、0.2km短縮。東山駅が移設された。同年3月17日に東山~萩の台間が複線化された。

1994年(平成6年)2月10日に菜畑~生駒間が複線化された。2001年(平成13年)2月1日に各駅でスルッとKANSAI対応カードの取り扱い開始した。同年3月22日に日中の一部列車が3両編成(8000系・8400系の3連を充当)となった。同年10月14日に各駅でJスルーカードの取り扱いを開始した。2003年(平成15年)3月6日に再び全列車が4両編成となった。

2004年(平成16年)3月18日からワンマン運転を開始した。2007年(平成19年)4月1日から各駅でPiTaPa・ICOCAの取り扱いを開始した。2009年(平成21年)3月1日にJスルーカードの自動改札機・のりこし精算機での取り扱いを終了した。2017年(平成29年)10月22日に台風21号による竜田川~勢野北口間での土砂災害の影響で全線が運転見合わせとなった。同年10月23日に生駒~東山間が運転を再開した。同年10月25日に東山~王寺間が運転を再開した。

3.路線ガイド

近鉄王寺はJR王寺に隣接しており、ホームは大和路線下り1番線の天王寺方とつながっている。中間改札があるが、乗り換えは便利である。同じ近鉄の田原本線の新王寺とは少し離れており、JR王寺駅の奈良側の構内の外側にある。田原本線とは線路も改札もつながっていない。構内はホーム1面2線で、通常JR側の2番線を使用している。

王寺を出ると右にカーブしてJR大和路線と分かれて、大和川を渡ってすぐに2面2線の信貴山下となる。大和川橋梁は複線分の橋桁がある。生駒線は全線に渡って複線化できるだけの用地が確保されている。信貴山下周辺は信貴ヶ丘、城山台などの住宅地が広がっている。次の勢野北口も付近に美松ヶ丘や東信貴ヶ丘の住宅地が広がっており、この辺りから生駒線で王寺まで出て大和路線 で通勤する人も多い。1面1線の勢野北口を出ると左にカーブして北に進路を向けて進む。三郷町から平群町に入り、周辺に小さな住宅地がある1面1線の竜田川となる。同駅を出て竜田川と国道168号線が並行して、竜田川を渡り平群バイパスを右に見て2面2線の平群となる。平群は平群町の中心にあり、新興住宅地と古墳が入り混じった地域となっている。左手に若葉台や椿台の住宅地を見ながら進み1面1線の元山上口となる。竜田川、国道168号線と絡み合いながら北上していき、平群バイパスをくぐって生駒市に入り短いトンネルを何本か抜けて2面2線の東山となる。

東山は2面2線だが、行き違いできる構造にはなっておらず、2番線は同駅折り返し電車専用となっている。駅は掘割になっており、同駅の王寺方はトンネルになっているが、複線分の用地が確保されており、今すぐにでも複線化できそうな様相である。同駅から萩の台までは複線化されている。駅の東側には菊美台の住宅地が広がっている。また、近畿大学医学部奈良病院の最寄駅にもなっている。

東山を出て複線となって再び北上して萩の台住宅への最寄駅の萩の台となる。同駅から一旦単線となる。さらに竜田川沿いに進んでいき、国道308号線と交差して2面2線の南生駒となる。同駅から再び複線となり、終点の生駒まで複線のまま走る。第二阪奈道の下をくぐって右手にさつき台住宅が見えると2面2線の一分である 。この辺りは開発が盛んだが、バブルが弾けて住宅地の都心回帰などもあり、宅地された地域と宅地開発から取り残された地域が入り混じっている。次の菜畑は2面2線の高架駅で、駅周辺は生駒市の住宅地が広がっている。北側に奈良線の線路が見えてきて、左にカーブすると終点の生駒となる。生駒は1面2線の構造で、隣には奈良線のホーム、その隣には東大阪線のホームがある。奈良線とは難波方で線路がつながっており、回送電車は生駒トンネル内でスイッチバックして生駒線に出入りする。


  

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