3.JR京都線(京都~高槻間)路線ガイド
京都駅では、JR嵯峨野山陰線、JR奈良線、JR湖西線、東海道新幹線、近鉄京都線、地下鉄烏丸線と連絡している。JR京都線の電車は通常2番線、4番線、5番線に発着しており、2番線、5番線はJR琵琶湖線へ直通する新快速、快速(普通)が発着し、4番線からは京都始発の普通電車が発着している。朝ラッシュ時の新快速や京都止まりの普通電車は6番線に発着することもある。また、朝ラッシュ時の新快速と夕方の草津線直通の京都始発の普通電車は0番線から発車している。北陸方面の特急列車は下り北陸方面が0番線、上り大阪方面が6、7番線から発着している。関空特急はるかは専用ホームの30番線、紀勢線特急、スーパーはくとやその他優等列車は0番線、6、7番線から発着している。京都で折り返す紀勢線特急やスーパーはくとは米原方にある折り返し線や中線で折り返し作業や折り返し待ちを行う。
京都を出ると近鉄京都線が左に急カーブして離れて行くのを見て、右手にしばらくJR嵯峨野線が並行して、それが右にカーブして離れて行くと右手に梅小路のヤードが広がる。ヤードの向こうには京都鉄道博物館がある。東海道新幹線が京都からずっと左手に並行するが、それと再接近して、下り外側線の直上に新幹線の線路が来るあたりに西大路がある。同駅は地上ホーム2面4線で外側線ホームは柵が設けられ停車できない。朝ラッシュ時を除いて快速も停車するが、京都市内にも関わらず接続している路線はない。同駅付近で梅小路のヤードが途切れて上り線の隣を貨物線が並行する。この貨物線は梅小路貨物線と呼ばれ、関空特急はるかは京都駅30番線に発着するため同貨物線を経由している。また、臨時のJR嵯峨野線への直通列車は同貨物線を経由して梅小路のヤードを抜けて短絡線を介してJR嵯峨野線に乗り入れていた。短絡線は廃止され、JR京都線から嵯峨野線への直通は京都駅経由でしかできなくなった。
西大路を出ると桂川を渡って、吹田総合車両所京都支所への線路がオーバークロスする。内側線はこのガードをくぐったらすぐに地上ホーム1面2線の桂川駅がある。2008年10月に開業した新しい駅で、久世の副名称も付けられている。阪急の桂や洛西口と競合している。朝ラッシュ時を除いて快速が停車するが、2010年3月の改正でデータイムの普通が減便されたため、15分電車が来ない時間帯ができている。駅西側は再開発され、イオンモールなどができて新しい街並みができている。
桂川を出て左手にヤードが広がると向日町に着く。地上ホーム2面4線に加えて、上り線側には外側線に待避線が設置されている。下り線側には吹田総合車両所京都支所に繋がる側線がある。向日町は国鉄時代から有名な向日町運転所がある駅で、現在は吹田総合車両所京都支所と名前が変わった。以前は北陸や九州へ向かう特急や寝台特急の拠点だったが、現在は北陸や南紀、山陰方面へ向かう特急列車以外は221系や223系など近郊型電車の方が多くみられる。駅から西へ約500mほどのところに阪急東向日駅があり競合している。
向日町を出ると左手に吹田総合車両所京都支所が広がり、多種多様な車両が止まっていてファンの目を楽しませてくれる。とは言え昔は各地から来た見知らぬ車両が並ぶ光景が見られて、それこそ目を皿のようにして運転所内を見たものだが、今は定型の車両が置かれているだけで、昔ほどの華やかさはない。同車両所が途切れて、車両所からの線路を跨いでそれと合流して地上ホーム2面4線の長岡京に着く。長岡京は終日快速停車駅で、阪急の長岡天神と競合している。長岡天神とは約1km離れており、どちらかといえば長岡天神の方が活気があった。もっとも近年は長岡京周辺も、駅周辺にマンションやショッピングセンターができて阪急長岡天神と遜色ない駅になってきている。ここから大阪へは特定運賃の適用がなされていないので阪急の方がかなり安くなっている。
長岡京を出ると京都縦貫道と交差する。阪急京都本線には西山天王山駅ができたが、JR京都線には駅はない。左手から名神高速が姿を現し、それがオーバークロスして、右手から阪急京都本線が近づいてきて少しの間並行して走る。このあたりはかつて新京阪P-6とつばめのマッチレースが展開された決戦の場で、今も新快速と阪急特急が凌ぎを削っている。天王山をバックにした戦いは今も熱いが、実際には新快速の攻勢に勝負あったという感がある。もっとも山崎付近では新快速が山崎の大カーブの区間で減速しているので、115km/hでかっ飛ばす阪急特急も負けていない。阪急京都本線をアンダーパスして右にカーブして山崎に着く。地上ホーム2面4線に加えて下り外側線に待避線が設置されている。山崎は撮影のメッカで、駅から10分程度のところに有名な撮影地がある。ここも阪急大山崎に近く競合している。京都競馬開催時などにはここから京都競馬場までの臨時バスが発着している。
山崎を出ると有名な山崎の大カーブを通過する。休日やイベント列車が走る時には数多くのファンの姿が見られる。もっともサントリーカーブと称される好撮影地は近年防護柵が立ち並びかつてほどの賑わいはない。サントリーカーブ以外にも周辺各所に撮影できるポイントがあり、三脚が鈴なりに並ぶ光景もあり、まだまだ撮影のメッカのイメージは残っている。山側に名神高速、東側には阪急京都本線と東海道新幹線が並行し、国道171号線の向こうには淀川が流れ、その対岸には京阪本線と国道1号線が走っている。京阪間の主要交通機関が狭い所に集まるこの付近はまさに交通の要衝と言うのに相応しい場所と言える。山崎~高槻間は駅間距離が7.5kmもあり、この間に島本駅が2008年3月15日のダイヤ改正で新設された。甲南山手、さくら夙川などと同様に内側線にのみホームが設けられ、地上ホーム1面2線の橋上駅舎になっている。朝ラッシュ時を除いて高槻以東各駅に停まる快速も停車するため、ホーム有効長は12両編成に対応している。隣の山崎にサントリーウィスキーの工場があるので、着メロにはサントリーオールドのCMソングが流される。南東側500m程には阪急京都本線水瀬駅があり、南へ1kmほど離れた所には阪急京都本線上牧があり、この両駅と競合関係にあると言える。
島本を出ると上牧付近の大築堤を走る。ここも古くからの撮影のメッカになっているが、近年新名神高速道路建設や周辺の道路や宅地開発により状況は変わりつつある。このあたりで、東海道新幹線と淀川が離れていき、阪急京都本線との間に住宅が建てこみ、同線が見えなくなり、右手に高槻電車区の留置線(元吹田工場高槻派出所、国鉄時代の高槻電車区)が広がり、そこからの連絡線が上り本線をオーバークロスして中央に折り返し線が広がると高槻に着く。