1.伊賀鉄道伊賀線概要
会社名 | 伊賀鉄道 |
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路線名 | 伊賀線 |
区間 | 伊賀上野~伊賀神戸 |
営業キロ | 16.6km |
駅数 | 14駅 |
平均駅間距離 | 1.28km |
区間 | 伊賀上野~上野市 |
所要時分 | 7分 |
表定速度 | 33.5km/h |
区間 | 上野市~伊賀神戸 |
所要時分 | 26km/h |
表定速度 | 29.4km/h |
軌間 | 1067mm |
電気方式 | 1500V直流電化 |
線路 | 単線 |
保安方式 | ATS |
最高速度 | 65km/h |
最大編成両数 | 2両 |
伊賀鉄道伊賀線はJR関西本線の伊賀上野と近鉄大阪線の伊賀神戸を結ぶ16.6kmの1067mm狭軌の単線電化路線である。2007年9月30日までは近鉄伊賀線だったが、同年10月1日より伊賀鉄道に運営が譲渡されている。現在は伊賀鉄道が第2種鉄道事業者、近畿日本鉄道が第3種鉄道事業者となっており、上下分離方式の鉄道となっている。なお近鉄大阪線は標準軌を使用しているので、狭軌の伊賀線とは直通運転ができない。
駅名 | 副駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 所在地 |
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伊賀上野 | – | 0km | 三重県伊賀市 | |
新居 | 0.8km | 0.8km | 三重県伊賀市 | |
西大手 | 2.5km | 3.3km | 三重県伊賀市 | |
上野市 | 忍者市 | 0.6km | 3.9km | 三重県伊賀市 |
広小路 | 0.5km | 4.4km | 三重県伊賀市 | |
茅町 | ライフラインの上野ガス | 0.6km | 5km | 三重県伊賀市 |
桑町 | 0.8km | 5.8km | 三重県伊賀市 | |
四十九 | イオンタウン伊賀上野前 | 0.7km | 6.5km | 三重県伊賀市 |
猪田道 | 1.5km | 8km | 三重県伊賀市 | |
市部 | ゆめぽりす伊賀前 | 1.2km | 9.2km | 三重県伊賀市 |
依那古 | 1.4km | 10.6km | 三重県伊賀市 | |
丸山 | 1.3km | 11.9km | 三重県伊賀市 | |
上林 | 1.1km | 13km | 三重県伊賀市 | |
比土 | バンブー・ボルダリング前 | 2.6km | 15.6km | 三重県伊賀市 |
伊賀神戸 | 1km | 16.6km | 三重県伊賀市 |
2.伊賀鉄道伊賀線歴史
伊賀鉄道伊賀線は1916年(大正5年)8月8日に伊賀軌道として上野駅連絡所~上野町間が開業した。1917年(大正6年)12月20日に伊賀軌道が伊賀鉄道に社名変更した。1919年(大正8年)10月1日に全線を軌道法による軌道から地方鉄道法による鉄道に変更した。
1920年(大正9年)3月に上野駅連絡所を廃止し、鉄道院伊賀上野駅に統合した。1922年(大正11年)7月18日に上野町~名張(後の西名張)間が開業し全通した。1926年(大正15年)5月25日に伊賀上野~名張間が電化。市部駅・上林駅が開業した。同年12月19日に伊賀鉄道が伊賀電気鉄道に社名変更された。
1929年(昭和4年)3月31日に大阪電気軌道が伊賀電気鉄道を合併、同社の伊賀線となった。同年4月1日に参宮急行電鉄が大阪電気軌道から伊賀線を賃借して営業開始。1930年(昭和5年)10月10日に参宮急行電鉄榛原~伊賀神戸間開通に伴い伊賀神戸駅が開業、同時に同駅付近にあった庄田駅廃止、美旗駅を美旗新田駅に、名張駅を西名張駅に改称した。同年11月19日に阿保駅を比土駅に改称。参宮急行電鉄本線(現在の大阪線)に阿保駅(現在の青山町駅)が開業したため。
1931年(昭和6年)9月30日に大阪電気軌道が伊賀線を参宮急行電鉄に譲渡した。1941年(昭和16年)3月15日に参宮急行電鉄が大阪電気軌道と合併、関西急行鉄道に改称された。同年9月10日に上野町駅を上野市駅に改称した。1944年(昭和19年)6月1日に会社合併により関西急行鉄道が近畿日本鉄道に社名変更された。
1945年(昭和20年)6月1日に鍵屋辻駅・広小路駅・四十九駅・市部駅・上林駅・伊賀神戸~西名張間が休止となった。1946年(昭和21年)3月15日に広小路駅・上林駅・伊賀神戸~西名張駅間(美旗新田駅と西原駅を除く)が営業再開された。1947年(昭和22年)10月21日に市部駅が営業再開。1948年(昭和23年)4月1日に美旗新田駅と西原駅が営業再開。
1950年(昭和25年)12月3日に桑町駅で正面衝突事故が発生して13人が重軽傷。上野市駅で修理していた客車が無人のまま暴走して、桑町駅で停車していた電車に衝突した。1964年(昭和39年)10月1日に伊賀神戸~西名張間 (9.7km) が廃止された。西名張の車庫は上野市に移転された。
1969年(昭和44年)5月15日に休止中の新居~西大手間の鍵屋辻駅、桑町~猪田道間の四十九駅を廃止した。1973年(昭和48年)10月1日に貨物営業を廃止した。1977年(昭和52年)7月14日に単線自動化及びATS使用開始。1994年(平成6年)10月1日からワンマン運転開始。
2005年(平成17年)7月2日から自転車を電車内に持ち込めるサイクルトレインを試験的に運行開始(11月27日までの土曜・休日・夏休み期間)。2007年(平成19年)3月26日に近畿日本鉄道が第一種鉄道事業廃止届を国土交通省に提出。同日伊賀鉄道が設立された。5月23日に近畿日本鉄道が第一種鉄道事業廃止繰上届を国土交通省に提出。同日伊賀鉄道が第二種鉄道事業認可届を同省に提出。近鉄が伊賀線の第三種鉄道事業許可申請。10月1日から伊賀鉄道に経営移行。同時にダイヤ改正実施。平日ダイヤと土曜・休日ダイヤを設定し、平日ダイヤについては昼間時も30分間隔の運転にするなど列車の増発を行った。
2008年(平成20年)8月1日から自転車を電車内に持ち込めるサイクルトレインを毎日運行開始。2009年(平成21年)3月20日ダイヤ改正で、始発や最終の変更が行われ、JRや近鉄との接続を重視したダイヤに変更された。同年9月11日から10月1日に車両更新に伴い、上林駅を除く各駅のホーム改修工事を実施。
2017年(平成29年)4月1日に近畿日本鉄道が伊賀線の線路などの鉄道施設、伊賀鉄道が車両を伊賀市に譲渡し、公有民営方式へ移行。近鉄に代わり伊賀市が伊賀線の第三種鉄道事業者となった。2018年(平成30年)3月17日に四十九駅が旧駅から北へ300メートルの地点に再開業した。2019年(平成31年)2月22日に忍者線を愛称に制定された。
3.伊賀鉄道伊賀線路線ガイド
伊賀上野は上野市の北側に位置し、JR関西本線伊賀上野駅に隣接している。改札はJRが管理しており、JR関西本線1番ホームの西側に伊賀線の切り欠きホームがあり、伊賀線電車はそこから発着している。伊賀上野を出るとJR関西線と分かれて左にカーブしすぐにホーム1面1線の新居となる。国道422号線が近づいてきて、それと少し並行して走り、国道163号線と交差して左に90度カーブして再度国道163号線と交差してホーム1面1線の西大手となる。駅名の通り上野城の西側にあり、同駅を出るとすぐに上野市となる。上野市はホーム1面2線で、車庫も併設する伊賀線の拠点駅で、同駅で伊賀上野方面と伊賀神戸方面の運行系統に分かれている。市役所にも近く市街地の中心にある。2019年2月22日に忍者市の愛称が付けられた。
上野市を出ると右にカーブしてすぐにホーム1面1線の広小路となる。このあたりは非常に駅間距離が短い。真っ直ぐ南下してホーム1面2線の行き違い駅の茅町となる。茅町を過ぎて国道25号線との交点の手前にホーム1面1線の桑町がある。同駅は上野工業高校への最寄り駅で名阪国道の上野東ICの近くということもあり工業団地が付近に点在している。
名阪国道の下をくぐってイオンタウン伊賀上野の近くに四十九駅がある。ホーム1面1線で、2018年3月17日に新設された新しい駅である。上野森林公園の横を通り抜けてホーム2面2線の猪田道となる。国道422号線に沿って走り木津川が近づいてきてホーム1面1線の市部となる。市部にはゆめポリス伊賀前の副駅名が付けられているが、駅からはかなり離れている。しばらく木津川沿いに走ってホーム1面1線の依那古となる。依那古は以前行き違い駅だったが、棒線化されている。さらに国道422号線と木津川と並行して南下していきホーム1面2線の丸山となる。
丸山を過ぎて木津川、国道422号線が右手に分かれていき伊賀線も少し左にカーブしてホーム1面1線の上林となる。大きく回りこむように走りホーム1面1線の比土を出ると国道422号線と交差して大阪線が左手から近づいてきて右にカーブしてそれと少し並行して走り伊賀神戸となる。伊賀神戸は大阪線との接続駅だが、伊賀線は狭軌、大阪線は標準軌と軌間が異なるため直通運転などは一切行われていない。ホームも分かれており、大阪線に乗り換えるには構内踏切を渡らなければならない。