【関西各駅探訪第990回】JRきのくに線新宮駅

新宮

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【和歌山県南部最大の都市新宮はJRの境界駅】

JRきのくに線新宮駅は和歌山県新宮市にある。紀勢本線の東西折り返し地点とも言うべき駅で、かつてはここから東は紀勢東線、西は紀勢西線となっていた。現在はJR西日本とJR東海の境界駅になっており、特急南紀以外の列車は全てここで分断されている。JR東海エリアの紀勢本線は非電化のため、当駅から先は気動車が走る。JR西日本エリアは電化されているため、特急も普通も電車で運転されている。

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列車はJR西日本エリアが特急くろしおが1日6往復の運転。普通が11往復の運転で、この他に紀伊勝浦まで特急南紀が3往復乗り入れている。普通は1~2時間に1本ほどの運転で、紀伊田辺までノングランする列車と串本などへの区間運転がある。特急は283系、287系、289系が運用されている。普通は105系が運用されている。

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JR東海エリアは特急南紀が3往復、普通が10往復運転されている。普通は1~2時間毎の運転で、きのくに線と同様に過疎ダイヤになっている。JR東海エリアの列車は特急がキハ85系、普通がキハ25系で運行されている。新宮駅は1913年3月1日に新宮鉄道の駅として開業した。新宮鉄道は熊野地駅を経由して三輪崎に至る路線だった。1934年7月1日に新宮鉄道が国有化されて紀勢中線となった。1938年5月20日に駅が現在地に移転され、新線に切り替えられた。1940年8月8日に紀勢中線が紀勢西線となり、紀伊木本まで開通した。1959年7月15日に紀勢本線が全通し、紀勢本線の駅となった。1982年11月15日に熊の地までの貨物支線が廃止された。1986年11月1日に貨物営業が廃止された。1987年4月1日に国鉄分割民営化により、JR西日本とJR東海の境界駅となった。2016年12月17日からICカードの利用が可能になった。

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駅構内はホーム2面3線で駅の西側には車庫が広がっている。

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ホーム有効長は20m級車両9両分あるが、現在は特急の最大編成両数も6両となっているため、6両以上での運転はない。

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ホームには昔ながらの洗面台がある。国鉄時代には長距離列車や夜行列車から降りた旅客が顔を洗ったり、歯を磨いたりするためホームに洗面台があったが、今も残っている駅は少なくなっている。

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駅舎側の1番線はきのくに線特急や普通が発着し、2・3番線からJR東海エリアの紀勢本線列車が発着する。

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紀勢本線尾鷲方は駅が過ぎても電化されており、入れ替えの電車が本線上で折り返している。

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上下ホーム間は地下道で結ばれているが、エレベーターの設置はない。

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改札は1ヶ所で1番線に面した駅舎内にある。ICカードリーダーが設置されており、ICカードの利用も可能だ。

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有人改札で、駅改札付近にみどりの窓口が設置されている。

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自動改札や自動精算機はないが、自動券売機は2基設置されている。

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列車の待ち時間が長いこともあり、待合室が設置されている。

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待合室の前には381系時代のパンダくろしおのシートが展示されている。

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出口も1ヶ所で駅東側に出られる。

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駅前にはロータリーがあり、駅前広場には新宮市出身の東くめの童謡鳩ぽっぽの歌碑がある。

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駅から少し離れたところには熊野交通の高速バス乗り場もある。

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新宮市の市街地からは少し離れているが、駅周辺にはビジネスホテルなどもあり、紀伊半島南部の中心都市としての機能を有している。

新宮 乗車
年度 総  数 定  期 定期外 定期比率
2017年度 959 552 407 57.6%
2007年度 1,285 679 606 52.8%
対07年度比 74.6% 81.3% 67.2%  

新宮駅の2017年度1日あたりの乗車人員は959人で、うち定期利用者は552人となっている。定期比率は57.6%で、定期利用者はそれほど多くない。10年前の2007年度と比較すると全体で25.4%減、定期利用者は18.7%減、定期外利用者は32.8%減となっている。定期外利用者の落ち込みが大きいのは高速道路の延伸などにより特急の利用者が減少したことが大きいと思われる。道路網の整備は今後も進展していくため、特急、普通ともに利用者がさらに減少し、減便される懸念がある。

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