【かつては阪和貨物線が分岐していた大阪市大への最寄駅】
JR阪和線杉本町駅は大阪市住吉区にある。大阪市立大学への最寄駅で、朝夕には学生の利用が多い。かつて当駅から大和路線の加美駅付近まで阪和貨物線があった。国鉄時代には竜華操車場と阪和線を結ぶ短絡線として、貨物列車や両線間を行き来する回送電車が走っていた。JR発足後も旅客化の計画などもあり、2004年までは錆取り電車も運転されていたが、2009年3月31日に廃止となった。
杉本町駅は阪和線の普通のみが停車し、昼間時は毎時4本の普通が運転されている。2面4線の待避駅のため、特急や快速の待避を行う電車が多い。ここから天王寺へは快速停車駅がないため、普通を乗り通さなければならない。途中鶴ヶ丘でも待避する電車があるため、天王寺までは16分かかる。平日朝ラッシュ時上りには7時台、8時台ともに毎時7本が運転されている。平日夕方ラッシュ時下りは18時台、19時台ともに毎時5本の普通が運転されている。杉本町駅は1929年7月18日に阪和電気鉄道の停留所として開業した。1932年1月23日に停車場に昇格した。1940年12月1日に南海鉄道山手線の駅となった。1944年5月1日に国有化されて、国鉄阪和線の駅となった。1952年9月1日に関西本線竜華操車場までの貨物支線が開通した。JR発足後、2004年7月1日に阪和貨物線の営業が休止され、2009年3月31日に廃止された。2012年3月11日には東口が新設されてバリアフリーにも対応となった。
駅構内はホーム2面4線で、1番線が上り本線、2番線が上り副本線、3番線が下り本線、4番線が下り副本線となっている。1番線、3番線にはホーム柵が設けられている。ホーム有効長は20m級車両6両分ある。
上り副本線はかつて阪和貨物線と合流していたこともあり、大和川鉄橋手前付近まで延びており、非常に長い待避線となっている。
阪和貨物線は下り待避線の東側にあり、浅香方で阪和線に合流していた。
改札は2ヶ所あり、西口が従来からの改札となっている。有人改札でICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置されている。西口にはみどりの窓口も設置されている。
なお、ホームから改札階へはエレベータが設置されていない。このため、ホームから改札階へは車椅子用の昇降機が設置されている。
西口には出口へのエレベータ専用の改札口も設けられている。
東口は2012年に開設された新しい改札で、阪和貨物線の跡地などを流用して整備された。大阪市立大にも近く、こちら側も有人改札でICカード対応の自動改札機と自動券売機が設置されている。
出口も2ヶ所で、西口は商業店舗などが建ち並ぶ商店街になっており賑やかだ。駅周辺は狭く、駅前にはバスの乗り入れはなく、少し離れたところに大阪シティバスのバス停がある。
東口には駐輪場が整備されている。
東口は大阪市立大学が目の前にあり、学生の利用が多い。かつては西口から開かずの踏切を渡って大学へ行く必要があったが、東口ができて、駅から踏切を渡ることなく、行けるようになった。
かつての阪和貨物線跡地を跨ぐように設置されている東口に繋がる跨線橋。
阪和貨物線跡地はまだ痕跡が残っており、柵で仕切られているものの、かつてここに線路が通っていたことを見ることができる。
杉本町 | 乗車 | |||
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年度 | 総 数 | 定 期 | 定期外 | 定期比率 |
2016年度 | 9,245 | 7,194 | 2,051 | 77.8% |
2006年度 | 8,934 | 6,902 | 2,032 | 77.3% |
対06年度比 | 103.5% | 104.2% | 100.9% |
杉本町駅の2016年度1日あたりの乗車人員は9,245人で、うち定期利用者は7,194人となっている。定期比率は77.8%で、定期利用者が8割近くにもなっている。やはり大阪市立大学の学生の利用が多いようだ。10年前の2006年度と比較すると全体で3.5%増、定期利用者は4.2%増、定期外利用者は0.9%増となっており、微増傾向となっている。