阪急神戸本線ダイヤ変遷【1987年~2020年】

8201F

8201F

1987年以前の阪急神戸線は、データイムは今と同じく、特急と普通の2本立ての運転で、特急の停車駅は十三、西宮北口、三宮だった。須磨浦公園直通も運転されており、6両編成の特急が残存していたため、電車によっては昼間からかなり混雑するものもあった。1987年12月13日ダイヤ改正では、データイムの須磨浦公園直通を特急から普通にシフトして特急の8両化を行った。また、特急のスピードアップが行われ、阪神間は最短26分となった。この改正では、夜間と12分サイクルで運転されていた土休日午後に十三、塚口、西宮北口、夙川、六甲に停車する快速急行を新設した。1995年1月17日に阪神淡路大震災が発生し、6月12日の全線復旧までおよそ半年を要した。並行するJR神戸線は2ヶ月前の4月1日に全線復旧したため、阪神間を中心にJRに流れた旅客は多かった。震災復旧後の6月12日ダイヤ改正では、特急が岡本に停車となった。また、平日朝ラッシュ時には、特急の停車駅に加えて塚口にも停車する通勤特急を新設。急行の停車駅に武庫之荘を加えた通勤急行も新設し、阪神間直通輸送から中間駅中心のダイヤが組まれた。通勤急行は一部が10両編成で運転され、そのうちの2本は座席収納が可能な8200系を増結車として連結した。また、平日朝ラッシュ時のみ運転されていた今津線経由の準急を夕方ラッシュ時にも運転した。今津線宝塚行きはホーム有効長が6両までのため、宝塚行き準急は6両編成で運転された。電車は24分毎の運転で、西宮北口で本線上下線を跨ぐなどダイヤ上のネックが大きく、これ以上の増発は難しかった。

3082F

3082F

1995年8月13日に阪神淡路大震災で不通になっていた神戸高速鉄道東西線が開通し、直通運転を再開した。震災以前のダイヤでは、須磨浦公園直通は普通が中心だったが、再び特急中心の乗り入れとなり、6両編成の特急が数多く見られるようになった。夕方ラッシュ時には8200系を連結した列車も見られるようになった。1998年2月15日ダイヤ改正では、神戸高速線の新開地以西への乗り入れを中止した。山陽からの乗り入れ電車も全て三宮止まりとなり、神戸線内への山陽電車乗り入れはなくなった。これにより特急、普通を全て8両編成以上での運転となった。この時、阪神は山陽と直通運転を拡大し、梅田〜姫路間の直通特急の運転を開始した。また、平日朝ラッシュ時に運転されている通勤特急を平日夜間にも設定した。

2001年3月10日ダイヤ改正では、夕方ラッシュ時のダイヤが見直され、12~24分サイクルで運転されていたものを、10分サイクルに変更した。急行は通勤急行に置き換わり、普通は全て西宮北口止まりとなり、西宮北口までは全列車が先着するダイヤとなった。三宮までは特急と通勤急行がそれぞれ10分毎の運転で、通勤急行は西宮北口で特急と接続し、西宮北口から三宮までは先着するダイヤとなった。夕方ラッシュ時に運転されていた今津線経由宝塚行き準急は廃止された。これにより阪急神戸線内を走る電車は全て8両編成以上での運転に統一された。夜間に運転されていた通勤特急は快速急行に置き換えられ、通勤特急の運転は平日朝ラッシュ時のみの運転に戻った。

8031F特急梅田

8031F特急梅田

2006年10月26日ダイヤ改正では、阪神との経営統合後初のダイヤ改正となり、両社とも大規模なダイヤ改正を行った。阪急神戸線はATS更新に伴い、特急、普通ともにスピードアップが行われた。特急は神崎川~西宮北口間の最高速度が115㎞/hに引き上げられ、梅田~三宮間の所要時間が27分となった。特急は夙川にも追加停車し、停車駅を増やしながらも阪神間の所要時間を縮めるというそれまでの阪急には見られなかった攻めの姿勢が見られるダイヤ改正となった。115km/h運転する特急は車種が限定され、7000系、8000系などワンハンドルマスコンを採用している車両が運用された。このため、3000系、5000系、6050Fは平日朝ラッシュ時を除いて特急に運用されることはなくなった。

8003F通勤急行梅田

8003F通勤急行梅田

2016年3月19日ダイヤ改正では、平日朝ラッシュ時ダイヤが変更され、10両編成で運転されていた通勤急行を8両編成として、10両運転を減少させた。また、通勤特急も途中駅での増解結がなくなり、西宮北口始発の10連通特などが設定された。折り返しの下り10両編成列車も減り、梅田到着後は回送となるか、通勤特急神戸三宮行きとなった。平日夕方ラッシュ時ダイヤは特に変更はなかったが、運用が変更されて、梅田での折り返しが上り普通が下り特急、上り特急が下り普通となり、5000系特、6050Fが平日夕方ラッシュ時でも特急に運用されるようになった。

6050F特急新開地

6050F特急新開地

神戸線のダイヤは、朝夕ラッシュ時に大きな変化はあったものの、データイムダイヤの根幹は30年前から変わっておらず、今後もこの形態を維持していくものと思われる。ラッシュ時間帯のダイヤについては、将来的には減便の可能性も考えられるが、まずは10連運転がなくなっていくものと思われる。車両運用の効率化などを考えると10連運転については早晩中止されることが濃厚だろう。

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