南海本線(泉佐野~和歌山市間)ガイド【大阪湾を望みながら孝子峠を越えて和歌山へ】

10009F特急サザン和歌山市

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5.南海本線(泉佐野~和歌山市間)路線ガイド

泉佐野を出ると空港線と複々線の形でしばらく高架を走り、空港線下り線が一段高い高架になり、本線上下線を乗り越して、右にカーブして分かれていく。JR関西空港線と関西空港道がオーバークロスして、高架から下りて2面3線の羽倉崎となる。和歌山方に羽倉崎検車区が併設されており、ラッシュ時を中心に当駅始発の電車は多い。始発電車は多いが、優等列車は泉佐野以南各駅に停まる区間急行以下の電車が停車するだけである。

羽倉崎を出ると泉佐野市から田尻町に入る。左手に羽倉崎検車区が広がり、それが途切れると今度は右手に保線区用の線路があり、それが集束すると2面2線の吉見ノ里となる。同駅構内にも保線用の線路があり、かつては貨物駅として使用されていた。

樫井川を渡り泉南市に入って2面2線の岡田浦となる。これまで海から少し離れた所を走っていたが、この辺りから少し海に近いところを走るようになる。右手にイオンモール泉南の巨大なショッピングセンターを見ながら走り、泉南市の市街地に入って樽井となる。樽井は2面3線で上り側が島式ホームになっている。ラッシュ時間帯には当駅始発終着となる普通が運転されている。

2017年10月の台風21号の影響で甚大な被害があった男里川鉄橋を渡り、阪南市に入る。同市の中心部に2面4線の尾崎がある。かつては急行停車駅だったが、2005年11月27日のダイヤ改正から特急停車駅となった。特急停車駅に格上げというよりは減便ダイヤの煽りを受けて特急停車駅となったという感じだ。駅のすぐ近くに阪南市役所がある。2018年9月4日に駅舎が火災に遭い、2019年3月23日に営業再開されるまで仮設駅舎が使用されていた。

次の鳥取ノ荘は2面2線で、山側に広がる南海団地への最寄駅となっている。ここから先はしばらく大阪湾沿いを走ることになる。箱作は2面2線で、ぴちぴちビーチへの最寄駅となっている。箱作を出ると海側にせんなん里海公園を見ながら走る。岬町に入り、左にカーブして大阪湾から離れる。しばらく走り2面2線の淡輪となる。海側に淡輪港やときめきビーチがあり、冬よりも夏場の方が賑わう。とは言え、淡輪駅が海水浴客で賑わったのは今は昔と言ったところだ。

右手海側にみさき公園を見ながら左にカーブして2面5線のみさき公園に着く。特急停車駅で、多奈川線の分岐駅である。多奈川線電車は切り欠きホームの4番線から発着していたが、今は一部を除き5番線から発着している。1番線は下り待避線で同駅発着の電車もここで折り返す。2005年11月改正以降は運転サイクルが延びたこともあり、みさき公園で追い抜きはほとんど行われていない。

みさき公園を出るとしばらく多奈川線と3線で走り、右手に坊主山、左手に団地を見ながら走り、多奈川線が右に、本線が左にカーブして分かれる。本線はこれまで南西方向を向いて走っていたが、ここからは南向きに走る。国道26号線と並行して走り、山と山の間の隘路を走る形になり孝子峠越えとなる。ずっと国道26号線に張り付くように走り、2面2線の孝子となる。高野線にはたくさん秘境の駅というような駅が橋本以南に点在しているが、海辺を走る本線では孝子が唯一の山間の秘境の駅と言った風情を持っている。このあたりは勾配はあまり厳しくないが、山に沿って走るためカーブは結構厳しい。このため国道26号線を走るトラックがカーブを曲がり切れず南海本線の線路に突っ込んで、半日程度南海本線が不通になったこともあった。

孝子を出ると右にカーブして孝子トンネルに入る。国道26号線はトンネルに入らずに峠越えとなる。トンネルを抜けると和歌山県和歌山市に入り、しばらく峠を下って行く。左手の高台には和歌山大学があり、同大学の最寄駅となる和歌山大学前駅が2012年4月1日に開業した。和歌山大学前は2面2線の橋上駅舎で、駅東側の高台にはイオモール和歌山があり、近くにはふじと台の住宅地もあり、開業から2年経った2014年10月18日ダイヤ改正から特急サザンも停車するようになった。

和歌山大学前を出ると山を下っていき、山間部を抜けて平地に入る。打手川を渡ると右手から南海加太線が合流して2面2線の紀ノ川となる。加太線は南海本線上下線に合流しており、同駅始発の電車は1本もなく、全ての電車が和歌山市まで直通している。優等列車との乗り継ぎなどを考慮して南海本線紀ノ川~和歌山市間は重複乗車が認められている。しばらく南東向きに走って、南向きに進路を変えて古い鉄橋で紀ノ川を渡る。JR阪和線は紀ノ川橋梁の架け替えを行っているが、南海本線の紀ノ川橋梁もそろそろ架け替える時期に来ている。紀ノ川を渡り終えて、右手に和歌山競輪場を見ながら右にカーブして、左手からJR紀勢支線が近づいてきて、しばらく並行して走り、終点の和歌山市に着く。和歌山市駅は3面6線だったが、駅バリアフリー工事や改良工事のため、2面5線となった。このうち1面2線はJR紀勢支線が使用している。南海は3面4線を使用しており、3番線は行き止まり式になっており、JRと共用のホームと4番線と共用のホームに挟まれており乗降が分離されている。なお、JRとは中間改札で仕切られており、両社間を行き来するには改札を通らなければならない。以前はこの改札ではICOCAやPITAPAなどのICカードを使用することはできなかったが、2017年7月15日からICカード利用が可能になった。4番線は下り和歌山港線直通と和歌山市折り返し電車が使用し、5番線は上り和歌山港線直通と和歌山市折り返し電車が使用している。6番線からは加太線電車が発着しており、同線専用のホームとなっている。現在和歌山市駅は改良工事中で、駅舎は2Fから1Fに移設されている。

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