1.概要
会社名 | 神戸新交通 |
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路線名 | ポートアイランド線 |
区間 | 三宮~神戸空港 |
駅数 | 9駅 |
営業キロ | 8.2km |
平均駅間距離 | 1.03km |
所要時分 | 16分 |
表定速度 | 30.8km/h |
区間 | 市民広場~中公園 |
営業キロ | 2.6km |
駅数 | 5駅 |
平均駅間距離 | 0.65km |
所要時分 | 8分 |
表定速度 | 19.5km/h |
軌間 | 側方案内式 |
電気方式 | 60Hz交流600V |
線路 | 複線(三宮~神戸空港) |
単線ループ(市民広場~中公園) | |
保安方式 | ATO |
最高速度 | 60km/h |
最大編成両数 | 6両 |
神戸新交通ポートアイランド線は神戸市中央区の三宮から神戸港の向かいにある人工島ポートアイランド内を走る循環線とポートアイランドの沖にある神戸空港を結ぶ新交通システムである。国内初の新交通システムとして1981年の神戸ポートアイランド博覧会開催に際して島内を循環する路線が開業した。博覧会閉会後もポートアイランドへの足として機能し、2006年2月の神戸空港開港に際して、神戸空港へのアクセス鉄道として延伸した。神戸空港方面への路線開業に伴い、従来循環電車のみの運行だったのが、三宮~神戸空港間の折り返し電車の設定により三宮~市民広場間では乗車機会が増えている。一方で市民広場~中公園間の循環運転部分ではラッシュ時を中心に運転回数が減っている部分もあり、必ずしも空港開港がプラスに出ているとは言えない状況もある。
駅番号 | 駅名 | 副駅名 | 駅間キロ | 営業キロ |
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P01 | 三宮 | – | 0km | |
P02 | 貿易センター | 0.8km | 0.8km | |
P03 | ポートターミナル | 1km | 1.8km | |
P04 | 中公園 | 1km | 2.8km | |
P05 | みなとじま | キャンパス前 | 0.5km | 3.3km |
P06 | 市民広場 | コンベンションセンター | 0.5km | 3.8km |
P07 | 医療センター | 市民病院前 | 0.8km | 4.6km |
P08 | 計算科学センター | 神戸どうぶつ王国・「富岳」前 | 0.8km | 5.4km |
P09 | 神戸空港 | 2.8km | 8.2km |
駅番号 | 駅名 | 副駅名 | 駅間キロ | 営業キロ |
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P06 | 市民広場 | – | 0km | |
PL07 | 南公園 | IKEA・こども病院前 | 0.6km | 0.6km |
PL08 | 中埠頭 | ジーベックホール前 | 0.6km | 1.2km |
PL09 | 北埠頭 | 0.5km | 1.7km | |
P04 | 中公園 | 0.9km | 2.6km |
2.歴史
神戸新交通ポートライナーは1981年(昭和56年)2月5日に三宮~南公園~中公園間が開業した。1982年(昭和57年)8月1日に完全無人運転化が完了した。同年10月1日に一部駅の無人化を実施した。
1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災により全線が不通になった。同年5月22日に中公園~南公園~北埠頭間が運転を再開。同年6月5日に北埠頭~中公園間が運転を再開した。同年7月31日に三宮~中公園間が運転再開し、全線開通した。
2004年(平成16年)11月20日・21日に軌道切替工事に伴い終日運休、バスにて代替輸送を実施した。同年11月22日に中公園駅下りホーム、市民病院前駅(現:みなとじま駅)・市民広場駅ホームを新ホームに切替。2005年(平成17年)9月8日から神戸空港まで試運転を開始した。同年9月10日・11日に2回目の軌道切替工事に伴い終日運休、バスにて代替輸送を実施した。
2006年(平成18年)2月2日に市民広場~神戸空港間が延伸開業した。中公園 ~市民広場間が複線化、三宮~神戸空港間で快速の運転を開始した。2011年(平成23年)7月1日に市民病院前駅をみなとじま駅に、先端医療センター前駅を医療センター駅に、ポートアイランド南駅を京コンピュータ前駅にそれぞれ駅名を改称した。2016年(平成28年)3月28日ダイヤ改正で快速を廃止した。朝ラッシュ時間帯に列車を増便した。2021年(令和3年)6月19日に京コンピュータ前駅を計算科学センター駅に改称した。
三宮はJR三ノ宮駅に隣接する高架駅で、JRとの乗換えは便利な位置にある。阪神も東改札ができて、多少便利になった。阪急や地下鉄との乗換えは若干不便だが、総じて便利な位置にあると言える。三宮は1面2線でJRよりも一段高い高架駅となっており、JRに乗り換えるには一旦地上まで下りなければならない。三宮を出ると右に90度カーブしてポートアイランドを目指して走る。国道2号線を跨いで三宮のビル街の狭間を高架線で走る。しばらく真っ直ぐ走り1面2線の貿易センターとなる。神戸商工貿易センタービルの前に駅がある。東側には磯上公園があり、西側には少し歩くが東遊園地がある。東遊園地の北側には神戸市役所がある。
同駅を出ると国道2号線と阪神高速3号神戸線を跨ぎ、2号線のバイパスの下をくぐり右にカーブする。左手に神戸港駅跡に造られたみなとのもり公園を眼下に見ながらS字カーブする。このあたりはハーバーハイウェイと立体交差するためアップダウンも激しい。ポートターミナルも1面2線の高架駅でその名の通りポートターミナルへの最寄り駅となっている。同駅を出ると神戸大橋を渡り人口島のポートアイランドに入る。北公園を跨ぎ、続いてバイパスを跨いで右にカーブしながら勾配を下りる。三宮方面行きは循環線三宮方面行きがそのままのレベルで中公園駅に進入する。神戸空港からの線路は下り線とともに勾配を下って一段低い位置で中公園駅に進入する。中公園は2面2線に循環線三宮方面行きの1面1線を加えた構内配置となっており、循環線三宮方面行きのホームは神戸空港からの三宮方面行きホームの上にある。近年西側の海沿いに神戸学院大、兵庫医療大、神戸夙川学院大のポートアイランドキャンパスができて学生の利用が増えている。
中公園を出ると循環線三宮方面行きが上下線を跨ぐ形で左にカーブして分かれていく。神戸空港方面及び循環線はそのまま真っ直ぐ南下していく。みなとじまは、開業当初は市民病院前の駅名で、市立医療センター中央市民病院の最寄り駅だったが、病院の移転により2011年7月に現駅名に改称された。神戸女子短大や神戸女子大への最寄り駅にもなっており、キャンパス前の副駅名も付いている。空港方面からの上り線開業前は1面1線だったが、現在は2面2線となっている。次の市民広場も2面2線となっているが、同駅の先で循環線と空港線が分かれている。神戸国際展示場が駅の目の前にあり、催し物があるときは利用者が増える。
循環線は市民広場を出ると左にカーブして空港方面行きと分かれる。単線ループ線なので、三宮方面行きのみ電車が走る。南公園は1面1線で、かつては神戸ポートピアランドが駅の目の前にあったが、1995年の阪神淡路大震災後来園客が減って2006年3月31日をもって閉園してしまった。現在はその跡地には家具直販を行うIKEAができている。南公園を出ると左にカーブして北に進路をとる。車両基地からの線路が並行して複線状態になって1面2線の中埠頭となる。車両基地が南側にあるため、朝晩には同駅発着の電車が運転されている。同駅を出ると再び単線ループとなり、1面1線の北埠頭となる。ポートアイランド団地などが西側に広がっているが、中公園駅にも近いため、電車の本数が少なく、遠回りになる北埠頭駅の利用は少ない。同駅を出ると左にカーブして中公園へと向かう。先述したように空港方面への上下線を跨いで右にカーブして高々架の1面1線の中公園に着く。中公園から先は神戸空港からの線路と合流して三宮へと向かう。
神戸空港方面への路線は市民広場からそのまま複線で真っ直ぐ南下していく。南公園の上を走り南下していき1面2線の先端医療センター前となる。駅周辺には先端医療センターを中心にかつての市民病院前駅付近にあった神戸市立医療センター中央市民病院もあり、医療関係の施設が集まっている。先端医療センター前を出てしばらく真っ直ぐ南下していき、左にカーブして1面2線の計算科学センターとなる。開業当初はポートアイランド南という駅名だったが、2011年7月1日に京コンピュータ前に駅名に改称され、さらに2021年6月19日に現駅名に改称された。駅近くには理化学研究所や神戸どうぶつ王国などがある。神戸空港方に折り返し線があり、悪天候などで沖合いにある神戸空港へ渡れない時に同駅で折り返せるようにしている。神戸どうぶつ王国が駅の南側にあるが、それ以外は空き地が目立っている。
同駅を出ると右にカーブして神戸スカイブリッジを渡り、ポートアイランドから神戸空港の人口島へと渡る。右手に海上アクセスターミナルを見て、空港島に入り、右にカーブして左手に神戸空港の滑走路が見えると終点の神戸空港となる。1面2線の構造で駅手前には渡り線がある。神戸空港は不振が伝えられているが、ポートライナーの神戸空港輸送はそれなりに成り立っており、乗車人員は一日3,044人となっている。