近鉄けいはんな線ガイド【大阪南港へ直通!近鉄唯一の第三軌条集電方式の路線】

学研奈良登美ヶ丘

学研奈良登美ヶ丘

1.概要

会社名 近畿日本鉄道
路線名 けいはんな線
区間 長田~学研奈良登美ヶ丘
営業キロ 18.8km
駅数 8駅
平均駅間距離 2.69km
所要時分 23分
表定速度 49.1km/h
軌間 1435mm
電気方式 750V直流第三軌条方式
線路 複線
保安方式 WS-ATC
最高速度 95km/h
最大編成両数 6両

近鉄けいはんな線は大阪府東大阪市の長田と奈良県奈良市の学研奈良登美ヶ丘を結ぶ18.8kmの路線である。長田で地下鉄中央線と直通運転を行うため、近鉄の路線では唯一の第三軌条方式を採用している。電車は中央線の終点のコスモスクエアから運転されている。同線の長田~生駒間は近鉄東大阪線として開業し、しばらく東大阪線の名前で親しまれていたが、生駒~学研奈良登美ヶ丘間の開業を機に名称を変更してけいはんな線となった。

駅№ 駅名 よみがな 駅間距離 営業距離 所在地 開業年月日 普 通
C23 長田 ながた 0km 0km 東大阪市 1986年10月1日
C24 荒本 あらもと 1.2km 1.2km 東大阪市 1986年10月1日
C25 吉田 よした 1.8km 3km 東大阪市 1986年10月1日
C26 新石切 しんいしきり 1.5km 4.5km 東大阪市 1986年10月1日
C27 生駒 いこま 5.7km 10.2km 生駒市 1914年4月30日
C28 白庭台 しらにわだい 5.1km 15.3km 生駒市 2006年3月27日
C29 学研北生駒 がっけんきたいこま 0.8km 16.1km 生駒市 2006年3月27日
C30 学研奈良登美ヶ丘 がっけんならとみがおか 2.7km 18.8km 奈良市 2006年3月27日

2.歴史

近鉄けいはんな線は1977年(昭和52年)9月16日に建設のため、東大阪生駒電鉄設立され、1986年(昭和61年)4月1日に近畿日本鉄道が東大阪生駒電鉄を合併した。同年10月1日に東大阪線として長田~生駒間が開業した。同時に大阪市営地下鉄中央線大阪港まで相互直通運転を開始した。東生駒に車庫が開設された。

1987年(昭和62年)9月21日に生駒トンネル内で漏電によるケーブル火災発生。通過中の電車が立往生して1人が死亡した。1990年(平成2年)3月15日に昼間時の地下鉄中央線内折り返し列車(4本に1本の割合で設定)を延長し、全列車を東大阪線直通になった。

1997年(平成9年)12月18日に大阪港トランスポートシステムテクノポート線(2005年7月1日より大阪市営地下鉄中央線に編入)の開業に伴い、相互直通運転区間をコスモスクエアまで延長された。1998年(平成10年)7月28日に奈良生駒高速鉄道設立。同年9月3日に京阪奈新線として奈良生駒高速鉄道が生駒~登美ヶ丘間の第三種鉄道事業免許、近畿日本鉄道が同区間の第二種鉄道事業免許をそれぞれ取得した。

2000年(平成12年)10月に京阪奈新線建設が着工。2001年(平成13年)2月1日から各駅でスルッとKANSAI対応カードの取り扱い開始。2004年(平成16年)8月26日に東生駒トンネル (3,600m) 貫通。同年12月1日から7020系の営業運転開始。

2005年(平成17年)1月31日に正式路線名のけいはんな線と新設3駅の正式駅名を発表した。同年8月4日に東大阪線をけいはんな線に改称することを決定した。10月26日にけいはんな線・東大阪線・大阪市営地下鉄中央線の統一愛称をゆめはんなに決定した。

2006年(平成18年)3月21日に生駒~学研奈良登美ヶ丘間の開業を見据えたダイヤ改正を実施。ただし、3月26日まではいわゆる予行運転で生駒~学研奈良登美ヶ丘間は回送列車として運転していた。3月27日に生駒~学研奈良登美ヶ丘間が延伸開業した。東大阪線をけいはんな線に改称し、長田~学研奈良登美ヶ丘間をけいはんな線とした。開業区間の各駅で同時にスルッとKANSAI対応カードの取り扱い開始。近鉄線内でワンマン運転を開始した。同時に登美ヶ丘車庫と東生駒信号場・登美ヶ丘信号場も開設した。

2007年(平成19年)4月1日から各駅でPiTaPa・ICOCAの取り扱いを開始した。2009年(平成21年)8月30日に新線区間の平日朝ラッシュ時大増発を軸としたダイヤ改正を実施、両社の車両がそれぞれ相手先で夜間留置となる外泊運用が設定された。

2013年(平成25年)3月23日に平日朝方に学研奈良登美ヶ丘行きの増発、および地下鉄中央線内の終電繰り下げに伴うダイヤ改正を実施、外泊運用の設定は再び無くなった。2018年(平成30年)3月24日に学研奈良登美ヶ丘発着の増発などに伴うダイヤ改正を実施した。

3.ガイド


長田は大阪市交中央線と共用で、ホーム1面2線でスルー構造になっている。ここで市交の乗務員から近鉄の乗務員に後退する。長田を出ると地下線のまま走り1面2線の荒本となる。付近に東大阪ジャンクションがあり、上下線が多少離れているため、ホーム幅が広くなっている。荒本は東大阪市役所の最寄駅で、付近には大阪府立図書館などもある。北へ2.8㎞の距離に鴻池新田駅、南へ2.0㎞の距離に若江岩田駅がある。荒本を出ると地上に上がり、阪神高速13号東大阪線と2段高架となり、同高速の下を走る。2面2線の吉田は、渋滞情報でよく出てくる水走の近くにある。次の新石切は2面3線で追い抜きや折り返しができる構造になっている。今のところ急行運転や新石切折り返し電車は設定されていない。石切神社への最寄駅で、近鉄奈良線の石切駅よりも同駅の方が近い。新石切駅ホームから生駒山の方を見ると近鉄奈良線電車が山を上っている姿が見える。けいはんな線は新石切を出るとそのままのレベルで新生駒トンネルに入る。途中近鉄奈良線とは2度交差するが、トンネル内のため全く分からない。新生駒トンネル出口では近鉄奈良線の生駒トンネルと並ぶ形でトンネルから出て生駒に到着する。生駒は1面2線で、近鉄奈良線ホームと並んでいる。近鉄奈良線との間には中間改札がある。奈良線、生駒線と連絡し、さらに改札外では生駒ケーブルの鳥居前駅と連絡している。近鉄各線とは同じ標準軌だが、第三軌条のため直通運転などは行っていない。


生駒を出ると暫く近鉄奈良線と並行して走る。東生駒付近にけいはんな線の車庫があり、7000系、7020系や大阪市交20系、22系などが並んでいる。左にカーブしながらトンネルに入り近鉄奈良線と分かれる。進路を北に向けトンネルを何本か抜けて暫く走り2面2線の白庭台となる。同駅は半地下駅で、構内は地下の中にある。とはいえ浅いところにあり、地上からの光も入るような掘割構造になっている。駅舎は地上にあり、バスターミナルなども設置されている。白庭台住宅地への最寄駅となっている。次の学研北生駒までは0.8kmと新興の路線としては駅間距離が短い。学研北生駒も2面2線の高架駅で、ここまでが生駒市となる。生駒市から奈良市に入り、終点の学研奈良登美ケ丘となる。同駅は1面2線の高架駅で、高の原方面への延伸計画があるため、中間駅のような構造になっている。

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