JR函館本線ガイド4

札幌駅は函館本線の中心駅であるとともに、北海道の中心駅となっており、乗降者数、構内などトップクラスを誇る巨大ステーションである。1988年に高架化され、5面10線の広い構内を持つ。函館本線のほか、JR千歳線、JR札沼線の列車も乗り入れ、道内各地へ向かう優等列車が発着する。地下鉄南北線、東豊線とも連絡している。札幌を出ると千歳線と方向別複々線でしばらく走る。南側にテレビ塔などが立つ札幌の中心部を見ながら高架から下りて、左手に苗穂工場と苗穂運転所の側線が見えてくると2面4線の苗穂となる。苗穂工場は国鉄時代から北海道の鉄道を支えてきた名門工場で今でも北海道の鉄道車両のメンテを担っている。苗穂を出ると右にカーブして豊平川を渡る。札幌市白石区に入って2面4線の白石となる。白石を出ると道央自動車道と交差して右手に札幌貨物ターミナルが広がり、千歳線のみにホームがある平和を過ぎると、しばらく広大な札幌貨物ターミナルを見ながら複々線のまま走り、内側を走る千歳線が高架に上がり、函館本線下り線はそのまま左にカーブして、上り線は千歳線の下をくぐり、千歳線と離れていく。分かれたところですぐに2面3線の厚別となる。千歳線新札幌の北西方向にあり、それほど離れていないが、新札幌が近年利用者を伸ばしているのに対し、厚別は古くからの市街地だけに今ひとつ活気がない。

厚別を出ると北東方向を向いて走り、左にカーブして2面2線の森林公園となる。同駅までが札幌市内となっており、森林公園を出ると江別市に入る。右手に北海道浅井学園大学や札幌学院大学のキャンパスを見ながら走り、2面2線の大麻となる。駅の南側は文京台と呼ばれ、各大学のキャンパスが広がっており、その反対側には道立図書館もある文教地区になっている。大麻を出ると左手に大麻団地、右手に酪農学園大学のキャンパスを見ながら走り、江別市内を真っ直ぐ北東方向に走る。道央自動車道と再び交差して2面2線の野幌となる。野幌駅の西側に国道12号線が走っており、それに沿って町が形成されているので周辺人口は少なくない。さらに真っ直ぐ北東方向を向いて走り、江別市役所への最寄駅高砂となる。同駅は2面2線で駅の北側に江別市役所、南側に江別高校がある。同駅周辺も並行して走る国道12号線沿いが賑やかである。さらに真っ直ぐ走って石狩川の手前に江別がある。同駅は2面4線で折り返し電車も多く設定されている。
江別を出ると石狩川の支流千歳川を渡り国道12号線とともにしばらく石狩川に沿って走る。石狩川と少し離れて左にカーブして夕張川を渡り、進路を北東方向に戻して2面2線の豊幌となる。西側には石狩川が流れており、町は駅の南側に広がっている。このあたりは函館本線にしては若干カーブが多いが、ここから先はさらに真っ直ぐ北東方向を向いて走る。岩見沢市に入って2面3線の幌向となる。このあたりまでは若干途切れることはあっても市街地がほぼ連続していたが、幌向を出ると北海道の穀倉地帯石狩平野の田園の中を走る。ずっと真っ直ぐ北東方向を向いて走り、上幌向工業団地を見て1面2線の上幌向となる。駅の南側に中央農業試験場があり、上幌向工業団地にも近いが利用者の数は江別までの各駅とは1桁ほど違う。上幌向を出ると右手に健康ランドを見て、その向こうから室蘭線が近づいてきて、しばらくそれと並行して走って合流する。右手に広大な岩見沢操車場跡を見ながら走り、岩見沢の市街地が見えてくると3面5線の岩見沢となる。岩見沢と言えば競馬ファンの私はばんえい競馬を思い起こすが、鉄道ファンは岩見沢機関区=ED76-500番台を思い起こすのではなかろうか。ばんえい競馬で有名な岩見沢競馬場は駅から東へ約3キロのところにある。岩見沢機関区跡は先述したとおり札幌方にある。駅はほぼ市の中心部にあり、特に南側が賑わっている。駅から南へ約8キロのところに三井グリーンランドがある。

岩見沢

岩見沢

岩見沢を出ると市街地を見ながら左にカーブして北東方向に真っ直ぐ進む。岩見沢から先滝川、旭川方面へは特急列車が毎時2本以上あるのに対し、普通列車は毎時1本もない状態になっている。旭川行普通は6本、滝川行普通は9本ととても本線とは思えないような本数になっている。北海道の大地を真っ直ぐ走って行き、美唄市に入って峰延に着く。駅周辺は小さな町が形成されているが、岩見沢までの各駅周辺とは比べ物にならないぐらい長閑なところだ。そのまま真っ直ぐ国道12号線と並行して走って光珠内となる。同駅を出ると国道12号線と交差して左にカーブして北上して行く。美唄の市街地が見えてくると特急停車駅の美唄に着く。美唄は石炭の町で同駅から函館線の美唄支線や三菱美唄鉄道が出ていたが、石炭の衰退とともに姿を消してしまった。美唄の町は石炭の最盛期に比べて停滞しているが、スーパーホワイトアローの停車により毎時2本の特急が停車するようになり、ダイヤ上では盛り返しつつある。
美唄を出るとすぐに市街地を抜けて真っ直ぐ北上して行く。2面3線の茶志内を過ぎると左手に空知中核工業団地を見て、奈井江町に入る。真っ直ぐ北上して町が見えてくると2面2線の奈井江に着く。同駅から札沼線の浦臼までJRバスが発着している。町の中心部に駅はあるが、特急列車が停まらないので、列車の本数は非常に少ない。奈井江を出るとさらに真っ直ぐ北上して砂川市に入り、左手に三井化学の大規模な工場が見えると2面2線の豊沼となる。ここから先も真っ直ぐ北上して砂川の市街地に入り、市街地の中心部が見えると2面3線の砂川となる。同駅は特急停車駅で、美唄とともにスーパーホワイトアローも停車するようになって列車本数が増えた。かつては歌志内へ向かう歌志内線と函館本線砂川支線が発着していたが、どちらもJR発足後に廃止されてしまった。 砂川を出ると右手に廃止された歌志内線の跡を見ながら砂川の市街地を抜ける。砂川工業団地付近で左にカーブして国道12号線と交差する。北西方向を向いて走り空知川を渡って滝川市に入る。スカイミュージアム、航空科学研修センターを左手に見て、右にカーブして滝川の市街地が見えてくると3面5線の滝川に着く。滝川は全ての特急列車が停車する主要駅で、数少ない普通列車の折り返しも多い。根室本線が発着しており、かつては特急おおぞらなども同線を経由していたが、石勝線の開業により滝川経由で釧路方面へ向かう優等列車は一部を除いてなくなった。現在では滝川発の快速狩勝が残るのみとなっている。札幌方面からは富良野までの臨時列車が設定されることはあるが、富良野以遠への直通はなくなっている。札沼線の新十津川駅は比較的近く、滝川駅から約4キロのところにある。石狩川、徳富川の2本の川を渡って歩いて1時間弱の道中で、私も札沼線乗り潰しの際に滝川から新十津川まで歩いたが、夏場だったので北海道とは言えかなり暑く、冬場ならとても歩けるような距離ではなかった。時間が合うようなら滝川から新十津川までバスが出ているので、それを利用した方が賢明だろう。しかし、滝川-新十津川間を地元の人以外で移動するような人は鉄道ファン以外いないのではないだろうか。

S-114

滝川を出ると右手に根室線が分かれていき、函館線は真っ直ぐ北上する。しばらく市街地が続き、滝川工業団地や滝川工業高校は駅から少し離れたところにある。この周辺に駅ができれば便利になるが、如何せん普通列車の本数が少ないので、現状では新駅を造ってもどうしようもない。市街地を抜けてずっと真っ直ぐ北上して行き2面3線の江部乙に着く。駅前にえべおつ温泉がある以外は特に目ぼしいものはない。ずっと長い直線を走り石狩川を渡って妹背牛町に入る。広い原野の中に妹背牛の町が見えると2面2線の妹背牛となる。妹背牛町の中心駅だが同駅も特急が停車しないので、滝川以北の普通列車は1日6本しかないので滝川以南の各駅よりもさらに少ない。妹背牛を出ると右にカーブして進路を北北東に向ける。深川市に入り、しばらく真っ直ぐ走り、左手に拓殖短期大、右手に深川西高校を見て、左手から留萌線が合流すると深川に着く。深川は特急停車駅で、留萌線との接続駅になっているので3面4線の広い構内を持ち、北側には留萌線気動車が休む側線もある。駅の南側に市街地が広がっており、すぐ南に石狩川が流れているので、深川の市街地はあまり広くない。深川市役所は駅から東へ500mほどのところにある。

深川を出ると真っ直ぐほぼ東向きに走る。2面2線の納内を過ぎると右手に石狩川を見て徐々に峠越えの様相を呈してくる。神居トンネルに入り、同トンネル内で旭川市に入る。神居トンネルを抜けてすぐに伊納第1トンネルに入る。さらに同第2トンネルを抜けて、左にカーブして伊納となる。駅東側には石狩川が流れていて、その対岸に旭川北都商業高校がある。函館線は全般的に線形がよく踏切を撤廃すれば160km/h運転も夢ではないが、納内-旭川間はあまり線形がよくない。特急列車でも80km/h制限などが各所に点在しており俊足自慢のスーパーホワイトアローや簡易振り子のスーパー宗谷も苦戦を強いられている。伊納を出ると第3伊納トンネルに入り、それを抜けるとしばらく石狩川に沿って走って近文山を嵐山トンネルで抜けて、一旦鷹栖町に入って再び旭川市に戻る。近文大橋で石狩川を渡った国道12号線と交差して近文となる。駅の北側にはイオン旭川西ショッピングセンターがあり、旭川市の郊外に入ったことを感じるが、如何せん普通列車の本数が少ないので利用者は当然ながら少ない。市街地からは少し離れているが、付近に免許センターや高校なども点在しているので、宗谷線や石北線の気動車を毎時1本程度近文まで直通させれば利用者が増えると思うのだが・・・。石狩川を渡って旭川の市街地を左手に見ながら、忠別川沿いに走って旭川に到着する。旭川は北海道第2の都市で、札幌とはかなり水を開けられているが、さすがに市街地は広く、駅の北側に中心部があり、南側も忠別川を挟んで町が広がっている。さらに宗谷線永山や石北線の南永山付近まで町は広がっており、有名なラーメン村は南永山付近にある。基本的に旭川周辺はクルマ社会で、札幌方面などへの遠出を除いて鉄道はあまり利用されないが、都市の規模を考えればLRTなどを造って、石北線、宗谷線の一部もそれに取り込み旭川都市圏の鉄道網を充実させれば鉄道も見直されると思う。

  

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