JR函館本線ガイド1

キハ281系スーパー北斗

キハ281系スーパー北斗

【JR函館本線ガイド】

JR函館本線は函館と旭川を結ぶ路線で、函館、小樽、札幌、旭川と北海道の軸になる都市を結ぶ重要な路線である。但し、函館〜札幌間の輸送は線形の悪い函館本線経由ではなく、遠回りでも線形が優れている室蘭・千歳線経由に移行しており、長万部〜札幌間は優等列車が走らない路線となっている。ここではまず函館~長万部間を紹介していく。

函館

函館

函館はかつては北海道の表玄関として、本州からの青函連絡船を受けて道内各地へ優等列車が運転されていた。航空機の発達により北海道の表玄関は完全に千歳に移行し、青函トンネルの開業により青函連絡船は廃止され、事実上函館駅は本州連絡の任を解かれた形となっている。貨物列車や一部の夜行列車は函館を経由せず五稜郭でショートカットするが、優等列車は札幌からの列車も本州からの列車も函館発着となっており、少なからず本州との連絡駅の重責を担っている。構内はかつての威光を示すように広く4面8線の広い構内を持ち、駅舎も2003年に新築され函館市の拠点となっている。将来北海道新幹線が開業する時には渡島大野駅付近に新函館駅が造られ、函館駅は経由しないことになっている。渡島大野は函館の市街地からかなり離れており、新幹線の利便性が損なわれる可能性がある。函館本線を改良して一部新幹線列車を函館駅まで運転できるように改造するのが一番よいが、コストはかなりかかりそうである。新八代のようにホーム上での乗り換えを可能にするなど何らかの施策が必要だろう。

キハ183系北斗

函館を出ると左手に函館運転所、その向こうにドックなどが広がる函館港を見ながら函館市内を複線電化で走る。しばらく走り、2面4線でヤードが広がる五稜郭となる。以前は優等列車は停まらない駅だったが、現在は大半が停車するようになった。大阪から運転されているトワイライトエクスプレスは函館は通らず、同駅で機関車を取り替え札幌へ向かう。上野発のカシオペアと北斗星、急行はまなすは函館を経由する。五稜郭を過ぎると左手に津軽海峡線(江差線)が分かれていき、右手にJR貨物の五稜郭機関区を見て、架線が途切れて複線非電化となって函館市郊外を走る。2015年度の北海道新幹線新函館北斗開業に向けて、五稜郭〜渡島大野間では電化工事が進行している。国道5号線と並行して走り、函館江差自動車道がオーバークロスして2面2線の桔梗となる。このあたりまで来ると函館市郊外と言うよりむしろ北海道の原野が広がる風景となり七飯町に入る。2面2線の大中山を過ぎると七飯町の中心駅の七飯となる。町の中心は少し離れた国道5号線沿いにあり、駅周辺は寂れている。函館近郊輸送の列車はここで折り返すものが多い。
七飯を出ると上下線が分かれて、勾配が急な本線と勾配を緩和して貨物列車の運行を楽にした藤城線に分かれる。ここからは線路別複線の形となり、基本的に特急列車、貨物列車は下りは藤城線、上りは本線を使用するが、普通列車は本線、藤城線とも上下列車が走る。ここではまず下り藤城線から紹介して行くことにする。
七飯を出ると高架線を駆け上がり、上り本線をオーバークロスして進路を北に向けて本線と分かれて走る。国道5号線をアンダークロスして、函館新道がオーバークロスして行き、山際を走って行く。山を回り込むように走り、再び国道5号線をアンダークロスして新峠下トンネルに入り、トンネル内で上り線と交差する。同トンネルを抜けると左手に小沼が広がり、右手からは上り線が下ってきて複線に戻る。小沼を見ながら走り2面3線の大沼となる。

新函館北斗

新函館北斗

上り本線は七飯を出るとそのまま地上を直進して行く。高架となった下り藤城線がオーバークロスして本線は真っ直ぐ西進して行く。七飯町から大野町に入り、北海道新幹線の車両基地が左手に見えると渡島大野となる。現在、駅の南側で北海道新幹線新函館北斗駅が工事中で、それに合わせて函館本線の駅も改良工事を行っている。北斗市の中心部からは離れており、駅の北側は長閑な農村という感じで、ポニーが放牧されている。とても新幹線が開業するような場所には思えないが、駅の南側は区画整理され、新幹線開業に合わせて工場などが建設され

新函館北斗

新函館北斗

る。渡島大野を出るとしばらく新幹線の高架と並行して、それが途切れるところで右にカーブして山を上がっていく。特急列車や貨物列車は上り列車のみだから山を下って来る列車ばかりになる。山を上がっていきニヤマ高原スキー場の前に2面2線の仁山がある。仁山を出ると国道5号線が近づいてきて峠下トンネルに入る。同トンネルを抜けると左手に下り線が見えて、その向こうに小沼が広がる。下り線の複線の形に戻り2面3線の大沼となる。大沼は優等列車は全て通過するが、普通列車は同駅で折り返すものもあり、函館方面の藤城線、長万部方面の砂原線が分岐するため、運転上の要衝となっている。

キハ281系スーパー北斗

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大沼から上下線が再び分かれる。下り線は大沼公園を経由する短絡線で特急列車は上下とも下り大沼公園回りとなっている。貨物列車は上下線を使い分けており、普通列車はどちらの線にも上下列車とも運転されている。
大沼公園廻りは大沼を出ると左にカーブして上り線と分かれてすぐに1面1線の大沼公園となる。小さな駅だが、観光客の利用が多く特急も停車する。大沼公園を出ると小沼と大沼に挟まれた沼地を走り、それを抜けてゴルフ場に沿って北西方向を向いて走り七飯町から森町に入って赤井川となる。そのまましばらく北西方向に真っ直ぐ進んで行き、進路を北に向けて交換設備のある駒ケ岳となる。同駅からは駒ヶ岳がよく見える。左にカーブして大きく迂回するように走り東山となる。同駅を出ると左にカーブして曲がりくねりながら走り交換設備がある姫川となる。山の中を走り平地に出て右手前方に上り線の東森が見えて、それと合流して海岸沿いを走り森となる。森は特急も停車する駅で、同駅の名物駅弁いか飯は全国的にも有名である。

いかめし

上り線通称砂原廻りは大沼を出ると右にカーブして下り線と分かれて左手に大沼を見て走り池田園となる。さらに大沼沿いに走り流山温泉となる。流山温泉はJR北海道が造った温泉で施設とともにセットで駅も開業した。大沼と別れて交換設備のある銚子口となる。大きく右にカーブして進路を東に向けて走り鹿部町に入り、左にカーブしてしばらく走り自衛隊の演習場が見えると鹿部となる。同駅を出ると砂原町に入り、右手に海が見えるところを走る。左にカーブして海と離れて走り渡島沼尻となる。ずっと西向きに走っていき国道278号線が近づいてきて、再び海が見えると渡島砂原となる。右手に砂原町の町を見ながら走り、さわやかパーク砂原付近に掛澗がある。海側には掛澗漁港がある。掛澗からはしばらく右手に海を望みながら走り、砂原温泉などを見て、国道278号線と交差して森町に入る。尾白内を過ぎて森の町が見えて、左手に下り線が見えると東森となる。東森は上り線のみに駅がある。同駅を出ると下り線と合流して海岸沿いに出て2面3線の森となる。

森を出ると島崎川を渡ってしばらく海岸沿いを走る。国道5号線が近づいてきたところに桂川がある。このあたりは内浦湾(噴火湾)がよく見える。国道5号線とともにずっと湾岸を走り石谷となる。さらに湾岸沿いを走り本石倉となる。このあたりは漁村といったところなので、函館線ローカル列車の出番は少ない。次の石倉も海岸沿いにあり、利用者が見込めるような立地にはない。森町から八雲町に入り、しばらく海岸沿いを走り、左にカーブして少し内陸部に入る。ちょっとした集落が見えると落部となる。この付近では大きい集落ではあるが、町と言うほどではなく利用者に結び付く要素は少ない。同駅を出ると一旦海岸沿いに出て、しばらくして左にカーブしてまた内陸部に入る。野田追川を渡って野田生となる。ここもある程度まとまった集落でヤマハの工場もあるが、クルマで通勤するのが通常だろう。野田生を出ると再び海岸沿いに出る。山越漁港を右手に見て、さらに山越関所跡などを見て山越となる。山越からもしばらく海岸沿いを走り、少し内陸部に入り、今までにない規模の大きな町が見えると八雲である。八雲は特急も停車する主要駅で、渡島支庁もあるこの近辺の中心地となっている。
八雲を出ると右にカーブして遊楽部川を渡って、鷲巣を過ぎたあたりから再び海岸部へと出る。国道5号線と交差して左手に農場、右手に内浦湾を見て走り山崎となる。さらに海岸沿いをずっと北上して行き黒岩となる。同駅を出ると八雲町から長万部町に入る。少しだけ海から離れて走るようになり北豊津となる。さらに北上していき、少しまとまった集落が見え、左手に道央自動車道が見えると国縫となる。同駅には特急は停まらないが、道央自動車道の国縫ICが近くにあり、比較的賑やかなところである。道央自動車道が左手に分かれて行き、ゴルフ場が姿を現すと中ノ沢となる。国道5号線に沿って北西方向に走って行くと左手に東京理科大学のキャンパスが見えて、国道5号線と少し離れて線路が広がると2面4線の長万部となる。長万部は特急停車駅でかつては全列車が停車していたが、今は通過する列車も多い。同駅名物駅弁のかにめしともりそばはスーパー北斗や北斗の車内でも販売される人気駅弁で、駅前に弁当屋が店舗を構えており、もりそばの方は乗り換えの合間などに店で食べることもできる。

DF200-103

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