JR札沼線ガイド

JR札沼線

JR札沼線は札幌市中央区の桑園と新十津川町の新十津川を結ぶ76.5kmの路線。全線に渡って学園都市線の愛称が付けられている。桑園〜北海道医療大学間は50Hz2万Vの交流電化、北海道医療大学〜新十津川間は非電化となっている。桑園〜北海道医療大学間の電化は2012年10月27日に電化完成した。八軒〜あいの里教育大間は複線、それ以外の区間は単線となっている。札沼線の札は札幌で、沼は石狩沼田を表しており、1972年以前は新十津川から石狩沼田まで線路があった。
 電化されている桑園〜北海道医療大学間は札幌都市近郊区間で、沿線は札幌のベッドタウンになっている。沿線には学校も多く、札幌方面だけでなく、札沼線沿線に向かう需要もある。同区間ではJR北海道のICカードKITACAの利用ができる。北海道医療大学〜新十津川間は非電化ローカル線で、江差線木古内〜江差間廃止後、JR北海道で最も輸送密度が少ない区間となった。石狩月形まで1日8往復、浦臼まで1日7往復、新十津川までは1日3往復しか運転がない。

桑園は1面2線の高架駅になっており、函館本線と連絡している。線路はそのまま札幌まで繋がっており、桑園に発着する札沼線全ての列車が札幌まで直通している。桑園〜札幌間には札沼線専用の単線が1994年に設けられた。このため、同区間は函館本線の複線と3線で運転されている。函館本線とは線路は繋がっておらず、桑園から同線に直通する列車はない。桑園を出ると右にカーブして函館本線と分かれる。右手にJRAの札幌競馬場のスタンドが見える。一段高い高架に上がり、2面2線の八軒となる。八軒は1988年11月3日に開業した比較的新しい駅で、1996年に高架駅になった。ここから複線になる。次の新川も2面2線で、1986年11月1日に開業した。ここを出ると一段低い高架になり、札樽自動車道が高々架で頭上を越えていく。新琴似も2面2線の高架駅で、500m程南東側に地下鉄南北線の麻生駅がある。函館本線の琴似とはかなり離れている。新琴似を出ると地上に下りる。太平は2面2線の無人駅で、1986年11月1日に開業した比較的新しい駅である。このあたりまで来ると札幌の市街地というより郊外を走る感じで、新琴似までの区間とは利用数が一段落ちる感がある。次の百合が原も2面2線の無人駅で、駅の南東側に百合が原公園がある。しばらく北上して2面2線の篠路となる。同駅は業務委託駅でみどりの窓口も設置されており、乗降客も多い。右にカーブして東に進路を取り、篠路川を渡って2面2線の拓北となる。同駅も業務委託駅でみどりの窓口が設置されている。周辺は住宅が広がっており、利用者も多い。ただ、一歩離れると長閑な雰囲気が漂う景色が広がっており、札幌市の郊外から徐々に北海道らしい景色が展開されるようになる。あいの里教育大は2面2線の業務委託駅で、みどりの窓口も設置されている。1986年11月1日に開業した比較的新しい駅で、学生を中心に付近のニュータウンの利用者も多い。

 

あいの里教育大から単線になる。次のあいの里公園は2面2線の無人駅で、あいの里公園への最寄駅となっており、乗降も少なくないが、駅付近はあいの里教育大駅と比べるとやや寂しい。あいの里公園を出ると北海道最長の石狩川橋梁を渡り、札幌市から当別町に入る。石狩川を渡ると景色が急変すると言っても過言ではなく、北海道らしい雄大な景色が展開される。しばらく東向きに真っ直ぐ走り、2面2線の無人駅で、駅周辺には住宅地があるが、少し離れると農村地帯が広がる。石狩当別は2面3線の橋上駅舎で、みどりの窓口も設置されている有人駅である。札沼線の運転上の拠点とも言え、新十津川方面への単行気動車は同駅で折り返している。当別町の中心駅で、札沼線でも利用者数は多い方に位置する。ここから先は農村地帯が広がる景色となり、町が途切れると言っても過言ではない。次の北海道医療大学は電化区間の終点で、北海道医療大学が駅前にある他は田園地帯が広がるだけで昼間は閑散としている。非電化時代から札幌からの列車は同駅で折り返していた。駅は変形の2面2線で、1線は行き止まり式となっており、新十津川方面へは1線がスルーする形になっている。このため、新十津川方面への列車は一つ札幌寄りの石狩当別駅で折り返している。

 

北海道医療大学以北は北海道最大のローカル区間で、秘境路線と言っても過言ではない路線である。田園地帯を進み1面1線の石狩金沢となる。この時点で、石狩当別までの都市近郊路線とは全く違う様相となる。輸送力格差が生じる路線は全国にも多く見られるが、ここまで大きく変わる路線はほかにないだろう。当別町内をずっと進み1面1線の本中小屋、中小屋となる。どの駅も無人駅だが、冬の北海道に対応するためか、車掌車を改造した駅舎が設置されているのが特徴的だ。それ以外は田園地帯に1面1線のホームがあり、どの駅も似たような風情である。中小屋はかつては交換設備があったようで、島式ホームになっており、駅手前には分岐跡が見られる。月形町に入り、月ヶ岡は1面1線で他の駅と似たような造りだが、駅舎だけはログハウス風の立派な駅舎が建てられている。このあたりは国道275号線と並行して走っており、冬場も豪雪地帯ではないので、代替交通機関の確保も可能と思われる。次の知来乙も1面1線で無人駅だが、同駅もこじんまりとした駅舎というか待合室がある。少し町が広がり、月形町役場など月形町の中心地に石狩月形がある。1面2線の行き違い駅で、駅員も配置される札沼線北部の要衝となる駅である。同駅止まりの列車も設定されており、ここから先は1閉塞となり、1列車しか入線できなくなる。

次の豊ヶ岡は1面1線で、周囲が林で覆われているため、平坦な札沼線の中でも稀な山間の小駅の風情がある駅となっている。実際には山間でもなんでもなく、少し走ると元の田園地帯に戻る。札比内も1面1線で、古びた駅舎がある。周辺にはポツポツと民家があるが、基本的には周辺は田園地帯が広がっている。浦臼町に入り、1面1線の晩生内となる。1面1線だが、島式ホームの形状となっており、かつては貨物引き込み線があった。最近ではデュアルモードビークルの実験設備があったが、計画自体が消滅してしまった。1面1線の札的を過ぎると浦臼町の中心駅浦臼となる。1面1線だが、かつては交換設備を有していた。駅員配置駅で、駅舎は新築され小奇麗なふれあいステーションとなっている。同駅で1日7往復中4往復が折り返し、ここから先は1日3往復のみの運転となる。次の鶴沼は1面1線で、付近に鶴沼公園や道の駅つるぬま、浦臼温泉などがあるが、札沼線の利用には結びついていないというよりも1日3往復の運転では利用に結びつかないだろう。鶴沼から国道275号線と離れて田園地帯を北上していき、1面1線の於札内となる。同駅は仮乗降場として開業し、分割民営化で駅に昇格した。周辺はまさに田園地帯で、ぽつんと駅があるだけである。秘境駅とは山間の小駅が対象のようだが、ここも秘境駅であることには違いない。新十津川町に入り、1面1線の南下徳富となる。ここも於札内と似たような感じで、寒さ凌ぎの駅舎はあるが、田園地帯にぽつんと駅があることには違いない。このあたりは北海道の穀倉地帯で、延々と田園地帯が広がっている。次の下徳富は1面1線だが、かつては交換設備があった。駅は集落の近くにあるが、それ以外は田園地帯が広がっており、浦臼以北は似たような駅ばかりである。真っ直ぐ北東方向を向いて走り、新十津川との間に中徳富があったが、2006年3月18日ダイヤ改正で廃駅となった。久しぶりに町中に入り、空知中央病院など沿線には見られなかった高層の建物を見て終点の新十津川に着く。新十津川も1面1線の棒線で、線路は石狩沼田方面へしばらく延びている。駅舎が設けられているが、駅員は配置されておらず、駅舎内に駅ノートが置かれて、同駅を訪れた旅人(主に鉄道ファン)が旅の思い出を記している。新十津川町役場や新十津川農業高校などが付近にあり、住宅も広がっているが、如何せん札沼線が1日3往復しか運転がないため、利用には結びついていない。18きっぷシーズンに鉄道ファンの利用が見られるだけで、普段は閑散としている。新十津川から東へ進み、石狩川を渡ると函館本線の滝川がある。徒歩50分程度で到達が可能である。函館本線の普通も運転本数が少ないが、このルートをうまく活用すれば効率よく乗り潰しができる。

  

鉄道コム

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