特急くろしおは天王寺~名古屋間を阪和線、紀勢本線、関西本線で結ぶ特急として1965年3月1日ダイヤ改正で誕生した。登場当初は紀勢本線、関西本線が非電化であったため気動車
特急として運転されていた。その後増発を重ね、1978年10月2日ダイヤ改正では紀勢本線和歌山~新宮間の電化が完成し、特急くろしおは天王寺~白浜、新宮間の運転となり、381系振り子電車を使用した電車特急となった。この時点で特急くろしおは天王寺~新宮間に7往復、天王寺~白浜間に2往復の運転で、エル特急の仲間となった。当時はグリーン車1両を含む381系9両編成での運転だった。1980年10月1日ダイヤ改正では急行きのくに3往復をくろしおに格上げし、特急くろしおは10往復体制となった。1985年3月14日ダイヤ改正では急行きのくにを格上げし、特急くろしおは16往復運転となった。381系だけでは運用がまかない切れず初めて485系を使用する列車が現れた。1986年11月1日ダイヤ改正では再び381系のみでの運転となり、運転本数は定期11往復、季節4往復の運転となった。381系編成の見直しが行われ、基本9両での運転ながら、くろしお9・23・6・18号の2往復に関してはグリーン車なしの6両編成が使用された。
1989年3月11日ダイヤ改正では急行しらはまの廃止により白浜発着のくろしおを1往復増発。季節列車3往復を定期化し、定期15往復、季節1往復の運転となった。1989年7月22日ダイヤ改正ではパノラマグリーン車を連結した特急スーパーくろしおの運転を開始。スーパーくろしおは6両編成で4往復が運転。また、天王寺で阪和線と大和路線を結ぶ短絡線が開業し、梅田貨物線を通って新大阪、京都へ乗り入れるスーパーくろしお、くろしおの運転も開始した。この時のスーパーくろしお、くろしおの運転は以下の通り。スーパーくろしお:京都~新宮間1往復、京都~白浜(新宮)間に1往復、新大阪~新宮間に1往復、天王寺~新宮間に1往復、くろしお:新大阪~新宮間に3往復、新大阪~白浜間に1往復、天王寺~新宮間に3往復、天王寺~白浜間に5往復。
1991年3月16日ダイヤ改正ではくろしお1往復をスーパーくろしおに変更してスーパーくろしおは5往復体制となった。1996年7月31日新型振り子電車287系オーシャンアローを投入。スーパーくろしおオーシャンアローとして3往復で運用された。1997年3月8日ダイヤ改正で紀勢本
線の地上設備改良が完成し、特急スーパーくろしおオーシャンアローを特急オーシャンアローに改称して、130km/h運転を開始。和歌山~新宮間でスピードアップを実施した。1998年からは381系のアコモ改造が実施され、外観塗装を変更の上、グリーン車を全て1号車に統一し、基本編成を6両編成に変更した。9両運転の場合、3両の増結編成を連結することで対処するようになった。2001年3月3日ダイヤ改正ではおはようくろしおをくろしおに変更して紀伊田辺発新大阪行きくろしお2号となった。2002年3月14日ダイヤ改正でははんわライナー7号をくろしおに格上げ。新大阪発紀伊田辺行きくろしお33号となり、くろしおが9往復体制となった。この時の運転体系は以下の通り。
特急オーシャンアロー:京都~新宮間下り3本、上り2本、新大阪~新宮間上り1本。
特急スーパーくろしお:京都~新宮間下り1本、上り2本、新大阪~新宮間下り3本、上り3本、天王寺~新宮間下り1本。
特急くろしお:京都~新宮間下り2本(季節1本)、上り1本(季節)、新大阪~新宮間上り1本、新大阪~白浜間下り5本(季節1本)、上り6本(季節1本)新大阪~紀伊田辺間下り1本、上り1本。
7月20日よりユニバーサルシティ駅への利便性を図るため、一部列車を西九条に停車とした。下り19号以降33号までの8本、上り2号から12号までの6本。
2004年10月16日ダイヤ改正でははんわライナー1往復を特急くろしおに置換え。スーパーくろしお編成を使用した新大阪~和歌山間のスーパーくろしお2号、35号の運転を開始。このうち2号は2005年3月1日ダイヤ改正から海南から毎日運転の臨時列車となった。
2010年3月13日ダイヤ改正では全てのくろしおが京都、新大阪発着となり、天王寺発着のくろしおは消滅した。また、同改正では停車駅の変更が行われ、くろしおの鳳停車は中止。代わりに日根野停車を増加させた。
2011年3月12日ダイヤ改正では新宮発着のくろしおの運転を見直し、2往復を白浜までの運転に短縮した。新宮発着の列車はオーシャンアローとスーパーくろしおに統一された。また、海南まで毎日運転の臨時列車となっていたスーパーくろしお2号を定期化し、海南~新大阪間の運転とした。運転形態は以下の通り。
オーシャンアロー:京都~新宮間下り1本、上り2本、新大阪~新宮間下り2本、上り1本、新大阪~和歌山間下り1本。スーパーくろしお:京都~新宮間下り1本、新大阪~新宮間下り3本、上り4本、京都~白浜間上り1本、新大阪~白浜間下り1本、新大阪~海南間上り1本。
くろしお:京都~白浜間下り1本、新大阪~白浜間下り5本、上り7本、新大阪~紀伊田辺下り1本。
2012年3月17日ダイヤ改正。オーシャンアロー、スーパーくろしお、くろしおの3種の愛称を全て統一して特急くろしおとした。特急くろしお4往復に287系を投入。京都、新大阪~白浜間で運用を開始した。同年6月には287系をさらに増備してくろしお7往復に運用。381系アコモ改造編成の運用が終了した。これによりくろしおの運転は287系を中心に、283系、381系パノラマグリーン編成となった。2013年3月16日ダイヤ改正ではくろしお2号を海南始発から和歌山始発に変更、新たにくろしお4号を新設し、海南始発で運転した。これによりくろしおの運転は下り16本、上り17本となった。
くろしお:京都~新宮間下り1本、上り1本(283系)、新大阪~新宮間下り6本(283系3本)、上り6本(283系2本)、京都~白浜間下り2本、上り2本、上り新大阪~白浜間下り5本、上り6本、新大阪~紀伊田辺下り1本、新大阪~和歌山間下り1本(283系)、上り1本(283系)、新大阪~海南間上り1本。