阪急今津線ガイド【西宮と宝塚を結ぶ阪急の準幹線を担う】

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1.概要

阪急今津南線
会社名 阪急電鉄
路線名 今津線
区間 今津~西宮北口
営業キロ 1.6km
駅数 3駅
平均駅間距離 0.8km
所要時分 3分
表定速度 32km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 80km/h
阪急今津北線
会社名 阪急電鉄
路線名 今津線
区間 西宮北口~宝塚
営業キロ 7.7km
駅数 8駅
平均駅間距離 1.1km
所要時分 14分
表定速度 33km/h
軌間 1435mm
電気方式 1500V直流
線路 複線
保安方式 ATS
最高速度 80km/h

阪急今津線は兵庫県西宮市の今津と同県宝塚市の宝塚を結ぶ9.3kmの路線である。かつては西宮北口にダイヤモンドクロスがあり、神戸本線と平面交差していた。これを通って今津~宝塚間を直通していたが、神戸本線のホーム延伸など西宮北口駅改良によりダイヤモンドクロスは廃止された。これにより今津線は南北に分断されて、現在も分断した状態が続いている。このため、運転系統は今津~西宮北口間、西宮北口~宝塚間の2系統に分かれている。前者を通称今津南線、後者を通称今津北線と呼んでおり、現在のところ全く性格が異なる路線となっている。今津北線は2008年に発売された有川浩氏の小説阪急電車の舞台になった。同小説は2011年に映画化され、スクリーンでは本物の阪急電車の中、物語が展開された。

駅№ 駅名 普 通 駅間距離 営業距離 所在地
HK-21 今津 0km 0km 西宮市
HK-22 阪神国道 0.7km 0.7km 西宮市
HK-08 西宮北口 0.9km 1.6km 西宮市

2.歴史

阪急今津線は1921年(大正10年)9月2日に西宝線として宝塚〜西宮北口間が単線で開業した。1922年(大正11年)4月1日に全線複線化完成した。同年6月1日に甲東園駅が開業した。1923年(大正12年)12月28日に仁川駅が開業した。1926年(大正15年)12月18日に西宮北口〜今津間が開業し今津線に改称された。1927年(昭和2年)5月10日に阪神国道駅が開業した。

1949年(昭和24年)12月13日に阪神本線へ今津線の電車が侵入し、久寿川駅まで暴走する事故が起こった。1967年(昭和42年)10月8日に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧した。1978年(昭和53年)3月10日に全線を軌道法に基づく軌道から地方鉄道法に基づく鉄道に変更された。

1984年(昭和59年)3月25日に西宮北口駅構内の平面軌道交差が廃止され南北の線路が分断された。1990年(平成2年)9月30日に宝塚駅高架化工事に伴い、宝塚〜宝塚南口間の単線運転を開始した。1993年(平成5年)5月23日に今津駅が移転され、営業距離が0.2km短縮された。同年7月18日に宝塚駅高架化が完成し、宝塚〜宝塚南口間の複線運転を再開した。

1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災で全線不通になった。同年1月23日に門戸厄神〜西宮北口間(単線運転)と西宮北口〜今津間が復旧し運転を再開した。同年1月30日に宝塚〜仁川間が復旧し運転を再開した。同年2月5日に仁川〜門戸厄神間が復旧し、今津線全線で運転を再開した。同年12月16日に阪神国道〜今津間下り線と今津駅が高架化された。

1997年(平成9年)7月26日に阪神国道〜今津間上り線高架化。1998年(平成10年)10月1日に西宮北口〜今津間がワンマン運転化された。2006年(平成18年)10月28日から下り梅田発仁川行き臨時急行の運行が中止された。2010年(平成22年)12月5日に西宮北口駅5号線ホームが高架化された。西宮北口〜今津が全線高架化。西宮北口〜阪神国道間が速度向上(上り55km/h → 65km/h、下り50km/h → 55km/h)により所要時間が短縮された。

2013年(平成25年)12月21日に全駅に駅ナンバリングが導入された。2019年(平成31年)4月に行楽期に宝塚〜嵐山間で運転されていた直通特急「とげつ」の運転を中止した。2020年(令和2年)4月に宝塚南口駅の副駅名「宝塚ホテル前」を廃止し、宝塚駅の副駅名を「宝塚大劇場前・宝塚ホテル前」に変更した。

3.阪急今津南線ガイド

今津南線の今津は島式ホーム1面2線の高架駅で阪神本線今津駅と連絡している。両駅とも高架化されたので連絡通路を通って乗り換えることができる。今津を出ると高架を走り、築堤に変わり対向式ホーム2面2線の阪神国道となる。阪神国道とは国道2号線の通称で、同国道との交点に駅がある。阪神国道を出るとJR神戸線を跨いで、高架線を行く。西宮北口手前で地上に下りる短絡線を分岐して単線になる。単線のまま西宮北口に着く。西宮北口は1面1線の高架駅で神戸線の橋上駅舎につながっている。今津方に南口があり、西宮ガーデンズと連絡橋で繋がっている。

4.阪急今津北線ガイド

駅№ 駅名 副駅名 準急 普通 駅間距離 営業距離 所在地
HK-08 西宮北口 阪急西宮ガーデンズ前   0km 0km 西宮市
HK-23 門戸厄神   1.3km 1.3km 西宮市
HK-24 甲東園   1km 2.3km 西宮市
HK-25 仁川 阪神競馬場前 0.9km 3.2km 宝塚市
HK-26 小林   1.7km 4.9km 宝塚市
HK-27 逆瀬川   1km 5.9km 宝塚市
HK-28 宝塚南口   0.9km 6.8km 宝塚市
HK-56 宝塚 宝塚大劇場前 0.9km 7.7km 宝塚市

今津北線は西宮北口の6号線、7号線から発着しており、6号線の隣には神戸本線との短絡線がある。この短絡線を通って神戸線直通の準急や臨時急行が運転されている。短絡線にはホームがない。ここを通過する列車は全て西宮北口駅は通過となる。西宮北口では神戸本線と今津南線と接続している。神戸本線との乗り換えには階段の昇り降りが伴う。神戸本線梅田行き副本線には乗降分離用のホームがあり、そのホームは今津線とは壁を隔ててつながっている。朝ラッシュ時などに利用が集中して混乱を避けるために壁を設けて今津線と神戸本線の乗り換えは橋上を介して行っているが、今津線利用者の目からすると当然ながら階段の昇り降りはない方が良い。西宮北口を出ると真っ直ぐ北上していく。国道171号線と交差して対向ホーム2面2線の門戸厄神となる。関西では厄除けの神様として有名な門戸厄神と呼ばれる東光寺は北西へ約700mのところにある。

門戸厄神を出ると山陽新幹線と交差する。1995年1月17日の阪神淡路大震災でこの山陽新幹線の高架橋と先の国道171号線の高架橋がの時に崩落して今津線は不通になった。次の甲東園は対向式ホーム2面2線で橋上駅舎化されている。関西学院大学への最寄駅となっており、他にも私立大学、高校がひしめいており、学生の利用が非常に多い。

甲東園を出ると左にカーブして丘陵地を駆け上がり仁川を渡って、宝塚市に入りすぐに対向式ホーム2面2線の仁川となる。阪神競馬場への最寄駅で、競馬場とは地下の連絡通路で結ばれている。今津線の各駅は上り線のみ8連に対応したホームになっているが、仁川は臨時列車運転のため下り線も8連に対応したホームとなっている。宝塚方には折り返し線があり、競馬開催時には臨時急行や西宮北口~仁川間の区間電車が折り返している。また、その引き上げ線があるところに上り臨時降車用ホームがあり、競馬開催時など利用者が集中する時には、上り電車は一旦臨時ホームで乗客を降ろして、仁川駅に入線するようになっている。仁川は競馬場の他に甲山森林公園や仁川自然植物園に近く、休日には家族連れなどで賑わっている。

宝塚市内を北上していき、勾配区間を抜けると桜並木の中を走る。春には満開の桜の中を走る。小林は対向式ホーム2面2線で、小林聖心女子学院への最寄り駅となっている。小林を出ると左にカーブして対向式ホーム2面2線で橋上駅舎の逆瀬川となる。同駅は宝塚市役所への最寄駅で、周辺は住宅地が広がり利用者も多い。駅の両側にはバスターミナルもあり、駅前にはショッピングビルが建ち並んでおり、宝塚市の中心地駅になっている。

逆瀬川を渡って高架に上がり、右にカーブしながら対向式ホーム2面2線で高架駅の宝塚南口となる。同駅は宝塚ホテルへの最寄駅で宝塚ホテル前の副タイトルも付く。同駅を出ると対岸に宝塚大劇場を見ながら武庫川を渡る。高架線で宝塚大劇場の横を走り、左にカーブする。かつては宝塚ファミリーランドの姿が左右に見られたが、今は宝塚ガーデンフィールズという有料公園となっている。右手から阪急宝塚線が近づいてきて、屋根に覆われた高架駅が見えると宝塚である。宝塚駅は2面4線の構造で、今津線は1面2線の専用ホームを持っているが、データイムは宝塚線との相互接続を考慮して今津線電車は宝塚線ホームから発着している。今津線電車は1、2号線が専用ホームとなっており、宝塚線ホームへは3号線のみに乗り入れが可能な配線となっている。今津線電車発車時には、鉄腕アトムのメロディが流れる。

  

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